これから暑い夏、トリプルワーミー処方や活性型ビタミンDを服用している患者さんにはこまめな飲水よりもより積極的な飲水励行をしよう。そして保険薬局や在宅でも簡易に脱水を早期発見するには、「爪毛細血管再充満時間(CRT:Capillary refilling time)2~3秒以上」の特異度が高いことを知っておこう。もともとこれはトリアージ(災害時などで誰を優先的に治療するかの順位を決める)で循環機能を簡易的に判定する指標で,爪を5秒間加圧した後に解除し,爪の赤みが回復するまでの時間(Blanch test)。2秒以上なら、緊急治療群(Ⅰ:赤)とするトリアージに用いる手法である。2秒未満なら、循環に関しては問題ないと判断される(3秒とすることもある)。McGeeらは脱水症の判定に応用した循環血漿量が減少しているかどうかを簡易に見つける特異度の高い方法として報告した。右手で左人差し指のつま先をつまんでみよう。ピンク色の爪が一瞬、白くなるが、2秒以上白いままだと脱水(末梢循環の不良)が疑われる。これは特異度、つまり脱水がない患者で症状が現れない確率が95%と高い。口腔粘膜の乾燥は感度、つまり脱水が存在する時に出現する確率(脱水を見逃さない確率)が85%と高いことを覚えておき、どちらも高ければ脱水と簡易診断可能だ。そのほかにも体重減少・血圧低下もとても良い参考になる。輸液の専門家はなぜか、皮膚の張り(skin turgor)を参考にするという人が多いけど高齢者ではしわが多いのでもともと張りがないので平田は高齢者にはあまり使わない。

