2024年10月

 第41回の「基礎から学ぶ薬剤師塾」は2024年11月15日(金)18時半から(20時までの予定)です。登録していただいた方のみ視聴できます。ライブのみで再放送はありませんが、質問をお受けすることができます。医療関係者であればだれでも、無料で毎回視聴できます。

 「腸腎連関」という用語が汎用されつつありますが、腎機能を悪化させ、心血管病を引き起こす尿毒素は腸内細菌が持つ酵素によって産生されます。そこで今回のテーマはCKD、透析患者の病態と腸内細菌叢の変化です。近年、インドキシル硫酸、パラクレジル硫酸に加えてトリメチルアミン-N-オキサイド(TMAO)が新たな尿毒素として注目されています。透析患者は透析でよく抜けるカルニチンが欠乏しますが、カルニチン錠ではなく、静注製剤を用いるべきです。それはなぜかわかりますか?

 そしてプロバイオティクスとしては酪酸菌が腸漏れleaky gutを防ぐことで注目されています。腸内細菌叢を健全に保つことは腎機能悪化や心血管病を防いでくれるだけでなくアレルギー疾患や自己免疫疾患の発症予防にもなります。

 参加を希望される方は 申し込みフォーム に記入のうえ、11月10日までに送信してください。

 薬剤師塾となっていますが、医師・看護師など医療従事者であれば参加可能です。

 


 

2024年12月~2025年3月 基礎から学ぶ薬剤師塾 予定表

回数 タイトル 日程
42 SGLT2阻害薬について深掘りしてみよう~腎機能低下抑制作用とAKI防止作用の謎~ 2024.12.20
43 慢性心不全とその治療薬~これからはFantastic Fourの時代~ 2025.01.17
44 透析患者の便秘は「たかが便秘」ではない深刻な合併症 2025.02.21
45 腎機能悪化を防ぐこれからのtriple therapy~SGLT2阻害薬、RASi or ARNI、MRAの適正使用について考える~ 2025.03.14

 

 このウエブセミナーでは「まとめの部分」を時間が足らずに、というか、いつもの平田の冗長な話し方のため、うまくまとめられませんでした。言い足らなかった部分を以下にまとめさせていただきます。


学び直し 薬物動態学のまとめ

1.PK/PDにも限界はある~①PPIについて~

 PK(pharmacokinetics)/PD(pharmacodynamics)理論、つまり薬物の血中濃度推移と臨床効果の関係がほぼ確立し、有効かつ安全な投与設計が確立しているのは抗菌薬・抗真菌薬くらいです。抗菌薬・抗真菌薬のPK/PDに関しては米国ウィスコンシン州のMiddleton Memorial Veterans HospitalのWilliam A. Craig博士による感染症マウスを使った実験によって体系化されました。Craig先生は2016年の日本TDM学会で来日し、ご講演される予定でしたが、直前になって脳卒中のため、来日できなくなったため、その当時、TDM学会の理事であった平田は大いに落胆したことを覚えております。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます

 9月に収録された第36回薬剤師アカデミーウェブセミナー「どんな薬かをイメージしてみよう! 学び直し 薬物動態学」では講演後のアンケートでたくさんのあたたかいご意見をいただきました。この中で個人が特定できそうな内容や、少し強めのご意見は除いて、お見せすることが主催者の株式会社EPファーマライン様のご厚意で可能になりましたので開示させていただきます。また第36回薬剤師アカデミーを見逃した方、公開期間は2024年10月8日までですが、見ることが可能になりました。

【薬剤師アカデミー特設サイト】

 今後は「平田の薬剤師塾」後のアンケート内容も個人の特定されないようなものを除き、ためになるご意見やご批判も載せていき、今後の運営の参考にさせていただこうかなと前向きに考えています。

