5月7日(木)開催の、「薬剤師として知っておきたい病態と薬の基礎の勉強方法 ~レベルアップするための専門外の病態、薬物療法、基礎薬学のアップデート法~」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.調剤業務中に急ぎでAI検索する事があります。今はパソコンにcopilot(チャットGPTと連携)標準装備なので、プロンプトにあなたは薬剤師です、とか、添付文書情報、インタビューフォームの情報をもとに回答して、と情報を限定して質問する事があります。明らかな間違いは滅多に見ない、でも元の文章は確認するようにしてるのですがどう思われますか。
A.調剤業務中に急ぎの場合にはAIは有用だとは思いますが、生成AIの回答はもっともらしいのですが、よく「古い情報」を引用して「もっともらしいウソをつく」ことがありますので「最新の添付文書情報、最新のインタビューフォームの情報をもとに」を加えたほうがいいと思います。でも元の文章は確認するようにすることは非常に大切だと思います。有料版であれば最新の添付文書情報、インタビューフォームをコピペして「○○について回答して」と依頼すると間違わないとは思いますが、時間は少しかかりますね。
Q.DeepLで翻訳をしたところ、勝手に文章をまるっと省略されたり、変な解釈をされたりしたことがあり、Google翻訳の方がいいのかもと感じたことがあります。DeepLを使う上で気をつけることなどありましたら、教えてください。
A.僕にも同じ経験があります。これは無料版のDeepLの特徴です。DeepLの無料版には、入力できる文字数や処理できるデータ量に制限がありますから、無料版で一度に長い文章を流し込むと、AIが文脈を処理しきれず、一部を「重要でない」と判断して削ってしまう(ハルシネーションの一種)ことが稀にあります。それとDeepLは「自然な日本語(または外国語)」を生成することに長けていますが、その代償として、原文に忠実であることよりも「読みやすさ」を優先し、結果として勝手な解釈が混ざることがあります。
Google翻訳の方が「いいかも」と感じる理由は、その堅実さにあります。文法的に多少ぎこちなくても、原文の単語を一つひとつ拾い上げる「逐次翻訳」に近い性質があります。そのため、「情報の漏れ」が許されない実務的な確認にはGoogleの方が向いている場合があります。
平田自身はDeepLの欠点(医学・薬学用語の専門性はないため、専門用語の誤訳があること)を知ったうえで、10ページ以上のフルペーパーでも高速で自然な和訳をしてくれる有料版のDeepL Proを愛用しており、Google翻訳は使っていません。
5月7日(木)開催の、「薬剤師として知っておきたい病態と薬の基礎の勉強方法 ~レベルアップするための専門外の病態、薬物療法、基礎薬学のアップデート法~」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
平田先生のお話を聴きながら、患者さんに頼りにしてもらえる薬剤師であるために、学びを続けたいと思いました。これからもよろしくお願いいたします。
新しいAIツールを使いこなせるようになることは今後も薬剤師として学習を続けていくために欠かせない時代になっているがよくわかりました。新しい知識についていくのに必死になっておりましたが、学習方法からアップデートする必要があることを痛感いたしました。
とても楽しく拝聴できました。できればMediseachAIがどのように使えるのか(まだ使った異なりので)どこにアクセスするとか、有料プランの内容とか後半の話をもう少し知りたかったです。 NotebookLMは別の研修会で少し触ったことがありまして、わからないことを聞くと的確に教えてくれて便利と思ったことがあります。
勧めていただいたYouTubeとAIをまずは使ってみようと思います。
生成AI を使わないのは損していると思いました。
AIは使用したことがなく、全くわからなかったので種類や特徴、間違った情報が出てこないものもあるなど、初めて知ることも多く、大変勉強になりました。 情報収集や効率、情報の精査など、その特徴を把握した上で正しく使えるなら積極的に使っていけたらと思います。
AIにもキャラクターがあり向き不向きがあると分かった。やっぱり質問の仕方の工夫がAIとうまくやるには必要かなと思いました。
とても勉強になりました
とても興味深い内容でした。最近、AIを利用する機会が増えたので比較して説明してもらえたのはわかりやすくて良かったです。
本日も有難うございました。基礎が出来ていなければ、正しい情報を得ることや論文を読めないこと、自分への投資について強く背中を押されたような思いがしました。まだAIには慣れていませんが、次回までにはNotebookLMやMediSeachAIを使用してみます。
実践しやすい内容で、早速教えていただいたAIを使用してみたいと思いました。実際に困っている医療者は多いと思うので、周りにも伝えたいと思います。
生成AIはこれまで触れた事がなく、今日の講演を聞いて、是非使いたい思うと同時に、これからは使わなくてならないのかと感じました。次回、実際の使い方等学べるのをとても楽しみにしております。 ここでお伝えすることでは無いかもしれません、お許しください。 この度、地域の講演会で発表する機会を頂きました。40歳過ぎて初めてです。これまで平田先生のご講演で頂いたワクワクを忘れずに臨みたいと思います。
