ポスター作製秘話
平田も今年で62歳。あと3年ちょっとで熊大を定年退職します。それまでにやっておかねばならない大仕事が、来年7月22、23日開催の第3回日本医薬品安全性学会と、2019年、熊大最後の年に開催する第13回日本腎臓病薬物療法学会です。
2017年の安全性学会の熊本開催はずいぶん前から決まっていましたが、予想にもしなかったのが、「熊本地震」です。開催する予定だった会場の熊本市民会館大ホールが地震で被災し、復旧のメドが立たない。宇野理事長には電話で、このような事情から開催を断念するかもしれないことも相談していました。全国規模の学会を開催するのは立地・収容人数から考えても熊本市民会館とお向かいの国際交流会館はどうしても外せなかったからです。
ところが、熊本市の国際観光コンベンション協会(県外からの熊本への来訪客の誘致を促進するための団体)がここで動いてくれました。協会から紹介されたのは「ホテルメルパルク熊本」、便利な場所できれいなホテルというイメージはありましたが、県外の友人が止まったということも聞いたことがないし、馴染みのないホテルでした。なぜならこのホテルは宿泊施設としての部屋数は少ないのですが、結婚式などのイベント会場として有名だったからですが、「ホテルを学会会場として使うと高くつく」というイメージとは異なり、コスパのよい価格を提示してくれました。安全性学会の開催はいつも暑い7月。他の学会と競合しにくい日程を選んでいたのです。このころに結婚式はほとんどないため、思い切った価格を出してくれたのでした。
ただし熊本の観光は地震の影響を強く受けました。シンボルの熊本城は無残な姿、阿蘇は主要道路が寸断され、水前寺公園の庭園の池も水がなくなっていたのです。もうすぐ岐阜大会が迫ってくる。プロのデザイナー以上のデザイン能力を持つ秘書さん(名前は内緒です)に、熊本のシンボルを避けて「安全性」をイメージしたポスターを数種類作成してもらいましたが、宇野理事長には「やっぱり熊本城が一番いいね」と言われました。内心、ぼくもそう思いました。苦肉の策ではありますが、熊本城をメインにしたポスターを作成し、第3回のテーマを「医薬品の安全性を担保せよ!~復興・熊本からのメッセージ~」とさせていただきました。熊本は地震の被害を受けましたが、頑張って復興します。学会の時には熊本城の本丸もまだ改修は終わっていませんが、あえて、そのありのままの熊本城を見ていただきたい。そしてその1~2年後は本丸の改修工事が終わる予定ですので改めて立派な熊本城を見なおしていただきたいのです。熊本に1人でも多くの人に集まっていただきたいというメッセージを込めてこの大3回大会を開催しようと思います。安全性学会は第1回大会を福山、第2回大会は岐阜、そして第3回大会は熊本、この共通点はお城で有名な都市であること。やはり日本3大名城といわれる熊本城をメインにしたポスターが一番だなと改めて思います。
安全性学会は医薬品の安全性を主眼に置いた唯一の学会です。安全性は軽いテーマではありません。どの講演もシンポジウムも、演題も聞きごたえのある面白い学会です。勉強になる学会です。そして本当にためになるプログラムを一生懸命考えていきたいと思います。ぜひとも2017年の7月22日、23日には熊本に来てください。よろしくお願いいたします。
≪ 第3回安全性学会のトピックス ≫
トピックス1
来年の安全性学会はクールビズでやります!上着・ネクタイ不要です(何らかの着衣は必要です)。
トピックス2
以下の講演が決まりました。
特別講演:「医薬品安全性を高めるための育薬の役割」東京大学大学院育薬学講座・澤田康文先生
理事長講演:「医薬品の交差アレルギーを極める」日本医薬品安全性学会理事長・宇野勝次先生
大会長講演:「薬剤性腎障害を防ぐ」熊本大学薬学部・平田純生