◆第73回 6月18日(木)初級者編 お申込はこちらから
透析患者の薬物療法~CKD-MBD~ 「ミニレビュー:薬剤師でも知っておきたい透析患者の栄養管理」森住 誠
◆第74回 6月25日(木)中級者編 お申込はこちらから
透析患者の薬物適正使用~腎性貧血を中心に~
◆第75回 7月9日(木)初級者編 お申込はこちらから
抗菌薬適正使用の理論と実践 序論
◆第76回 7月16日(木)初級者編 お申込はこちらから
抗菌薬適正使用の理論と実践 実践編
※お申し込み期限は講演会開始直前までとなります。
お申し込みの際は 免責事項 をご確認のうえお手続きください。
2026年7月16日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。
◆第76回「平田の薬剤師塾」中級者コースのテーマは
「抗菌薬適正使用の理論と実践 実践編」です。
高齢化に伴い、栄養状態不良・免疫能低下によって感染症罹患率が上昇した腎機能不良患者に遭遇する場面は多い。透析時を含むCKD病患者や高齢者への抗菌化学療法の考え方、また殺菌性抗菌薬のほとんどが腎排泄性であるため、腎機能低下患者に対する抗菌薬の考え方(特にTDMが必要な薬剤について)など、薬剤師に必要な知識や臨床現場で活用できるような抗菌療法の考え方について学びましょう。
腎機能は加齢とともに低下ししかも加齢とともに筋肉量も減少し、85 歳以上では50%以上がサルコペニアになる。そしてまさにこのような患者こそが免疫能が低下して、容易に感染症に罹患する。しかし骨格筋由来の血清クレアチニン(Cr)値は腎機能が低下しても、高齢者では上昇しにくい。特に長期臥床高齢者では血清Cr 値が低いため未補正eGFR が200 ~300 mL/min/1 .73 m2 の高値に推算されることがあり、バンコマイシンなどの腎排泄性抗菌薬の過量投与が問題となる。
ICU 患者は臥床患者なので短期間に筋肉量は減少するものの、全身熱傷などの若年者では過大腎クリアランス(ARC: augmented renal clearance)の症例もいる。前者では筋肉量が少ないから血清Cr 値が低くなることによる腎排泄性抗菌薬の過量投与、後者では腎機能が高いから血清Cr 値が低くなることによる腎排泄性抗菌薬の過小投与が問題になる。つまり同じ血清Cr 低値といっても対処法は真逆になる。バンコマイシン、テイコプラニン、アミノグリコシド系抗菌薬などのTDM 対照薬も含め、殺菌性の腎排泄性抗菌薬はなぜか腎排泄性のものがほとんどなのだ。さらにICU 患者の腎機能は変動しやすいこと、持続的血液透析濾過CHDF(continuous hemodiafiltration)患者では通常の血液透析よりもクリアランスがやや高いこと、尿量のある患者では残腎機能をCHDF クリアランスに加えて評価する必要があることも頭に入れておこう。
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。
2026年7月9日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。
◆第75回「平田の薬剤師塾」初級者コースのテーマは
「抗菌薬適正使用の理論と実践 序論」です
大学で学んだ薬物治療学ではわかりにくかった感染症の基礎と抗菌薬について解説します。殺菌性抗菌薬はほぼ腎排泄であり、グラム陽性桿菌、陰性球菌は覚えなくていいなど(臨床的にはあまり重要ではないから)、我流ではありますがで、きるだけ分かりやすく解説したいと思っています。内容は以下の通り、基本的なことです。
・グラム染色って知ってる?
・グラム陽性菌と陰性菌はどう違う?
・主にどんな細菌が感染症に関わっている?
・グラム陽性菌で重要な菌は球菌?桿菌?
・グラム陰性菌で重要な菌は球菌?桿菌?
・どんな抗菌薬がある?
・殺菌性抗菌薬と静菌性抗菌薬か分かる?
・細胞内寄生菌ってどんな菌?
