ご存知「薬局にソクラテスがやってきた」
教育講演2「薬物療法の個別最適化に向けて
~薬局薬学のエディターの勉強法~(仮)」
アップル薬局 山本 雄一郎先生
日経DIの連載で「薬局にソクラテスがやってきた」の著者といえばだれもが知っている山本雄一郎先生。のめりこんでしまう小説のような世界を舞台に薬学的観点から症例や処方内容を考える。内容は決して簡単ではないため、薬剤師のレベルアップに大いに貢献しています。それをまとめた「薬局で使える実践薬学」が売れに売れてさらにブレイクした雄一郎先生。おそらく薬剤師で現在、最も有名な先生ではないでしょうか?熊大薬学部出身で、熊本のアップル薬局で、有名になる前から地道に若手薬剤師の地力を上げるために頑張ってこられました。今回は地元熊本のために講演していただきます。
HPはこちらから → 第13回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会HP
透析患者の薬物療法といえばこの人
教育講演1「症例から学ぶ腎臓病薬物療法学
~どんどんリスク摘み取るモン~」
白鷺病院薬剤科 古久保 拓先生
平田の去った後、白鷺病院の薬剤科をさらにレベルアップさせた人。透析患者の薬物療法に関しては今や誰もかないません。いつも冷静沈着で、どのようなテーマで講演をお願いしても、何か新しいことを加え、工夫して分かりやすい講演をしていただいています。なぜか講演では必ずウケないジョークでスベっていますが、平田の見る限り「スベるジョークを必ずやるが、スベった講演は1度くらいしかない」のです(ただし今年の3月にランニング中にスベって大けがをしたらしい)。そんなところも日本全国に根強い古久保人気の要因かもしれません。なぜか、決して「頑張っている姿」を他人の前で見せない。いや、影でものすごく頑張っているのかもしれません。長い付き合いだけど平田にも分りかねます。
HPはこちらから → 第13回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会HP
この学会では革命を起こそう。令和維新です!
理事長として最期の1年、熊本大会を集大成の学会にします。研究成果の発表、討議・論議、自己研鑽で大いに学びましょう。テーマは「令和元年肥後腎薬の乱」ですから今までの既成概念を覆すような学会、革命的な学会にしたいと思います。すでにえらいベテランの先生方に演者や座長をしていただくよりも、理事でも代議員でもない若い先生、ベテランでも腎薬ではフレッシュな先生方に是非是非、頑張っていただきたいと思います。ごめんなさい、古い先生方、今回はお休みになるかもしれません。
既成概念はこの学会では通じない。既成概念は壊しちゃいましょう。腎薬は他の学会に比べれば理事・代議員などの役員は若いですが(ごめんなさい。私だけが高年齢ですが・・・・・)、20年後、30年後の腎薬を背負っていく人を発掘する大会になればいいなと思っています。
今回の実行委員にはいわゆる大病院の薬剤部長は1人もいません。みんな若いです。だからスポンサー探し・お金集めには苦労しましたが、企画は独創的で、新鮮です。ぜひ面白い企画を採用しようと思います。熊本大会は内容で勝負。ということは企業による資金援助(実にありがたいものではありますが)に頼らず、観客動員による参加費収入で勝負したい。そのためには熊本大会ではこれでもかというくらい豊富なプログラムを用意します。熊本の総力を挙げて絶対に損はない学会にします。熊本は日本全国からの客集めには決して地の利の良い場所ではありせんが、目標を高く持ちたいと思います。そのためには東京・大阪では2,500人は入る内容にしなくては。目指せ来場者2,000人!それには事前登録1,500人、当日参加500人で達成できます。
1日の長さは変えられません。でも1日の濃さは学会によって違います。日腎薬熊本大会は非常に濃いです。それが3日間あるのですから、この大会の中で、多くのものを吸収して帰ってもらいたいと思います。
そのために、ためになる内容、面白い内容、納得できる内容、盛りだくさんの内容で勝負しますので、乞うご期待です!
