6月18日(木)開催の、「透析患者の薬物療法~CKD-MBD、腎性貧血から始めよう~(初心者編)」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.フォゼベルはリン吸収阻害薬なのでメカニズムから考えると、
A.フォゼベルは添付文書の用量は「1日2回、朝食及び夕食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減する」となっていますが、臨床治験の第1相試験で直接検証されており、結論から言うとリン吸収に関しては食直前も食直後も差がないことが示されています(図:ただしこの図ではなぜか空腹時のほうが効いてますよね)。
だから食直後、食後、1日2回12時間おきでもいいように思えますが、なんで食直前になったかと言えば、従来医のリン吸着薬も今回のフォゼベルを含めてリン低下薬は食べた食物に含まれているリンを排泄する薬ですから、「絶食を避けて食事に紐づける」ことが本質的な要件ですから「1日2回12時間おき」はNGですね。
フォゼベルはもともと下痢しやすく、便秘型過敏性腸症候群に使われていたNHE3(ナトリウム・水素交換輸送体3)阻害薬で、食直前投与はNa吸収阻害では明確に優れていたのです(図:空腹時は下痢しなさそうです)。便軟化作用もリン排泄亢進作用も作用機序は同じ(リン吸収低下とNaの腸管内濃度上昇は関連している)ですから、リン適応での「食直前」指定は便秘型過敏性腸症候群に使われていた薬の結果を包括的に採用した規制上・実用上の判断と考えられます。
となるとフォゼベルで下痢しやすい人は食直後のほうがいいし、純粋にリン排泄作用だけにフォーカスして「下痢」という副作用を防ぐにはむしろ食直後投与にすべきだったんじゃない?と思うのは僕だけ?
ただし僕は第1相試験のデータをもとに話してるだけなので、ほかにも論文があるだろうし、十分なデータがなければ、皆さんの研究テーマにして、なんとかリアルワールドデータを出していただけませんか?例えば薬剤師の学会発表で「食前から食後にしただけでブリストルスケールが改善した」なんてのは少数でもいいし、症例報告でもいいかもしれない。
それとフォゼベル自体のリン低下作用はあまり強くないけどリン吸着薬を併用するとかなりリンが下がり、リン吸着薬の用量を減らせることが期待されている。となるとやっぱり空腹時投与は良くない?



