薬剤師塾オンライン

 11月20日(木)開催の、シリーズシリーズ④「心不全の臨床データから疑義照会・服薬指導 にどう生かす?」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。


Q.アゾセミドやフロセミドは患者さんに使っている場面を見て使い分けのイメージが分かるのですがトラセミドは低カリウムを起こしにくい以外にどのような位置づけになりますか?トラセミドのここぞという何かいいことがあれば教えていただきたくよろしくお願いいたします。

A.僕もトラセミドは低カリウムを起こしにくい以外のメリットを知りません。医師のループ利尿薬の処方頻度はフロセミド74%、アゾセミド20%、トラセミド6%となっていますので、ループ利尿薬といえば短時間作用型はフロセミド、長時間作用型はアゾセミドばかりが主に使われていて、トラセミドはあまり使われていません。腎機能が重度腎障害(eGFR<30以上に低下するとサイアザイド利尿薬の効き目が悪くなるので、降圧薬としては長時間作用型ループ利尿薬に変更されることが多いのですが、この時には高カリウム血症が怖いし、併用薬でさらに高カリウム血症を助長しやすいRAS阻害薬やMRAなどが併用されると特にカリウムを下げるアゾセミドのほうが使いやすいのではないかと思っています。だからアゾセミドを使っていて低カリウム血症気味になったらトラセミドに変更ということはあるかもしれません。また抗アルドステロン作用を持つというのはトラセミドによる心保護、腎保護が期待されるので魅力的ですが、それらは動物実験による報告だけではないでしょうか。臨床的にアゾセミドに勝ったというエビデンスはないと思います。

 11月20日(木)開催の、シリーズ④「心不全の臨床データから疑義照会・服薬指導 にどう生かす?」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。


検査値の解釈などを具体的な症例を通じて勉強できたので、明日から検査値のどこを注目すればいいかの参考になった


腎不全になると腎性貧血になることはあるのは知ってましたが、心不全でも貧血になることはあるんですね。


調剤薬局の薬剤師です、今日も大変勉強になりました。 心不全とは直接関係ない質問にも丁寧に説明いただき感謝申し上げます。病院勤務ではないので、日常的に多岐の採血検査項目や尿検査項目、菌培養検査(抗菌薬感受性検査)、またTDMの数値をみる機会はほとんどありません、是非とも今後の講演内容で基本的な検査値の見方を取り上げていただきたいです。


症例検討の学習会はあまりないので、今後もあると嬉しいです。


いつも大変勉強になります。


症例を元にすると、色んな事を考え、とても勉強になりました。


本日もありがとうございました。4回全て受けさせていただきました。普段、調剤薬局勤務なので、医師に提案は中々厳しい状況にはありますが投薬に活かしていきたいと思います。


今までのまとめになり、有難うございました。 患者さんへ暗いイメージを持たせない服薬指導をするのには…何回もどんな時も考えて行いたいと思いました。ストーリーが描けるように薬剤、検査値、背景、病態など勉強します。


今回のような具体的な検査値、症例があると、より理解しやすく助かります。毎回YouTubeは、3~4回見直して復習させてもらっています。ありがとうございます。


貴重なご講演ありがとうございました。 先生のおっしゃっていた「明るい服薬指導をする、くすりをのませるように指導するのが薬剤師の力」という言葉が身に沁みました。おっしゃるとおりだと思います。薬剤師の使命は、患者さんのアドヒアランスをよくすることだと思います。副作用の話もしないといけないが、しすぎるとかえって薬をこわがってアドヒアランス不良にしてしまう恐れもあります。私も明るい服薬指導を心掛けたいです。


初めて参加させていただきま、沢山の学びをいただきました。


過剰ろ過の状態の患者に対して、イナーシャにならないよう、 説明していくことは大変参考になりました


症例での講義、今まで理屈で理解していたことが現場感覚で頭に入ってくるのが楽しかったです。文字になっていない薬のイメージが先生の身振り手振りでさらにわかりやすくしてくれてました。

 11月13日(木)開催の、シリーズ③「慢性心不全治療のFantastic Four ってどんなもの?」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。


Q.サルコペニアフレイルには避けるということでしたが、腎機能が中等度に低下している非DMの高齢者では、尿糖がそもそもそんなに出ていないと考えると、SGLT2阻害薬はアリなのかとも思えますがいかがでしょうか。CKD患者は心不全ステージAに該当するため、SGLT2阻害薬の推奨対象者というお話があったかと思いますが。

