2015年 薬学科5年生の薬物処方学試験 記述問題より
『あなたにとって薬剤師とはどのような役割を担った職種だと考えますか?
また将来どのように変わっていくべきだと思いますか?』

平田が感動した11名の、素晴らしい名文をご紹介いたします。

A君

私にとって薬剤師とは、自分の考え方、行動次第で対等に医者と接し、患者さんと関わっていくことのできる仕事だと思う。
 国家試験に通りさえすれば、晴れて薬剤師となって働くが、上司から受動的に任務をこなしているだけでは、それは”ニセ薬剤師”だと思う。昨今の薬剤部の乱立により、薬剤師になる人数は増加していく。その中でリードできる人間になるには、患者さん一人一人に対して向き合い、患者さんの病気を薬を通して接し、治療していかないといけないと思う。そのためには、一つ一つのことを考え、発信していく力が必要だと思う。つまり医者などの医療従事者に根拠のあるプレゼンテーションが大事であると考える。根拠のあるプレゼテーションができるように、日々、コミュニケーション力を上げていかないといけないと自分では感じる。私の意見としては、将来、自分の仕事だけ遂行する薬剤師は淘汰されていくと思う。私はニセ薬剤師でなく真の薬剤師になるために、コミュニケーション力をみがき、知識もつけて、大きな人間になりたいと思った。


Bさん

 薬剤師は医師の相棒になるような職種だと思います。
医師と薬剤師が相談して処方を決めていけるような形が理想です。平田先生が授業中に昔の話で、患者さんを診て医師と話して処方提案されていたのを聞いて、これが理想の薬剤師だと思いました。
 現在の医療は非常に複雑で深くなっているように感じます。医師1人でそれらをカバーできるとは思えません。
ある程度分野は区切って協力しなくては無理だと思います。医師と一緒に患者さんのベッドに行くようになれば良いと思います。
 近年、看護師に処方権を与える話がでました。私はそれを聞いてくやしくなりました。まだまだ薬剤師の仕事の認知度は低いです。
 学部2年の頃、父の知り合いの方から「わりの良い仕事。自分でもできる」と言われ、かなり苦々しく思いました。
 バイト先の看護師のお客様にも同じようなことを言われました。
 もっと薬剤師が積極的にとも思いますが、私がお会いした薬剤師の先生方はすごく積極的に仕事で活躍されていて、それでもなかなか一般の人には伝わらないのかと考えさせられます。
 いっそ薬剤師を主役にドラマとかが放送されればいいのかとも思います。


Cさん

 薬剤師とは、医療現場での潤滑油となるべき存在だと私は考えます。
 患者さんに対しても、お医者さんより気軽に相談ができる相手とされることで、お医者さんには知りえなかった患者さんのささいな、しかし重大な変化に気付くことができます。これは看護師さんのように、患者さんとの距離が近いだけでは決してできず、笑顔で患者さんの話を聞き心のケアまでも担いながら、さらに頭の中では、患者さんから何らかの異常なサインが出ていないかと常に検索をかけ続けます。さらに、お医者さんに対して、エビデンスのある、柔軟かつ適切なアドバイスをし続けることで、お医者さんの信頼を獲得し、お医者さんとお互いを高めあえる関係でさえも築くことができます。また、病棟に行く必要があれば自ら足をはこび、患者さんの問題点としっかり向き合うことで、普段患者さんに一番近い看護師さんたちの意見を聞いたり、情報を教えてもらったりすることができる機会も増えると思います。それだけでなく、新しい事を発見するたびに論文にし、そうすることで、目の前の患者さんだけでなく、それを読んでくれた医療者を通じて、遠くにいる人まで助けられると思います。そうやって、どんどん自分を医療の中で欠かせない存在としていきたいというのが私の理想であり目標です。


