2015年10月

 腎臓病の薬物療法に関する初めての全国規模の研究会ができて9年、この間、研究会から学会になり、学会誌を創刊、専門・認定薬剤師制度の確立、ホームページのリニューアル、専門薬剤師テキストの刊行と突っ走ってきた日腎薬(カッコよく言えばJSNT: The Japanese Society of Nephrology and Pharmacotherapy)。そして今年から一般社団法人に。しかも学会を支える地域腎薬も21か所に増え

20151027_図1.jpg、地域連絡協議会を開催し、各地の「腎と薬剤研究会」とより密接な連絡を取りつつ、大規模調査・研究もやろう、そして国際交流も視野に入れて…。夢は膨らむばかりです。

 第1回の大阪大会、第2回の熊本大会とコンベンションもつかずに手弁当で500人の参加者を集めました。でも演題数は30前後しか集まらなかった。ところが昨年の第8回大阪大会(和泉智大会長)は参加者1300人を超す大盛況。でも午後に台風のために2日目午後のプログラムがすべて中止に。翌年の認定試験も台風に見舞われ、大会事務局長であり学会副理事長の木村健先生はこれ以後、台風男と呼ばれるようになりました。

 今年の仙台(土屋節夫大会長)は九州・四国からは不便なのでという不安もどこ吹く風。なんと参加者1150名以上、演題数も過去最高の146演題。

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しかも討論が活発でとても熱い学会でした。仙台の実行委員の先生方、そして理事の先生方、本当にありがとうございました。

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 大会の土屋大会長と僕は大阪薬科大学でクラブも一緒、43年の長い付き合いです。

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 10年前までずっと関西で一緒でしたが、今は仙台と熊本、かなり離れていますが、心が1つになれた学会でした。僕は教育講演、よくわかるシリーズのシンポジウム、理事長講演、地域連絡協議会、評議員会、総会と超多忙でしたが、楽しめましたし、寸暇を惜しんで朝の6:30から親友の宮村先生(熊本中央病院)、八重先生(鈴鹿医療大学)と一緒に仙台駅から青葉城までランニングも楽しみました。

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 来年は11月19(土)、20(日)に横浜のパシフィコ横浜アネックスホールで牧野以佐子先生が(JCHO横浜中央病院薬剤部)大会長、2017年は平川雅章(福岡徳洲会病院薬剤部)が福岡で、2018年は伊藤譲(レモン薬局三方原店)が浜松で、そして2019年には熊本城ホールが完成する熊本で僕が大会長をする予定です。このころはそろそろ引退ですが…。

 

 

大阪の腎センター・白鷺病院を2005年9月に退職し、10月から2006年の3月末まで米国オレゴン州立大学およびその近隣病院で臨床薬学教育および臨床研修を体験したのち、熊本に来て10年位なります。

ずいぶん前から熊本には縁が深く、私がほとんど無名のときに講演会の講師として呼んでいただいて以来、何度か講演会や学会、あるいは阿蘇での一泊研修などでもお世話になりました。また逆にあの小さな(たった92床)の白鷺病院に数日以上の研修に来られた薬剤師数も熊本の方が過去最高人数でした。そんなことから熊本には不思議な親近感を感じており、同時に熊本の薬剤師は「熱いなぁ」という好印象を持っていたため、熊本大学の教授就任のお話をいただいたときには非常に感激した覚えが今も残っています。

さて熊本大学に行くことは決まったけれども、私が熊本に来ていったい何ができるだろうか?と自問自答を繰り返し、渡米中も門脇大介助手(前八代総合病院薬剤師)とインターネット電話やメールで連絡を取りながら、どちらからともなく、「今度できるうちの教室が熊本の近隣の薬剤師が自由に出入りできるようなサロンのようになったらいいよね」という話が出たとたん、2人とも興奮して1日に何度もメールでやり取りをし、その「サロン化計画」について夢を語り合ったものでした。薬剤師がある症例への対処に困ったとき、欲しい情報が見つからないとき、学会発表や院内・薬局内プレゼンテーションのやり方やどのような統計手法を使えばよいか迷ったとき、文献のまとめ方や英文抄録の作成に困ったとき、出身大学に関係なく何でも気軽に相談できる場所が近くにあればよいに違いありません。

