13日目です。病態によってCrの尿細管分泌が増えることが報告されています。このような疾患では血清Cr値が低下し尿中Cr濃度が上昇するため、腎機能が高くなりますが、GFR(イヌリンクリアランス)には変化がありません。つまり実際には腎機能はよくないのによく見えてしまう現象(腎機能の過大評価)が起こります。
【 附則1 】
ネフローゼ症候群などによる低アルブミン血症や糖尿病ではCrの尿細管分泌が増加し、腎機能を過大評価してしまう。
ネフローゼ症候群などによる低アルブミン血症ではCrの尿細管分泌が増加し、腎機能を過大評価する程度が大きくなります。ただし総タンパク濃度との相関性は低いです1)。また同様の現象が糖尿病でも報告されており、血糖コントロールが不良な糖尿病患者ではCrの尿細管分泌が増加して腎機能を高く見積もることがあることが報告されています2)。
引用文献
1)Branten AJ, Vervoort G, Wetzels JF: Serum creatinine is a poor marker of GFR in nephrotic syndrome. Nephrol Dial Transplant 20:707-711, 2005
2)Nakatani S,et al: Poor glycemic control and decreased renal function are associated with increased intrarenal RAS activity in Type 2 diabetes mellitus. Diabetes Res Clin Pract 105: 40-46, 2014
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