◆第64回 2月12日(木)初級者編 「透析導入を防ぐための糖尿病関連腎臓病DKD治療の4本柱とクリニカルイナーシャの重要性」
お申込はこちら【申込期限:講演会開始直前まで】
◆第65回 2月19日(木)中級者編 「糖尿病関連腎臓病DKD/CKD、心不全に対するSGLT2阻害薬~SGLT2阻害薬を徹底的に深堀りしてみよう~」
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◆第66回 3月12日(木)初級者編 「透析患者の便秘と腸閉塞・腸管穿孔~腎不全ではなぜ腸内細菌叢が乱れるのか~」
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◆第67回 3月19日(木)中級者編 「腸腎連関~腎機能悪化・心血管合併症を防ぐために尿毒素の産生を抑える~」
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2026年3月開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。
第66回平田の薬剤師塾 初級編は「透析患者の便秘と腸閉塞・腸管穿孔~腎不全ではなぜ腸内
平田が「透析患者の便秘」の講演をすると、よく「なんでそんな軽
◆2026年3月12(木)開催「透析患者の便秘と腸閉塞・腸管穿孔~腎不全ではなぜ腸内細菌叢が乱れるのか~」
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。
第67回平田の薬剤師塾 中級者編「腸腎連関~腎機能悪化・心血管
透析患者数の増加は最近になってようやく頭打ちになりました。で
◆2026年3月19(木)開催「腸腎連関~腎機能悪化・心血管
お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。
1月27日(火)に開催されました、アスヤクLIFE研修会「検査値・臨床データから病態をどう解釈し、疑義照会・服薬指導にどう生かす?」につきまして、当日は187名の方にご参加いただきました。誠にありがとうございました。以下に、当日お寄せいただいたご質問への回答を掲載いたします。
Q.保険ではアルブミン尿の検査は糖尿があれば検査可能ですがない場合は検査をすることが難しいかと存じます。患者本人が腎機能数値クレアチニン値などが血液検査やドッグで以前より高値になってきている場合、さらに何か調べる手立てはあるのでしょうか?また運動を始めて筋肉が増えてクレアチニンが上がってきているのか腎機能低下で上がっているのかを確認する手立てはあるのでしょうか?
A.糖尿病であればアルブミン尿が測定できますが、非糖尿病のCKD患者では蛋白尿を定量できます。運動をして筋肉量が増えていることは体組成計で簡単にわかります。特にInBodyという体組成計は正確です。ただし筋肉量が増えたからと言っても血清クレアチニン値の上昇は1か月に0.1mg /dL程度です。ボディビルの選手であれば筋肉量が見た目で分かるくらい増えたら、0.2とか0.3mg程度上昇するかもしれません。そんなわずかな上昇ですから、血清クレアチニン値1.5mg/dLの人は明らかに腎臓は良くないです。
Q.SGLT2阻害薬のエリスロポエチン産生促進のお話は初めて聞きました。実際に腎性貧血を軽減すると言う臨床試験は存在するのでしょうか
A.最初はヘモグロビン値が上がったのはSGLT2阻害薬の利尿作用による血液濃縮だと専門家は思っていたみたいですね。でも実際、血中のEPO濃度が上昇していたから腎性貧血改善作用があるということです。EPOは近位尿細管間質細胞で産生されますが、腎機能が低下するとEPOが産生されないため腎性貧血を発症します。SGLT2阻害薬が尿細管間質の低酸素状態を改善するためEPO産生細胞が活性化されEPOが増加します(図1,2)1)。


文献
1)Maruyama T, et al: Diabetes Technol Threr 21: 713-720, 2019