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私自身は教職についたとはいえ30年近く薬剤師をやってきましたし、門脇准教授(当時助教)も同様に8年間薬剤師をやってきました。その経験を生かし、熊本の薬剤師を活性化し、リサーチマインドを持たせて共同研究を展開し、活発に学会発表・文献投稿する薬剤師を育てて行きたいと考えています。でも誤解してもらっては困ります。学会発表や文献投稿する薬剤師だけのためにサロンを作るのではありません。我々自身も薬剤師の刺激を受けつつ前向きに成長して行きたいと考えているため、現役薬剤師との交流は我々にとっても大きなメリットになると考えているからです。そしてその交流によって学会発表、文献投稿する薬剤師が結果的に増えれば、学会で鍛えられ、文献を査読したレフェリーに鍛えられて、薬剤師としての科学的なものの見方、考え方がさらに高度になり、薬剤師としての実力は明らかに向上していくはずです。その結果として「熊本の薬剤師は違うなぁ」と全国の人にうわさされるようになればいいなぁと夢見ています。

現在は毎週火曜日7時半から英語文献を読む抄読会を模擬薬局で開催しています。これは熊本に赴任してから10年続いています。もちろん参加者に制限はありませんので、開局薬剤師、病院薬剤師、薬学研究者あるいは薬学生、誰でも参加できます。「え~!英語論文なんて読めっこない」なんて思っていませんか?英語論文は、文法が簡単ですから専門用語に慣れれば誰でも簡単に訳せるようになりますし、英訳できるようになればPubMedで文献検索することによって最新で的確な情報が得られるようになり、薬剤師の能力も確実にアップします。抄読会は英語論文を読んで最新の情報を得るだけでなく、その論文についてディスカッションをすることによって薬剤師としての科学的な思考能力が高まってきますし、薬剤師同志の交流の場ともなります。将来的には症例検討会も一緒にできるくらい発展していくことを期待しています。現時点では毎回20名前後の参加者(学生だけでなく薬剤師も医師、他教室の教員も参加しています)が、実に和やかに歓談できる抄読会になっています。

当薬剤師サロンは抄読会開催時以外でも基本的に土日以外は夜11時くらいまではいますので「いつでもどうぞ」、と言いたいところですが、2人とも学会出張や休暇をとる場合もありますので、096-371-4856に前もって電話いただければ幸いです。

 

薬剤師サロンのご案内

場所:〒862-0973 熊本県熊本市大江本町5-1 熊本大学薬学部 臨床薬理学分野

熊本大学薬学部正門のA棟の2階にあります。

スタッフ:平田純生、門脇大介

営業時間:月曜日~金曜日の朝9時より夜11時くらい(アバウトですので、電話096-371-4856 またはE-メールhirata@kumamoto-u.ac.jp で要予約)

得意分野:二人とも臨床の腎臓についてはめっぽう強いですが、漢方薬、抗がん剤など、正直、苦手な部分も多くあります。

抄読会のご案内 詳細はコチラ

毎週火曜日夜7時半より模擬薬局で開始、育薬フロンティアセミナーになることもありその時は宮本記念館で開催します。参加は全く自由で当日の飛び入りも歓迎です。

 

◆2015年5月の熊本腎薬ワークショップをYoutubeにアップしました。参加できなかった方もぜひ視聴されて下さい。

 昨年、当会では「日本腎臓病薬物療法学会が認めた薬剤師から学ぶ今日からできる!腎機能に応じた薬物投与設計」と題して、新人薬剤師を対象とした少人数研修会を行いました。研修会後に行ったアンケート調査の結果、経験年数に関係なく、今後も継続してほしいという多くのご意見を頂きました。そこで、今年は、より多くの先生方に参加していただくため、定員を60名から90名に増やして研修会を行うこととなりました。腎機能の評価方法から始まり、薬効別に腎機能に応じた投与設計や透析患者での薬物療法を学ぶことができます。 

