脂溶性の高い薬物でないと細胞膜の脂質二重相を通過できない。ということは極めて親水性の高いβラクタム系抗菌薬やアミノグリコシド系抗菌薬がクラミジアやレジオネラなどの細胞内に寄生して増殖する細胞内寄生菌を殺菌できるわけがない!脂溶性の高いマクロライド、テトラサイクリン、クロラムフェニコール(チフスには今でも使ってるらしい)が細胞内寄生菌に効果がある。キノロンはクラビットⓇが尿中排泄されるので親水性と思っている人は多いけど、モキシフロキサシンなど脂溶性が高く組織透過性も高い(Vdは2.0~3.0L/kg)ので細胞内寄生菌にも効く。結核菌にまで効いてくれるのは困ったものだけどね。だけどキノロンを除く脂溶性抗菌薬は殺菌性ではなく静菌性抗菌薬なので、重症感染症にはあまり頼りにならない。逆に殺菌力が強くてスペクトルが広すぎるキノロンは「原爆みたいな薬」なので、軽微な感染症に気やすく投与すべきじゃないと平田は思う!
細胞壁にペプチドグリカンがないため、細胞壁合成阻害によって殺菌するβラクタム系抗菌薬・グリコペプチド系は細胞壁のない細胞内寄生菌やマイコプラズマには無効であり、マクロライド系・テトラサイクリン系・キノロン系といった抗菌剤が治療には用いられるというのも理解しやすいね。