Q.SGLT2の腎保護作用は実感するところですが、一方で高度腎不全では禁忌という狭間で揺れることも多いです。休薬や継続の判断基準についてご知見お持ちでしたら教えて欲しいです
A.透析導入になるまで使いましょう。大規模試験ではDAPA-CKDではeGFR25以上の患者、EMPA-KIDNEY試験ではeGF20以上の患者を対象にしています。でもこの腎機能未満であれば禁忌とは添付文書に書かれてはいません。例えばジャディアンスの添付文書には「 eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があること、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあることから、投与の必要性を慎重に判断すること。eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。」と記載されているので、投与していいんです。ガイドライン上でも「eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者には投与を開始しない」となっているだけで、20mL/min/1.73m2あれば開始してよくって、透析導入になるまで中止する必要はありません。
Q.早期治療介入が腎保護について有効ととてもよく理解できました。腎硬化症を防ぐという意味では早期の血圧コントロールも重要と感じました。治療開始の目安は高血圧ガイドラインの根拠にもなっているスプリント試験に準じて130程度から開始と言う理解でよろしいでしょうか。またその時の降圧薬について第一選択になりうるものはあるのでしょうか
A.SPRINT試験は厳格降圧群のSBP120mmHg群がSBP140mmHgの従来群に比し、様々な心血管合併症発症率を有意に低下できたという試験です。腎硬化症は非常に長い年月、高血圧にさらされてきて70歳代、80歳代以上になって動脈硬化が進行すると徐々に腎機能が低下しますので、若年期からの降圧が重要と言えますので、SPRINT試験とは関係しません。腎硬化症は蛋白尿(+)になることが少ないので、蛋白尿(-)であれば第1選択薬は通常の第1選択薬、つまりCa拮抗薬でも利尿薬でもRAS阻害薬でいいのです。ただしCKD診療ガイドラインでは後期高齢者でGFRが30未満であればRAS阻害薬も利尿薬も腎虚血、脱水などの急性腎障害のリスクが高くなるため、Ca拮抗薬を推奨しています。
Q.RAS阻害薬や抗アルドステロン薬でカリウム上昇しますが、カリウム上昇してたら効果が出てると考えるのは短絡的ですか?
A.はい。非ステロイドMRAのフィネレノンはカリウムをほとんど上げないのに強力なミネラロコルチコイド受容体をブロックし、腎保護作用・心保護作用を示しますから、カリウムの上昇が効果とは関わっていません。
Q.カリウム上昇してたら腎保護や降圧の効果が出てると考えるのは短絡的ですか?
A.はい。上記の回答と同じです。
1月27日(火)に開催されました、アスヤクLIFE研修会「検査値・臨床データから病態をどう解釈し、疑義照会・服薬指導にどう生かす?」につきまして、当日は187名の方にご参加いただきました。誠にありがとうございました。
また、研修会後のアンケートには多くのご回答をお寄せいただきました。
アンケート内では、勉強になったポイントや新たな気づき、さらに深く聞きたかった内容など、さまざまなご感想をいただいております。以下に、皆さまからいただいたご意見・ご感想を、原文のままご紹介いたします。

尿アルブミンが少しでも検出されたら、腎障害の始まりであることを強く学ばせて頂きました。現在官公庁病院の門前薬局に勤務しておりますが、なかなかその恐ろしさがわからない方が多くいらっしゃいます。危機感いうのもお伝えするために今日の先生の講義は有難かったです。ありがとうございました。
症状と検査数値を照らし合わしてそれを服薬指導に反映する事で、患者さんのコンプライアンスを上げる事はとても大事であると学びました。今後、さらに検査数値を学んでいきたいと思います。