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プレアンケート

  https://www.youtube.com/watch?v=TQFZggpf5-c

腎機能に応じた薬物投与設計の基礎(古久保)

  https://www.youtube.com/watch?v=dP-TFanhwBo

アイスブレーキング

  https://www.youtube.com/watch?v=GL9xRHGXaLU

抗凝固薬(大島)・糖尿病薬(平良)

  https://www.youtube.com/watch?v=-0Mkg1lhws0

鎮痛薬 (長谷川)・抗うつ薬(宇藤)

  https://www.youtube.com/watch?v=eVuZDHnSHOM

腎機能の正しい評価(平田)・透析患者へのアシクロビル投与法 (古久保)

  https://www.youtube.com/watch?v=epIznrC_-SU

カープが最終戦で負けた。

7回が終わるまでマエケンがヒットを打たれながらも後続を打ち取る粘りのピッチングを見せて0対0の緊迫した投手戦。

そして勝ち試合か引き分けの時には守ってくれる大瀬良君が今日は打たれて負けた。

でも大瀬良君は今年1年よく頑張った。

降板した後のベンチで嗚咽していた。

でも新井のたった1安打じゃ勝てっこないよな。 

論文を書いてたけど、まったく筆が進まないので、ブログに変更。

実は僕は広島県呉市出身(中国労災の前田頼伸、兵庫医大病院の木村健は僕の後輩)。両親ともカープの大ファンで僕も大好きだったけど、ホント、弱かった。

4位になったら「今年はよくぞ頑張ってくれた」って思っていたもの。

だから3年連続最下位の後の1975年の軌跡の初優勝は本当に興奮した。

「江夏の21球」は大阪球場の3塁側でちゃんとナマで見た、生粋のカープファンです。

もう何年も優勝していないカープ。

一番、お金のないカープ。

3年前にマツダスタジアムの長男と行ったらカープの先発9人のほとんどが背番号50番台と60番台で9人併せても巨人の阿部1人の給料より安かった。笑っちゃったね。

でもその中で菊池、丸が成長した。大瀬良君も田中広輔も入ってきた。

2015年、今年は絶対に優勝すると信じてた。

去年はあと1勝していたら阪神よりも上の2位だったはずの3位。

そして昨シーズンが終わると感動的なことにかつてのエース黒田が大リーグからカープに帰ってきてくれた。そして、かつての4番の新井も阪神から帰ってきたんだから。

今年のカープは違う。カープ女子も増えたし、チケットが取れないことはよくわかっていた。

だからリーグが始まる前の3月に今までにないチケットの大量予約をした。

5月15(金)、16(土)、17(日)のマツダスタジアムでのDeNA戦。これは鹿児島に住む長男と嫁との3人で。嫁はそんなに野球好きじゃないけど長男と一緒に応援できるとなると喜んで広島についてきてくれる。カープは今や平田家の絆なのです。

 

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6月14(日)、まあ勝てっこないだろうけどヤフードームでのホークスとの交流戦。これは野球好きのそろっている

わが 臨床薬理学分野の5年生の男子3人と一緒に。なんで章也だけホークスのユニフォームなの? 

そして優勝決定で、緒方監督の胴上げを見るためにと思って取った甲子園での9月12日(土)、13日(金)の阪神戦チケット。これは長男、嫁、それに大阪在住の次男(あまりカープに興味ないので野球は見なかったけど一緒に食事はした)も加わって応援。これもカープが繋いでくれた平田家の絆。でもこのおかげで土日はほとんど出勤して仕事ははかなりやったね。だって忙しいんだもの。

結果はDeNA戦は5月15(金)●5-6、16(土)●1-2、17(日)○2-1 去年までカモにしてたDeNAは今年はなかなかしぶとい。というかなかなか打てない。エルドレッド、早く帰ってきて~。
ホークス戦は前日まで奇跡の2連勝したものの福井が打たれて●2-7 やっぱり強いホークス。ヤフードームに何回か来たけど今までに1回も勝たせてもらっていない。

9月の阪神戦は12日(土)△2-2、13日○3-0マエケンと大瀬良君で完封!

だけど12日の引き分けが大問題!