A.SGLT2阻害薬は非糖尿病ではブドウ糖200kcal分が尿中に喪失するだけですが、糖尿病では血糖値に依存してもっと尿糖排泄量が増加しますし、それによってケトン体産生が増えるということは体脂肪・筋肉が消費され、尿中にケトン体が喪失するのでエネルギー喪失はもっと強力だと思います。今回紹介した論文のほとんどが米国のもので、高齢者なのに平均BMIが30前後なので「痩せると楽になる患者さんたち」だと思いますが、日本人高齢者は加齢とともに痩せが顕著になってきますので、やはりSGLT2阻害薬は投与しにくいです。

SGLT2阻害薬は瘦せるからサルコペニアやフレイルには投与しない方がよいだけではなく、この方たちは活動度が低く、要介護度の高い患者さんだということですね。ということは女性では性器感染のリスクも高くなりますし、食欲も低いと思いますので、糖尿病患者ではケトアシドーシスを発症するリスクも高くなると思われます。非糖尿病CKD患者であっても心不全ステージAですから、ガイドライン上では投与できると思いますが、サルコペニアやフレイルを合併した患者ではやはり投与しにくいですが、最終的には主治医の判断になると思います。サルコペニアやフレイルが悪化するリスクよりも腎機能悪化を防ぐベネフィットが高いと判断すれば投与してもよいと思いますが、その後のケア(体重、活動度、性器感染、尿路感染など)は大変になると思います。


Q.SGLT2阻害薬が腎臓の負担を減らすということは、透析患者にも効果(貧血改善効果など)が期待できるのでしょうか? 

A.SGLT2阻害薬がどうやって効いているかについてはさまざまな説があります。僕はケトン体産生による恩恵を受けているという説が、一番説明しやすいので、この説をメインに解説しましたが、貧血改善、長寿遺伝子SIRT1の活性化、尿酸低下作用など様々な説も唱えられていますし、動物を使った基礎研究ではもっともっと様々な説があります。長期透析患者では尿細管が線維化していてほぼ機能していないので、SGLT2阻害薬は無効だと思いますし、貧血改善作用はSGLT2阻害薬よりもESAやHIF-PH阻害薬のほうが強力です。透析患者で使える可能性があるとすれば、透析導入して1~2年、あるいは残腎機能のあるCAPD患者さんだけではないでしょうか。

 11月13日(木)開催の、シリーズ③「慢性心不全治療のFantastic Four ってどんなもの?」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。


ファンタスティックフォーについての研修会、とても楽しみにしていました。先生の教えを自分のものとして、患者様が思わず飲みたくなるような服薬指導をしていきたいです


SGLT2阻害薬により、ケトン体亢進作用が、心筋や血管 にいい効果をもたらすこと、貧血改善と腎臓に大変良い影響があることがわかり、早期に開始できるように医師とコミュニケーションをとっていきたいと思います。


いつもありがとうございます。 聞きそびれとところなどがあるのでYouTubeの配信でもう一度聞きたいと思います。ケトン体の働きについてこの間からどうしてだろうと考えていたので非常に参考になりました。 ありがとうございました。


SGLT2阻害薬をもっと使ってもらいたいなとは思っていました が、具体的な推奨する患者さんが考えられるようになったので、先生に少し相談してみたいと思います。


腎臓薬物療法学会の平田先生のご講演で今回から参加 しました。◯◯医院薬剤部の◯◯と申します。平田先生、本日は貴重なご講演ありがとうございました。新卒で今年入職した上に不勉強なため知識がかなりない状態でしたが大変わかりやすかったです。入職して半年間参加できる勉強会はほとんど参加してきたのですがあまり理解できず身になっていないので平田先生のご講演で学んだことは忘れないようにアウトプットしたいです。


SGL-2阻害薬服用患者には常に1.5Lの水分摂取を 勧めています。先生がおっしゃた様に1.5Lをこまめに摂取するようにと。間違っていなくてよかったと思います。


何回か拝聴させて頂き、ようやくパズルがはまったように なってきました。Fantastic fourの各薬剤、組合せによる相性や腎保護作用、ケトン体など引き込まれるように勉強させて頂きました。有難うございました。


分かり易く説明いただくので、頭の中が整理されます。 開業医への薬の進言に関しては大変気を使いますが、ファンタスティック4の導入に加え、既に処方されている患者への服薬指導を、早速明日からの学会資料を利用させて頂きます。