GeminiとnotebookLMは使用したことがあり、時々使っているのですが、medi searchAIも早速使ってみたいと思います。
最近はタイミングが合わずに参加できていませんでした。今回は1年ぶりぐらいに参加でき、いい刺激をいただきました。AIなどの紹介されたマストアイテムについていけてないので、来週の内容も楽しみです。
学びはあったので参加してよかったと思いますが、案内にある「病態と薬の基礎の勉強方法」という要素が少なかったように感じたので「3」とさせていただきました。ありがとうございました。
平田先生の情報収収集の仕方をお聞きして、私もやってみようと思いました。ありがとうございました。
1時間Aiについてほぼ話していなかったため
実際のMediseach、NotebookLMの使用方法を聞きたくてうずうずしました。 楽しいご講演をありがとうございました。
生成AIをほとんど使った事がなかったのでいまいち全体像を掴むのが難しかったです。またハルシネーションが起きやすい事もわかりましたので、まずはMEDISEARCHEを使ってみます!ありがとうございました!自分のAIに関してのレベルが低すぎた事もよくわかりました。今気付けてよかったです。
2026年6月25日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。
◆第74回「平田の薬剤師塾」中級者コースのテーマは
「透析患者の薬物適正使用~腎性貧血を中心に~」(中級者編)です。
今回のメインテーマは腎性貧血です。
英国のPIVOTAL試験でフェリチン濃度が700ng/mLを超えるかTSATが40%以上でない限り、静注鉄剤を定期的に積極的に投与した群のほうが低用量鉄剤投与群に比し死亡および心筋梗塞、脳卒中、心不全による入院を複合した再発事象の発生率が有意に低い!しかもESAの投与量も減少し感染症も増加しないという報告があり、海外のKDIGOの腎性貧血ガイドライン2026にも反映されています。
300 ng/mL 以上となる鉄補充は推奨しないという日本のこれまでの腎性貧血ガイドライン2015とは全く異なります。では日本の腎性貧血ガイドライン2025はどうなったかというと、2025年度版となっているのにまだ発表されていないのです。幸いなことに今回の平田塾は今年の透析医学会神戸大会の数日後ですから、新しく正確な情報をお届けできると思います。おそらく新ガイドラインではもう少し積極的な鉄投与をし、HIF-PH阻害薬の使い方についても踏み込んだものになるでしょう。平田の予想では大きく変わるはずだと思っています。
腎性貧血以外にも透析患者の薬物療法についても踏み込んでみたいと思います。
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。
2026年6月18日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。
◆第73回「平田の薬剤師塾」初級者コースのテーマは
「透析患者の薬物療法~CKD-MBD~」(初心者編)
ミニレビューは「薬剤師でも知っておきたい透析患者の栄養管理(森住 誠)」です。
腎機能がとことん悪くなって末期腎不全になると様々な合併症が起こります。透析患者の薬物療法をマスターすることは、CKDの病態そのものを学ぶことになると思います。その中で透析患者の服用錠数が極めて多いのが、CKD-MBDの治療薬だと思います。CKD-MBDは慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常のことで、血清リン値、Ca値、PTHをモニタリングしつつリン低下薬(フォゼベルの登場でリン吸着薬とは言わなくなりました)、活性型ビタミンD、カルシミメティクス(Ca受容体作動薬)など多種多様な薬剤を使いますので、透析患者の多くは極めつけのポリファーマシーになります。これらの使い分けを基本から学んでいきましょう。
新しいリン吸収阻害薬のフォゼベル(テナパノル)、新しいカルシミメティクスによる二次性副甲状腺機能亢進症の治療戦略を新しく改訂されたCKD-MBD ガイドライン2025に沿って解説したいと思います。
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。
◆第71回 5月14日(木)中級者編 お申込はこちらから
必要とされる薬剤師はここが違う
~初めての学会発表から、論文作成~
◆第72回 6月11日(木)特別講座 お申込はこちらから
はじめての学会発表・論文作成ゼミナール
◆第73回 6月18日(木)初級者編 お申込はこちらから
透析患者の薬物療法~CKD-MBD~
ミニレビュー:薬剤師でも知っておきたい透析患者の栄養管理
◆第74回 6月25日(木)中級者編 お申込はこちらから
透析患者の薬物適正使用~腎性貧血を中心に~
※お申し込み期限は講演会開始直前までとなります。
お申し込みの際は 免責事項 をご確認のうえお手続きください。
4月16日(木)開催の、「腎機能をしっかり見れる薬剤師を目指そう(中級者編)」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q. S-1は、体表面積で区切られた段階的な用量設定になっています。この場合、個別化eGFR(mL/min)で投与設計を考えると、体格を二重に補正することになるのではないかと少し気になっています。あまり気にしなくてもいいのでしょうか?
