SGLT2阻害薬ほどは注目されてないけれど、「心不全のfantastic four」、「CKDの三種の神器」の両方に入っているのがMRAのフィネレノン(ケレンディアⓇ)。他のMRA と異なり、Ca拮抗薬と同じジヒドロピリジン骨格で、利尿作用が弱く、収縮期血圧は下げても2~3mmHgと弱いので、MRAの中で唯一、降圧薬としての適応はない。だけどアルブミン尿を30~40%も下げてくれ、心・腎の繊維化・炎症を抑えてくれるので糖尿病関連腎臓病DKDでの腎保護作用・心保護作用は強力だ。MRAはRAS阻害薬やARNIと併用されがちなため、腎機能低下患者での高カリウム血症が非常に怖い。しかしフィネレノンを用いて腎複合イベントを主要評価項目としたFIDERIO-DKD試験で血清カリウム値は0.25~0.3mEq/mLの上昇のみ、心血管複合イベントを主要評価項目としたFIGARO-DKD試験でもカリウム値の上昇は0.16mEq/Lの上昇のみだった。これで安心して心・腎保護作用が期待できるMRAとして認められた。
ところでFIDERIO 、FIGARO って聞いたことない?前者はベートーヴェン、後者はモーツァルトのオペラの題名だ。「フィガロの結婚」は僕も大好きな楽曲だけどベートーヴェンがオペラを作ったってことは知らなかった。RAS阻害薬+SGLT2阻害薬を使っても微量アルブミン尿が持続するなら血清K濃度<5mEq/LでeGFR≧25mL/min/1.73m2のDKDであればケレンディアⓇの追加を提案してみよう!




