SGLT2阻害薬は腎臓の本来の仕事
「ホメオスタシスの維持=適正化」を回復してくれる薬
SGLT2阻害薬の尿糖排泄作用は続くのに、利尿作用は持続しません。これには。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
薬剤師塾ではこの表題のような質問をよく受けます。以前にも回答しましたが、SGLT2阻害薬による尿糖排泄作用はずっと持続するはずなのに、利尿作用は持続しません。今一度、SGLT2阻害薬の利尿作用についてまとめてみたいと思います。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
なんでラウンドアップ法ばかりに頼るの?
しかしほとんどの薬剤師がeGFRや推算CCrでうまくいかないとき、つまり血清クレアチニン値が低すぎる痩せた後期高齢者の腎機能が、健常者の1.5~3倍に推算されてしまうときに、血清クレアチニン値に0.6を代入する「ラウンドアップ法」をやっています。ラウンドアップ法はどういう方法かご存知ですか?「血清Cr値に0.6を用いると推算値と実測値がよく相関する」という方法ではありません。ラウンドアップ法は血清Cr値が0.1mg/dLでも0.5mg/dLでも一律に0.6mg/dLを代入する方法なので、測定値を一定に低めに見積もるという手法なので、全く科学的ではありません。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
~シスタチンCの測定が普及しない~
腎機能評価の指標として、糸球体濾過速度(GFR:Glomerular Filtration Rate)が使用されます。実測のGFR(イヌリンクリアランス)はそのゴールドスタンダードで、実測のクレアチニンクリアランスもきわめて正確で、機能している残存ネフロン(intact nephron)数や腎血流量の変化を予測でき、CKD患者ではこれらの変化によって腎予後、透析導入までの期間も予測できる非常に優れた腎機能マーカーですが、測定に時間も手間暇もかかります。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
透析患者のPEW(protein-energy wasting)と栄養指導 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
透析患者の血清クレアチニン値、血清リン値、BUNは高いほうが感染症にかかりにくい この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
透析患者で最大の予後悪化要因はPEW(protein-energy wasting)だ!
前編・中編・後編の3回を予定しています。
透析患者は病的肥満のほうが予後がよい この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
慢性腎臓病(CKD)の腎機能(eGFRで表す)は通常、よくなることはない。だから「腎機能の低下速度をいかに緩めるか」が治療のポイントなのだ。Youtubeで再生回数が数十万回と多い「腎機能が強くなる○○」「腎機能がみるみる回復する○○」のはすべてウソです。CKD患者さんは通常、医師から腎機能がよくなることはないと聞かされているので、こういうタイトルに藁にもすがる思いで見るのでしょうね。調べてみると「【驚愕】腎臓揉んで毒素をドバドバ出す魔法の方法」、「寝る前1杯飲むだけで腎機能改善!」、「腎機能をアップさせる最強の手もみ3選!」というのはあり得ないことです。
また、困ったことに書籍でもどうも信じられないタイトルのものがあります。
「疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい」では腎臓が疲れると、血液がドロドロになるので腎マッサージで、身体の疲れは簡単にとれると書かれていますが、そんなエビデンスはありません。腎臓の近くをマッサージすると疲れが取れる可能性はあるかもしれませんが・・・・。
「国立大学教授・腎臓の世界的名医が教える 運動を頑張らなくても腎機能がみるみる強まる食べ物大全」はすごいタイトルの本ですね。僕はこの本を図書館で借りて読みましたが、内容は腎機能が悪化しにくい食べ物や、腎機能の低下した患者さんには勧められない食べ物などについて書かれた極めてまっとうなものなのです。でもタイトル中の「腎機能がみるみる強まる」ことはないし、「腎機能がみるみる強まる食べ物」なんてありえないのです。確かに、本当に「みるみる強くなる食べ物」があるのなら患者さんは買って読みたくなりますし、内容は腎機能低下した患者さんが読んでいただいたほうがよい内容で、実際、この本はベストセラーになっています。著者の先生は多くの患者さんに正しい食事療法を知ったもらいたかったのかもしれませんね。ですが残念ながら腎機能がみるみる強まる魔法の食べ物はありませんので、患者さんは誤解されませんよう!
ただし今は腎機能の低下速度を緩める作用の強力なSGLT2阻害薬、レニン-アンジオテンシン系阻害薬、抗アルドステロン薬などが現れ、これらをうまく組み合わせると半分以上の患者さんの透析導入を防ぐことができる時代になってきました。でも使ったほうがよい患者さんもありますし、副作用などのために使いにくい患者さんもいます。薬剤師の皆さん、正しい情報を丁寧にやさしく患者さんに伝えてください!
半減期の短いSGLT2阻害薬は夜間頻尿を起こさない?
多くのSGLT2阻害薬の血中消失半減期は10時間以上であるのに対し、デベルザⓇ(トホグリフロジン)の半減期だけが約5.4時間と短いです(図1)。このことから複数の薬剤師・医師がトホグリフロジンは不眠の原因となる夜間頻尿になりにくいことが利点だと言っています。そのことを日本語論文にしている医師も複数いますが、 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
SGLT2阻害薬は近位尿細管、つまり腎臓に作用する薬なので、腎機能が低下すると効きにくくなりますよね。じゃあ腎機能低下例への投与はどれくらいまでが許容範囲で、eGFRがどれくらいで疑義紹介すべきでしょうか? この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます