再び太平洋~船内の日常を紹介します~

 12月26日の夜に船はホノルルを出港してタヒチに向けて南下し、27日は太平洋上で遅めのクリスマスを船内で祝い、12月30日には赤道を通過して僕は今、南半球にいます。そしてもちろん、クラブ活動が再開しましたので、洋上でもまったく退屈していません。ピースボートの1日はとても忙しいのです。朝一番の最上階でのラジオ体操が終わると(写真1)、ヨガ、太極拳、サルサ、社交ダンス、ズンバなどの様々なダンス教室があり、妻はダンスが好きなのでもっぱら身体を動かす方に参加しますが、僕は朝6時から8時半まで「楽器演奏広場」でさいたま市在住で船内で知り合ったギターの師匠の塚本さんとコンビを組んで結構難しい洋楽を練習、オカリナやフルートの伴奏をやったり、70年代のフォークソングをギター仲間と一緒に歌ったりして楽しんでいます。

 自主企画の「マラソン完走談議に集まろう」で70歳代、80歳代でマラソンを完走した猛者とお会いできました。そして午後はジムのトレッドミルで1時間疾走した後、1周約500mのウッドデッキを英会話を聞きながら5km程度速歩をしていますので、この12月は生涯最高の走行距離になり、いつでもフルマラソンを完走できる状態に仕上がっています。そして夕焼けを眺めながらデッキでギターを弾いたりで(写真2)、ストレスはないので、健康そのもの。そして夜はバンドのコンサートや洋上シネマ(最上階では洋上シネマといって、プールの横に寝そべりながら映画を見ることができます)。妻夫木聡、安藤サクラの「ある男」は結構よかったです。スピルバーグの「ウエストサイド物語」は良かったけどスピルバーグでもオリジナルを超えられなかったような気がします。などなど、毎日、結構新しい映画を無料で楽しめます。(写真3,4,5)。

 

船内の食事事情

 14階にあるビュッフェスタイルのレストランは6時から22時まで、いつでも好きなだけ食べられますし、ほかにも洋食、和食を楽しめるレストランが2つあり、どこでも食事は無料。ホテルのロビーのようにソファでくつろぎながら本を読んだりPCを使って仕事をして、お腹がすいてピザを頼んでも、無料だし、最上階のデッキにあるアイスクリームも無料です。オアフ島上陸時のランチ用に公園や海岸で食べるためのクロワッサンやマフィン、バナナやリンゴをランチボックスに入れて持って帰るのも無料ですから、食事に関してお金を使うことはまずありません。有料なのはお酒類と、居酒屋「波へい」で注文する酒の肴とすし屋くらいです。基本、ホテルと同じですから、ベッドや部屋の整頓、タオル、バスタオルやトイレットペーパなどの交換は船のスタッフがやってくれます。バーは2か所ありますが、もっぱら集会所やコンサート用に使われており、お酒を飲む場ではないというのが、他の豪華客船と異なるところでしょうか。それと食材は誰かが言ってましたが、「業務スーパー」などでかなり安く仕入れて、工夫しているという感じです。お昼にちらしずしやそばやうどんも食べられますが、一番安い乾麺を使っています。でも和食が全く食べられないよりは随分いいと思っています。ピースボートは「平和の尊さを知る」という目的も持っていますので、お金のない若い人たちでも100万円ちょっとで乗ることができるので決して豪華ではないのですが、食事内容には全く不満はありません。厨房、レストランのボーイや部屋の清掃などのスタッフ数は、インドネシア人が最多でそのほかに、タイ人、フィリピン人(バンドメンバーはやはり英語の堪能なフィリピン人です)、インド人、欧米人と多彩です。中国語、英語、韓国語、スペイン語の堪能な通訳スタッフも若いボランティアのような感じで20名以上います。

 

自主企画で講演をやってみた、そして結構受けた

 12月28日、29日には「平田の健康長寿塾~何を食べたらいいのか?~」という自主企画を開催し、得意の講演をしました(写真6)。医療者向けではない講演は腎臓病患者、透析患者の会で話したことは何度もありますが、一般人向けの講演はたぶん、初めてですので、難しくならないように気をつけました。地中海食、糖質制限食、そして糖尿病学会が推奨してきた低脂肪低カロリー食を比較すると、すべてにおいて低脂肪低カロリー食が勝ることがなかった(Shai I, et al: NEJM 359: 229-241, 2008)という話を中心に、高齢者、フレイルで痩せた高齢者の食事についても話しました。しかし1回目は50分の予定が55分話してしまい、次のプログラムの方に迷惑をかけました。「話が長い」という平田の癖はいつまでたっても直りません。でも2日目はうまくいき、いろんな質問を受けましたし、講演後はいろんな人から声をかけてくれるようになりました。評判はとても良かったようです。

 

コンサートも結構受けた

 僕のギターは一見、バラライカのような変な形をしているので、持っているだけでたくさんの人たちから「何の楽器?」とよく聞かれます。商品名はバックパッカーといってギターメーカでは一番有名な老舗のマーチンがギターを作った時に余る端材を利用して、薄く小さく軽いギターをメキシコで作ったものです。コンパクトギターと違って弦の長さは普通のギターと一緒なので、弾きやすいのが特徴、ストロークした時の音はフルサイズのギターにはかないませんが、指引きの好きな僕には合っています。でもこの変なギターのおかげで、「変なギターでビートルズを演奏する人」と船内では徐々に知られるようになりました。

 28日のLet’s Enjoy Musicコンサートは塚本さんとサイモンとガーファンクルの「4月になれば彼女は」とアニマルズの「朝日の当たる家」、翌日はビートルズの「And I love her」がかなり受けました(写真7)。さいたま市在住の僕のギターの師匠の塚本太一さんはギターとボーカルをyoutubeにアップしています。Youtubeではギター演奏に関してはうまい人が多いのですが、塚本さんはビートルズやクラプトン、サイモンとガーファンクルや日本語でも「なだそうそう」など、素晴らしいアレンジのギターでギターもボーカルもかなりうまいのです。1月3日には塚本さんとのギターデュオと打楽器のプロの小栗さんに入ってもらって、3人で50分のミニコンサートをやることになりました。乗船客の多くが高齢者なので、ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ボブディランなどの1970年前後の曲を中心にしようと思っています。塚本さんは何でも演奏できる人ですが、曲決めは「平田さんが決めていいよ」と寛大です。

 ピースボートでの旅は、講演会、次回寄港地情報、コンサート、映画、ダンス、ヨガ、趣味の自主企画など、すべてが充実しており、参加していると暇なんてありません。勉強するための本をいっぱい持ってきましたが、なかなか読む時間が見つけられなくなっています。とりあえず英語だけは、走りながらでも聞けるので、レベルアップしようと思っています。そして野菜、肉をいっぱい食べて、健康によいオリーブ油を摂って、いっぱい運動して、平田はすごく健康です。

プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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