4月9日(木)開催の、「腎機能をしっかり見れる薬剤師を目指そう(初心者編)」につきまして、ご質問を多数いただきましたので、回答いたします。
今回はこれまでにない数のご質問をいただいていることから、本日より3日間にわたり、全3回に分けて、各回16時に公開予定です。
Q.ステロイド使用患者さんてシスタチンCの値がブレると思いますが、サルコペニアでステロイド使っている方は何を指標にされますか?
A.高用量ステロイドの投与により、血清シスタチンC値は上昇し、腎機能を過小評価することが報告されて
います。またステロイドを投与すると筋肉量が減り脂肪が増えます(だから糖質コルチコイドという)が、。そうなると、クレアチニンによる推算式も使いにくくなります。このような時には実測GFRの測定がベストですが現実的ではありません。(日本人のeGFRcr + 日本人のeGFRcys)/ 2で判断するか、実測CCrを測定するとよい思います。実測CCr×0.715でGFRとして評価できます。
Q.体表面積で補正していたら体重の影響は補正されていると考えて良いでしょうか?
A.ことばの使い方がむつかしいのですが、体表面積補正eGFR(mL/min/1.73m2)の計算には年齢、血清Cr値、性別しか使われていません。ということは体表面積補正eGFR(mL/min/1.73m2)には体重で補正はされていないということです。体表面積補正eGFR(mL/min/1.73m2)には「補正」と言ってるのに体重で補正はされていないというのはとてもややこしいですね。体表面積補正eGFR、体表面積未補正eGFRとすると聞き間違え、書き間違いが多くなるので、標準化eGFR、個別eGFRと日腎薬で定義しました。そう、これらは僕たちの作った造語なのです。
Q.知識不足で申し訳ございません。サルコペニアは体表面積などから判断するのでしょうか?
A.サルコペニア(筋肉減少症)の診断は、主に「AWGS 2019(アジア・サルコペニア・ワーキンググループ)」の基準に基づき、①筋肉量(低下)+②筋力(握力)または③身体機能(歩行速度)の低下で判定されます。男性28kg未満/女性18kg未満の握力や、歩行速度1.0m/秒以下の低下、および骨格筋指数(SMI)の低値が指標となります。長期臥床患者・車いすの必要な方、要介護度の高い方はほぼほぼサルコペニアと思ってよいでしょう。
Q.高齢患者さんでCr0.6㎎/dlで、医師から腎機能がいいからと腎排泄型薬剤が通常量処方されることを経験しますが、その時はコッククロフト式でクリアランスを計算して、医師に提案するのがよいでしょうか?
A.腎排泄型薬剤がリスクの高い薬であれば血清Cr値での腎機能は信用できません。推算CCrは加齢の影響を受けやすいのでで90歳ならかなり低い値になります。その腎排泄型薬剤が非常にリスクの高い薬かどうかによります。例えば、ダビガトランを35kgの高齢女性に投与する際、血清Cr値が0.6㎎/dLだったら推算CCrは34.43mL/minとなります。ダビガトランは30mL/min未満なら投与禁忌ですが、僕だったら他のDOACに変更してもらいます。ですから腎排泄型薬剤がハイリスク薬であるかどうかを一番重視します。
Q.肥満患者さんの場合、理想体重や補正体重を使用してCG式に代入しているのですが、eGFRの1.73m2をとるときの体表面積は実体重でよろしいですか?それとも、そちらも補正した方がよろしいですか?上手く説明できずに申し訳ございません。
A.実体重で構いません。個別eGFRがすでに身長・体重で計算された体表面積で補正されていますから、理想体重・補正体重で補正すると二重補正になります。二重補正は大きな人の過大補正、小さな方の過小補正の原因になりますのでやってはいけません。
Q.CG式は肥満患者さんで体重補正が必要だと思うのですが、個別化eGFRと相関するのですか?個別化eGFRは体重補正しないでよろしいですか?
話は変わるのですが、医師に聞かれたときにどう答えようといつも思うのですが、先生方はどのようにわかりやすく答えていますか?本当は自分で考えなければならないのですが、考えがまとまらずで…
A.CCrは通常、GFRの120~130%の値になりますので、個別化eGFRと相関します。個別化eGFRには身長・体重を含んでいるため、さらに体重星をしてしまうと二重補正になるので、やりません。
医師には分かりやすく答えてあげてください。答え方は薬剤師によって一定にする必要はなく個性があったほうがいいとお見ます。様々な経験を積むと、分かりやすく答えられるようになると思います。
Q.薬物投与設計で、個別化eGFRと個別化eCCLのどちらかを参考にするかは、専門家でも意見が分かれると過去の平田先生の講演で聞きました。その点、詳しく教えていただいです。アンチ個別eGFRの意見を知りたいです。
A.初期段階での情報共有の徹底が不十分だったために様々な解釈をする方が出てきて、意見に分かれつつあります。でも意見は持っていたら、それなりに確認するための検討をし、論文に残していただきたいのですが、自分なりの理論で意見を言っている方が多すぎます。基本は2010年前後に書かれた堀尾勝先生の論文が英語も日本語も多くあり、一点の曇りもなく素晴らしい内容になっています。なにせ日本人向けeGFR推算式を作った方ですから。
「専門家でも意見が分かれる」内容を詳しく書くといろいろな考え方・解釈方法を持つ人を非難することになりますので、ご勘弁ください。僕は堀尾勝先生と何度も議論し、質問もさせてもらっていましたし、解決できない疑問点については、かなりの数の論文を書いていますので、2009年から今までずっと考え方はぶれていないつもりです。
Q.ラウンドアップ法があったかと思うのですが、筋肉ムキムキの人の腎機能推定の考え方がわかりません。
A.筋肉ムキムキの人の腎機能推定は教科書的にはシスタチンCを使うとガイドラインなどにも書かれていますが、引用文献はありません。熊本でボディビルダー、熊大ラグビー部の方を対象にやりましたが、シスタチンCと実測値との相関性は低かったです。
Q.最近の薬は、酵素法でCrを測定しているかどうかは、どのように判断すればよいでしょうか?
A.日本は2000年以降から酵素法が主流になり、現在、すべて酵素法になっていると思います。しかし、薬の治験時の腎機能となると、何法で測定しているかについてはインタビューフォームにも載っていませんし、メーカーに聞いてみるしかありません。おそらくメーカーは「分からなない」と答えると思います。
※アンケート内に以下の質問がございましたので、こちらで回答させていただきます。
Q.最近、