これは使い方次第というのが答えかも? 1993年のLewisらの報告以前はCKDの進行を阻止する手段は血糖管理・血圧管理以外になかった。ACE阻害薬のカプトプリルが腎機能の悪化を防ぐ初めての報告だった。DKDの進行を5~7mL/min/年遅らせた。すごい結果に見えるが、対象は血糖管理ができていない時代の1型糖尿病で腎保護作用を示す薬が全くなかった時代のことだ。2001年のIDNT trialでイルベサルタンはアルブミン尿を33%低下させ、プラセボ群・アムロジピン群に比し有意に複合エンドポイント(血清Cr値の2倍化、ESRDへの進行、全死亡)を抑制した。2002年のRENAAL試験ではロサルタンがアルブミン尿を30-40%減少させ、透析導入リスクを28%低下できた。これらのエビデンスレベルの高い臨床試験の対象者はすべてアルブミン尿、または蛋白尿(+)の患者であるということ、蛋白尿のない患者でのRAS阻害薬の腎保護作用は示されていないのだ。
RAS阻害薬投与によって輸入細動脈が拡張するため糸球体内圧が低下し、糸球体過剰濾過が軽減し蛋白尿は改善するがGFRは低下するので糸球体の負担は軽減するが、休ませすぎると腎機能が悪化することは知っておこう。だってRAS阻害薬は特に高齢者で起こりやすいTriple Whammyの1つだから、腎機能悪化には気をつけなきゃいけないよね。CKD診療ガイドラインでも75歳以上の後期高齢者でeGFR30mL/min/1.73m2未満の患者にはCa拮抗薬を勧めているように、個人的には腎機能を測定しない医師は蛋白尿のない高齢者(多くは腎硬化症?)にはRAS阻害薬よりもCa拮抗薬を使うほうが無難だよと思ってる。