Dさん

授業を受ける前までは、薬剤師のヴィジョンがあいまいなものでした。もらった処方箋について検査値から患者さんの病態を推測し、疑義照会を検討、薬を出し、患者さんに説明する。そういった流れを考えていました。先生の授業を聞き、もっとも重要で大事な部分が最初のSTEPであることが分かりました。
これから求められる薬剤師は医師に負けない病理診断を求められるだろうし、正しい知識で検査値を読み取る力が必要です。さらに数値から患者さんを想像するという一歩踏み込んだデータ解析が必要となります。
また、薬剤師情報の明確なエビデンスを提示するために、日ごろから広く文献に触れておくことも大切だと分かりました。
現段階ではあまり自信はありませんが、将来的にはロジカルに仕事をこなせる薬剤師になりたいと思います。


Eさん

私にとって、薬剤師とは医療チームにおいての司令塔であると思います。どのスポーツにおいても、司令塔は必ず必要な選手であり、どの選手からも信頼されており誰よりもチームの事を把握し、時にはするどくミスを指摘し的確な指示を全体に送る。これは医療チームにおける薬剤師のポジションと全く同じように思います。良い司令塔になるために、必要なものは、知識、信頼、コミュニケーション、判断力、積極性であると思います。この中でも自分が特に足りていないと思うのは、知識、判断力、積極性であると思います。このような要素を向上させていくためにも、日々の授業、研究室での勉強のあり方を見直し、また実習で現場に立った時の的確な判断力、ミスを見つける積極性を身に着け、今の自分を変えていきたいと思います。


Fさん

薬剤師は絶対的に薬に関する事の責任を持つ職種だと考えます。患者さんの相談にのったりすることは、自分に薬に関する知識がないと、あいまいな記憶ではできないと思います。
国試が年々難しくなっているように、社会に求められている薬剤師はどんどんレベルが高くなっていると思います。処方箋通りに薬をただ出すだけではなく、相互作用や薬物動態、患者さんの背景など多くの面から見て、その薬が適切であるのかを考えられなければならないと思います。
病棟薬剤師は投与設計の計算も必要になるので、薬知で習うことを頭に入れるのはもちろんのこと、薬剤で習ったことも自分で理解し、使いこなせるようにならないといけないと思います。他の教科についても同じだと思います。国試に受かるのがゴールではなく、医療は日進月歩なので薬剤師はこれから向上心を絶やすことなく日々学ばなければならないと思います。
知り合いの薬剤師さんがよく言うには、薬剤師の地位は低く、疑義照会で勘違いを指摘するとおこる医師もいるらしく、電話もかけなければいけないけどあまりかけたくない。と思うそうです。これからは薬剤師が薬の専門家として自信を持ち医師に対等に薬についての相談を堂々とできるよう、変わっていくべきだと思います。


Gさん

  私が薬学生になってから良く感じるようになったのは、おじいちゃん、おばあちゃん、バイト先の友人など医歯薬関連でない人々は自分が飲んでいる薬の意味などほぼほぼ考えず、言われたとおりに飲んでいるだけということです。
 薬剤師は患者さんに直接薬を渡す最終段階に位置するので、薬の意味を教えてあげたり、注意する事とか、自分たちが間違えていないかチェックしたり、といった役割を担っていると思います。お年寄りには何回も何回も言うのが大事だと思います。
 薬の一般名と商品名をどっちも覚えるのが大変なので、一般名に商品名を統一した方が良いと思います。商品名長くなりそうだけど、ミスも減ると思います。
 これから薬剤師の数はどんどん増える予定だけれど、増えたら増えたで役割分担して、専門性を高めればいいと思います。
 30までに子供を産み終えて、子育てしつつ薬剤師の仕事がしたいので、シフト性になったらブランクなしで働きつづけられるなと思います。


Hさん

私は薬剤師は、患者の立場により近い医療従事者だと思います。私が薬剤師を目指すきっかけとなったのが虫垂炎で入院した際に、私の担当だった病院薬剤師の方に優しくして頂いたことでした。麻酔の危機が悪く、術後の痛みがひどかった時など、幼かった私は忙しそうな医者にはなかなか言えず、担当薬剤師の方が比較的若く、また医者じゃないという点で、私にはとても身近に感じられました。
 様々な職業があり、そのどれもが大切だと思いますが、私達の意識の中でやはり医者という職種は別物のような気がします。薬剤師は病気や身体の知識については、もちろん医者に劣るかもしれませんが、薬に関しては医者よりも知識を持ち、患者から親近感を持ってもらえる、そんな職種だと思います。