12日の試合、延長12回表、広島の田中広輔の大飛球は中堅フェンス際で大きく跳ね返ってグラウンドに戻ったように見えた。実は僕はこのタイガーマスクの左後ろ約10mの距離で見ていたのだ。

このタイガーマスク、ただ者ではない。阪神の応援団で、プロレスラーのように体格がよく応援の踊りの切れがいいというか手足の動かし方が非常に決まっていて、気になっていた。こんなに大写しになるとはね・・・・。

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甲子園のファンはたちが悪い。だからグラウンドに飛び出さないよう、電車の荷物置きのようなネットがフェンスの真下に取り付けられているのだ。(僕が撮った写真の赤い矢印。それにしても地味な応援団だけどタイガーマスクはこの画面左前にいたけど写っていない)それに当たって、普通はレフトスタンドに入るはずが、なんと跳ね返ってグラウンドに戻っちゃった。実は僕はこの瞬間、ボールから目を離していた。だけど隣で見ている長男はちゃんと見ていた。「あれは絶対に入っていた。ビデオ判定や!」。だけじゃない。前にいる阪神ファンも後ろにいる阪神ファンも「あれは絶対入ってたで」と言っている。案の定、ビデオ判定。だけど審判団はビデオ判定でフェンスを越えていないと判定。「なんでだよ~!ウソだろう!」

この判定はのちに正式に誤審と認められる。この1勝があればカープは楽にクライマックスシリーズに行けたのに・・・・・・。だって写真を見たらあのタイガーマスクの目の前にネットを超えたボールが写っているんだから。

 

その後、熊本の上通りにある広島風お好み焼き屋「ええじゃろ」で臨床薬理のカープ男子・カープ女子(に無理やりさせた)に囲まれて9月25日の阪神戦●0-3でまたも負けた。でも「ええじゃろ」のマスターは広島で老舗のお好み焼き屋「みっちゃん」で修業していたので味は抜群!

美しいカープ女子にかこまれて念願の写真撮影もした。

5.pngおじいちゃんと孫娘みたい。でも至福の時…(ごめん。カープ男子もいたけど絵にならないのでカットした)。ちなみに背番号60のユニフォームは去年の還暦祝いで臨床薬理のみんなからのプレゼント(ほんとは安倍ちゃんだけど)。

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そして10月7日、運命の最終戦は終わった。負け投手は大瀬良君。そして終盤の怒涛の5連勝の後のヤクルト戦も負け投手はヒースだったけど大瀬良君が打たれちゃった。今日の大瀬良君は責任を感じたのだろう。降板後、ベンチで泣きじゃくっていた。それをマエケンがかばっていた。

でもね。マエケンが15勝で最多勝になったのも、ジョンソンが14勝したのも点を取ってくれないカープで1点差の試合を大瀬良君と中崎がどれだけ守ってくれたことか。

今シーズンが終わるとマエケンは大リーグに行く予定。来年、黒田は来年41歳、新井も来年39歳。こりゃ、マー君の抜けた楽天みたいになりそう。

来年も超優秀外人KJ(ジョンソン)が今年と同じ様な成績を上げてほしいけど、他チームも研究してくるから今年と同じように勝てるとは思えない。中継ぎだった大瀬良君はたぶん先発になるだろうね。だけど今年、いろんな辛いことを体験した大瀬良君は一回りも二回りも大きくなってくるはず。そして黒田おじさんの最後の教えをもらって成長するだろう。

僕は大瀬良が大好き。これはカープファンならだれでも知ってるけど大瀬良は「すごくいい人」。ピッチャーって、わがままな人が多いらしいけど大瀬良は甲子園の阪神ファンも言っていた「大瀬良って、めっちゃええやつらしいな」って。やさしすぎるから実力があるのに力を出し切れないのかもしれない。

大瀬良君を知らないみんなにはYoutubeで「大瀬良×天谷」で検索してほしい。そして「大瀬良×弟」でググってほしい。いいお兄ちゃんだからってわけじゃないけど来年は大活躍してほしい。実は背番号14はカープのエース番号です。3回のノーヒットノーラン、そのうち1回は完全試合をやった僕の大好きな鹿児島県出水市出身の外木場義郎、脳腫瘍で32歳の若さで亡くなった炎のストッパー・津田恒美。その背番号14を背負う大瀬良大地が好き。

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プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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