平田純生


アンケート

1.平田先生の著書はいつも参考にしています。平田先生の講義が聞けてさっそく役に立ちそうです。

2.とても分かり易くかつ面白く、90分があっという間でした。先生のホームページでも、ぜひ勉強させていただきます。

3.平田先生の講義は大変ためになり興味あるので勉強になりました。平田塾のサイトも確認してみたいと思います。

4.薬物動態が少し好きになりました。

5.苦手な薬物動態に関して大変分かりやすく講義いただいてとても嬉しかったです。実際の現場での薬の使い方をもっと具体的に聞きたかったので、続編の講義をぜひお願いします

6.普段薬物動態まで考えて仕事をしていなかったので、目から鱗な話が多くて聞いて良かった

7.薬物動態学は学生時代ぶりで忘れていましたが今回の講義を聞いてとてもためになりました。

8.学生の頃から苦手だった分野なので有り難かったです。これをきっかけに先生のブログで勉強したいと思います。

9.日常の業務中にももっと1つの薬剤、1枚の処方箋について深く掘り下げたいと再認識しました。

10.日頃の疑問がある程度解決されましたが、まだまだ、学習が足りないため、もっと努力が必要。学習の方向性を定めるための有意義な講義だった。

11.グラフや数値を表示させて口頭説明するだけでなく、それらによりどう解釈できるのか、結論まで文章で表示していただけたので、大変わかりやすかったです。振り返りやすいです。

12.ずっと平田先生の講義を楽しみにしておりました。薬物動態が苦手という意識が和らぎました。大変勉強になりました、ありがとうございました。

13.薬物動態について大学時代の勉学の意義を改めて感じられる素晴らしいご講演でした。

14.それぞれの剤形の薬物動態について詳しく学び直すことができ、とても勉強になりました。また他の方がされていた質問も鋭い視点のものが多く、勉強になりました。

15.わかりやすかったです。というのも、例題を、交えたり、色々なことに例えて下さいましたので、楽しかったです。平田先生のブログを見させて頂き、更に勉強したい気持ちが湧きました。ありがとうございます。

16.やはり講義が素晴らしいです。教えたい、という先生の熱意が伝わってきます。また、知りたいことについて話してくれる、とてもスッキリするご講演です。

17.薬物動態は一つ一つ理解するとより薬剤師として成長できると感じた。

18.大学での勉強以来、業務に活かしづらいため失念していた部分がありましたが、改めて学び直すことができ、大変面白かったです。

19.薬物動態学を苦手なまま薬剤師として働いていることに大変恥ずかしいという思いを抱きました。しっかり勉強・理解をし直して、患者さんのために働いていかなければと決意を新たにしたところです。ありがとうございました。

20.薬物動態は仕事中意識することが少なかったが、考え方や捉え方を参考に患者さんへのアドバイスなどに生かせそうです

21.大学で学んだはずなのに実務でほとんど活かせておらず、このままではいけないと感じて受講しました。症例形式でイメージしやすく、もう一度教科書を開いて学び直しをしたいと思えました。患者さんの治療に還元できるよう、今日から頑張りたいです。

22.苦手だった薬物動態をわかりやすく説明していただき、とても理解しやすかったです。これからやり直して学んでいきたいと思います。

23.基本的な内容から、腎機能低下時の投与量の計算という臨床に役立つ内容まで幅広く勉強になりました。薬物動態というと難しいイメージがありますが、平田先生のお話はわかりやすかったです。ありがとうございました。

24.薬剤師の職能を発揮できる分野であるのに、とても苦手な分野です。学び直しをしよう!とやる気がでました。きっかけを与えてくださりありがとうございました。平田先生のブログは存じておりましたので今後も拝読させていただきます。本日は大変ためになる講義ありがとうございました。

25.薬物動態が苦手なので少しでも理解が深まればと思い受講しました。 今回のセミナーをきっかけに取り組みやすくなったので続けていきたいとおもいます

26.学生時代以来、久しぶりに聞く用語などもあり、復習的な部分と実例を用いた実践的な部分があり、勉強になる内容でした。

27.苦手な分野であったが、分かりやすく説明いただけ良かった。ただ基礎知識がないため理解が難しいところもあった。もう一度やり直してみます。先生が仰るように、かっこいい薬剤師になりたいです。ありがとうございました。

28.恥ずかしながら薬物動態学に触れるのは学生以来でしたが、わかりやすく噛み砕いて説明してくださり興味を持って学ぶことができました。動態学の基礎から、筋肉量が少なく見かけの腎機能がよくなる例にいたるまでたいへん勉強になりました。少しずつでも、今日学んだことをもとに学習を続けていきたいと思います。ありがとうございました。

29.今まで薬物動態についてよく分かりませんでしたが、初めてなるほど~と思いました。添付文書をより活用できそうです。学生時代に平田先生の講義を受けたかった!平田先生の薬剤師塾で勉強します!

