この先頭を走っているおじさん、だれかわかりますか?そう、平田です。カープの帽子をかぶって眼鏡をかけててひげを生やして走ってる・・・・、これくらいなら広島県には結構いるでしょうが、腎臓を持って走っているおじさんは広島にもいない。そして熊本城ホールに向かって走っているとくれば平田しかいません。
この特徴ある似顔絵(決してうまくはない)は臨床薬理学分野の内海さん(山口出身で中国新聞の影響からか家族はみんなカープファンだが本人はあまり興味ない)によるもので、私の後ろを追いかけている腎臓を持ったお嬢さんが本人であります。描かれた場所はゼミ室の白板です。
弁解しておきますが、私、変人ではありませんので、決して人間の生身の腎臓は持って走りません。学生に教えるために腎臓のプラスチック製模型は2種類持っていて、それを持って大学内を走る(授業に遅れそうになって)ことはあるかもしれませんが、カープの帽子は大学ではソフトボール大会以外ではかぶりません。
でも平田は2019年11月15日~17日に熊本城ホールで開催される日本腎薬熊本大会に向けて、今も奔走しているのであります。でも腎臓模型を持って走ることはない・・・・。
HPはこちらから → 第13回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会HP
ゼロから1にすることが非常に大変だけど、それを超えれば一流の研究者
①まずは学会発表。
やったこと、経験したことは学会で発表しましょう。これは大学での卒業研究の経験もあるでしょうし、職場の先輩のアドバイスもいただけるでしょう。学会発表は緊張しますが、その夜の飲み会で苦労は吹き飛びます。ただし実績としてはほとんどないに等しい。だって仕事の内容が数百字の抄録だけだから、評価できるものにはなりません。
②その次のレベルは原著論文の投稿。
これは実績として残ります。原著論文の筆頭著者になっていれば、認定薬剤師を飛び越して専門薬剤師になれます。実際、原著論文を書くことは、慣れれば大変なことではありません。ただし慣れていないために学会発表と比べて、初めて文献にまとめることは大きなストレスになりますし、書き始めて「あれをやっていなかった」「症例数が少なかった」「このデータがそろっていなかった」などの理由で論文にならないこともありますので、臨床研究は計画的に行うこと、症例報告はできるだけ検査値など漏れのないよう、しかも経時的に検査値の推移が見れるよう、医師にはきっちりと検査依頼をしておきましょう。論文の書き方がわからないときは論文のテーマによく似た論文を探して手本としてみましょう。ただし、コピペはいけません。論文の中の数行コピペするだけで盗用となりますので自分の言葉で書きましょう。これらのことは「言うは易し、行うは難し」です。分からないことがあった時にすぐに聞くことのできるメンター(師、あるいは師匠)を見つけましょう。大学を卒業したら、教師はいません。自分で尊敬できる人、それは先輩薬剤師でも、医師でも構いませんし、同じ職場にいなければ学会で見つけて仲良くなることも大事です。「中小病院の薬剤師だから、開局薬剤師だから」というのは言い訳に過ぎません。施設外の勉強会や学会に行けば様々な出会いがあるはずですから。若い薬剤師さん、名刺を作ってますか?名刺は仕事道具ですので、職場で作ってくれなければ自分で作りましょう。安いところでは100枚が1000円程で作れます。
※僕のメンターは薬物動態では上野和行先生(写真右下)、論文の書き方についてのメンターは田中一彦先生(写真左)です
③日本語論文の1本目が大変なだけであって徐々に楽になります。
どれくらい楽かというと私の経験では1本目に要する努力が100だとしたら、2本目は50の力で、3本目は25の力で、4本目は12.5の力で、ということは半減期と同じようにどんどん楽になって3本目以降はほとんどストレスを感じなくなります。すなわち原著論文を3本書けば、あなたはもう一人前といっていいでしょう。とにかく論文ゼロから1本目を書くことが非常に大変ですがそれを乗り切れば、あなたのレベルアップの道は自然に開けてきます。その1本目を書くときに一番ストレスのない方法は、学会発表する前に論文投稿しておくことです。前述のように何度も同じことを繰り返すことは非常につらい作業ですが、未知のことを知ることはドキドキワクワクします。引用論文をすべて読んで夢中になって論文を書いて、学会発表に臨めば全く怖いものなしです。座長にどんなに難しいことを聞かれても「それに関しては全く検討されていません。つまり誰もそれについて検討していませんので私も知りません。ただし私が推測するに・・・・」などと言えるようなくらい文献をチェックしておけば何を聞かれても怖くありません。
④英語論文に挑戦しましょう。