・細胞内寄生菌に効く抗菌薬の特徴は?
・抗菌スペクトルは広い方がいい?狭い方がいい?
・致命的な重症肺炎または敗血症患者が入院してきた。まず何をする?
・耐性菌を防ぐには?
・De-escalationでエスカレーションについて
・抗菌薬のPK/PDと投与方法:序論
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【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。
5月14日(木)開催の、「必要とされる薬剤師はここが違う~初めての学会発表から、論文作成~」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.8年前臨床が楽しくて、学会発表を年に1回行っていました。腎薬に論文投稿しました、何度もやり直しましたがリジェクト数回。論文に長ける教授経験のある医師に手伝ってもらっての結果でした。その後まったく臨床に興味がなくなり、現在何に疑問も抱かずに7年過ごし危機感を感じています。患者さんの役に立つ薬剤師になりたい。何から始めたらいいでしょうか
A.なんでもいいですから、「薬剤師として心ときめく」ってことはないですか?
例えば、病棟に行って患者さんと話しているうちに、「この人のために何とかしてあげたい」と思ったこと、医師がよく分かっていない薬物動態などの得意な情報を駆使して、薬剤師として問題を一気に解決できたような「達成感」を経験したこと、学会や講演会で「これだ」と思うような刺激を感じたこと、患者さんに説明したあと、「あんたの説明が一番よく分かった」と言ってくれたこと、このような「薬剤師として心ときめく」ことを探してみてください。そしてそれに向かって一生懸命頑張ってみませんか?
Q.人間薬剤師の強み、人間薬剤師にしかできないこと、どのような能力、技術を身につければA Iに取って代わられない薬剤師になれるでしょうか。
A.AIは瞬時にデータを解析することができますが、患者さんとの心のこもったコミュニケーション能力は人ならではのものです(AIの表面上の思いやりは見せますが)。AIの示したデータを最終的に判断するのは薬剤師である人間ですし、患者さんの心の中をうかがい知ることができるのも薬剤師である人間だと思います。
様々な患者さんと接してきた薬剤師としての経験値はAIに取って代われないものだと思っています。今後、AIによって消えてゆく医療職もありますが、調剤しかできない薬剤師でなければ、薬剤師は生き残る職種だと思います
5月14日(木)開催の、「必要とされる薬剤師はここが違う~初めての学会発表から、論文作成~」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
Medsearch AI とNotebookLMを使いたいと思いました。自分の知識の整理にもなると感じました。平田先生の薬物動態に関する本がでるのを楽しみにしています。早くよみたいです。
AIは嘘をつくので、こわいと思い、利用したことがありませんでしたが、 今回ご紹介いただいたものを上手く使えば大変役に立ちそうだなと感じました。薬剤師の仕事はAIに乗っ取られるなど言われてしまうこともありますが、今後はAIを上手く活用できる薬剤師が求められる時代になるのかなと思いました。トライしてみようと思います。
具体的にAIツールをどうやって活用するかのイメージが湧き、色々と試してみようと思いました。ありがとうございました。
本題に入るまで時間がかかりすぎ。オンデマンドで聞きたいところだけ聞きます。
大変参考になりました。
notebookLMの使い方があまり分かりませんでした。
活用の仕方、どんなものを使われてるもわかりました。 でも実際に使ってみないとなかなか身につかないだろうなとも思いました。 chatGPT、gemini、notebookLMなど試しいますが実際に演習できるような場があればよいなと思っています。 あと血圧動画ですが間違いをどう説明するか悩んでます。学会が140/90は変らない声明してますが、健保の受診勧奨基準の160/100を信じる人は納得しません
A Iの技術が発達して、薬剤師という職業がロボットに置き換えられてしまうのではないかと不安を感じております。このような環境の中で人間薬剤師としての強みや、人間薬剤師でなければ出来ないことは何かを改めて考えさせられる時間となりました。貴重なご講演をありがとうございました。
メディサーチためしてみます。