30.苦手だしもはや諦めていた薬物動態を、大学時よりも関心強く聞き、少しかもしれませんが理解が深まったと感じました。薬剤師としてより自信を持って取り組める気がするので、ブログの方も読ませていただこうと思いました。タイトル通りの良いセミナーをありがとうございました。

31.病院勤務ですが精神科ということもあり、日頃は調剤業務がほとんどです。今回の講義で、本当の薬剤師の存在意義は何なのかを考えさせられました。もっともっとお話を聞きたかったです。

32.薬物動態、これまで何回聞いたり調べたりしても、結局身につかないまま、使うこともないまま、ここまできてしまいました、、。とても分かりやすく、テンポの良い講義で、これなら薬物動態も好きになれそうと思いました。HPなど参考に見直ししたいと思います。ありがとうございました。

33.苦手な薬物動態を自己研鑽するきっかけになればと思い拝見させていただきました。現場でどう考えるか、例をまじえての話があり分かり易かったです。ありがとうございます。

 

講演依頼に関しましては平田のメールアドレス hirata@kumamoto-u.ac.jp までお気軽にご連絡ください。

 

 第40回の「基礎から学ぶ薬剤師塾」は2024年10月18日(金)18時半から(20時までの予定)です。登録していただいた方のみ視聴できます。ライブのみで再放送はありませんが、質問をお受けすることができます。医療関係者であればだれでも、無料で毎回視聴できます。

 今回は薬剤師が病態を解釈し薬物療法の効果を確認し、服薬指導に生かすために必須の「検査値・臨床データから病態をどう解釈し、服薬指導にどう生かす?~生活習慣病編~」です。糖尿病、CKD、高血圧による腎硬化症、心不全などの生活習慣病症例の病態を解釈し、より有効な薬物療法を遂行するための検査値や生理機能検査の見方について考えてみましょう。

 参加を希望される方は 申し込みフォーム に記入のうえ、10月13日までに送信してください。

 薬剤師塾となっていますが、医師・看護師など医療従事者であれば参加可能です。

 


 

2024年11月~2025年3月 基礎から学ぶ薬剤師塾 予定表

回数 タイトル 日程
41 CKD, 透析患者の病態と腸内細菌叢の変化~腎機能悪化、心血管病変発症のカギは腸内細菌が握っている~  2024.11.15
42 SGLT2阻害薬について深掘りしてみよう~腎機能低下抑制作用とAKI防止作用の謎~ 2024.12.20
43 慢性心不全とその治療薬~これからはFantastic Fourの時代~ 2025.01.17
44 透析患者の便秘は「たかが便秘」ではない深刻な合併症 2025.02.21
45 腎機能悪化を防ぐこれからのtriple therapy~SGLT2阻害薬、RASi or ARNI、MRAの適正使用について考える~ 2025.03.14

 

 以下は講演後にいただいた質問に回答させていただきます。 今回の講演で言い足らなかったことは、数日後までにまとめて解説したいと思います。

平田純生


第36回薬剤師アカデミー
「どんな薬かをイメージしてみよう!学び直し 薬物動態学」
【当日質問】に対するQ&A

1.講演内容からはずれるかもですが、アダラートCRの動態部分で。 L,CRの動きがわかったのですが先発とGEの錠剤の構造が違う(先発は梅干しみたいになってません?)のにGEと同じ動態を示すというのはどう考えたらよいでしょうか?もしくは先発とGEでBAが異なるということになりますか? この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます

プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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