2020年、初の薬剤師が主役のテレビドラマであるアレクサングシンデレラで「薬剤師って要らなくない?」ということばが話題になった。「薬剤師なんて要らない?なんで要らないの?だって処方箋を書く医師は病態や診断のことはよくご存じだけれど、薬物動態や相互作用、薬の化学構造や物性、製剤学などをほとんど習っていないんだよ。併用することによって血中濃度が5%に低下して薬が全く効かなくなったり、20倍近くの血中濃度になって副作用が必発になる相互作用はふつうにあるし(図)、抗がん薬や抗凝固薬では血中濃度が1.5倍になっただけでも致死的副作用が起こることがある。薬剤師はそれを防ぐ減量法や薬の組み合わせを提言できる。注射薬や内服薬を混合することで起こる配合変化を防ぎ、副作用が起こらないよう、起こっても早期発見できるような服薬指導するには薬剤師が絶対に必要だろ。患者さんが使っている薬の有効性・安全性を担保するために薬剤師が監査し、疑義紹介しなければならない。多くの患者さんが薬物療法によって病気を治療しているよね。薬剤師は患者さんの薬の安全性を守る最後の砦なんだ。だから薬剤師は絶対に必要なんだよ!」これはこのドラマが始まる前から僕が熊本大学薬学部で繰り返し学生たちに話してきたことだ(表)1)。
1)平田純生: 薬剤師と医師.腎と透析増刊号 腎疾患治療薬Update 腎疾患患者の薬剤管理. 91: 33-37, 2021

