14日目、いよいよ最終回です。実測CCrに0.715をかけるとGFRとして評価できます。Cockcroft-Gault式から算出された推算CCrに0.789をかけるとGFRとして評価できるとCKD診療ガイドライン2012に書かれています。でもちょっと待ってください・・・・・。
【 附則2 】
高齢者のeCCrEnzには0.789をかけない。 eCCrEnzに0.789をかけるのは若年者のみである。
腎機能が加齢による影響を受けやすい、つまり若年者では高く(GFRよりもCCrが高いのは当たり前ですからこれは問題ありません)、後期高齢者では低い(CG式では1年に約1mL/minずつ低下しますが、実は平均的な日本人の腎機能は加齢によってそんなには低下しないことが分かっています; 図110)という特性を持っていることを理解する必要があります。若年者では推算CCrは腎機能を過大評価してしまうので、0.789倍してGFRとして評価する必要があります。高齢者では腎機能を過小評価しがちですので0.789をかけるべきではありません。実際には入退院を繰り返す高齢のフレイル症例は、健康で入院しない高齢者と異なり腎機能が低下していることが多いと考えられます。このような脆弱な患者さんにはCG式による推算CCrの方がeGFRよりも適していると言えるかもしれません。
14日間に亘るブログの内容をまとめたものは下記URLからダウンロードできます。