本日も有難うございました。在宅や同行回診にて医師から突然の質問があったときに正確に早く回答が出来たら・・と思っていたのでMediSesrch AIなど早速利用してみたいです。
言語のニュアンスがうまく翻訳されていないことで正確に伝わっていないかもしれないことに気がつけた。
興味深い内容を今回もありがとうございました。NotebookLMの使用経験はありましたが、あまり活用できていないためとても参考になります。MedisearchAIは前回の講義で知ってから使用しています。ChatGPTを普段使用していますが、Geminiも含め各AIの特徴についてもイメージを持てました。いろいろ試しながらうまく使えるようにしたいと思います。
最新のAI情報と具体的な使用方法についてとても参考になりました。私もNotebook LMを使ってみようと思います。
大変参考になりました。
AIの活かし方を整理できてよかったです。Google Driveの活用法まで提示してくださり、今後はこれまで以上に、エビデンスに基づいた処方提案を実践したいと思いました。ありがとうございました。
現在のAI 技術・能力・活用方法がよく理解できました。ありがとうございました。
5月7日(木)開催の、「薬剤師として知っておきたい病態と薬の基礎の勉強方法 ~レベルアップするための専門外の病態、薬物療法、基礎薬学のアップデート法~」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.調剤業務中に急ぎでAI検索する事があります。今はパソコンにcopilot(チャットGPTと連携)標準装備なので、プロンプトにあなたは薬剤師です、とか、添付文書情報、インタビューフォームの情報をもとに回答して、と情報を限定して質問する事があります。明らかな間違いは滅多に見ない、でも元の文章は確認するようにしてるのですがどう思われますか。
A.調剤業務中に急ぎの場合にはAIは有用だとは思いますが、生成AIの回答はもっともらしいのですが、よく「古い情報」を引用して「もっともらしいウソをつく」ことがありますので「最新の添付文書情報、最新のインタビューフォームの情報をもとに」を加えたほうがいいと思います。でも元の文章は確認するようにすることは非常に大切だと思います。有料版であれば最新の添付文書情報、インタビューフォームをコピペして「○○について回答して」と依頼すると間違わないとは思いますが、時間は少しかかりますね。
Q.DeepLで翻訳をしたところ、勝手に文章をまるっと省略されたり、変な解釈をされたりしたことがあり、Google翻訳の方がいいのかもと感じたことがあります。DeepLを使う上で気をつけることなどありましたら、教えてください。
A.僕にも同じ経験があります。これは無料版のDeepLの特徴です。DeepLの無料版には、入力できる文字数や処理できるデータ量に制限がありますから、無料版で一度に長い文章を流し込むと、AIが文脈を処理しきれず、一部を「重要でない」と判断して削ってしまう(ハルシネーションの一種)ことが稀にあります。それとDeepLは「自然な日本語(または外国語)」を生成することに長けていますが、その代償として、原文に忠実であることよりも「読みやすさ」を優先し、結果として勝手な解釈が混ざることがあります。
Google翻訳の方が「いいかも」と感じる理由は、その堅実さにあります。文法的に多少ぎこちなくても、原文の単語を一つひとつ拾い上げる「逐次翻訳」に近い性質があります。そのため、「情報の漏れ」が許されない実務的な確認にはGoogleの方が向いている場合があります。
平田自身はDeepLの欠点(医学・薬学用語の専門性はないため、専門用語の誤訳があること)を知ったうえで、10ページ以上のフルペーパーでも高速で自然な和訳をしてくれる有料版のDeepL Proを愛用しており、Google翻訳は使っていません。
5月7日(木)開催の、「薬剤師として知っておきたい病態と薬の基礎の勉強方法 ~レベルアップするための専門外の病態、薬物療法、基礎薬学のアップデート法~」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
平田先生のお話を聴きながら、患者さんに頼りにしてもらえる薬剤師であるために、学びを続けたいと思いました。これからもよろしくお願いいたします。
新しいAIツールを使いこなせるようになることは今後も薬剤師として学習を続けていくために欠かせない時代になっているがよくわかりました。新しい知識についていくのに必死になっておりましたが、学習方法からアップデートする必要があることを痛感いたしました。
