7月17日(木)開催の 中級者コース「学会発表、論文作成、英語論文作成のこつ」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.学会発表を行う際の研究テーマに関する質問です。過去に行われた他施設の発表を当院ではどうだったか、というのは学会発表を行う上で問題ないですか?
論文のように新規性は必要でしょうか?CQ→RQにはできますが、テーマとして適切かいつも悩んでます。
A.学会発表では全く問題ありません。他施設と当院では対象が異なりますから。
論文でも問題ないと思います(レベルの高い雑誌でなければ)。薬物を使うには地域性が影響しているかもしれません。暑いところと寒いところ、塩分摂取の多い県、少ない県で異なる影響が出る可能性がありますし、他施設の報告のN数が少なければ明確な結論とは言えないので、N数が少ないために同様のことをやってみた、などいろいろ理由がつけられますから。
レフェリー対策として、前もって異なる点を強調することで同じ報告ではないことをアピールしてもいいでしょう。
例えば「同様の報告は他施設でなされているが、若年者の割合が多かったので、今回は我々の施設で平均年齢がより高い群で結果がどうなるか確認してみた」などとイントロに書いてみればよいでしょう。ただしレベルの高い雑誌だと、こういう理由を付けてもリジェクトされることがありますので、投稿する雑誌をうまく選びましょう。
Q.医師への疑問点というか、例えば高カリウム血症になっている患者でeGFR20未満でRAS阻害薬が出ていて、MRAも出ていますが、ロケルマもでてカリウム調整してるのですが、心不全もありなのですが腎機能を維持しつつ心不全悪化を防ぐ為に腎機能が低下してもカリウム上昇しても、使い続けるのも必要なのでしょうか?
疑問がある場合は医師に疑義にてディスカッションしてもいいものなのでしょうか?
A.「高カリウム血症になっている患者で」ということですが、5mEq/L台で、ロケルマが併用されていれば、医師はカリウム摂取に気を付けるよう患者指導しているはずですし、薬剤師のあなたも「生野菜、果物の摂り過ぎには注意してくださいね」と説明すべきでしょう。6mEq/Lを超えていれば、多くの医師はロケルマを併用する前にMRAの投与を一時休薬するでしょう。
そして使っているMRAがケレンディアでなければカリウムが上がりにくいケレンディアに変更していただきましょう。薬価が安いということでスピロノラクトンを選んでいる医師もいますので(でもロケルマを投与しているのですから、それだけでも薬価が上がりますよね)
心不全でMRAは非常に重要な位置づけで、心不全ガイドライン2025でも多くの病態の心不全で推奨レベル、エビデンスレベルがⅠAになっています。これは「エビデンスレベルが高いのでMRAを使え」ということを意味しています。RAS阻害薬だけではアルドステロンを抑えきれないから、そしてアルドステロンが腎臓にも心臓にも良くないことをしているから、ロケルマを併用してでもMRAを投与している医師は腎・心のことをよく知っているレバルの高い医師だと思います。
だから「カリウムがどれくらいになればMRAを中止すべきか?」などのディスカッションをすることはいいと思います。
いきなり疑義紹介するよりも、医師の空いた時間を見計らってディスカッションしてみてはいかがでしょう?