私は◯◯市で在宅医療、外来、施設の調剤、OTC販売の日常を過ごしていますが、限界集落で超高齢地域なので、心不全の患者が多くの時間を食事の指導に費やしてきた気がします。MRAでケレンディアの使用経験がありません。DM患者に使え、高圧作用が少ないのは魅力です。引き続き本薬剤について新たな知見があればご指導ください。


SGLT2阻害薬の可能性の高さには驚きます。 貧血についてはもう少し詳しく知りたいところです。


いつも大変勉強になります。


いつもありがとうございます。 とても勉強になるのと、もっと勉強しなければという気にさせていただけるので、これからも仕事と自分の勉強を頑張ろうと思います。 ありがとうございました。


前回の内容も振り返りながら進めていただき、ありがとうござ いました。ケレンディアが心不全でも使えるように願います。


本日はありがとうございました。


今年の9月から本公演会に参加しております。本年度の4月からの公演も是非視聴したいので、配信頂ければと思います。


わかりやすい講義をありがとうございました。

 2025年12月開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。

 第60回平田の薬剤師塾 初級編は「Triple whammyを防げ!」です。

 薬剤性腎障害シリーズの1回目は「Triple whammyを防げ!」。RAS阻害薬+利尿薬+NSAIDsの併用はTriple whammy処方、この3種が高齢者に処方されたら、急性腎障害を起こさないよう疑義紹介して可能な限りNSAIDsを他剤に変更してもらいましょう。その理由は?そしてその時に選択すべき鎮痛療法は? 薬剤性腎障害の基礎から学んでいただきます。

◆12月11(木)開催「Triple whammyを防げ! 」
 
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】

(クリックするとPDFが表示されます。)

 

 第61回平田の薬剤師塾 中級者編「バラシクロビル腎症・脳症を防ぐ!」です。

 薬剤性腎障害シリーズの2回目は「バラシクロビル腎症・脳症を防ぐ」。ある日本からの報告によると薬剤性腎障害発症数が最多なのはNSAIDsではなくバラシクロビルだといわれています。神後性腎障害による腎症だけではありません。脳症も併発することが多いです。発症するのは小柄な高齢女性が多い理由を知っていただき、これを防ぐ服薬指導、疑義紹介についても学んでいただきます。

◆12月18(木)開催「バラシクロビル腎症・脳症を防ぐ!」
 
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】

(クリックするとPDFが表示されます。)

 10月16日(木)開催の、シリーズ②「慢性心不全治療の薬物療法の基本」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。


Q.平田先生、いつもわかりやすい講演ありがとうございます。質問です。保険薬局でシベノール錠50mg2錠分2を定期服用している高齢患者さんに対して、おそらく主治医も注意しているとは思うのですが、先生でしたら外来においてどの程度の頻度で腎機能確認が最低限必要だとお考えでしょうか?よろしくお願いします。

A.高齢者は患者さんによって腎機能の見方が変わります。高齢者で体力の弱ったフレイルの方は筋肉由来のクレアチニンを基にしたeGFRを腎機能として信頼できません。筋肉量が少なくなっているため、高めに推算されますので、蓄尿して実測CCrを測定するか、シスタチンCによるeGFR算出します。それが無理なら、シベンゾリンは腎機能が急変すると低血糖だけでなくQT延長も起こしうる薬なので、医師に何のためにシベンゾリンを投与しているのかを教えていただき、シベンゾリン以外の抗不整脈薬に変更できないのかについて、相談しますね。シベンゾリンを投与する限り腎機能の頻回測定は必要ですし、急性腎障害を確実に食い止める必要があるからですが、そうするだけの見返りがあるかどうかを確認したいためです。ただし自分自身の研究成果から、元気で活動力の高い人であれば80歳でも90歳でもeGFRは信頼できるなと思っています。


Q.透析導入後、フロセミドに、トルバブタン7.5㎎(または15㎎)を透析クリニックで継続する際、トルバブタンはどこまで継続すべきか、何かガイドラインとなるものがあるのでしょうか。

A.フロセミド+トルバプタンは心不全ではどうしようもない溢水、呼吸困難、ひどい低ナトリウム血症などで緊急的に併用する薬物療法だと思います。僕自身は高価なトルバプタンを透析患者に併用するのはどうだろうと思います。その理由として透析患者であれば、溢水がひどければ透析で除水すればいいし(水の引き残しがあれば、透析終了後に透析液を流さず限外濾過(ECUM)をやるのもいい)、電解質異常は透析で是正できるからトルバブタンを併用するのは水分管理がよほどひどいときだけだと思います。肝硬変による腹水や腎嚢胞などで溢水があるからフロセミドを必要とするケースなのだと思いますが、透析をやっていれば徐々に腎機能が低下して3~5年で無尿になって、フロセミドの中止はやむを得ないと思います。トルバプタンの併用はよほどの時に一時的にとどめるべきではないでしょうか。ということで、透析患者を対象にフロセミド+トルバプタンの有効性を見る試験は誰もやらないと思いますので、ガイドラインには記載されていないはずです。