検査値からも患者の病態を想像しながら、お薬を飲みたくなるような服薬指導をすることが大切なことがわかったが、自分ではあまりできてなかったなと思った。
患者さんから聞き取った検査値をどのように服薬指導や処方解析に役立てたらいいのか、具体的な講義が聞けて勉強になった
尿中アルブミン値の単位「㎎/gCr」について勉強になりました。糖尿病性腎症から透析にならないような服薬指導をするには?個々の患者の背景や病識を見てどのようにしたらよいのか、傾聴もしながら取り組みたいと思います。本日も有難うございました。
当薬局でも、透析導入をどうにか遅らせるべく出ているであろう処方をよく受けるのですが、今回検査値から状態を推測する方法を学べて良かったです。
検査値をどう読み取って、具体的に患者さんの指導に繋げていくか、具体的な症例で大変理解を深めることができました。
検査値の赤くなってないところの視点
腎機能について理解できた
SGLT2の有用性
腎機能と血糖コントロールの関係を再認識することができました。
腎機能評価の仕方
症例が非常に勉強になりました。
検査値の見方がよくわかりました。
症例があったので患者さんを想像しながら考えることができた
脱水の時の検査値の考え方がとても参考になりました。
もっと深く聞きたかった
HbA1cの説明に体温を例えに使うとわかりやすい
ガイドラインとどう絡むかを勉強しようとおもいました。
検査値の裏読みの重要性を理解しました
脱水や本当の腎機能の評価の考え方が理解出来た
DKDの四本柱 トリプルセラピー
デジタル薬剤師、耳が痛いです
薬剤師の怠惰
BUN/Cre 比の意味がこれまでよく理解できなかったのがよく理解できました
腎機能と摂取水分量について(制限の有無など)
暑いお講義、楽しかったです。実践的な内容、ありがたかった。
デジタル薬剤師という言葉が刺さりました。
詳しくお話いただいて、もっと勉強しないといけないと思います。
Cre アルブミン量 について
具体的な症例について検査値の読み方、病態の推察を講義くださり、大変勉強になりました。
患者さんが飲みたくなるような服薬指導のポイントが大変参考になりました。
脱水時の検査値の変化、見方
ステロイド服用による糖尿病について
まずは復習して理解を深めたい
飲みたくなる服薬指導
HbA1Cの数値が9.5であることの大変さを説明するのに、発熱が39.5度をイメージさせるというのが効果的だと感じた。
イナーシャにならないよう、気をつけます。
デジタル薬剤師にならないように、検査値をしっかり見ようと思いました
腎機能低下時の服薬指導
SGLT2阻害薬の有用性。検査値の見方。検査値の一時的な変化だけで判断しない、他の要因も考慮しないとならないこと。
症例解説が非常に良かった。
服用したくなる服薬指導!必要だと思いました
検査値についてもっと深く勉強したかった。
血管の石灰化勉強になりました。
患者背景などもきちんと見ていく必要がある事学んだ
患者が飲みたくなるような服薬指導が 大切なことを理解できた。
eGFR正常値にだまされない
これからの薬剤師が対人業務としてより臨床を勉強しなければいけないので とても参考になった。
検査値からの情報収集や糖尿病治療薬の処方意図について今後の参考になった
糸球体過剰ろ過の病態について、もっと具体的に説明していただきたかった。
大変勉強になりました
薬を飲みたくなるような服薬指導をするという言葉を聞くと胸が痛くなりました。
単位不要のYouTubeでは小画面を移動できないため、画面の文字が一部見えないことあり、改善して欲しい
検査値は点ではなく時系列で見る重要さ
添付文書に出ている数字だけに飛びつかないこと
高血圧管理・治療ガイドライン2025では診断の基準値は140/90mmHgでこれまでと変わっていないが、降圧目標がすべての患者で130/80と厳しくなった(図1)。高血圧ガイドライン2019までは「75歳以上の人は少し緩めに」「たんぱく尿(-)のCKD患者の降圧目標は140/90mmHgで過降圧は腎機能を悪化させる可能性がある」と言われていたが、今回の改訂では75歳以上も「蛋白尿陰性のCKD患者も「130/80mmHg未満」の目標値を一律に当てはめたのはなぜなんだろう。

日本腎臓学会編: エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023ではCKDステージG1, G2でDM非合併CKDで蛋白尿(-)では140/90未満を推奨する(IA)、G3-G5で蛋白尿(-)では140/90未満を提案する(2C:図2)になっている。だけど高血圧ガイドラインでは腎機能に関係なくCKD合併高血圧の降圧目標は130/80mmHgでこれも1Aだが(図3上)、蛋白尿陰性CKD患者に関しての考察、フォレストプロットはなく、「蛋白尿の有無での層別化は蛋白尿陰性のデータがないため行えなかった」となっている。この1Aというのは推奨度、エビデンスレベルも最高レベルということなのに、異なる内容で1Aになっていることが悩ましい。
またCKD診療ガイドラインでは75歳以上の高齢者には150/90mmHg未満を推奨(2C)、忍容性があれば140/90mmHgを推奨(2C)だけど(図2)、高血圧ガイドラインでは収縮期130mmHg未満(1A:図3)で医師・薬剤師はどちらのガイドラインを参考にすべきなのだろうと迷ってしまいますます悩ましい。


2025年の高血圧管理・治療ガイドラインは序文で「日本人の血圧管理状況は先進国で最低レベルであるため、最新のエビデンスの説明だけでなく、国民、患者、医療者の血圧を下げる行動につながるようなガイドラインにする作成方針で作られた」ということから、血圧を下げることは重要ということを分かりやすく伝えるため、そして基準値の「140/90未満ならいいや」と積極的な治療をやめてしまう医療者・患者が多いことから、わかりやすく130/80mmHgに統一したのかもしれない。その分、このガイドラインには「ただし」という注釈(言い訳?)が多くなっている。だけど厳格降圧群(SBP<120mmHg)ではCKDインシデンスが3.53倍も増えることだけが問題だったSPRINT Study(図4)のことも考えてほしい。腎機能低下した高齢者に厳格降圧を強く推奨すると問題ありと思うのは僕だけだろうか?

1月22日(木)開催の、「高齢者薬物療法と薬物動態の変化」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.帯状疱疹の患者さんは、高齢者が多い印象ですが、保険薬局で
A.おっしゃる通り、2017年3月に発出された「バルトレック
検査データが得られない場合には上記のような小柄な高齢女性にバ
バラシクロビルは腎機能がよい若い方にはジェネリックがあり安上
でもアシクロビル(バラシクロビルも活性体はアシクロビル)中毒
こっちのほうがとんでもない高い医療費になりますよね。
ほぼ1週間の投与で終わりますから少々高くてもいいんじゃないで
1月22日(木)開催の、「高齢者薬物療法と薬物動態の変化」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
高齢者の体格、活動度を確認して検査データだけではなくe-GFRには十分に見極めないと副作用の発現を防げないと再認識しました。腎機能低下患者でのインスリンが腎で代謝されて低血糖を起こすこと、腎は糖新生臓器とは合点がいきました。尿中排泄率、薬物の排泄、肝代謝、抱合はとても分かりやすかったです。計算式は、ついていくのがやっとでしたので、後ほどストーリーを描けるようにしたいです。本日は有難うございました。
低アルブミン血症による薬物遊離型が増えても薬効強度は変わらないというところは少し衝撃でした。その理由も分かりやすく教えてくださり勉強になりました。またオンデマンドで見直ししたいと思います。
