人前で発表するチャンスがあるということ
学会発表では多くの人が発表者であるあなたを見ています。初めての発表は完璧じゃなくてもいい。人前に曝されるのだから、何度も失敗したくないでしょ。そのためにさまざまな工夫をするでしょ。見られる機会が多ければ多いほど、工夫を繰り返したあなたのパフォーマンスは日々、確実に向上するのです。
これは学会発表だけではなく、論文でも一緒です。先輩やメンターに見てもらい、修正・確認を繰り返して恥ずかしくないものを残したくなる。だって論文はあなたが書いたものが生涯にわたって残るのですから恥ずかしい内容のものは残したくないじゃないですか。こんな繰り返しが研究者としての成長を促すのです。
これってギターがうまくなるかどうか、ダンスがうまくなるかどうか、サッカーがうまくなるかどうかでも一緒じゃないかなと思います。1人だけで練習してもうまくならないけれど、人前で演奏したり試合やコンテストに出場する機会があると上手になれる。コツは月に1回だけ1日8時間練習するよりも、毎日10分ずつでも練習するとうまくなる。10分しかできなくても集中し、工夫をすれば必ずうまくなる。その10分は通勤時間でもいい。通勤時でも質問対策や発表の内容のチェックを繰り返す。「こんな質問をされたら、こう返す」、「あれ、この言い方じゃ初心者にはうまく伝わらないな」、「1枚のスライドで2分も説明したら聞いてる人は退屈しちゃうな」、「表は見にくい!分かりやすい図に代えてみよう」「こんな小さな文字ばかりのスライド、全然インパクトがない!」こんなことをいつも考えて工夫している人(夢中になっている人)は素晴らしいプレゼンテーションができるようになり、素晴らしい研究者になれるはずです!こうやって毎日夢中でやった人だけが本人も気づかないうちに「天才」と呼ばれるようになるんじゃないかな?だって天才は苦労しないものね(苦労してるところを見せないだけかもしれない)。楽しんでいるものね。