2026年2月

2月19日(木)開催の、「糖尿病関連腎臓病DKD/CKD、心不全に対するSGLT2阻害薬~SGLT2阻害薬を徹底的に深堀りしてみよう~」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。


Q.とても分かりやすく勉強になりました。慢性心不全に対して使用する場合、ジャディアンス10mgとフォシーガ10mgはほぼ差はないように思えますが、先生の中で使い分け基準がありましたらご教授ください。
また、ずっと飲み続けていくことを考えれば少しでも薬価が安い方でという考えもありなのでしょうか?

A.心・腎保護作用はクラスイフェクトだとはいえ、どれでも同じというとは言い切れません。

ジャディアンス10mgとフォシーガ10mgは各試験の対象患者によって結果に差が出た可能性はありますが、これらには個人的には差がないと思っています。薬価が安い方がいいという考えはありだと思います。


Q.尿量増加が尿糖・血糖が高いほど大きいのであれば、脱水リスクは糖尿病で高く、非糖尿病では低い(利尿剤併用なしであれば)と考えるのですが、学会の指導箋では3疾患で脱水の指導重要度は同じになっています
どのように考えればよいでしょうか。溢水の是正効果などが関係するのでしょうか。

A.結論:脱水リスクは「糖尿病の方が高く、非糖尿病の方が低い傾向」は概ね妥当だと思いますが、腎機能や併用利尿薬、塩分/水分摂取で大きく変わります。

SGLT2阻害薬の利尿は初期は浸透圧利尿+軽度Na利尿で、尿糖が多い(高血糖)ほど尿量増加が大きくなりやすい一方、時間とともに腎が適応するため尿量は戻ります。

平田の示したスライドにはCKDの適応がなかったころのデータもありますので、糖尿病であっても数日以内に利尿作用は消失しています。

ということで、脱水リスクは「高血糖、尿糖多い、腎機能良好、ループ利尿薬併用」で高まり、「非糖尿病、尿糖少ない、腎機能低下」では相対的に低めにはなると思いますが、実際には大きな差はないと考えます。


Q.SGLT2阻害薬の腎保護作用には腎糖新生に関係してアンモニア毒性を減らすことも寄与しているのではないか?

A.腎糖新生やアンモニア毒性抑制は理論的には腎保護の可能性はありますが、SGLT2阻害薬の作用として考慮している報告はないと思います。


Q.SGLT2阻害薬はなるべく休薬しない方がいいと聞きましたが、具体的にはどのくらいの休薬から影響があるのでしょうか?

A.SGLT2阻害薬の効果発現は他の腎保護薬に比し早く表れ、開始後数週間以内から心不全・腎イベント抑制効果が現れるため、不要な中断は避け、やむを得ず中断してもできるだけ早期再開すべきです。

例えば心不全では統合解析で開始後約26日で有意差が出始めていますので(PMID: 37615988)、通常、4週間おきの診察であれば中断による不利益が患者さんに現れることになると思います。

 2月19日(木)開催の、「糖尿病関連腎臓病DKD/CKD、心不全に対するSGLT2阻害薬~SGLT2阻害薬を徹底的に深堀りしてみよう~」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。


sglt2阻害薬はなるべく休薬しない方がいいとのことでしたが、どのくらいの休薬から影響があったか具体的な期間を知れたのでどの程度注意すれば良いか理解できた


いつも大変勉強になっております。ありがとうございます


昨年秋より受講させて頂いております。SGLT2阻害薬が糸球体過剰ろ過を防ぐときのスライドはとてもイメージが出来ました。SGLT2を阻害することにより様々な作用は初めて知り、もう一度オンデマンド動画で勉強します。服薬指導では服用を続けることの大切さ、シックデイの理解の確認やケトアシドーシスにならないように食事など注意を伝えなければならないことを常に意識して行いたいと思います。本日は有難うございました


とても分かりやすいご講演ありがとうございます。SGLT2阻害薬の中止基準の根拠を教えてくださり医師への提案もしやすくなったと思います。


貴重なご講演をいつもありがとうございます。少しずつ自分の理解度があがり、以前とは違う疑問がでてきます。他の方の質問やそれに対する解説も勉強になります。


SGLT2阻害薬の腎保護作用には腎糖新生に関係してアンモニア毒性を減らすことも寄与しているのではないかと想像するのですが先生はどうお考えになるかなあと興味を持ちました。 また、稚拙な質問にも関わらず那須先生が言葉を添えて下さって嬉しかったです。これからも勇気を出して質問してみたいと思うことができました。 ありがとうございました。


SGLT2阻害剤についての理解が深まりました。いつも丁寧な説明をしていただき、ありがとうございます。

 2月12日(木)開催の、「透析導入を防ぐための糖尿病関連腎臓病DKD治療の4本柱とクリニカルイナーシャの重要性」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。


