SGLT2阻害薬は尿糖を排泄させる糖尿病治療薬として発売されたが、強力な腎保護作用・心保護作用が認められ、今では糖尿病関連腎症、CKD、慢性心不全治療薬の最も頼りになる、つまり有効性の高い幅広い治療薬になった。統計的に有意な副作用は脱水、性器感染、糖尿病性ケトアシドーシスの3つだけ。だけど、基本的に尿糖排泄によって痩せるので、①やせ過ぎのフレイル、サルコペニア(活動度の低い人はみんな)では筋肉量がさらに減って栄養状態が悪化するので、やめておいた方がよい。寝たきりの人は性器を清浄に保つことができないので性器感染のリスクが高まるためなおさら投与すべきではない。
②食事を摂れない患者:絶食の必要な患者・周術期・重症感染症・重篤な外傷・アルコール依存症、それと新しい薬が投与されたので一念発起して「今後、血糖管理、頑張ります。だから糖質は一切摂りません」などという糖尿病患者さんがいたら、身を挺してでも「それはいけません。1日3回少量でもいいからご飯(糖質)は摂らないといけません」と指導しよう。でないと糖尿病性ケトアシドーシスになっちゃうからね。
③透析患者など腎機能の廃絶した患者では腎に作用する薬なので効かないとはずだ(いつか透析患者に投与する日が来るかもしれないが・・・・)脱水、性器感染、糖尿病性ケトアシドーシスはすべて服薬指導で「こまめな飲水」が必須なのは常識だよね。



