宇野理事長との出会い

  私は大阪での薬剤師時代(ご存じですね、92床の白鷺病院)に病態・薬物の理解を高め、HPLCを利用した幅広いTDMの実施によって薬物動態・相互作用の理解を高め、副作用モニタリングの実施、必要とされる情報を満載した医薬品集(formulary)の作成などによって医原病とも言える中毒性副作用を徹底的に少なくすることができました。でも薬剤師がいくら頑張ってもアレルギー性副作用は一定の割合で発生し、ゼロにはできません。だから白鷺病院での最後の2~3年間はアレルギー性副作用対策が我々の重要な仕事の1つになっていたような気がします。20160908.png
  この当時、宇野先生は白血球遊走試験によって80%前後の高い確率で過敏症・アレルギー性副作用の原因薬物の同定試験によって膨大なデータをもとに薬剤過敏症に関する貴重な情報を発信していました。白鷺病院から新潟の水原郷病院の宇野先生のもとに3回にわたり、この同定試験を学ぶための薬剤師の1週間の派遣を引き受けていただきました。残念ながら白血球遊走試験を完全にマスターすることはできませんでしたが、アレルギー性副作用の発生と潜伏期間の関係やどんな薬物がアレルゲン性が高いかという宇野先生から教えていただいた情報からアレルギー原因薬物を推定することができるようになり、アレルギー性副作用を起こした患者にアレルギーカードを渡す、カルテの表紙にアレルギー情報を貼付するなどのアレルギー性副作用発症後の対策を教えていただくことによって、白鷺病院の副作用モニタリングシステムは飛躍的に向上しました。このような縁から宇野先生との深い付き合いが始まり、私が熊本に来てからも宇野先生に講演会に来ていただき、様々なことを教わりました。
  その宇野先生が2014年の5月に日本医薬品安全性学会を設立するということを聞き、福山に行くと、私と同じように宇野先生にお世話になった実力者の方々が大勢集まりました。その中には旧知の中国労災病院の前田頼伸先生、東京理大の小茂田昌代先生、福岡大学病院の二神先生、赤穂市民病院の室井先生、そして私の後輩の白鷺病院の和泉智先生もいらっしゃいました。そして2015年7月には宇野先生が大会長として福山で第1回の学術大会が開催され、そして2016年7月には岐阜大学医学部附属病院薬剤部・伊藤善規先生が大会長を務められ、第2回の学術大会が開催されたのは皆様もご存じのことと思います。
  前回も書きましたが、安全性は軽いテーマではありません。第1回大会・第2回大会ともに、どの講演もシンポジウムも、演題も聞きごたえのある面白い学会でした。第3回大会は熊本で開催しますが、小回りの利く会場の特性を生かして、最新の研究成果や専門家向けの講演だけでなく、医薬品の安全性に関しては初心者の方も学べるような親しみやすい学会にしたいと思っていますので、2017年の7月には熊本でお会いしましょう。よろしくお願いいたします。

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  2000年の7月に私が新潟に初めて訪れたときにツーショットです。この時は2時まで宇野先生にお酒を飲みに連れまわされ、ほとんど意識を失ってしまいました。宇野先生と付き合って私のような被害を受けた人は非常に多くいますが、最近は12時までに帰していただけるようになったそうです。ちなみに宇野先生のハスキーボイスはお酒によるもの。皆さんもお酒はほどほどに。


≪ 第3回安全性学会のトピックス ≫  教育講演だけでこんなに決まりました。

 トピックス1  

 教育講演:「副作用の考え方と服薬指導・副作用情報検索」
 どんぐり工房・菅野 彊先生

 教育講演:「よくわかる気管支喘息の治療とその副作用」
 新潟県立柿崎病院・藤森勝也先生

 教育講演:「腎機能低下に伴いハイリスク薬に変身する薬物への対処」
 白鷺病院薬剤科・古久保拓先生

 教育講演:「高齢者に安全な薬物療法を提供する為のコツと理論
 ~嚥下・認知機能低下患者へのマネージメント~」
 くまもと温石病院・森 直樹先生

 教育講演:「中毒性有害反応を防ぐための保険薬局のかかわり」
 託麻中央薬局/熊本大学薬学部・近藤悠希先生

プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)