A.S-1は体格別用量(mg/m2)なので、身長・体重によってすでに補正されていますので、身長・体重の入った個別化eGFR(mL/min)を使うと二重補正になります。二重補正すると小柄な人はさらに低用量になって効かなくなり、大きな人はさらに用量が増えて副作用が起こる可能性があるからです。この時だけは薬物投与設計であっても身長・体重を式に含まない標準化eGFR(mL/min/1.73m2)を使います。
eGFR(mL/min/1.73m2)は一般的に体表面積補正eGFRと呼ばれますが、実際には体格が全く考慮されていないため(実際には体表面積は考慮されていない)ので混同しやすいです。ということで我々、腎臓病薬物療法学会が標準化eGFRと呼ぶようにするようにしました。
Q.聞き逃してたらすみません、メトホルミンも個別化eGFRで評価で良いですよね?
A.大原則として投与量=AUC×CLtotal ですよね。
腎排泄型薬物のクリアランスは患者さんの腎機能が低いほど減量しなくてはなりません。患者さん自身の腎機能は個別eGFR(ml/min)で表されます。小柄で体表面積1.2m2しかない人は腎臓のサイズも小さいので1.73m2の標準体型男性に比べて低用量にしないとAUCが中毒濃度になってしまいます。逆に巨体で2m2ある人は1.73m2の標準体型男性に比べて高用量投与しないと、腎臓のサイズも大きいので効かない(AUCが有効濃度にならない)可能性があります。
上の式で示した通り薬物クリアランスは個別eGFR(ml/min)と相関しますが、標準化eGFR を用いると非常に小柄な患者や大柄な患者ではそれぞれ過剰投与や過少投与になります。さらには小柄な患者では特定の薬剤(メトホルミンなど)の投与開始基準が甘くなって副作用を起こすかもしれません。
だからメトホルミンの添付文書表記が30mL/min/1.73m2未満で禁忌、30mL/min/1.73m2以上あれば750mg/日投与できます。ということは標準化eGFRを使うと小柄な人にでも投与できますが、乳酸アシドーシスなどの副作用などのリスクは高くなります。だから添付文書の腎機能表記として標準化eGFR R(mL/min/1.73m2)を用いることが間違っているのですが、メーカーも医師の先生方もFDAやNKFもだれも指摘しなかったのでしょうかね?
薬物の投与設計にはメトホルミンのように添付文書表記が標準化eGFR(mL/min/1.73m2)になっていても個別eGFR(mL/min)を使います。これが鉄則なのです!
標準化eGFR(mL/min/1.73m2)はCKDがどれだけ重篤化の診断に使うためのものです。薬物投与設計に使うのは身長170cm、体重63kgの人だけじゃなく160cm、体重70kgの人、身長180cm、体重57kgの人など1.73m2と計算される標準体型の男性の時か、抗がん薬でmg/m2の体格別体重の時にしか使いません。
Q.Calvert式について質問させて下さい。
私の施設では、上限125mL/min、CCrを用いる場合は0.2補正(酵素法による血清Cr値に0.2を加えてJaffe法に近い値にする手法)、ADDIKD( Anticancer Drug Dosing in Kidney Dysfunction)の腎機能変動20%以内は前回量維持推奨など、基準を設け適正使用を目指しております。
しかし、腎機能が保たれた患者では、前回投与時から10mL/min増加、AUC5で50mg投与量が増えるケースもあります。生理学的変動など誤差範囲かもしれず対応に悩んでおります。
A.血清Cr値の変動による腎機能への影響ですよね。患者さんの情報が十分ではないのでどうお答えしてよいのかわからないのですが、がん患者であれば、患者さんにはよっては衰弱してきて筋肉量が減少しそれによって推算腎機能が低下することが考えられます。それと腎機能が保たれた患者では血清Cr値のちょっとした変動によってeGFR値の影響しやすいです(腎機能が悪くなればなるほどゼロに集約されるので変動幅は小さくなりますが腎機能の良い方は変動幅が大きくなります)。
またCDK4/6阻害剤(パルボシクリブ、アベマシクリブなど)とカルボプラチンを併用することは、乳がんの治療(主に転移・再発乳がん)において選択肢の一つとしてありますよね。CDK4/6阻害剤はCrの尿細管分泌を阻害して血清Cr値が20%程度上昇して腎機能が悪化したように見えることがありますが、これは偽性腎障害でeGFRは低下しますので、CDK4/6阻害剤を中止するとeGFRが上がったように見えることがあります。ほかにも原因は考えられると思いますが、情報不足だと推測しかできないですね。
Calvert式は体格別用量なので、標準化eGFRを使う論文があった……ブログで回答します」と言ってしまいましたので訂正します。
正しくは、カルボプラチンは「体格別(BSAや体重)用量」ではなく、Calvert式で目標AUCと腎機能(GFR)に基づき総量mgで投与しますので固定用量です。したがって標準化eGFRは用いません。
