プルゼニドⓇ錠やヨーデルⓇ錠などの刺激性下剤は一般外来では3~4錠/日が最大投与量だが、透析患者は10錠以上+アローゼン4包など、大量を連用することが普通にみられる。アントラキノン系の刺激性下剤は腸管の蠕動を亢進する下剤で、一見、高齢者の蠕動力低下による便秘には有効性が高いように思えるが、刺激性下剤は結腸全体、つまり盲腸から直腸の結腸全体を刺激するため、最初は硬結便、通常便、泥状便、そして腹痛とともに水様便が排泄されて結腸全体が空っぽになる。そのため大腸の再充満時間が延長し排便間隔が長くなって、連用すると依存性や耐性を生じる(図1)。刺激性下剤はもともと頓服で週に2~3回頓服で使用するものなのだ。世界消化器連合ガイドラインでの推奨度・エビデンスレベルはラキソベロンで2B、他のセンナやアントラキノン系の刺激性下剤は3Cと評価が非常に低い。刺激性下剤を使用すると最終的には大量のカリウムを含む水様便が排泄されるため、低カリウム血症を起こすが、透析液中のカリウム濃度は2mEq/Lと低いため、透析によるカリウム喪失によって透析直後は低カリウム血症が助長され、蠕動力がさらに低下して便秘が増悪する。そして食の細い高齢透析患者ではもともと血清カリウムが低値であるため、透析後に麻痺性イレウスをきたすことがある(図2)。それでもなお透析患者が刺激性下剤の処方を望むのはワンフロアで20~30人もが同時透析をしているので、便意を催したくないという心理が働いいているのだろう。透析患者の死亡原因の9位はイレウスで毎年300人以上が死亡する極めて深刻な合併症なのだ。

