「これを寝る前に飲むだけでクレアチニン1.5→0.8」とか「クレアチニン1.5→0.8にガンガン落ちる食べ物」「eGFRが50代から70台に上げる方法」なんてタイトルのYouTubeがあるけど、全部ウソだよ。中には医師がこんなウソを言っている。急性腎障害で一時的に悪化した腎機能は元に戻ることはよくあることだし、セマグルチドなどで激やせするとクレアチニンが下がることがあるけど、これは脂肪が主に少なくなるけど筋肉もやや少なくなるから、筋肉由来のクレアチニンが減少して腎機能がよくなったように見えるだけのこと。こんな時の腎機能はシスタチンCによるeGFRでないと判断できないんだ。慢性心不全は薬物療法の恩恵でリバースリモデリングが起こって駆出率やBNPやNYHA分類が改善することはよくことだけど、なんで腎機能はよくなることがないのか?
腎の糸球体はそれを取り巻く糸球体上皮細胞の足突起が脱落すると、足細胞は再生できないため、慢性腎臓病の腎機能がよくなることはありえない(図1)。足突起の脱落は高血糖や高血圧に起因する糸球体過剰ろ過で起こる(図2の下)。つまりタンパク尿やアルブミン尿が高いのを放っておくと、特に糖尿病関連腎臓病DKDでは腎機能は急激に悪化するので怖い(図3)。こうなる前に血圧・血糖管理を改善し、RAS阻害薬やSGLT2阻害薬を投与してもらうために受診していただこう。