式:Dose (mg) = 目標AUC × (GFR + 25) だから固定用量になります。GFRには標準化eGFRは用いません。
使うとすれば個別eGFRまたは(CCr+0.2)を用いた実測CCr(安藤雄一先生の論文)または(CCr+0.2)を用いた推算CCrを用います。
米国ではJaffe法で測っていた時代は副作用が起こっていなかったのに、2011年以降、IDMS traceableになって血小板減少症が増えたといわれています。日本ではもともと正確に測定する酵素法が、2000年以降一般的になったのでGFRの1.2~1.3倍になるため、血小板減少が米国よりも起こりやすいといわれていました。メーカーが「GFR一般的に推算CCrで代用できます」とパンフレットに書いたため、腎機能が高く推算されるとともに投与量が増えたため、血小板減少症が増えたのではないかと思います。
4月16日(木)開催の、「腎機能をしっかり見れる薬剤師を目指そう(中級者編)」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
平田の薬剤師塾には参加されていますか?なにかの時に頼ると助けてくれますよ。 この文章は私の大事な友人でもあり師匠と呼べる方の最後のメッセージでした。 平田先生にどうしても伝えたく挙げさせていただきました。 今日も熱い思いを込めた講座ありがとうございました。
腎機能評価は患者と治療薬が何かを把握した上でメリハリをもって、という最後の言葉がすごくしっくりきました。この話を聞けただけでも参加してよかったです。
初級、中級と講義を受けさせて頂き、腎機能評価に対する理解が深まりました。ありがとうございました。
腎機能の評価方法とその精度をどこまで求めるかに関して学べた。腎機能の正確な評価が難しいので調節を先生にお願いしに行くことはできないと言われることもあったがどんどん先生に相談しに行こうと思います。
S-1は、体表面積で区切られた段階的な用量設定になっています。 この場合、個別化eGFR(mL/min)で投与設計を考えると、体格を二重に補正することになるのではないかと少し気になっています いつも勉強になる講演ありがとうございます
前回に引き続き、症例や患者の状態により個別化gGFRだけでなく必要な検査値があることが分かりましたが、質問で理解が追い付いていないことが多く、もう一度録画配信にて確認したいと思います。恐れ入りますが、録画配信は最後の質問まで配信して頂けますでしょうか。
タリージェは酵素法、ヤッフェ混ざってるんですね!添付文書の腎機能でみればいいと思ってしまってました。
初級編から参加したかったです。 ありがとうございました
腎機能の考え方について理解が足りていない部分が多くありました。講演を通して知識及び考え方を得ることができました。貴重なご講演をいただきありがとうございました。
難し面もありましたが大変勉強になりました。 ありがとうございます。
勉強になりました
薬物投与量設計には個別eGFR一択なんだと改めて理解できました。ブログの更新も楽しみにしております。
2026年6月11日(木)開催の平田の薬剤師塾「特別講座」のお知らせです。
◆第72回「平田の薬剤師塾」特別講座のテーマは
「はじめての学会発表・論文作成ゼミナール」です。
できれば5月の薬剤師塾に参加した人で顔出しOKの方、この1~2年以内に学会発表や論文作成を目指す方を対象に、少人数制の「学会発表・論文作成ゼミナール」を開催したいと思います。皆さんが持っている研究テーマ案やデータ、スライドをより洗練されたものにするにはどうすればよいでしょうか?また、学会発表した内容が論文や英語論文になるかどうかの見分け方についても考えてみましょう。このディスカッションの成否は参加者の熱意にかかっています。参加費は無料です。
論文作成には最低限の統計や動態などの知識は必要です。簡単にあきらめかけている人はいませんか?あるいは、薬局薬剤師、新人薬剤師、学生、学会発表未体験者で、今は研究テーマがないけれど、皆さんの話を聞いて参考にしたいという方も、聴講者として参加できます。
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:20名】
※お申し込み時のお願い
当日は、頂いた質問を交えながら進行する予定です。
先生方の悩みを解決できるよう、
※録画とオンデマンド配信はありません。
4月9日(木)開催の、「腎機能をしっかり見れる薬剤師を目指そう(初心者編)」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.eGFR30 ml/min/1.73m2の禁忌設定の意味合いってCKDステージ4.5に該当するような患者は禁忌、だから個別化で考える必要はなく標準化でいいと理解してますがどうでしょう?メトホルミンの書き方的に投与量設計の意味合いはうすくないですか?ツイミーグだと解釈難しいですが……良くない考え方でしょうか?