HPはこちらから → 第13回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会HP
特別講演2「心腎連関とBNP」
熊本大学大学院生命科学研究部 腎臓内科学分野 教授
向山 政志先生
肝機能であればALT、腎機能であれば血清クレアチニン値のように心不全のバイオマーカーとしてBNPは今でこそ認識されていますが、1990年代の平田は「生理機能検査なしで血清濃度を測るだけで心機能が分かるなんて、すごく便利な検査ができるようになったものだ」と感心していました。ANPやBNPの抗体を作成してそのアッセイ系を確立したのが京大時代の向山教授であり、これによって前述のようにヒトでは心不全の重症度によってBNP濃度が変化することを突き止め1)2)3)、さらにスタンフォード大学でアンジオテンシンⅡ受容体のクローニングに成功したすごい先生なのです。
そもそもCKDという病名が生まれたのは2002年のことです。循環器医が腎機能の低下した患者ではなぜか心筋梗塞が起こりやすい、心不全が増悪しやすいことに気づき、心機能と腎機能は密接に関与していることを明らかにしたのです。CKDはCVD(脳心血管病)の独立した危険因子であること、一方でCVDもCKDの危険因子であることが報告され、心腎連関として注目されています。米国ではCKD患者は透析導入に至る前に、むしろCVDで死亡する確率が高いことも報告されました。だからchronic renal failureという米国のnative speakerにもわからない病名に代わり「chronic kidney disease: CKD慢性腎臓病」という一般人でもわかりやすい病名が作られたのです。
心腎連関の分子機序としては交換神経系、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が心臓・腎臓の上位で関わっていますが、心臓で分泌されて腎臓に作用するANP・BNPファミリーも深く関わっています。これらのシステムを制御することによって心不全・腎不全の合併を防げますし、逆に制御できなければこれらの調節の破綻が生じてしまいます。日腎薬熊本大会の11月17日(日)の特別講演では心腎連関とBNPについて向山先生からわかりやすく教えていただきたいと思います。
1) Mukoyama M, et al: Increased human brain natriuretic peptide in congestive heart failure. N Engl J Med 1990; 323 : 757-758
2) Mukoyama M, et al: Human brain natriuretic peptide, a novel cardiac hormone. Lancet 1990; 335 : 801-802
3) Mukoyama M, et al: Brain natriuretic peptide as a novel cardiac hormone in humans. Evidence for an exquisite dual natriuretic peptide system, atrial natriuretic peptide and brain natriuretic peptide. J Clin Invest. 1991; 87: 1402-1412
HPはこちらから → 第13回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会HP
この先頭を走っているおじさん、だれかわかりますか?そう、平田です。カープの帽子をかぶって眼鏡をかけててひげを生やして走ってる・・・・、これくらいなら広島県には結構いるでしょうが、腎臓を持って走っているおじさんは広島にもいない。そして熊本城ホールに向かって走っているとくれば平田しかいません。
この特徴ある似顔絵(決してうまくはない)は臨床薬理学分野の内海さん(山口出身で中国新聞の影響からか家族はみんなカープファンだが本人はあまり興味ない)によるもので、私の後ろを追いかけている腎臓を持ったお嬢さんが本人であります。描かれた場所はゼミ室の白板です。
弁解しておきますが、私、変人ではありませんので、決して人間の生身の腎臓は持って走りません。学生に教えるために腎臓のプラスチック製模型は2種類持っていて、それを持って大学内を走る(授業に遅れそうになって)ことはあるかもしれませんが、カープの帽子は大学ではソフトボール大会以外ではかぶりません。
でも平田は2019年11月15日~17日に熊本城ホールで開催される日本腎薬熊本大会に向けて、今も奔走しているのであります。でも腎臓模型を持って走ることはない・・・・。
HPはこちらから → 第13回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会HP
合計60歳までの薬剤師ペア5組(各地)を事前に募集して開催
熊本大会ではこれでもかというくらい豊富なプログラムを用意します。学会は研究成果を発表し、討議・論議して多くのことを学び、自己研鑽するための場ですから。でも大いに楽しんでもらいましょう。
土曜日の17時から懇親会までの間、第1会場にて2人1組で「腎臓クイズ秋の甲子園」第1回チャンピオンを競います。合計60歳までの薬剤師ペアを各地から5組を事前に募集して開催します。地域対抗ですが、もちろん腎薬のない地域でも「未来枠」としてOKとしましょう。ただし会員のみ、学生会員OKですが薬剤師を持っている大学院生のみです。
知識のすごい若手薬剤師を発掘できるチャンスにもなります。
聞いているだけでいろんな知識が身につきます。
例えば形式はこんな感じではいかがでしょう(正式決定はまだです)。
中毒性副作用・薬剤性腎障害・血液浄化法・保存期腎臓病・糖尿病性腎症・腎不全合併症・電解質酸塩基平衡・薬物動態・薬理など7課題(9課題ですって?どれにしようかまだ迷っていますので…)で10~50点の問題を35問作成し、早押しボタンで解答し正解の場合は点数が加算、間違えた場合は減点します。この内容は2018年の日本腎臓学会・新潟大会では腎炎、電解質、Na・輸液、血圧、AKI、CKD、腎不全だったということを参考にさせていただいています。
優勝者は懇親会で「若手腎薬最強コンビ」として大会長表彰をする予定です。
司会と解説は○○先生、◇◇先生ですよ(今は内緒!)。このコンビなら面白くならないわけがない!これも乞うご期待です!
