“Yes, we can” の輪を広げよう

「えー?学会で発表なんて!」なんて思っている人はいませんか?今までに薬局の先輩達が一度も発表したことがない方はそう思うかもしれません。でも、我々、白鷺病院の薬剤師であれば学会発表は必須の仕事、学会発表することが当たり前になっていますから、どの薬剤師も決して「自分にはできない」とは言いません。私自身が学生時代、相当の劣等生でしたが、そんな私にでもできているのだから、若い薬剤師達も「君にだってできないはずがない」と励ますことはありますが、みんながやっていれば誰でもできてしまうのです。結局、学会活動の活発な薬剤師の多い病院とそうでない薬剤師の多い病院の違いは「私にでもできる」「私にだってできないはずはない」と考えるような土壌ができているかどうかの違いではないでしょうか?決して我々は競って発表しているわけではありません。薬局内の勉強会で疑問に残ったテーマ、解決できていない問題症例を何とか文献検索して、あるいは薬剤師同志で話し合って、あるいは医師やナースなどと話し合って疑問を解決したいと思うのはプロの薬剤師として当然のことだと思っているのです。解決できていない薬の問題点や症例に対する疑問点を全精力を注いで解決し、一定の結論が得られれば、それがポジティブデータであっても、ネガティブデータであっても学会発表、文献執筆という形で報告することによって完結させます。学会でフロアーや座長から質問さしていただくことによって、あるいは文献投稿時にレフェリーに批判していただくことによって薬剤師として、そして研究者として一歩一歩ステップアップしていくものだと思います。「私はちゃんと学会発表していますよ」なんて、地方の研究会程度で満足していませんか?ステップアップするための階段はまだまだあるのですよ。とはいえ人間が成長して大きくなることは決してたやすくありません。結局、少しずつステップアップするしかないのです。薬剤科内の症例検討会→院内の症例検討会(薬剤師も院内の症例検討会に参加して、薬剤師も症例報告しています)→地方の学会発表→全国レベルの学会発表→文献投稿→国際学会発表→英文文献の投稿→国際的に認められた一流紙への投稿、このようにあなたの成長する余地ははまだまだあるのです。一段一段上がるごとに薬剤師として大きく成長しているのが自分で体感でき、数年前の自分がどんなに低いところにとどまっていたかがわかると思います。勉強はちゃんとしていても、学会でちゃんと話を聞いていても、あなたは高い山を見上げているだけ。見上げているだけでは全然、頂上には近づかないのです。周りの人が登り出さないのなら、あなた自信がステップを踏み出してみてください。学会で質問され、あるいは文献投稿時にレフェリーに批判されるのを恐れてはいけません。我慢強くやれば、いい仕事はきっと評価されます。リサーチマインドのない薬剤師の集まりでは他の医療スタッフから評価されるはずはありませんし、社会的評価も得られません。「私だってできるのです(Yes, I can.)」、あなたのこの考え方がyes, we can”の輪になって広がってゆけば薬局全体に活気がみなぎることは間違いありません。

プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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