5月8日(木)開催の 初心者コース「学び直しの薬物動態学」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.最近、ある書籍で「低Albだからループ利尿薬が効かないのではない。低Albの患者は低栄養や全身状態が悪かったり、炎症などがある原疾患を持っていることが多く、それを改善しないとループ利尿薬は効かないことが多い」というような記載を目にしました。これに関しての先生の見解はいかがでしょうか?
A.「低アルブミン血症の患者は低栄養や全身状態が悪かったり、炎症などがある原疾患を持っていることが多く、それを改善しないとループ利尿薬は効きにくい」というのはある程度同意できますが、このような患者は高齢CKD患者ではよくあることですが、それほどフロセミド抵抗性だとは思いません。むしろ典型的なネフローゼ症候群や肝硬変による腹水のほうがフロセミドが圧倒的に効きにくい病態ではないかと思っています。ネフローゼではアルブミンの併用で尿量は増えますが、尿中アルブミンも増えるので腎機能が悪化しますし、治療費も無駄に高くなりますのでやりません。腹水に関してはスピロノラクトンやトルバプタムも使えますし、アルブミンも使えますので、フロセミド抵抗性も克服できると思います。
Q.腎機能正常として、レボフロキサシン250mg2錠分1とレボフロキサシン500mg1錠分1では体内動態同等と考えて良いのでしょうか?処方元の採用品の関係なのか、どちらの場合の処方もお見かけする事があるのでふと疑問に感じ質問させて頂きました。くだらない質問でしたらすみません。よろしくお願いします
A.レボフロキサシン250mg2錠分1とレボフロキサシン500mg1錠分1では全く体内動態が同等だと考えます。
Q.情熱の講義をありがとうございます。統計学のおすすめの本の話はブログに載ってますか?最近職場でよく聞く話でしたが、勉強してないのでわからないと思ってます。これを機に勉強できたらと思います。教えていただけると嬉しいです。
A.統計学のおすすめの本の話はブログに載っていません。学会発表や論文を書く時、あるいは論文を読んで判断するときに統計の知識は必ず必要になりますが、質問者の仲間や先輩で統計の詳しい人がいれば、どのような統計解析プログラムを使っているか聞いてみて、その方の使っているものと同じ教科書(今はEZRが人気だと思います)を買うのがよいでしょう。初心者であれば実際に本を手に取って、むつかしそうなものは避けたほうが無難です。僕自身、統計はそんなに得意ではないですが、最低限知っておく必要があったのでこの図の下の4つは実に際購入しました。しかしどれも簡単な方だとは思いましたが読むのは大変でした(この中では新谷歩先生のがおすすめです)。上の4つは手に取ったことがありませんがやさしそうに見えたので載せています。
Q.抗生剤ですが早く血中濃度を上げるために低腎機能の場合初回にのみ用量多く投与する方法はレボフロキサシンでは見られますが、ほかの薬剤ではどうでしょうか。健常者についても、も含めてやはり耐性菌を最初は叩く意味合いでは同じことがいえる可能性はありますか?
A.よく取り上げられているのはバンコマイシン、テイコプラニン、レボフロキサシンなどの腎排泄抗菌薬ですが、 他の薬剤でも基本は同じです。例えば、アモキシシリンが投与されていたら、僕が患者だったら、初回は2倍量飲むと思いますが、「初回用量を増やしてください」とまでは言わず、時間のある時に処方医とディスカッションしたいと思います。でも無理強いはしません。
Q.計算と実際が違うとあるDrが言っていたそうで、その真偽はわかりませんが、平田先生はそう思ったことはありますか。
A.ごめんなさい。質問の意味がよくわかりませんでした。