NSAIDsによる腎障害 ~Triple whammyを防げ~
1日目 NSAIDsの4大副作用
NSAIDsは痛みを抑える以外にのんで得することがない。1日3回、1回1錠で30日分投与されても、痛くなければ飲む必要がない。いや高齢者に限っては、のまない方が患者さんのためになる!と平田は思っています。だって副作用は半端じゃない。胃障害、出血、肝障害、腎障害、アスピリン喘息、高血圧をはじめとした心血管病変の悪化。これについてはいいかげんな日本の添付文書ではなく、米国のイブプロフェンの添付文書を参照したいと思います。
以上に示すようにNSAIDsの副作用は実に多彩です。平田は熊本大学では学生たちにNSAIDsの4大服用を叩き込ん でいました。すなわち①胃障害、②腎障害、③出血助長、④アスピリン 喘息(NSAIDsに共通しているので、NSAIDs喘息だ!)ですが、それに加えるとすればNa・ 水貯留から高血圧をはじめとした心不全・脳卒中など心血管病の悪化も重要ですし、「表.NSAIDsによる腎前性急性腎傷害の危険因子 (このような一覧表は このブログのカテゴリ→育薬に活用できるデータベース→薬剤性腎障害 で印刷も可能です)」を参照すれば、忘れていました。 高レニン血症や高アルドステロン血症も急性腎障害(AKI)を悪化させる危険因子でした。血圧も上がるだけじゃなく浮腫、蛋白尿、 血清クレアチニン上昇、高カリウム血症も副作用として考えられるから後期高齢者や腎不全患者では飲まない方がいいという理屈が分かっていただけます。