2026年2月21日 X投稿 閲覧者3,177人

 透析患者のCKD-MBDって透析患者の薬物療法のほぼ主役と言ってもいいんじゃないかな。リン吸着薬、活性型ビタミンD、カルシミメティクス(Ca受容体作動薬)、Ca剤など多種類の薬を血清リン値、補正Ca値、インタクトPTHのコントロールをするために多くの透析患者に投与されている。

 ところで、アダラートCRやアムロジピンなどの強力なCa拮抗薬を非透析日には投与し、透析日にはリズミックなどの昇圧薬が投与されている患者っているよね。「同じ患者に降圧薬と昇圧薬が投与されるなんて」と思う方がいるかもしれないが、このような患者では血管の石灰化が顕著で、血管の中膜にヒドロキシアパタイト(骨の成分)が形成、つまり血管そのものが骨のようにコチコチに硬くなってしまうため、水のたまる非透析日には血管が拡張できないから血圧が150~200mmHgと著明に上昇するが、透析で体外循環・除水をすると血管が収縮できないから収縮期血圧が100mmHg以下に低下することもある。だから昇圧薬で血圧を上げないと透析を持続できなくなるからだ。

 だから透析患者の動脈硬化は通常のアテローム性動脈硬化とは異なり、非常に厄介。そしてこのような症例では著明な動脈硬化から左室肥大になるため予後は当然良くない。副甲状腺摘出術(PTx)ではハングリーボーン状態になって既存の石灰化結晶は速やかに溶かし出すことができる。皮下の石灰化によって猛烈な皮膚掻痒がPTx翌日には完全に消失したのは何度も見たことがある。ただしカルシミメティクスなどを使ってPTHを下げれば石灰化の進行を抑えることはできるけど、血管中膜に一度しっかりと形成されたヒドロキシアパタイト、つまりメンケベルク型の石灰化は簡単には消失してくれないし、PTxでも無理なのだ。カルシミメティクスはPTxを激減してくれたとってもいい薬ではあるけど、石灰化の予防はかなり厳しいけどできるかもしれないが、形成されたヒドロキシアパタイトを消失させることはできない。

 

 

 

 

 

プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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