◆第73回 6月18日(木)初級者編 お申込はこちらから
透析患者の薬物療法~CKD-MBD~ 「ミニレビュー:薬剤師でも知っておきたい透析患者の栄養管理」森住 誠
◆第74回 6月25日(木)中級者編 お申込はこちらから
透析患者の薬物適正使用~腎性貧血を中心に~
◆第75回 7月9日(木)初級者編 お申込はこちらから
抗菌薬適正使用の理論と実践 序論
◆第76回 7月16日(木)初級者編 お申込はこちらから
抗菌薬適正使用の理論と実践 実践編
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SGLT2阻害薬によって起こる有意な3大有害反応は脱水4.5%、性器感染3.8%、ケトアシドーシス0.22%と、脱水は最多だ(Qui M, 2021)。ただしSGLT2阻害薬による利尿作用は持続しない。カナグリフロジンの利尿作用は1日のみしか持続しないし、他のSGLT2阻害薬も1週間程度。ただしフロセミド併用患者では6週間後も続いている。ほかにも報告はたくさんあるが、SGLT2阻害薬による脱水は起こるが、薬剤性腎障害の発症を25%も軽減する作用があるため、脱水が起こるとすれば投与初期か、フロセミド併用患者だけかもしれない。
ただしこまめな飲水指導は脱水だけではなく性器感染、ケトアシドーシスの予防にもなるため、続けよう。
SGLT2阻害薬による糖利尿は持続する。なぜなら近位尿細管のSGLT2, SGLT1以外にブドウ糖を再吸収するところはないからだ。
ではNa利尿は持続する?近位尿細管のNHE3、ループ上行脚(フロセミドが効く部位)、遠位尿細管(サイアザイドが効く部位)、集合管(MRAが効く部位)などでNa利尿は相殺できるから必ずしもNa利尿は持続しない。
じゃあなんで糖利尿(浸透圧利尿)が持続するのに尿量が増加しないの?集合管ではADHバソプレシンの前駆体、コペプチン濃度が上昇して利尿作用が相殺されるようだ。だからSGLT2阻害薬投与2日目以降の尿量増加は起こらないと2024の論文では解説されている(PMID: 38599715)




6月11日(木)開催の、特別講座「はじめての学会発表・論文作成ゼミナール」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.論文作成のためのまとまった時間を作る工夫は、どのようにさ
A.僕は家に帰って仕事をすると、テレビ、雑誌、おやつなどの誘
6月11日(木)開催の、特別講座「はじめての学会発表・論文作成ゼミナール」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
薬剤師塾ブログでの、吉田先生の言葉に勇気をもらい、参加させて頂きました。 貴重な機会をありがとうございました。
論文を書いて投稿することが未知だったので査読者の方がどのように見られているのか、どういう点に注意するとよいのか、少しイメージがわきました。他の方のがんばっている様子も励みになりました。参加できてよかったです。ありがとうございました。
研修を聞きながら「『学ぶ』は『真似ぶ』から始まる」という恩師の言葉を思い出しました。まずは真似っこできるいい論文に出会うため、ネットや書籍の海に溺れたいと思います。 本日はありがとうございました!
今日は、とても良いお話を聞くことができました。 わからない事は調べ、疑問を解消していく事で、学会発表や論文投稿を目標に、少しずつ頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
平田先生の熱意あるお話が聞けて良かったです。 でもこの熱意が一番伝わるのはやっぱりFace to Faceだなーと思いました。なので、今日カメラonでお話しされていた先生方は本当に素晴らしいと思います。
査読者から21項目の指摘をうけ、すでにオーバー気味なのにまともに解答していたら、ボリュームオーバーとなって永遠に終わらないのではないかと思わされ、嫌がらせあるいは、通したくないのだろうと思わされています。平田先生のすべて言う通りにしなくてもよいというご意見を頂き、頑張ってみようと思わされました。有難うございました。
こういう本って多いよね。「コレステロールを下げるな」というのも多い。薬をのみたくない人はほんと多いから。「年齢+90」以下なら降圧剤はかえって危険と書いてあった。「大学の名誉教授」という肩書で信じる人も多いかもしれない。加齢に伴う高血圧は正常な生体反応だから「血圧は加齢とともに上がるのは当たり前」「原因不明の本態性高血圧は治療する必要がない」と著者は言う。本書によると高血圧ガイドラインは高血圧学会と製薬企業と医師がグルになってお金儲けのために降圧薬を処方している。製薬メーカーと降圧薬を処方する医師は「高血圧マフィア」なんだって。この著者名と「hypertension」でPubMed検索しても共著論文が2本のみしか見つからなかった。本書では人間ドック学会の「持病のない健康な人のデータの集計結果(統計的基準)」に重きを置いていて、統計学的に最も信頼されるべき高血圧に関する大規模ランダム比較試験のACCORD試験、SPRINT試験、ALLHAT試験などの結果については全く触れていないのだ。

僕も収縮期160以上の高血圧患者を今までたくさん見てきた。Hypertensionというだけあって、僕のように血圧正常者たちと比べて朝から元気だし本人は痛くもかゆくもなく、どう見ても健康そうに見える。だけど血管が知らないうちに傷んでたんだろうね。心筋梗塞・脳卒中で突然死を何人も経験した。そして高血圧を制御しようとしない、すなわちイナーシャの医師に診てもらっていた患者さんで透析導入、心不全発症のために我々の病院に送られてきた方々をたくさん見てきた。そして血圧が管理できていない患者さんで心筋梗塞・脳卒中で要介護になった方々、脚壊疽で車いすが必要になった方を極めて多く見てきた。元々の血圧が160を超えている場合、生活習慣の改善だけで正常域(125未満)まで下げることは極めて困難だ。こんな本にどうか、だまされないでほしい。