とても楽しく拝聴できました。できればMediseachAIがどのように使えるのか(まだ使った異なりので)どこにアクセスするとか、有料プランの内容とか後半の話をもう少し知りたかったです。 NotebookLMは別の研修会で少し触ったことがありまして、わからないことを聞くと的確に教えてくれて便利と思ったことがあります。
勧めていただいたYouTubeとAIをまずは使ってみようと思います。
生成AI を使わないのは損していると思いました。
AIは使用したことがなく、全くわからなかったので種類や特徴、間違った情報が出てこないものもあるなど、初めて知ることも多く、大変勉強になりました。 情報収集や効率、情報の精査など、その特徴を把握した上で正しく使えるなら積極的に使っていけたらと思います。
AIにもキャラクターがあり向き不向きがあると分かった。やっぱり質問の仕方の工夫がAIとうまくやるには必要かなと思いました。
とても勉強になりました
とても興味深い内容でした。最近、AIを利用する機会が増えたので比較して説明してもらえたのはわかりやすくて良かったです。
本日も有難うございました。基礎が出来ていなければ、正しい情報を得ることや論文を読めないこと、自分への投資について強く背中を押されたような思いがしました。まだAIには慣れていませんが、次回までにはNotebookLMやMediSeachAIを使用してみます。
実践しやすい内容で、早速教えていただいたAIを使用してみたいと思いました。実際に困っている医療者は多いと思うので、周りにも伝えたいと思います。
生成AIはこれまで触れた事がなく、今日の講演を聞いて、是非使いたい思うと同時に、これからは使わなくてならないのかと感じました。次回、実際の使い方等学べるのをとても楽しみにしております。 ここでお伝えすることでは無いかもしれません、お許しください。 この度、地域の講演会で発表する機会を頂きました。40歳過ぎて初めてです。これまで平田先生のご講演で頂いたワクワクを忘れずに臨みたいと思います。
GeminiとnotebookLMは使用したことがあり、時々使っているのですが、medi searchAIも早速使ってみたいと思います。
最近はタイミングが合わずに参加できていませんでした。今回は1年ぶりぐらいに参加でき、いい刺激をいただきました。AIなどの紹介されたマストアイテムについていけてないので、来週の内容も楽しみです。
学びはあったので参加してよかったと思いますが、案内にある「病態と薬の基礎の勉強方法」という要素が少なかったように感じたので「3」とさせていただきました。ありがとうございました。
平田先生の情報収収集の仕方をお聞きして、私もやってみようと思いました。ありがとうございました。
1時間Aiについてほぼ話していなかったため
実際のMediseach、NotebookLMの使用方法を聞きたくてうずうずしました。 楽しいご講演をありがとうございました。
生成AIをほとんど使った事がなかったのでいまいち全体像を掴むのが難しかったです。またハルシネーションが起きやすい事もわかりましたので、まずはMEDISEARCHEを使ってみます!ありがとうございました!自分のAIに関してのレベルが低すぎた事もよくわかりました。今気付けてよかったです。
2026年6月25日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。
◆第74回「平田の薬剤師塾」中級者コースのテーマは
「透析患者の薬物適正使用~腎性貧血を中心に~」(中級者編)です。
今回のメインテーマは腎性貧血です。
英国のPIVOTAL試験でフェリチン濃度が700ng/mLを超えるかTSATが40%以上でない限り、静注鉄剤を定期的に積極的に投与した群のほうが低用量鉄剤投与群に比し死亡および心筋梗塞、脳卒中、心不全による入院を複合した再発事象の発生率が有意に低い!しかもESAの投与量も減少し感染症も増加しないという報告があり、海外のKDIGOの腎性貧血ガイドライン2026にも反映されています。
300 ng/mL 以上となる鉄補充は推奨しないという日本のこれまでの腎性貧血ガイドライン2015とは全く異なります。では日本の腎性貧血ガイドライン2025はどうなったかというと、2025年度版となっているのにまだ発表されていないのです。幸いなことに今回の平田塾は今年の透析医学会神戸大会の数日後ですから、新しく正確な情報をお届けできると思います。おそらく新ガイドラインではもう少し積極的な鉄投与をし、HIF-PH阻害薬の使い方についても踏み込んだものになるでしょう。平田の予想では大きく変わるはずだと思っています。