A.メトホルミンは添付文書上では30mL/min/1.73m2以上であれば1日750mg投与できますよね。30未満だと投与禁忌なのです。もしもメトホルミンの投与量が30mg/kgなどの体格用量で示されていれば、二重補正を避けるために標準化eGFRを使うべきです。ただし添付文書の多くが固定用量、メトホルミンの場合も、腎機能がよければ1500mg/日(最大2,250mg/日)という固定用量になっています。
極端な例で申し訳ないのですが、こういうこともありうるからということで理解していただきたいのですが、35kgの小柄な女性と150kgの幕内力士の2人とも標準化eGFRが35mL/min/1.73m2以上あったので、どちらにも1日750mg投与しますか?悩みますよね。だってもし35kgの女性が添付文書上、投与可能になっているけど乳酸アシドーシスなどの副作用リスクは明らかに幕内力士に比べて高くなりますよね。添付文書に標準化eGFRを使って投与設計しようとしたのはFDAの2011~2020年までの黒歴史です。2019年のメトグルコの添付文書改訂(現在の添付文書)も間違いだったのに日本でも誰も何も指摘しなかったというのは恥ずべきことだと思っています。でもいいです。今後に治験される薬物の添付文書は薬物投与設計に使うべき個別化eGFRになると信じていますから。
Q.メトホルミン、20切っても処方有りえますか?
A.主治医の判断次第でありうると思います。ただしメトホルミン、安くてよい薬ですが、SGLT2阻害薬やフィネレノンほど、生命予後改善効果・心血管疾患の予防効果はそれほど期待できないので、eGFR20を切ってでも処方するメリットはあまりないし、DKDは進行性の疾患ですので、腎機能がよくなることはないことを考えるとあまり投与継続には賛成できません。
Q.メトホルミンで質問です。個別eGFRで明らかに減量や禁忌患者に、疑義照会しても腎内科医は減量や中止しません。それは、ある程度過量投与になっても大丈夫なのかなと考察してます。平田先生の意見をお聞かせ下さい。
A.前問の回答と同じで、主治医の判断次第でありうると思います。
現在の腎内科医はあまり腎機能の評価について詳しくありません。日本人向けeGFR推算式を実質上作成した堀尾学先生の論文は2010年前後に多く発行されていますが、今はそれから15年も過ぎてしまっていますからあまり興味がないのかなと思っています。2020年、2024年のFDAの声明(今後は薬物投与設計には個別eGFRを用いること)に日本の腎臓内科医の先生方が少しでも興味を持ってくれることを切に望んでいます。
Q.シスプラチンはml/min/1.73㎡を使うということでしょうか?同様の質問で「シスプラチンなどの体格で投与量が決まる薬剤に対して、ml/min/1.73㎡を使うほうがよいのが、わからなくて教えてほしいです。」というのもありました。
A.その通りです。体格用量になっているシスプラチンを使う場合の腎機能は身長・体重が考慮されていない標準化eGFR(mL/min/1.73m2)を用います。
シスプラチンは代表的な殺細胞性抗がん薬でハイリスク薬です。固定用量にするのは危なすぎるので、添付文書には病態によってシスプラチンとして15~90mg/m2(体表面積)の体格用量になっています。例えば「睾丸腫瘍、膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍、前立腺癌にはシスプラチンとして15~20mg/m2(体表面積)を1日1回、5日間連続投与し、少なくとも2週間休薬」となっています。
ということは用量設定中に身長・体重によって計算した体表面積が組み込まれていますので、腎機能として体表面積が組み込まれた個別eGFR(mL/min)を使うと二重補正になってしまい、小柄な人はさらに低用量になって効かなくなり、大柄な人はさらに高用量になって有害反応が起こってしまいます。
例題をやってみましょう。
mg/m2で表記されたCDDP(シスプラチン)の個別腎機能とBSAによる投与量設定
シスプラチンの標準1回量を20mg/m2と仮定します(100%量)。この方法では体表面積を算出する必要があるため、身長・体重が必要になります。Kintzelらによると1)、以下のようなシスプラチンの腎機能に応じた減量基準が推奨されています。
腎機能正常(CCr>60mL/min): 100%(20mg/m2を1日1回投与)
CCr 46 to 60 mL/min: 75%に減量
CCr 31 to 45 mL/min: 50% に減量
CCr <30 mL/min: 禁忌(他の薬物の投与を考慮する)
Aさん: 60歳、身長150cm、体重40kgで日本腎臓病薬物療法学会HPを利用すると体表面積が1.30m2、血清Cr値が0.9mg/dLの女性症例。日本腎臓病薬物療法学会HPを利用すると体表面積が1.30m2、血清Cr値が0.9mg/dLの女性症例。標準化eGFR 49.68mL/min/1.73m2であった。
Bさん:60歳、身長170cm、体重65kgで体表面積が血清Cr 0.8mg/dLの男性症例。日本腎臓病薬物療法学会HPを利用すると標準化eGFR 76.47mL/min/1.73m2であった。
Aさん、Bさんのシスプラチンの至適投与量を求めよ。
ここでやりがちなAさんの間違った解答を紹介します。基本は体格で2重補正しないことです。体格の大きな人に2重補正すると過大投与、体格の小さな人に2重補正すると過小投与になってしまいます。
Aさん:60歳、身長150cm、体重40kgで体表面積が1.30m2、血清Cr値が0.9mg/dLの女性症例では標準化eGFR49.68mL/min/1.73m2となりますが、シスプラチンを投与する場合、個別eGFRに直すとeGFR 49.68mL/min×1.3/1.73=37.33mL/minになり、Kintzelらの腎機能別投与によると「CCrが31-45mL/minでは50%に減量することになっているため、10mg/m2投与が推奨されます。そのため、1.3m2の体表面積の患者に投与する場合、1.3倍して13mg/日投与すればよいことになります。
ここで算出された個別eGFR=37.33mL/minには体表面積1.3m2をすでに用いて身長・体格が考慮されています。このような小柄な症例にさらに1.3m2を用いて用量設定することは2重補正による過小投与になります。
引用文献
1)Kintzel PE: Anticancer drug-induced kidney disorders. Drug Saf 24: 19-38, 2001
Q.脱水の保険薬局での指標はBUN/Cr比の推移をみるなどなにか考え方がありましたらご教示頂けますと幸いです。
A.ツルゴール低下(皮膚を引っ張った時の戻りが悪い。皮膚の張りがない)、口腔・腋窩の乾燥、体重減少、頻脈・血圧低下、尿量減少・濃縮尿などがあります。検査値としてはBUN/Cr比>20のほかに、ヘマトクリット値、血清アルブミン濃度、総蛋白などが脱水による血液濃縮で上昇します。爪毛細血管再充満時間≧2秒というユニークな脱水鑑別方法もあります。
Q.最近病院へ転職して、初めてこんなにも腎機能が奥深いことを知りました。今日のが基礎編というのは(不勉強で申し訳ありませんが)正直かなり難しかったです。もっと勉強したい!と思いました。今日は貴重なお時間ありがとうございました。(もっともーっと基礎編があったらうれしいです!と言わせてください。)
何か初学者が勉強するのに良い資料やテキスト、教科書などはありますでしょうか?大学を卒業してかなり経ってしまい基礎がそもそも抜けきっているので、なにかベースとなるものがあれば教えていただきたいです。
A.何を知りたいかによります。興味のない分野、自分で経験をしていないことを無理して勉強しても身につきませんから。腎機能の見方について興味があるのなら、今回の内海先生のスライド、そして、ユーザー登録していただけるとブログ「平田の薬剤師塾」の「腎機能評価の10の鉄則」が無料で読めますし印刷できます。腎機能の見方についてはこれが一番、分かりやすく詳しいと思います。そして2019年11月に作成されたまま、改訂されていませんが、言っていることに大きな間違いはありません。
Q.薬物投与量に関しては個別化eGFRをということでしたが、以前の講義で脱水の時は一時的に腎機能が悪化しているように見えるが脱水が改善されたら数値も戻るとおっしゃっていた気がして…患者さんに直近の検査値を聞いてそれを元に先生に疑義すると思うのですが、その数値がどういった背景のものなのかって薬局薬剤師だと判断が難しいのですが単純に個別化eGFRの数値だけで投与量の提案をしてしまってよいのでしょうか?
A.単純に個別化eGFRの数値だけで投与量の提案をしてしまってよいとまでは言えません。例えばいつもはeGFR>50mL/minだった高齢者が、夏季の猛暑による発汗、飲水不足によって明らかに脱水になってしまってeGFRが29mL/minになったとしますね。でも採血後、輸液をして結構元気になって患者さん自身が薬局に来られたらどうでしょう?