HPはこちらから →
第13回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会HP
2019年11月17日(日)のランチョンセミナー後に、立川志の春さんの独演会を予定しています。この方、経歴がものすごいです。大阪府出身の帰国子女で、フォード、ブッシュ父子、クリントン、ヒラリーも卒業したイエール大学卒です(東大どころじゃない!)。大手商社に就職し、2002年に26歳でNHKの「がってん」でおなじみの立川志の輔に弟子入りしました。たまたま入った落語会で志の輔の落語を聞いて、「これだ!」と思ったらしいのです。2011年に9年かけて二つ目に昇進。現在は得意の英語で演じる古典落語で世界中を飛び回っていますし、東京では結構、革新的な催しをやっています。
僕は志の春さんのやっている英会話と落語のラジオ番組をPodcastで聞いていましたし、たまたま聞いた英語落語がものすごく面白かった。いや、その後に聞いた日本語の落語も古典も新作もすごく面白かったのです。まだ真打じゃありません。立川流、特に師匠の志の輔さんは非常に厳しいのです。年功序列ではなく実力がなくては二つ目にだってなれないのです。でもその辺の「真打」と称している落語家さん、テレビでよく目にする有名な落語家さんよりも古典も新作も志の春さんの方が圧倒的に面白いと僕は思っています。
僕は関西に長いこといましたので、上方落語が好きでした。桂米朝さん、枝雀さん、文枝さん、みんな大好きでしたが、東京の落語家は粋なだけで面白くないと信じていました。でも志の春さんは本当に面白い。その師匠の志の輔さんは毎年熊本に来ておりまして、ようやく2018年の10月に県立劇場で見ることができました。この方はやはり師匠だけあって別格!なにをやっても面白いし味がある。奥深い。「東京の落語は粋なだけで・・・」なんて、志の輔さんをみてから絶対に言えなくなりました。
そうです。いい落語はいいのです。奥深いです。味があります。300年続いた日本の大切な文化です。志の春さんをみんな知らないかもしれないけれど、絶対に面白いから、そして落語という文化に触れていただきたいから熊本まで来ていただきます。乞うご期待です!
HPはこちらから→第13回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会HP
熊本では熊大で育薬フロンティアセミナーを4週連続開催する「平田塾」を毎年やっていますが、中には福岡や鹿児島から聞きに来てくださる方もいらっしゃいますし、他府県の人も「参加したい」という声を耳にします。でも熊本大会で平田塾をやるとスケジュール表があふれてしまうので、金曜日の夜から理事長講演「朝まで平田塾」を開催します。実は朝までやりません。「朝まで」という意気込みで、夜5時から10時までに薬剤師なら知っておくべきことを有料テキスト付の完全予約制で4つの演題に集約します。そして少しサプライズな企画も用意しているところです。
平田が講演を聞かせてあげるなんて気はさらさらありません。平田がしゃべりたい、語りあいたい、語り尽くしていないから、心おきなく伝えたい。だから気持ちの上では「朝まで平田塾」です。自分の持っているものすべてを伝えたいし、初心者にも腎臓病薬物療法に興味を持ってもらいたい、分かってもらいたい、今までよくわからなかった人にもわかってもらいたい。難しいことは翌朝の大会長講演でお話ししましょう。
「夜がとても短すぎて、愛を語りつくせない」は風のファーストアルバムに入っている伊勢正三さんの名曲「お前だけが」の歌詞ですが(平田は風オタクです。仲間とよくコピーしました)、2日間じゃとても短すぎるので金曜日の夜にスタートします。
HPはこちらから→第13回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会HP
実は2008年12月の第2回の日腎薬総会(まだ学会ではなく研究会のころです)は熊本市民会館・国際会議場で開催されました。でも会場の使い勝手はイマイチで、8時にならないと開けてくれない。12月の初めに会場前で開けてくれるのを熊本スタッフがみんな凍えながら待っていたことを思いだします。