腎性貧血以外にも透析患者の薬物療法についても踏み込んでみたいと思います。
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。
2026年6月18日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。
◆第73回「平田の薬剤師塾」初級者コースのテーマは
「透析患者の薬物療法~CKD-MBD~」(初心者編)
ミニレビューは「薬剤師でも知っておきたい透析患者の栄養管理(森住 誠)」です。
腎機能がとことん悪くなって末期腎不全になると様々な合併症が起こります。透析患者の薬物療法をマスターすることは、CKDの病態そのものを学ぶことになると思います。その中で透析患者の服用錠数が極めて多いのが、CKD-MBDの治療薬だと思います。CKD-MBDは慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常のことで、血清リン値、Ca値、PTHをモニタリングしつつリン低下薬(フォゼベルの登場でリン吸着薬とは言わなくなりました)、活性型ビタミンD、カルシミメティクス(Ca受容体作動薬)など多種多様な薬剤を使いますので、透析患者の多くは極めつけのポリファーマシーになります。これらの使い分けを基本から学んでいきましょう。
新しいリン吸収阻害薬のフォゼベル(テナパノル)、新しいカルシミメティクスによる二次性副甲状腺機能亢進症の治療戦略を新しく改訂されたCKD-MBD ガイドライン2025に沿って解説したいと思います。
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。
4月16日(木)開催の、「腎機能をしっかり見れる薬剤師を目指そう(中級者編)」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q. S-1は、体表面積で区切られた段階的な用量設定になっています。この場合、個別化eGFR(mL/min)で投与設計を考えると、体格を二重に補正することになるのではないかと少し気になっています。あまり気にしなくてもいいのでしょうか?
A.S-1は体格別用量(mg/m2)なので、身長・体重によってすでに補正されていますので、身長・体重の入った個別化eGFR(mL/min)を使うと二重補正になります。二重補正すると小柄な人はさらに低用量になって効かなくなり、大きな人はさらに用量が増えて副作用が起こる可能性があるからです。この時だけは薬物投与設計であっても身長・体重を式に含まない標準化eGFR(mL/min/1.73m2)を使います。
eGFR(mL/min/1.73m2)は一般的に体表面積補正eGFRと呼ばれますが、実際には体格が全く考慮されていないため(実際には体表面積は考慮されていない)ので混同しやすいです。ということで我々、腎臓病薬物療法学会が標準化eGFRと呼ぶようにするようにしました。
Q.聞き逃してたらすみません、メトホルミンも個別化eGFRで評価で良いですよね?
A.大原則として投与量=AUC×CLtotal ですよね。
腎排泄型薬物のクリアランスは患者さんの腎機能が低いほど減量しなくてはなりません。患者さん自身の腎機能は個別eGFR(ml/min)で表されます。小柄で体表面積1.2m2しかない人は腎臓のサイズも小さいので1.73m2の標準体型男性に比べて低用量にしないとAUCが中毒濃度になってしまいます。逆に巨体で2m2ある人は1.73m2の標準体型男性に比べて高用量投与しないと、腎臓のサイズも大きいので効かない(AUCが有効濃度にならない)可能性があります。
上の式で示した通り薬物クリアランスは個別eGFR(ml/min)と相関しますが、標準化eGFR を用いると非常に小柄な患者や大柄な患者ではそれぞれ過剰投与や過少投与になります。さらには小柄な患者では特定の薬剤(メトホルミンなど)の投与開始基準が甘くなって副作用を起こすかもしれません。
だからメトホルミンの添付文書表記が30mL/min/1.73m2未満で禁忌、30mL/min/1.73m2以上あれば750mg/日投与できます。ということは標準化eGFRを使うと小柄な人にでも投与できますが、乳酸アシドーシスなどの副作用などのリスクは高くなります。だから添付文書の腎機能表記として標準化eGFR R(mL/min/1.73m2)を用いることが間違っているのですが、メーカーも医師の先生方もFDAやNKFもだれも指摘しなかったのでしょうかね?