非腎クリアランスについて、腎クリアランスが低下していると非腎クリアランスも低下していることを初めて聞き勉強になりました。明日からの業務に参考にさせていただきたいと思います。
高齢者の生理機能低下が薬物血中濃度上昇の理由の説明が腑に落ちました。
末期腎機能低下患者の場合など、尿毒素が溜まることによって、CYPなどの(非腎)クリアランスも低下して、腎排泄でない薬も濃度が上昇するところから、その先のADMEの部分に至って再度資料を拝見させていただき理解を深めたいと思います。
今回も大変勉強になりました。時間の関係で後半の講演できなかったスライドの内容も今後お聞かせいただければ幸いです。
高齢者はとても多いので働いていて高齢者の処方を調剤や監査することが多いですが副作用が起こりやすいので気をつけなくてはいけないとは分かりつつ、継続薬を変更するのはなかなか勇気がいるので難しいです。期待される予後を鑑みて薬を使用して医療費をかけすぎないことも期待されているのでやり辛いです。
今まで教えていただいた内容の総復習ができました。 検査値3以下の低アルブミン血症の方がは殆どで、薬剤の濃度については懸念材料でしたが今日のお話で納得でした。
苦手な薬物動態をわかりやすく説明頂き、感謝します。本には書かれていない、先生の考え方が聞けて、すごく腑に落ちました。ありがとうございました。
今回もとても勉強になりました
いつも勉強になりありがとうございました
分かりやすかったです。後半、時間切れで聞けなかったスライドが気になりました
RAS阻害薬だけでなくSGLT2阻害薬、MRAなど多くの腎保護薬には一過性の腎機能悪化initial dipを伴うが、CKD診療ガイド2024では「CKD患者にRA系阻害薬を投与すると、血清Cr値が上昇することがある。しかし、前値から30%未満の上昇なら、そのまま継続してよい。」記載されており、この内容はCKD診療ガイドライン2009の時代から変わらない。でもこれってどうなんだろう。2017年のSchmidtの大規模コホート研究ではRAS阻害薬を投与して血清Cr値の上昇が10%未満の人を対象にして10-19%上昇群では1.73倍、20-29%上昇群では2.58倍、30%以上上昇群では3.8倍以上末期腎不全(透析導入)になってしまう。死亡率もかなり上昇しているしRAS阻害薬は心不全治療薬なのに心不全罹患率も上昇してる。ただしCrが30%以上上昇した群はNSAIDs、利尿薬の併用が多かった。
Cr上昇はeGFR低下に置き換えてもほぼ同じことだ。「30%未満」の由来はCKD診療ガイドライン2009によると2000年のBakrisらのRCT12件のシステミックレビュー(Arch Intern Med 2000; 160; 685-693 )によるのだろうが、このレビューおそらくは蛋白尿(+)の患者を対象にした報告による。蛋白尿(+)あるいは糖尿病関連腎臓病であれば糸球体過剰濾過≒GFRの上昇を示しやすいため、GFRが30%以内の低下であれば継続してもよいという説明は納得できるが、腎機能の低下したフレイル気味の痩せた日本人高齢者で蛋白尿(-)、つまり多くは高血圧が原因の腎硬化症患者や両側腎動脈狭窄ではGFRの低下は急性腎障害発祥のリスクになるはずだ。RAS阻害薬も同様のはずなのに、蛋白尿有無にかかわらず「血清Crが30%未満の上昇は継続してよい」で本当にいいのだろうか?高齢CKD患者、特に腎硬化症の多い日本ではRAS阻害薬は血清Crを定期的に測定しないようなクリニックなどではRAS阻害薬を無理して使わず、急性腎障害を起こさないCCBのほうが無難なように思うのだが・・・・。




これは使い方次第というのが答えかも? 1993年のLewisらの報告以前はCKDの進行を阻止する手段は血糖管理・血圧管理以外になかった。ACE阻害薬のカプトプリルが腎機能の悪化を防ぐ初めての報告だった。DKDの進行を5~7mL/min/年遅らせた。すごい結果に見えるが、対象は血糖管理ができていない時代の1型糖尿病で腎保護作用を示す薬が全くなかった時代のことだ。2001年のIDNT trialでイルベサルタンはアルブミン尿を33%低下させ、プラセボ群・アムロジピン群に比し有意に複合エンドポイント(血清Cr値の2倍化、ESRDへの進行、全死亡)を抑制した。2002年のRENAAL試験ではロサルタンがアルブミン尿を30-40%減少させ、透析導入リスクを28%低下できた。これらのエビデンスレベルの高い臨床試験の対象者はすべてアルブミン尿、または蛋白尿(+)の患者であるということ、蛋白尿のない患者でのRAS阻害薬の腎保護作用は示されていないのだ。