2018年の第13回熊本大会開催は2015年には宣言していました。2018年の春に新設のMICE施設(大型集客施設で企業等の会議Meeting、企業等の行う報奨・研修旅行Incentive Travel、学会等が行う国際会議Convention、展示会・見本市、イベントExhibition/Eventの頭文字)が完成することが決まっていたからです。ところが、2016年4月に起こった熊本地震のため益城町や熊本市内の修復に人も時間もお金もかかるため、いつ完成するかわからない事態になりました。
2016年の第3回安全性学会は頼みの綱の市民会館までもが地震で使えない事態に。仕方なくホテルメルパルクで開催したため、予算が足りません。メルパルクの見積もりは非常にリーズナブルでしたが、スポンサーが全然つかなかったのです。そのため多くの先生方に手弁当で講演をしていただき、スタッフとして働いてもらいました。学生たちのアルバイト料もとっても安かった。本当にごめんなさい。でも熊本の仲間はみんな元気で僕を助けてくれ、演者の先生方のご厚意もあって内容的には過去 最高の参加者を集め、大成功に終わりました。
その後、2018年の5月に熊本城ホールのうちの学会関係施設は2019年11月に使用できる見込みが立ちました。ほぼこけら落としと言っていい11月15日(金)~17日(日)に開催が正式に決まりました。学会としての使い勝手は最高の施設です。でも完全な完成は大ホールの使える2020年1月です。未完成の商業施設やホテルをお見せできないのは少し残念ですが、学会は研究成果を発表し、討議・論議して多くのことを学び自己研鑽するための場。この「場」としての完成度は最高のものです。皆さん、多くのご来場を待ちしております。
※写真上:2018年10月 工事中の熊本城と熊本城ホール
※写真下:2019年11月 完成予定の熊本城ホール
「◇◇元年肥後腎薬の乱(RUN)」。ただし◇◇は未定で2019年4月に正式決定
テーマは僕が20種類くらい挙げ、熊本腎薬のメンバーに投票で決めてもらいました。その決まったテーマは「◇◇元年肥後腎薬の乱」でしたが、「壬申の乱」や「神風連の乱」「佐賀の乱」のように学会が乱れてはいけません。そこで「乱」に「RUN」のルビをつけました。平田自身がマラソン好き(自己記録3:19:59)。そしてプログラム委員長の崇城大学・宮村重幸先生はサブスリーランナーで、ほんの10年前にも3時間を切ったバリバリの快速ランナーなのです。仙台大会以来、毎年のように学会の日曜日早朝には鈴鹿医療大・八重哲司先生と3人は走っています。2019年11月17日(日)の早朝は宮村先生の考えた熊本城をゆっくり1周するRUNをやります!記念Tシャツも作りたいですね。
奇しくも来年の大河ドラマは「いだてん」、熊本県玉名郡出身の日本初のオリンピックマラソンランナー・金栗四三さんが主役です。池井戸潤原作の「陸王」で話題になったマラソン足袋(地下足袋の改良版)を履いて、かつてはマラソンの世界記録を27分も縮める大記録2時間32分45秒で走ったすごい人です。1912年の第5回オリンピックはストックホルムで開催されましたが、当時のことですからシベリア鉄道で20日以上かけて到着。レース中に日射病で倒れ、農家で介抱されているうちに行方不明に。この「マラソン中に消えた日本人」は1967年にストックホルムに再び招待され、「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイム、54年と8ヶ月6日5時間32分20秒3、これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します」とアナウンスされたそうな。来年の大河ドラマは熊本県民ではなくても見逃せません。
話は長くなりましたが、なぜRUNかというとRUNはRevolutionary Understanding Nephrology and pharmacotherapyの略です。完全なこじつけではありますが、この学会で腎と薬物療法を革命的に理解しましょう!
それともう1つ、「◇◇元年」の説明を忘れておりました。「◇◇元年肥後腎薬のRUN」は実は正式テーマではなく「◇◇元年」の◇◇に入る新元号は2019年の4月には決まるとのことです。正式なテーマは2019年4月まで待ちましょう。正式なポスターの完成もその時まで、待ちましょう。何になるなかなぁ・・・・。どんなポスターができるのかなぁ……。ワクワク。ドキドキ。
※写真右上:2005年10月仙台市街で宮村先生・八重先生と
※写真左下:2017年7月熊本の安全性学会で宮村先生、長谷川先生、宮崎の若い先生方と