 10月16日(木)開催の、シリーズ②「慢性心不全治療の薬物療法の基本」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。


大切なことを何度も繰り返し、色々な角度から教えて頂き、本当にわかりやすかったです。何度も繰り返し勉強したいので、テキストが欲しいです。ありがとうございました。


わかりやすく話して頂いてよかったです。


拝聴して、わかることが増えていくにつれてわからないことも出来てくるといった感じもあります。 ありがとうございました。


服薬指導と処方医への提案にも大いに役立つと思います。


作用機序、試験結果までわかりやすいご講演ありがとうございました。


先生のお話は解りやすくて心不全に対する知識があいまいだった 部分が少しずつ固まってきました。まだまだ??な部分はありますがここを埋めていけば、みたいな感触であとは症例で勉強して役に立てるようにしていきたいです


ガイドラインを見直すきっかけになりました。新しい考え方を学べました。


前回の分も振り返りながら、基礎から分かりやすく説明いただいて ありがとうございました。


23くらい前、調剤薬局に勤務の頃、ARBが頻繁に処方されていました。カリウムの上昇が気になり、野菜、野菜ジュース、果物など摂取をどうしたら良いのか、他の薬剤師と話し合ったことがありました。患者の食生活など聞き取り、可能であれば採血結果など。。平田先生の講義は貴重です。このような機会を頂くことが出来てとても嬉しく、分かるまで何度でも見直して勉強します。有難うございました。


心不全の薬を整理することができて、参加してよかったです


拙い質問にもお答えいただきありがとうございました。 肥大型、拡張型ではなくHFrEFかHFpEFかで判断する事が分かりました。今度、患者様にもう少しお話を伺ってみたいと思います。


なかなか心不全について、自分なりに本などで、勉強してても、 ぼやっとした理解でした。先生の講義で理解が前に進みました。


アルドステロンによって、心筋の肥大・繊維化、および腎臓の メサンギウム細胞・およびたこ足のポトサイトの障害、間質繊維化、糸球体硬化などをいかに早期に抑えるべくACEiを使用すべきということがわかりました。ありがとうございました。


ありがとうございました。 いつも べんきょうに なります  


とても勉強になりました。 ありがとうございます!

 10月9日(木)開催の、シリーズ①「これだけは知っておこう。慢性心不全の病態の基礎」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。


Q.心不全のタイプは駆出率のみで判定するのでしょうか。処方されている薬剤から判断できますか。

A.薬剤師塾でもお話ししたように、駆出率によってガイドラインに基づいて治療薬が選択されることがあります。例えば、ヘフレフの場合はRAS阻害薬やARNI、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬が選択され、ヘフペフの場合はSGLT2阻害薬がまず選択されます。ARNIやMRAはエビデンスレベルが弱いものの、使用されることがあります。
 ただし、薬剤の選択には駆出率だけでなく、急性増悪期には強心薬を使ったり、β遮断薬を中止したりすることもあります。また、右心不全と左心不全ではフロセミドの使い方が異なりますし、血圧やカリウムの数値によって使いやすい薬と使いにくい薬があります。
 したがって、駆出率は薬剤選択に重要ですが、病態によって総合的に判断します。
 処方されている薬の内容から、患者さんがヘフレフかヘフペフかは判断できません。次回は薬の使い方についてお話しします。


Q.次回は薬についての説明があると思いますが、非結合型分率の低い薬物の併用する場合が多いと思いますが、分布容積の大きな薬物同士であれば組織移行して平衡に達するため非結合型薬物濃度が上がるということはないと考えてよいでしょうか? また、肝障害、腎障害時にどのように考えたらよいかご教授をお願いします。

