2020年7月

ひとり光る。みんな光る。何もかも光る(陶芸家 河井寛次郎)

 という言葉を知っていますか?」の意味は、「誰かひとり(この時はエースの前田健太氏)がコツコツ努力して光を放つようになれば、その姿を見てみんなが光りだす。さらに、みんなでそれを続けていると、何もかもが光りだす」と説明し、達川氏は「今の広島投手陣がまさにこの状態でしょう」と言ったそうです。いい職場や学会など様々な場面で、足を引っ張りあうのではなく、協力して頑張るとよりよい環境の社会が実現できるのではないでしょうか。

僕は国際主義者。今起こっているナショナリズムの台頭には耐えられない。壁を作るんじゃなく橋を作りたい。アメリカで起こっていることは残念だ。これは一過性のことと信じて世の中が1つにならなくては。(ロックバンド・クイーン ブライアン・メイ)

 ブライアン・メイと言えば、映画ボヘミアン・ラプソディで再び脚光を浴びた英国のロックバンド・クイーンのギタリストです。国際社会の軋轢を言ったものでしょうが、国家間の問題だけではなく、保険薬局薬剤師と病院薬剤師、薬剤師会と病院薬剤師会、医師会と薬剤師会、薬剤師と医師、薬剤師と患者さん、薬剤師と看護師、基礎系と臨床系、教師と学生などいろんな軋轢があると思っています。壁を作っておけば楽かもしれませんが、これからは橋を作ってよりよい関係を築いていければなと思っています。もう少し話し合う時間が欲しいのですが、話し合えない人もいる。むつかしい問題ですが、アドラー心理学を分かりやすく解説した名著「嫌われる勇気―自己啓発の源流『アドラー」の教え』を読むと「人の悩みは100%、対人関係の悩み」という言葉には非常に共感しました。

最後に5つの名言です。
・優れた者ほど、間違いは多い。それだけ新しいことを試みるからである。
・失敗者が何をして失敗したかよりも、成功者が何をして成功したかを学びなさい。
・サラリーマンに限らず、社会生活において成功するには、その道でエキスパートになる事だ。ある一つの事について、どうしてもその人でなければならないという人間になることだ。
・人生に勝利するには、何より勝つ心がけが必要である。人が八時間働くなら、十五時間働く気概、人がうまいものを食べているときには、自分はうまいものを食べないだけの度胸がなければいけない。
・下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。

 これらの言葉は現・阪急阪神東宝グループの阪急電鉄の創業者の小林一三氏(松岡修造氏の祖父でもあります)の名言集です。僕も今は高齢者になってしまいました。若い人には頑張ってもらいたいので、学会や研究会では頑張っている若い人たちには小さなチャンスを与えたいと思っています。例えば10分間のミニレクチャー、そしてその中に光るものがあるなら30分の講演をしてもらいます。それが及第点なら全国区のシンポジウムで話してもらいます。それが素晴らしければ論文を書いてもらい、それらをことごとく素晴らしいパフォーマンスを見せれば、1人前と認めようと思っています。幸いにして、腎臓病薬物療法学会には一人前に育った薬剤師が多くいます。


~薬剤師として心に刻んだ名言~
 僕は1995年ころ、病棟活動をしてようやく一人前の薬剤師として出発したとき、「自分の理想とする薬剤師像を築き、そしてその役を演じよう」を心に刻み、病棟では「優しい薬剤師・明るい薬剤師・何でも知っていて不安を取り除いてくれる薬剤師」を一生懸命演じていました。本当はそんなに明るくないけど患者さんを元気づけることができるような薬剤師になりたかったのです。  「薬物動態が苦手と言っている薬剤師は、診察が苦手と言っている医師と同じだ」は日本で初めてわかりやすい薬物動態の本を出版された岩手県のどんぐり工房の菅野彊先生だと思っていましたが、実はそうではなかったらしいです。「薬効・副作用=患者〔(薬力学)×(薬物動態)」が菅野彊先生の唱えた言葉だと思います。

100里を行くものは90里を半ばとす(中国のことわざ)

 最後まで気をゆるめずに努力をしなければならないという戒めです。フルマラソンも35kmからが辛い。今、君は若いが、後で後悔しないために、若いうちに苦労しろ。薬剤師として学会発表する人は多いが、論文を書いた人は少ない。さらに英語論文を書いた人はさらに少ない。僕もはじめて論文を書いたときはとても苦労したが、慣れれば何でもないことと今は思っています。テーマの選定方法が間違っていなければ続ける努力さえあればできるのに、あきらめるなんてもったいない。つらいからというだけで自分に負けるな。くじけるな。あきらめるな。頑張れ。ゴールはもう少しだ!と自分を励ましたものです。

たった1人しかいない自分を、たった1度しかない人生を、本当に生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないんじゃないか (路傍の石・山本有三)

 これも励ましてくれる言葉でした。

今日 精一杯生きれば明日がある。
才能に限界はあるが、努力には限界がない。

 これらの2つの名言、どちらも広島カープ時代の丸佳浩選手が言った言葉だと思いますが、丸選手が考えた言葉じゃないと思います。野村克也氏が「能力には限界があるが、思考力には限界はない」というよく似た名言を残しています。その当時、広島カープの不動の3番打者だった丸選手はプロに入ったころはフライもろくにとれないくらいに不器用だったし、送球もどこに行くかわからなかったらしいです。当時、コーチだった緒方興孝市氏が丸選手に言った言葉「お前は不器用だから、一つのことを覚えるのに時間がかかるだろう。だけど不器用な人間というものは、一度覚えたら忘れないものなのだ」と諭したそうです。丸選手はその後、メモ魔になり「野球ノート」を作って努力し、2013~19年まで7年連続ゴールデングラブ賞をとる「守備の名手」になり、打撃でも2年連続3割、2年連続MVPになる活躍をした。そしてフリーエージェントで巨人に行ってしまいましたが・・・・。

毎日5000回も素振りをしたから阪神の掛布氏は名選手になれたという人がいるが、掛布氏本人は「5000回なんてプロ野球選手ではみんなやっている。ただ僕はただ素振りをして筋トレをやってスイングスピードを上げるだけではなく、こんな球種を内角低めに槇原が投げたらどうやって打ち返すか、常にいろんな場面を想定しながら素振りをしていた。」

 続いてプロ野球選手に関する名言です。おそらく島田紳助氏が掛布氏のことを称してテレビで言った言葉だと思います。すごく耳に響いたのでメモしました。学会で発表して僕も質問にうまく答えられないことがよくあった。30歳を過ぎても予期しない質問に頭が真っ白になった事もあった。僕はそのころマラソンをしてたけど、ウォークマンやiPodがない時代、何を考えながら3時間のLSD(long, slow, distance: 長時間かけてやるゆっくりとしたジョギング)をやっていたかというと「こう聞かれたらこう切り返そう」「この座長ならこんなことを聞いてくるはずだ」「ここが弱いからこの文献を探して読もう」だったら何を突っ込まれても「これはまだ誰も検討していませんよ」と言えるようになるくらい論文をチェックしたら世界中で負ける人なんていなくなる」と思った。3時間も走っていると、時にすごくいいフレーズがわくことがある。その時は立ち止まってメモをする。これは今も続行けていることです。 元広島カープの名捕手の達川光男氏が言っていました。


プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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