2025年6月30日 X投稿
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 通常、腎排泄性の薬物ってリーマスⓇやゾビラックスⓇ、アミノグリコシド系やβラクタム系の抗菌薬のように水溶性で、蛋白結合率が低く、分布容積が小さい薬が多いイメージを持っているよね。これらは透析でよく抜けるから過量投与してもいざというときには透析で救命できるから怖くない。これは常識!だけど中に例外がある。ジゴシンⓇ、シベノールⓇ、シンメトレルⓇの3つの薬物だ。3つとも腎排泄性なので腎機能低下患者に減量せず投与すると当然、致死的な有害反応が起こる可能性が高いハイリスク薬だが、分子量も大きくないし蛋白結合率も高くないけど、分布容積が5.0L/kg以上あるため、透析で抜けない。透析だけじゃない、CHDFを含むあらゆる血液浄化法が無効だから救命できない。だから初回投与設計を間違えないことがとっても重要なんだけど、残念ながら医師にこの能力はない。動態をよく知っている薬剤師であれば初回投与設計を間違えないはず、薬剤師の力の見せ所なんだ。

 

 

プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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