薬物の投与設計にはメトホルミンのように添付文書表記が標準化eGFR(mL/min/1.73m2)になっていても個別eGFR(mL/min)を使います。これが鉄則なのです!
標準化eGFR(mL/min/1.73m2)はCKDがどれだけ重篤化の診断に使うためのものです。薬物投与設計に使うのは身長170cm、体重63kgの人だけじゃなく160cm、体重70kgの人、身長180cm、体重57kgの人など1.73m2と計算される標準体型の男性の時か、抗がん薬でmg/m2の体格別体重の時にしか使いません。
Q.Calvert式について質問させて下さい。
私の施設では、上限125mL/min、CCrを用いる場合は0.2補正(酵素法による血清Cr値に0.2を加えてJaffe法に近い値にする手法)、ADDIKD( Anticancer Drug Dosing in Kidney Dysfunction)の腎機能変動20%以内は前回量維持推奨など、基準を設け適正使用を目指しております。
しかし、腎機能が保たれた患者では、前回投与時から10mL/min増加、AUC5で50mg投与量が増えるケースもあります。生理学的変動など誤差範囲かもしれず対応に悩んでおります。
A.血清Cr値の変動による腎機能への影響ですよね。患者さんの情報が十分ではないのでどうお答えしてよいのかわからないのですが、がん患者であれば、患者さんにはよっては衰弱してきて筋肉量が減少しそれによって推算腎機能が低下することが考えられます。それと腎機能が保たれた患者では血清Cr値のちょっとした変動によってeGFR値の影響しやすいです(腎機能が悪くなればなるほどゼロに集約されるので変動幅は小さくなりますが腎機能の良い方は変動幅が大きくなります)。
またCDK4/6阻害剤(パルボシクリブ、アベマシクリブなど)とカルボプラチンを併用することは、乳がんの治療(主に転移・再発乳がん)において選択肢の一つとしてありますよね。CDK4/6阻害剤はCrの尿細管分泌を阻害して血清Cr値が20%程度上昇して腎機能が悪化したように見えることがありますが、これは偽性腎障害でeGFRは低下しますので、CDK4/6阻害剤を中止するとeGFRが上がったように見えることがあります。ほかにも原因は考えられると思いますが、情報不足だと推測しかできないですね。
Calvert式は体格別用量なので、標準化eGFRを使う論文があった……ブログで回答します」と言ってしまいましたので訂正します。
正しくは、カルボプラチンは「体格別(BSAや体重)用量」ではなく、Calvert式で目標AUCと腎機能(GFR)に基づき総量mgで投与しますので固定用量です。したがって標準化eGFRは用いません。
式:Dose (mg) = 目標AUC × (GFR + 25) だから固定用量になります。GFRには標準化eGFRは用いません。
使うとすれば個別eGFRまたは(CCr+0.2)を用いた実測CCr(安藤雄一先生の論文)または(CCr+0.2)を用いた推算CCrを用います。
米国ではJaffe法で測っていた時代は副作用が起こっていなかったのに、2011年以降、IDMS traceableになって血小板減少症が増えたといわれています。日本ではもともと正確に測定する酵素法が、2000年以降一般的になったのでGFRの1.2~1.3倍になるため、血小板減少が米国よりも起こりやすいといわれていました。メーカーが「GFR一般的に推算CCrで代用できます」とパンフレットに書いたため、腎機能が高く推算されるとともに投与量が増えたため、血小板減少症が増えたのではないかと思います。