Iさん

私は薬剤師が、患者さんや医療従事者を含めたすべての人の「相談役」だと考えます。薬剤師として、私たちは薬のことだけでなく医療のこと、衛生管理のこと、食事や栄養素のことなど、様々な分野を学んできました。「薬剤師はまちの科学者」とはよく言われますが、理系のうちほとんどすべての生物および化学分野を同時に学ぶのは私たち薬剤師くらいではないかと思います。しかし「化学者」と言ってしまうと、自分の研究にばかり目を向けているイメージが強いので、私はあえて「相談役」の薬剤師としました。相談は自分と相手がいて成立するのは言うまでもありません。薬剤師はこれから薬剤師としての知識を医療・衛生に関することばかりでなく、もっと広い分野での「相談役」になれるのではないか、と考えます。そのためには、これからの薬剤師である私たちが薬剤師として学んだすべてを吸収して、活用できるよう、より勉学にはげみ、また学校生活を通してコミュニケーション能力を向上すべきだと思います。


Jさん 

薬剤師とは患者さんと触れあう機会が少なく、医療従事者として一番患者とは離れているように見えて、一番薬を媒介として密接に関わりあっている存在だと思います。
 医者と患者さんが進む方向を審査する門番(関所?)のような存在です。進む道が誤っていないか、間違っていなくても、それが本当にベスト、もしくはよりベターなのか審査し助言することで道を正す役目を担っていると思います。
 これからどう変わるべきか?
正直、失礼ですが日本の薬剤師の存在は”薄い”と思います。人気のある医療系のドラマで医者や看護師はよく出ているのに薬剤師役をほとんど見たことありません。
 まずは薬剤師ってこんな人だよ!!医療に欠かせない重要な存在なんだよ!!って知ってもらえないといけないと思います。(あまり職業柄、主張しすぎてもいけないのでほどほどに・・・)知ってもらうのは患者ではなくても、少なくとも医者や看護師に必要と思われること、そのためには薬剤師にしかできない薬と体の観点から極める事。例えば、効果がないとき、効きすぎるとき、きちんと飲んでいるのか、飲み合わせがよくないのかとか”病”ではなく”薬”が原因と気付くのは薬剤師なのかなと思います。
  飲み方、意外とみんな適当です。親族の方を見ても、水以外で飲んだり、ひどい人は友達からもらった病院の薬を使う人も!


Kさん

病気を治す医者(医療関係者)と病気と戦っている患者の間をとりもち、患者によりそう職種だと思う。腫瘍を小さくしたかったり、検査値を下げたい医療関係者と、今苦しんでいる症状を抑えたい患者の間には関心の違いや重きをおくところの差が出てくると思う。医者や看護師には言いづらいことを(副作用や薬の選択についての不安)、薬のうけわたし時などに少しでも話してもらえるような関係を築くことができれば、アドヒアランスの改善や、より患者のQOL向上に向かった医療に貢献できると思う。
私の祖母は、今もらっている薬が何の薬なのかに興味をもっているが、忙しそうな薬剤師に聞けない、また、半錠のむようにといわれている錠剤を割るのが難しく飲むのが億くうだけど薬剤師にがまんしろと言われた、と不安なことをたくさん私に教えてくれる。1日に多数の患者に服薬指導をする薬剤師からすると、ほんのささいなことに思えるかもしれないが、患者からするとその1つ1つが重要で、今後のアドヒアランスやQOLに関わることなので、そういうささいに思える1つ1つの問題を丁寧に扱うことが大事だと思う。処方を正して薬害や医療事故を未然に防ぐ、化学者としての意識をもつことも、また、大切だと思う。
研究者であり、よりそう人であることは、多忙な業務の中では難しいことかもしれないが、そんな薬剤師になりたいと考えている。

 


プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)