RAS阻害薬投与によって輸入細動脈が拡張するため糸球体内圧が低下し、糸球体過剰濾過が軽減し蛋白尿は改善するがGFRは低下するので糸球体の負担は軽減するが、休ませすぎると腎機能が悪化することは知っておこう。だってRAS阻害薬は特に高齢者で起こりやすいTriple Whammyの1つだから、腎機能悪化には気をつけなきゃいけないよね。CKD診療ガイドラインでも75歳以上の後期高齢者でeGFR30mL/min/1.73m2未満の患者にはCa拮抗薬を勧めているように、個人的には腎機能を測定しない医師は蛋白尿のない高齢者(多くは腎硬化症?)にはRAS阻害薬よりもCa拮抗薬を使うほうが無難だよと思ってる。




2015年、2020年と続く安全性情報、適正使用のお願いは、酸化マグネシウムによる高マグネシウム血症について。長期投与による血中Mg濃度の異常上昇(高マグネシウム血症)に注意を促し、呼吸抑制や意識障害、不整脈、心停止といった重篤な副作用のリスクが指摘されている。酸化マグネシウムによる高マグネシウム血症は,2012年4月から2015年6月までに29例(うち死亡4例)報告され,このうち19例(うち死亡1例)は酸化マグネシウムの服用と因果関係が否定できない症例である。 症例1:40歳代の統合失調症の女性で1,980mg/日のMgOが投与(開始日不明)されている患者が意識障害で救急搬送。血清Mg濃度18.4mg/dLのため緊急透析施行。意識状態の悪化,血圧低下,腸管虚血,敗血症に伴う代謝性アシドーシスおよび下血を認め死亡。 症例2:80歳代の統合失調症の男性で1,980mg/日のMgOの投与で意識障害、血清Mg濃度13.3mg/dLのためCa剤の投与、血液透析施行し、意識レベルの回復により退院。 不思議なのは両症例とも統合失調症で併用薬のほとんどが強力な抗コリン作用を持つものだが、これに関するコメントは一切ない。抗コリン薬が薬剤性便秘を起こしているはずだがこれについては全く触れられていないのだ。ある精神科院長の話によると抗コリン作用のある向精神薬が多用されるため腸閉塞・腸管穿孔は珍しくないそうだ。これによって便通過障害を起こしている患者(腸閉塞患者)は、摘便して腸管内圧を下げてから下剤を投与すべきなのだが、腸管内圧が高い状態で酸化マグネシウムが投与されると腸管が菲薄化して、バリア機能を失うため、吸収されにくいMgが血中に直接移行したために急激な高マグネシウム血症を起こしたのではないだろうか。透析患者の腸閉塞・腸管穿孔もカリメートやレナジェルなどの催便秘薬の併用によって起こりやすい(西原 舞, 平田純生, 他:透析会誌37: 1887-1892, 2004)。他の下剤もすべて腸管内圧を上げるが、腸閉塞・腸管穿孔を起こしている状態の腸管粘膜はバリア機能を失っているため、吸収されにくいMgが吸収されて10µg/mL以上の致死性の高マグネシウム血症を結果的に起こしてしまったのではないか。偽膜性大腸炎で経口バンコマイシンが投与されたら吸収されないはずのバンコマイシンが58µg/mLの中毒濃度になったことは報告済みだ(Hirata S, et al: Jpn J Clin Pharmacol 34:87-90, 2003)。高マグネシウム血症を起こした原因は酸化マグネシウムの投与ではあるが、その原因となる腸閉塞・結腸菲薄化を起こした真犯人は統合失調症で多用される抗コリン薬だ。PMDAは「酸化マグネシウムの使用は必要最小限にとどめること」を訴える前に「抗コリン薬の併用を必要最小限にとどめること」とすべきじゃないの?