結果云々よりもしっかりしたプロトコルが大切になりますが、日本語論文を数本書いた経験のある方ならもうお分かりですね。方法に関しては綿密に検討しましょう。お金がないけれど時間は十分ある人は、日本語を完璧にして(直しようのないくらい推敲しましょう)、それを英語に素直に直訳して、その英文を医学・薬学関係に長けたNative speakerにチェックしてもらうと安上がりです。私も数年前まではそうしていました。夜、職場を出る前に米国在住の元教授にFAXすると翌朝には訂正文が帰ってきていて費用は8000円程度の安さです。英語が苦手でお金持ちの方は英文作成会社に丸投げします。10万円くらいとられるかもしれませんが、こちらの方が自分で書くよりは専門家の英語なので、英文の出来は良いように思います。医学部の先生は多くの方がこのようにやっていました(きっとお金持ちだからでしょうね)。英語論文も論文ゼロから1本目を書くことが非常に大変ですがそれを乗り切れば、あなたのレベルアップの道は自然に開けてきます。英語論文3本も書けば博士号取得だって夢ではなくなります。僕も実はそのようにして基礎研究なしで博士号を取得しました。
合計60歳までの薬剤師ペア5組(各地)を事前に募集して開催
熊本大会ではこれでもかというくらい豊富なプログラムを用意します。学会は研究成果を発表し、討議・論議して多くのことを学び、自己研鑽するための場ですから。でも大いに楽しんでもらいましょう。
土曜日の17時から懇親会までの間、第1会場にて2人1組で「腎臓クイズ秋の甲子園」第1回チャンピオンを競います。合計60歳までの薬剤師ペアを各地から5組を事前に募集して開催します。地域対抗ですが、もちろん腎薬のない地域でも「未来枠」としてOKとしましょう。ただし会員のみ、学生会員OKですが薬剤師を持っている大学院生のみです。
知識のすごい若手薬剤師を発掘できるチャンスにもなります。
聞いているだけでいろんな知識が身につきます。
例えば形式はこんな感じではいかがでしょう(正式決定はまだです)。
中毒性副作用・薬剤性腎障害・血液浄化法・保存期腎臓病・糖尿病性腎症・腎不全合併症・電解質酸塩基平衡・薬物動態・薬理など7課題(9課題ですって?どれにしようかまだ迷っていますので…)で10~50点の問題を35問作成し、早押しボタンで解答し正解の場合は点数が加算、間違えた場合は減点します。この内容は2018年の日本腎臓学会・新潟大会では腎炎、電解質、Na・輸液、血圧、AKI、CKD、腎不全だったということを参考にさせていただいています。
優勝者は懇親会で「若手腎薬最強コンビ」として大会長表彰をする予定です。
司会と解説は○○先生、◇◇先生ですよ(今は内緒!)。このコンビなら面白くならないわけがない!これも乞うご期待です!
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あけましておめでとうございます。
旧年中はひとかたならぬご厚誼を賜りまして、大変ありがとうございました。
我が愛しの広島カープがついにリーグ3連覇!しかも大好きな大瀬良君がエースとなって復活し、15勝で最多勝・最優秀勝率の2冠王に。しかし・・・・、まさかまさかの3年連続の4連敗で日本一の夢はまたも叶いませんでした。カープはち密な野球をするといわれるけれど、ソフトバンクはもっとち密な野球をやっていた。今年もカープはもっともっと頑張るしかないのでしょう。2月には宮崎の日南キャンプに今年も行きます!沖縄キャンプにも出来たら行きたい・・・・・。
※写真右:デッドボールを受けても相手ピッチャーを気遣って笑顔で痛みをこらえる「天使の心を持った」カープのエース・大瀬良大地君。僕はこんな優しい心を持った人になりたい。
今年で平田は65歳、いよいよ定年までのカウントダウンの年になります。でもまだまだ平田は元気です。4年連続の熊本マラソンエントリーで、4年連続の記録更新を狙います。これでも若いころは3時間半を何度も切ってるんですが、こんなスピードは65歳の体ではもう無理なので、宣言します。今年は5時間を切る!
そして5月には最後のソフトボール大会。わが臨床薬理・薬物治療学連合軍は昨年は野球部だらけの薬剤学分野に準決勝で敗退。今年は優勝だ!と言いたいけれど、年のせいか右肩が上がらない。フル出場だけはやりたいけれど・・・・。
ところで今年の最大のイベントは11月15日~17日の熊本城ホールでの第13回日本腎臓病薬物療法学会です。理事長として大会長、どちらも最後の年になります。テーマは「○○元年肥後腎薬の乱」。○○には新元号が入ります。乱ですよ。乱。もちろん、皆さんの想像を覆すような学会をやります。11月15日の金曜日は17時から22時までの「朝まで平田塾」で1時間講演×4本プラスお楽しみのアトラクションでオープン。翌日も大会長講演をさせてもらいます。心おきなく、話し尽くします。
熊本には宮村、門脇、下石、森、柴田、近藤など実力者ぞろいでアイデアも豊富。このメンバーが集まった学会が面白くならないわけがない!熊本大会ではありとあらゆる企画を提供しましょう。その変わり、on, offの使い分けも必要なので、大いに楽しんでももらいましょう。とにかく、おなか一杯になるような熊本大会を目指します。「どれを聞いたらよいか迷った」と思わせるくらい思い出深い内容にしたいと思っています。詳しくは学会HPの「本学会の見どころ」をご覧ください。HP→https://jsnp13.org/
熊本大会には来ないと絶対に損ですよ!目標来場者数2000人以上! 今年も平田は精いっぱい頑張りますので、
本年もなにとぞよろしくお願いいたします。
皆様に幸多き年となりますように!