A.非結合型分率の低い薬物とは、つまり蛋白結合率が高い薬ということですよね。
 一般的に、脂溶性の高い薬物は組織に移行しやすく分布容積が大きいのですが、アルブミンとの親和性も高いため、蛋白結合率も高くなります。しかし、蛋白結合率が極めて高い薬物(例えばワルファリン)は、PBRが99%以上(非結合型分率の極めて低い薬物)になり、アルブミンにトラップされて血中にとどまります。そのため、間質液や細胞内、脂肪組織や他の臓器に移行できなくなり、分布容積は0.15L/kgと、水溶性薬物と間違えそうなくらい小さなVdになります。蛋白結合率の高い薬物同士の併用では、用量の少ない薬物(ワルファリン)やアルブミンとの親和性が低い薬物がアルブミンと結合できなくなり、薬効を示す遊離型分率が増して遊離型濃度の上昇が起こります。このため、中毒性副作用やワルファリンによる大出血が起こる可能性があると考える方もいるかもしれません。しかし、私は分布における相互作用はほとんどないと考えます。つまり、遊離型ワルファリン濃度が上昇しても、代謝クリアランスと分布容積が同時に増大するため、血中遊離型濃度は上昇せず、併用前の平衡状態の遊離型濃度と変わらないので、何も起こらないと考えます。
 ご質問の「分布容積の大きな薬物同士であれば、組織移行して平衡に達するため、非結合型薬物濃度が上がる」ということは考えたことがありません。おそらく、分布容積の大きい薬物の併用では、何の問題も起こらないはずです。患者さんが服用している薬の7割は肝代謝型薬物であり、その多くは分布容積が大きいですが、これらを併用して何かが起こったという話は聞いたことがありません。分布容積が大きいといっても、アミオダロンは脂肪組織に高濃度で分布しますが、ジゴキシンは心筋や骨格筋に高濃度で分布するので、相互作用は起こりえないですよね。肝障害や腎障害時にも、分布容積の大きい薬物の併用は問題ないと思います。

 10月9日(木)開催の、シリーズ①「これだけは知っておこう。慢性心不全の病態の基礎」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。


復習プラスアップデートにとてもよい講義でした。次回も楽しみにしています。


心臓の解剖生理学がとても良くわかりました。


肺循環・体循環から心不全の病態まで本当に大学で講義を受けているようでした。いつも先生の言葉ひとつひとつ聞き逃さないように引き込まれてしまいます。 今までヘフレフ・ヘフぺフの違いやイメージが掴めませんでしたが、おかげ様で理解できました。これからも引き続き、勉強させてください。


分かりやすく話していただいて勉強になりました。


心臓の基礎が理解できました


心臓の構造から心臓に関わる検査値で抑えておかないといかないものなどを 分かりやすく解説いただき、ありがとうございました。シリーズの残り3回も楽しみにしております。


本当に目からウロコ わかりやすすぎました。資料が欲しいです。


LVEFの細かい説明をありがとうございます!アーカイブでまた復習します!


今まで見た中で一番わかりやすい資料でした。次はスクショします。


大変勉強になりました。


基礎からご講演していただけるのは大変ありがたいです。

 平田の薬剤師塾 では、日本心不全薬学共創機構に共催いただき「慢性心不全の病態と薬物療法」をテーマとした4回シリーズとして開催しております。(シリーズ①~②は終了)
 がんの5年生存率は全体で68.9%まで改善していますが、心不全の5年生存率は50-60%で超高齢化に伴う心不全パンデミックが問題になっています。慢性心不全の病態と薬物療法、薬剤師としてできることについて考えてみたいと思います。


シリーズ③慢性心不全治療Fantastic Four ってどんなもの?です。

 これまでの2回でHFrEF(ヘフレフ)に対する予後改善薬ACE阻害薬、β遮断薬、MRA、そして利尿薬の立ち位置について学んでいただきました。今回は薬物療法としての最終回、最も効果的なSGLT2阻害薬とサクビトリルバルサルタン(ARNI)について解説し、いよいよFantastic Fourによる併用効果について理論武装していただきます。そして、数年前までは予後改善薬のなかったHFpEF(ヘフペフ)についても解説します。

◆11月13日(木)開催【定員:300名】
 
お申し込みは こちら から

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シリーズ④心不全の臨床データから疑義照会服薬指導 にどう生かす?です。

 高血圧、糖尿病やCKD、肥満があり心不全を発症していなくてもステージAの心不全リスクに分類されます。そしてまだまだ症状の出ないステージBから自覚症状の出てくるステージC, Dへの進行を食い止めるための薬物療法を症例、検査値を提示しながら、考えていきましょう。あなたはこの症例のBNP、血圧、カリウム値、貧血、腎機能に対してどのように評価しますか?薬物療法に対して疑義紹介しますか?どのような薬物療法を提案しますか?そして心不全の緩和医療についても考えてみましょう。

◆11月20日(木)開催【定員:300名】
 
お申し込みは こちら から

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プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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