ケレンディアⓇ(フィネレノン)は非ステロイドミネラロコルチコイド受容体拮抗薬(nsMRA: Non-steroidal Mineralocorticoid Receptor Antagonistだから、これからはミネラルじゃなくってミネラロと呼びましょ)が昨年12月22日に慢性心不全への適応が追加。ただし本剤投与開始時に重度の腎機能障害(eGFR25mL/min/1.73m2未満)のある患者には禁忌になっている(開始時に25だよ)。心不全領域でRAS阻害薬+MRAで心配だった高カリウム血症がMRAをフィネレノンに変更すればあまり気にしなくても済むようになったのは朗報に違いない。
フィネレノンはDKDのアルブミン尿を30~40%低下させるので、RAS阻害薬+ SGLT2阻害薬を使ってでもアルブミン尿(+)ならフィネレノンを併用が推奨されるが、非DMのCKDではまだ適応がないのは残念だ。いまだにスピロノラクトンやエプレレノンを高カリウム血症に気を付けながら、使わなくてはならない。というかRAS阻害薬と併用することが多いので、カリウム抑制薬なしでタンパク尿陽性CKD患者には怖くて使えないのが現実かもしれない。
ここでフィネレノンの特徴についておさらいしておこう。①nsMRAだからステロイド骨格がないのは当然だが、さすがニフェジピンを作ったバイエル。なんとジヒドロピリジン骨格を持っている。②他のMRAは弱いながらも降圧作用・利尿作用があるが、フィネレノンには利尿降圧作用は期待できない。でもこれは心不全で併用されるARNIによる過降圧の懸念を考えると利点かもしれない。③尿中アルブミン尿の低下作用は目を見張るものがあり、SGLT2阻害薬との併用は相加的(CONFIDENCE試験)で、しかも心不全入院、心血管死を有意に低下してくれる(FIDELIO-DKD試験) そして最大の特徴は④高カリウム血症を起こしにくいこと。心エンドポイントのFIGARO試験で血清カリウム値は0.16mEq/Lのみの上昇のみ、腎エンドポイントのFIDERIOで血清カリウム値は0.25~0.3mEq/Lのみの上昇のみだったので、高カリウム血症の心配がほぼなくなった。SGLT2阻害薬の併用はさらに高カリウム血症になりにくいというのも心強い!