疑義紹介しますか?「eGFR30未満ならメトホルミン禁忌」という疑義紹介は僕の嫌いなデジタル薬剤師の考え方です。多分、医師も「もういい加減にして!」と思っていることでしょう。患者さんを点でしか見ていないからです。「夏季、猛暑、発汗、飲水不足、輸液、症状改善」という線でみて、それでも投与すると危ないのであれば疑義紹介したいものです。そういう意味で患者さんから様々な情報を聞き出すのは重要なコミュニケーションだと思います。
Q.身長140センチ、体重30kgの女性がeGFR:60(ml /min /1.73㎡)で、個別化eGFR:38(ml /min )の場合、CKD診断基準であるeGFRがCKDでなく尿蛋白陰性で個別化eGFRが60以下であっても、この女性の腎機能は正常で病院を受診する必要はありませんと女性にお伝えしても良いのでしょうか。
A.前問と同様、ですが、eGFRが60あればCKDじゃないというのは少しデジタル的ですね。この方の年齢にもよります。80歳でeGFRが60にまでやや低下したのであれば、普通に加齢に伴い腎機能が低下しているだけで、治療する必要はない可能性が高いと思います。でも線でみて(臨床経過を観察して)みると、患者さんの病態に悪影響する何かが見つかれば、受診勧告すればよいと思います。
Q.糸球体が弱る疾患にかかっている際の腎機能評価を行う際に気をつけなければならない事はありますでしょうか。
A.糸球体が弱る疾患は慢性糸球体腎炎だけでなく、糖尿病関連腎臓病、高血圧による腎硬化症などがありますが、それぞれ治療方針は異なりますし、使う薬物も異なります。薬物投与に関わる腎機能評価も薬によって異なります。
ただし腎硬化症以外ではアルブミン尿・蛋白尿が増え、それが持続すると加速度的にGFRを低下させることがあります。またネフローゼ症候群などによる低アルブミン血症や糖尿病患者ではクレアチニンの尿細管分泌が増加し、腎機能を過大評価してしまうことがあります。
4月9日(木)開催の、「腎機能をしっかり見れる薬剤師を目指そう(初心者編)」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.シスタチンCなど有用な指標を使うべきと考えておりますが、添付文書上の指標がCCrや標準化eGFRの方で用量設定されている以上、保険調剤する場合に訴訟などの問題の観点から事実上介入が難しい現状があります。打開策などありましたらご教示頂けませんでしょうか?
A.標準化eGFRが32mL/min/1.73m2の人が2人いて、1人が35kgの90歳女性、もう1人が2型糖尿病で150kgの力士だったら、同じ用量にしますか?僕だったら、訴訟が起こってもいいから35kgの90歳女性にはメトホルミンの投与をやめるよう介入します。だって個別eGFRは22.9mL/min、推算CCrは17.22mL/minですから。僕の考え方は添付文書通りじゃないから間違いでしょうか?こんな極端な例は非常に少ないでしょうががありうる話ですよね。
寝たきりの高齢者、つまりサルコペニアで腎排泄性ハイリスク薬(バンコマイシン、バラシクロビルなど)がeGFRや推算CCrが正常値以上ということで常用量投与されていたらなら、僕だったらシスタチンCを測定してもらってからでないと投与はさせません。このように介入しないと患者さんが危険にさらされることがほぼ予測できる時には介入すべきです(それぞれテイコプラニン、アメナメビルに変更というより楽な介入方法だと思います)。CCrや標準化eGFRは添付文書通りの測定法であれば、いずれも健常者の1.5倍以上(150~200mL/min)あれば、常用量投与を認めますか?このデータは腎機能がよいのではなく、明らかに筋肉量が少ないことを表しているだけなのですよ。介入しないで有害反応を起こした場合、ほぼ100%、医師の責任になりますよね。薬剤師の責任にならなければいいのでしょうか?
それだったら薬剤師って必要ないと思いませんか?
患者さんのための薬剤師になっていないと思いませんか?
ごめんなさいね、極端な例を出して。でもサルコペニアの腎機能過大評価はふつうに起こっていますので。
Q.シスタチンCを使うにあたって測定費用がクレアチニンに比べ高いのと、3か月に1回請求とれないのが問題としてあがります。シスタチンCが使いやすくなるためにはどういった活動をすればいいんでしょうか?
