2026年8月

2026年9月17日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。

◆第80回「平田の薬剤師塾」初心者コースのテーマは
腎臓が何をやっているか?(2)尿細管編~腎臓の最も重要な体液の恒常性維持は尿細管の仕事~(中級者編)

 「腎臓は何をやっている臓器?」とたずねると多くの方が「腎臓って尿を作る臓器でしょ?」と答えてくれる。間違いではないけど、腎臓はもっと高度で精密な仕事をしている。排泄する尿中に含まれているものはすべて不要なもの、余剰なものであって、必要なものは尿細管で再吸収してくれるから、必要な栄養素を失うことなく、いつも体液中の電解質濃度を一定に保ち、水分量やpHを一定に保ってくれている。だからいつも健やかな生活を送ろうとするのに腎臓はとても大切な働きをしている。

 腎機能が低下すると何が起こる?高リン血症から低カルシウム血症、そしてPTHが過剰分泌されるので骨を溶かしてCaを上げる、いわゆるCKD-MBDだから骨まで脆くなるし血管が石のようになってしまう。腎性貧血によって疲れやすくなり、高カリウム血症によって不整脈によって突然死の危険性が高まる。尿毒素がたまり、血液が酸性に傾くと元気がなくなり食欲も失せる。

 腎臓の構造は複雑だ。だけど腎臓の役割を理解しておくと、これまでに分からなかった患者さんの病態、加齢に伴う病態の変化も理解できるようになる。

 腎の構造を知らないと「CKDはなぜ治らない病気なの?」とか、「糖尿病の症例って最初は腎機能がとびきりいいのに、いったん悪くなりかけるとなんで急激に悪化して透析導入になってしまうの?」とか、「なんで腎臓は高血圧に弱いの?」などについて理解できないし、薬剤師なのにサイアザイド系利尿薬とループ利尿薬の違いを説明できない、フォシーガなどのSGLT2阻害薬、RAS阻害薬、ケレンディアなどのMRA、ネスプなどのESA、ダーブロックなどのHIF-PH阻害薬などの腎に作用する薬の作用がいまいち理解できない。だから患者さんに「腎臓を守るにはどうすればいいのか」についてもわかりやすく説明できなくなる。これらをできるだけ理解して「あんたの言ってくれたことが一番分かりやすかった」といわれるような薬剤師になろうね。

お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
 お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。

(クリックするとPDFが表示されます。)

2026年9月10日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。

◆第79回「平田の薬剤師塾」初心者コースのテーマは
腎臓が何をやっているか?(1)糸球体編~足細胞は再生できないから腎機能がよくなることはない~ (初心者編)です。

 腎臓は2つ合わせて500gしかないけど、心臓から送られてくる血液の20~25%、つまり1日1500~2000Lが腎臓を通っている。その中の10%にあたる150~200Lの濾液(原尿)が作られる。でも尿量はその1%の1日1.5L程度だよね。なんて「無駄に濾過してるんだろ?」と思わないでほしい。これだけの余力があるから多くの人は腎臓病にならなくてすんでいるのだから。

 腎機能は糸球体濾過速度(GFR)で表す。CKDの定義はGFR<60mL/min/1.73m2ということは常識だよね。正常値は100mL/min/1.73m2だけど、じゃあ中年男性で150mL/min/1.73m2の人は腎機能が高いから、素晴らしい?もしもその方が糖尿病になっていたら血糖値が高すぎるために、尿細管で多すぎるブドウ糖を再吸収しきれずに尿糖が排泄されて、多尿になる。高血糖のため血清浸透圧も上がるから無性に喉が渇き多飲になり、さらに多尿になる。GFRが150mL/min/1.73m2ということは糸球体過剰濾過を表す。糸球体内圧が高いため、放っておくとアルブミンが尿中に漏れ出てくる。「口渇・多尿・多飲」以外の症状は何にもなく、元気だからって放っておくと次第に糸球体の濾過膜が破綻するし、血管も動脈硬化が進行する。そのうち心臓も血管も悲鳴を上げるようになる。「尿中アルブミンは全身の血管が傷つき、傷み始めているシグナル」なんだ。だからCKDの診断基準にアルブミン尿・タンパク尿も極めて重要な指標なのだ。

 正常の1.5倍の腎機能は腎臓の機能が素晴らしく良いからではなく、腎臓がむち打たれて疲弊していることを表している。放っておくと顕性アルブミン尿から糸球体濾過膜が壊れて、通常の大きなタンパク質も漏れ出て、一気に腎機能が悪化して透析導入になる。これが典型的な糖尿病性腎症だ。

 そして腎臓に病気があるなんて全く思っていなかったけど、血圧が高いのを放っておくと70~80歳代になって腎硬化症で透析導入になる方が多い。あるYouTuberが「降圧薬って製薬メーカーと医師がグルになってもうけるために投与してるんだよ。血圧は年齢+90くらいでちょうどいい」とか言うのを信じていると、腎臓だけじゃなく心血管系にも障害が及んでくる。「○○をのむだけでみるみる腎機能がよくなる」とか「eGFR40が70mL/min/1.73m2に改善した」なんて嘘だよ。一度失われた足細胞は再生できないから、CKD患者の腎機能がよくなることはないんだ。

 今回、「放っておくと」という言葉を何回使っただろう。放っておく(これを医師・薬剤師のイナーシャと呼びたい)とあれだけ余力のあるはずだった腎機能、そして腎臓を守るための様々な仕組みがあっという間に崩壊してしまうのだ。でもその悪化速度をかなり緩やかにできる薬物療法が確立しつつあるということは知ってるよね。あとはアナタの薬剤師力によって血糖管理、血圧管理をわかりやすく指導し、腎臓を守る素晴らしい薬を副作用の心配することなく、患者さんが確実に「飲みたくなるような服薬指導する」、そして「危ないサインがあるのに放っておく」のをやめさせるのが薬剤師の極めて重要な役目だ。皆さん、ちゃんとできてる?

お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
 お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。

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◆第77回 8月13日(木)初級者編 お申込はこちらから
 症例に基づいたCKD患者の薬物適正使用(初心者編)

◆第78回 8月20日(木)中級者編 お申込はこちらから
 症例に基づいたCKD患者の薬物適正使用(中級者編)

◆第79回 9月10日(木)初級者編 お申込はこちらから
 腎臓が何をやっているか?(1)糸球体編

◆第80回 9月17日(木)中級者編 お申込はこちらから
 腎臓が何をやっているか?(2)尿細管編

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プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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