勉強になります。ありがとうございます。


他先生の質問でありましたが、心不全でのファンタスティック4早期導入の様に、DKD・CKDにおいても4本柱(3本柱)の早期導入を躊躇しなくても良いのではと今日の講演ディスカッションの中で私も感じました。ありがとうございました。


本当は4本柱薬を最初からすべて使ってもいい、というお話でしたが・・・ 患者の負担金が急に増えて医師はやりにくいかもしれない。だとすると、負担金0円の人に処方することになるのではないか?だとすれば、現役で社会において働いている人たちは4本柱薬の恩恵を(社会復帰する可能性の低い人に比べて)受けにくいのではないかと思った。


いつ聞いても新しい発見があり、考えたり学習する意欲が湧いてきます。実際の業務で平田先生の著書や講義で学んだ知識を生かせた瞬間に自分が薬剤師であることが誇らしく思えています。いつもありがとうございます。


本日も貴重な研修をありがとうございました。RAS阻害薬、SGLT2阻害薬、MRAをほぼ同時に開始してもよいのではというお話がとても興味深かったです。残存腎機能があまりない方には特によいと思いました。


大変勉強になりました。ありがとうございます


蛋白尿を早めにキャッチして対応につなげようということかと理解したのですが、普段は試験紙での蛋白尿検査だったので意味がないかもと不安でしたが意味なくはなさそうだったので少し安心しました。


本日もとても勉強になりました。回を重ねるごとに試験の見かたや薬の特徴など理解できるようになってきました。患者様とのコミュニケーションの大切さ、イナーシャを生まないようにすること、疑問を持ったまま見て見ぬふりをしないよう、出来ることを積極的にやりたいと思います。有難うございました。


チャットでも質問させて頂いていましたが、町のクリニックにて既に糖尿病治療をされておりますが、HbA1Cが10を超えていて、大きな病院で検査入院することになった患者さんでした。既にフォシーガ10㎎は服用中でしたが、HbA1Cを下げる作用は小さいが、腎臓を休ませて腎保護に働くということがよくわかりました。ありがとうございました。


毎回、わかりやすい解説をしていただき感謝いたします。繰り返し繰り返し先生のお話を聞いて、理解が深まっていきます。ありがとうございます。


とても勉強になりました。

 2026年3月開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。

 第66回平田の薬剤師塾 初級編は「透析患者の便秘と腸閉塞・腸管穿孔~腎不全ではなぜ腸内細菌叢が乱れるのか~」です。

 平田が「透析患者の便秘」の講演をすると、よく「なんでそんな軽いテーマで講演するの?」「たかが便秘じゃん!」と言われることがよくあります。高カリウム血症になるから野菜や果物を十分摂れない、心不全になるから水分を摂れないなどの理由で透析患者の便秘は健常者の5~10倍の発症頻度です。それによって起こる腸閉塞・腸管穿孔は毎年300名以上が亡くなっており、表向きでは透析患者の第9位の死亡原因になっています。しかしこれは過小評価されています。だってこれが原因で腹膜炎や敗血症で死亡すれば透析患者の死亡原因1位の「感染症」と判断されるからです。透析患者の便秘は「たかが便秘」ではありません!これが原因で腸内細菌叢の多様性が失われ、尿毒素が過剰産生され、しかも酪酸産生菌の減少によってリーキーガット(腸漏れ)が起こって腸内から血中に移行すればトリメチルアミン-N-オキサイド、インドキシル硫酸、パラクレジル硫酸などによって心血管合併症によって死亡率が上昇します。でも諸悪の根源は便秘の放置なのです。便秘は適切な下剤によって改善可能ですからCRA(心腎貧血)症候群における貧血治療と同じだと思っています。今回はこんな話をさせていただきます。ご興味のある方は「平田の薬剤師塾」に参加してみてください。

◆2026年3月12(木)開催「透析患者の便秘と腸閉塞・腸管穿孔~腎不全ではなぜ腸内細菌叢が乱れるのか~」
 
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
 お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。

(クリックするとPDFが表示されます。)

 

 

 第67回平田の薬剤師塾 中級者編「腸腎連関~腎機能悪化・心血管合併症を防ぐために尿毒素の産生を抑える~」です。

 透析患者数の増加は最近になってようやく頭打ちになりました。でもいまだに日本では透析患者の高齢化は持続しています。便秘患者は透析導入になりやすい、便秘患者の予後は不良で心血管病発症率が高い、便秘患者はCKDになりやすく透析導入になりやすい、便秘患者は心血管病発症・死亡リスクが高いなどから腸腎連関という言葉が生まれています。トリメチルアミン-N-オキサイド、インドキシル硫酸、パラクレジル硫酸などの名だたる尿毒素はすべて腸内細菌が媒介して産生され、腎不全患者の腸内細菌叢は乱れに乱れています。腸内細菌叢を改善する方法について考えてみようではありませんか。

◆2026年3月19(木)開催「腸腎連関~腎機能悪化・心血管合併症を防ぐために尿毒素の産生を抑える~」
 
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
 お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。

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プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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