A.シスタチンCを測定してくれるのはほぼ腎臓内科の先生たちです。他の科の先生方は医師国家試験にも出題されていますし、もちろんシスタチンCのことは知っています。しかし薬剤師が医師に「eGFRが過大評価されているみたいなので、シスタチンCを測定してもらえませんか?」と言っても「シスタチンCってなに?」と問い返されることがよくあると聞きます。医師歴の長い開業医の先生方なのかもしれませんが……。
シスタチンCって1回1,000円以上する高い検査費ですし、いまだに3か月に1回しか測定できません。
一方、米国のNKF/ASNタスクフォースは2020年のJASN誌(PMID: 34563581)、2021年のAJKD誌(PMID: 34556489)に「シスタチンCの確認検査への拡大(routine use)」を強く推奨(Strong Recommendation)しました。シスタチンCの日常的、かつタイムリーな確認検査の迅速実施を呼びかけ、学会・実臨床で採用が進むべき方針を打ち出しました。
それに対して日本の現状はどうでしょうか?日本ではシスタチンCの測定を推進しようという機運すら感じられませんし、薬剤師は何とかラウンドアップ法などで逃げており、シスタチンCの普及は恐ろしいほど遅れています。薬剤師にできることは明らかに筋肉量が異常なため血清Cr値によるeGFRが信頼できないときにはシスタチンCを測定してもらうよう主治医にお願いしましょう。そういう積み重ねによってシスタチンCが普通に測られるようになれば検査費用も安くなり、3か月に1回の測定が毎月、あるいはもっと頻繁に測定できる時代になるはずです。スウェーデンでは日常診療でCysCを日常的に併用しており、同日測定15.8万人の解析が可能なほど比較的しています。
Q.日本腎臓病薬物療法学会のHPの個別化クレアチニンクリアランスの計算を主に利用しております。
DM薬は標準化eGFRが多くて、あとの添付文書は大体個別化クレアチニンに基づいて問題ないと把握しておりますが、標準化クレアチニンクリアランスを使う場面は何かありますか?思いつかないです。
たまにクレアチニンが基準に入ることあっても、標準化クレアチニンクリアランス使う添付文書に出会ったことないです……。
A.標準化クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2)を使う場面は現在は全くないと思います。これは日本においてeGFR(推定糸球体濾過量)の算出にMDRD式(Modification of Diet in Renal Disease)が実質的に使われていたのは、2004年くらいから2008年度初頭以降は現在のeGFRがずっと使われています。標準化CCr(mL/min/1.73m2)はeGFRができる前に腎臓病の進行度を見るために使っていたものです。標準化eGFR(mL/min/1.73m2)ができてから、診断指標としてのeGFRは2004年以降、ずっと主役になっています。標準化CCr(mL/min/1.73m2)を使う人はもういないはずです。
Q.薬局薬剤師だと、肥満であっても添文がCCr表記なら現体重と理想体重の2個でCCr数値計算して医師に判断、で問題ないと思いますが、病院の薬剤師の方とかだと、薬剤師が薬剤設計の裁量もってたりするのでしょうか?最終判断を医師に投げてしまうのは薬剤師として無責任なのでしょうか?誤差がある式である以上医師が判断すべきと思いますが…。薬局薬剤師なので意見求められることもなく数値だけ出して医師に投げてしまっています。ただ意見求められた時に何も言えないのは専門家として情けないので勉強するべきではありますね。
A.著明な肥満患者なので推算CCrが過大評価され、薬用量が過量投与になっていると危惧した場合には病院薬剤師、薬局薬剤師に関わらず、医師に問い合わせるべきだと思います。その時に薬によっては補正体重か理想体重を用いるて、腎機能がどのように推算されるかということを報告するとよいと思います。
病院の薬剤師はTDM対象薬やある種の抗菌薬の投与設計だと薬剤師が薬剤設計を主導することはありますし、実力のある薬剤師がいる病院では外来でも薬剤師がついて薬物投与時に提言しているところもあります。
理想体重(男性; kg)=50+{2.3×(身長−152.4)}/2.54
理想体重(女性; kg)=45.5+{2.3×(身長−152.4)}/2.54
補正体重(kg)= 理想体重+[0.4×(実測体重-理想体重)]
Q.尿細管分泌する薬剤のクリアランスは理論上CCrと相関しそうな気がしますが、投与設計には個別化eGFRを使用すべきでしょうか。メトホルミンやプラミペキソールなど
A.糸球体ろ過+尿細管分泌=薬物の腎クリアランス になりますので、薬物の腎クリアランスが分かれば投与設計はもっと良くなるはずですが、尿細管分泌・再吸収機能を正確に調べるのは研究的には行われていますが、実臨床上のデータによると一貫せず、相関は弱~中等度に留まります。薬物の分泌経路(OAT1/3 vs OCT2/MATE)や病態(CKD、SIRS/ARC)で乖離しやすいためと考えられています。
メトホルミンは腎排泄性薬物で、OCT2/MATEの基質なので腎クリアランス(CLr)は糸球体濾過(GFR)を大きく上回るため、尿細管分泌の寄与が支配的です。健常~腎機能良好ではCLrが約510 mL/minと報告され(PMID: 21241070)、プラミペキソールもOCT2やMATE1/2‑Kの基質になるので腎排泄のうち分泌の寄与が大きい薬ですが何%の寄与率かまでは分かっていません。
ただしシメチジンでクレアチニン分泌を抑えるとCCrはGFRに近づき、推算の精度が改善する報告があり、CCrが分泌に強く依存していることを裏づけます。
理論上はCCrの方がGFRより分泌成分を共有するため相関しやすいはずですが、現実には輸送体依存性・病態・相互作用で崩れやすいので、分泌優位薬の用量調整は、CCr/eGFRを初期の目安にしつつ、必要に応じてTDMで補強するのが安全だと思います。実臨床で実測GFRの測定も無理でしょうから、これらの試みは研究的になります。ぜひ、この疑問を研究テーマにして解決して論文を書いてください。