薬剤師塾の今後の取り組み2022年4月27日
薬剤師塾の運営については、いろいろと悩みながらでも、少しずつでも改善したいと思っています。薬剤師塾開催後にアンケートを取ってみると、以下のようなご意見が出ています。
①これまでやってきた薬剤師塾を再放送してほしい
②開始時間帯を火曜日18時よりも19時から、土曜日13時よりも14時以降にしてほしい
③「一方向性の講演+質疑応答」の従来の形式だけでなく、「少人数でのディスカッション」も取り入れてほしい
希望者のみに日程を限って再放送することは可能ではないかと思っています。ただし開始時間帯は日常業務を行っているI&H株式会社のスタッフの援助によって、この薬剤師塾の運営が成り立っているため、平日19時以降から(22時近くまで残ることになり、通勤上の問題があります)、土曜日16時から(I&Hの社内の薬剤師塾があります)などの開催は困難で、①②については再放送するとなると平日18時からの開催になると思いますが、これまでのアーカイブも含めて再放送をすることによって解消できそうです。これまでの薬剤師塾、これからの薬剤師塾の予定を以下に示しますが、これからは③症例をベースにした「少人数でのディスカッション」もできればやってみたいと思います。双方向性ですので、得られる情報量は少なくなりますが、考え方が飛躍的に向上すれば、参加者の興味次第で、大きく成長する薬剤師が出そうな気がします。ただしディスカッションに参加する方は、所属・氏名・顔を出していい方のみ8名足らずに絞り、それ以外の方はオーディエンスとして静観していただく形になりますが、オーディエンスにも質疑はできるようなスタイルの薬剤師塾も隔月程度でやってもいいかと思っています。
今後とも、先生方のご意見、ご要望をいただければ、幸いです。
今までの薬剤師塾とこれからの薬剤師塾の予定
回数 | 講演タイトル | 日時 |
01 | 薬剤師ってなに? | 2021.04.24 |
02 | 高齢者薬物療法について考える triple whammy処方への対応 | 2021.06.01 |
03 | 腎機能をしっかり見れる薬剤師を目指そう | 2021.07.06 |
04 | CKD患者の腎機能を守るための薬剤師の役割 ポイントは蛋白尿と血圧 | 2021.08.10 |
05 | 腎機能低下時に減量が必要な薬 根拠は尿中排泄率だけじゃない | 2021.09.07 |
06 | NSAIDsの腎障害 アセトアミノフェンに腎障害はある? | 2021.10.05 |
07 | SGLT2阻害薬の腎機能低下抑制作用とAKI防止作用 | 2021.11.02 |
08 | 初めての学会発表から、博士号取得までの道 | 2021.12.07 |
09 | 透析患者の薬① 基礎編 病態と薬物療法 | 2022.01.04 |
10 | 透析患者の薬② 応用編 合併症と薬物療法 | 2022.02.01 |
11 | 腎臓が何をやっているか①糸球体編 ようこそこの複雑で精密な世界へ | 2022.03.01 |
12 | 腎臓が何をやっているか②尿細管編 ようこそこの複雑で精密な世界へ | 2022.04.16 |
13 | 透析患者の便秘と下剤の適正使用 たかが便秘と考えないで!透析による虚血によって腸管穿孔することも |
2022.05.14 |
14 | 腸腎連関 心血管病変・腎機能を悪化させる尿毒素は腸内細菌によって産生される |
2022.06.18 |
15 | 透析を科学する CHDFの薬用量、透析後の補充用量ってわかります? | 2022.07.09 |
16 | 物性から薬物動態を理解してみよう 「動態=薬の顔・特徴」だと思えば動態なんて難しくない |
2022.08.13 |
17 | 広げてみようTDMの世界 薬剤師が主役になれる薬物療法 | 2022.09.10 |
第 12回 基礎から学ぶ薬剤師塾 Q&A
腎臓が何をやっているか ~尿細管編 ようこそこの複雑で精密な世界へ ~
ゴダイ薬局 足立和夫先生
唯一、声を出していただいたご質問です。ありがとうございます。下記の内容だったと思いますが、記憶間違いしていればごめんなさい。
Q.フロセミドとアルブミンを併用する臨床的な意義は?
第13回 基礎から学ぶ薬剤師塾 2022年5月14日(土)13時~15時まで の申し込みを始めます。今年度より皆さんの要望により土曜日(5月以降は第2土曜日の13-15時の予定)です。今回のテーマは「透析患者の便秘と下剤の適正使用」です。
な~んだ、今回のテーマは便秘?ずいぶん軽いテーマだなと思っていませんか?透析患者は健常者の5~10倍便秘しやすく、腸閉塞は透析患者の死因の第9位で、毎年300人以上が死亡していますが、透析患者の死亡原因病名リストには「腸閉塞」しかありません。透析患者の致死性腸病変は腸閉塞だけでなく、虚血性腸炎、腸管穿孔、腸管壊死など様々で、これらの病変に続発する腹膜炎や敗血症は感染症に分類されるかもしれないため、年間300名は過小評価されている可能性があります。少なくとも300名以上が便秘に関連した死亡が認められると考えた方がよいでしょう。
この原因としてはカリウム吸着薬やリン吸着薬などの不溶性薬剤の投与、血液透析による腸管虚血が原因として考えられます。さらに透析患者さんはカリウム制限で十分な食物繊維を摂れない、水分制限があることや、安易な経口抗菌薬の投与により、腸内細菌叢の多様性が失われていることも重要な要因と考えられます。その対策についても考えたいと思います。
参加を希望される方は 申し込みフォーム に記入のうえ、送信してください。
薬剤師塾への参加者はどなたでも構いませんが、ぜひ学会発表を目指している方に参加していただきたいと思います。そしてその先には原著論文を書き、海外の学会で発表し、英語論文をまとめて博士号を取るんだというような大きな夢を持つ人になっていただきたいと思います。300名まで参加可能ですが、最近の登録者数は200名を超えていますので、早めに登録してください。