マラソンは長い。僕らの年齢では4時間以上、ずっと心拍数160で走り続ける過酷なレースだ。そして30kmを超えると脚と足の全ての関節が痛む。だけどどんなに長くてもゴールはあるし、走り続ければそのゴールに近づく。そして長かった分、感じることのできる完走後の達成感。このために僕は数か月間、休むことなく走り続けたんだよ。土日は必ず20-30kmのLSD(これは幻覚剤じゃなくってLong, Slow, Distanceの略でゆっくり長距離を走るスタミナ練習、僕はこの時間を無駄にしたくはないので走りながらイヤホンで英会話や医学・薬学英単語を繰り返して聞いている)をやったんだよ。坂道ダッシュやペース走も、こんな年で無理してやったんだよ。食べたいものは我慢して炭水化物制限ダイエットを2か月近く続けてレースのために体重を5kgも落としたんだよ。だけど順位なんてどうでもいい。「やり遂げた」という気持ちを味わいたいから。この年になってもこのきついフルマラソンを完走できたんだということを心の支えにしたい。これは普段の生活や仕事にも当てはまる。嫌だけどやらなきゃいけないことが目の前にたくさんある。それから逃げるんじゃなく、工夫してうまく向き合い、何とか超えてゆくんだ。同じじゃないかな、スポーツも仕事も。レースの結果が悪くってもいい。苦しい練習を積んだんだというプロセスを大切にしたい。今回の結果がよくなくても今後の自分の成長にきっと役立つから。

 きつい練習だけど、外に出るといつも神戸の穏やかな海が見え、振り向けば六甲山が見える。日本全国、旅をしながら旅先の景色を見ながらのランニングもとても気持ちいいし、その後のお風呂やサウナは最高だ。膝が治って69歳になってもなお、健康で走れるという喜びは何にも代えがたい。「目指せ大阪マラソン市民アスリート(1,500人)」という枠が大阪マラソンにはあって40歳未満の若い人はサブスリー、60歳代は3時間50分以内、そして70歳以上では4時間30分以内で走れば先着順で抽選しなくても走れるらしい。これを目指したい。だから70歳になってもマラソンはやめられないね。

 学会に参加するといつも熊本のランニング仲間が声をかけてくれる。「日曜日の朝6時集合で走りましょ」。今年も10月の日腎薬名古屋大会では名古屋城まで仲間と走り、11月の医療薬学会仙台大会では青葉城まで仲間と走って朝焼けを見た。職場にはI&Hランナーズというランニングクラブがあって、定期的に長居公園や淀川河川敷での駅伝やリレーマラソンに参加する。距離は3-5kmなので、いつもよりハイペースの5分/kmと僕にとってはかなりのハイペースなので死にそうなきつさ。でも走った後には居酒屋でビールで乾杯!あ~、もう、最高!生きててよかった。

 ということで2023年11月19日の神戸マラソンは60歳代で4時間25分19秒(平均ペース6分12秒/km)でした(写真)。去年の神戸マラソンより22分速く、9月の網走オホーツクマラソンよりも10分速く走れました。いつもは65kgある体重を59kgに絞ったのでやつれて見えますが、中身は元気です。

 6分/kmで走り続ければ4時間13分、5分40秒/kmで走れば4時間の壁を超えられる。70歳で4時間の壁を超えられれば、本当にすごいと思う。

プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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