平田の薬剤師塾 受講生の皆様
当塾および代表の平田純生の名前を騙り、「
このメールは、
万が一、このようなメールを受信された場合は、
・メールへの返信は絶対にしないでください。
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・メールはそのまま削除(または迷惑メール報告)してください。
皆様にはご心配とご迷惑をおかけしますが、個人情報を守るため、十分にご注意いただきますようお願い申し上げます。
塾長 平田 純生
2026年7月16日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。
◆第76回「平田の薬剤師塾」中級者コースのテーマは
「抗菌薬適正使用の理論と実践 実践編」です。
高齢化に伴い、栄養状態不良・免疫能低下によって感染症罹患率が上昇した腎機能不良患者に遭遇する場面は多い。透析時を含むCKD病患者や高齢者への抗菌化学療法の考え方、また殺菌性抗菌薬のほとんどが腎排泄性であるため、腎機能低下患者に対する抗菌薬の考え方(特にTDMが必要な薬剤について)など、薬剤師に必要な知識や臨床現場で活用できるような抗菌療法の考え方について学びましょう。
腎機能は加齢とともに低下ししかも加齢とともに筋肉量も減少し、85 歳以上では50%以上がサルコペニアになる。そしてまさにこのような患者こそが免疫能が低下して、容易に感染症に罹患する。しかし骨格筋由来の血清クレアチニン(Cr)値は腎機能が低下しても、高齢者では上昇しにくい。特に長期臥床高齢者では血清Cr 値が低いため未補正eGFR が200 ~300 mL/min/1 .73 m2 の高値に推算されることがあり、バンコマイシンなどの腎排泄性抗菌薬の過量投与が問題となる。
ICU 患者は臥床患者なので短期間に筋肉量は減少するものの、全身熱傷などの若年者では過大腎クリアランス(ARC: augmented renal clearance)の症例もいる。前者では筋肉量が少ないから血清Cr 値が低くなることによる腎排泄性抗菌薬の過量投与、後者では腎機能が高いから血清Cr 値が低くなることによる腎排泄性抗菌薬の過小投与が問題になる。つまり同じ血清Cr 低値といっても対処法は真逆になる。バンコマイシン、テイコプラニン、アミノグリコシド系抗菌薬などのTDM 対照薬も含め、殺菌性の腎排泄性抗菌薬はなぜか腎排泄性のものがほとんどなのだ。さらにICU 患者の腎機能は変動しやすいこと、持続的血液透析濾過CHDF(continuous hemodiafiltration)患者では通常の血液透析よりもクリアランスがやや高いこと、尿量のある患者では残腎機能をCHDF クリアランスに加えて評価する必要があることも頭に入れておこう。
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【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。
2026年7月9日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。
◆第75回「平田の薬剤師塾」初級者コースのテーマは
「抗菌薬適正使用の理論と実践 序論」です
大学で学んだ薬物治療学ではわかりにくかった感染症の基礎と抗菌薬について解説します。殺菌性抗菌薬はほぼ腎排泄であり、グラム陽性桿菌、陰性球菌は覚えなくていいなど(臨床的にはあまり重要ではないから)、我流ではありますがで、きるだけ分かりやすく解説したいと思っています。内容は以下の通り、基本的なことです。
・グラム染色って知ってる?
・グラム陽性菌と陰性菌はどう違う?
・主にどんな細菌が感染症に関わっている?
・グラム陽性菌で重要な菌は球菌?桿菌?
・グラム陰性菌で重要な菌は球菌?桿菌?
・どんな抗菌薬がある?
・殺菌性抗菌薬と静菌性抗菌薬か分かる?
・細胞内寄生菌ってどんな菌?
・細胞内寄生菌に効く抗菌薬の特徴は?
・抗菌スペクトルは広い方がいい?狭い方がいい?
・致命的な重症肺炎または敗血症患者が入院してきた。まず何をする?
・耐性菌を防ぐには?
・De-escalationでエスカレーションについて
・抗菌薬のPK/PDと投与方法:序論
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同じ患者に降圧薬と昇圧薬が処方されたら、新人薬剤師は混乱してしまうだろうね。でも透析患者ではふつうにみられることだ。結論から言おう。透析患者の多くは血管石灰化が進行しており、脈圧の増大と強く関連しているからだ。脈圧=収縮期血圧-拡張期血圧だけど、これは心機能の低下した後期高齢者に多いが、透析患者ではこれが若年者でも起こりやすく、心血管イベントや死亡のリスクを高める重要な要因になっている。
その原因はCKD-MBD(慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常)によることが多い。腎機能が低下すると、腎におけるリン排泄能が低下しリン利尿ホルモンのFGF-23の産生が亢進し、腎におけるビタミンDの活性化を障害して高リン血症・低Ca血症状態が持続する。そのためPTHの分泌が亢進して骨を溶かして血清Ca値を上げるから骨がスカスカになって線維性骨炎になり、血管では石灰化が亢進する。健常者でも内膜の石灰化は起こるが透析患者の血管石灰化は血管の中膜にヒドロキシアパタイト、つまり骨ができる(メンケベルク型の動脈硬化)。血管が骨のように硬くなるから高血圧は必発!これを防ぐにはPTHが上がらないようにリン・Caのコントロール、そしてPTHをオルケディアⓇのようなCa受容体作動薬(カルシミメティクス)と活性型ビタミンD(VD受容体作動薬)によって下げるけど、これらの治療がうまくいっていない方は動脈の弾力性が全く失われる。だから心収縮によって生じた圧を動脈が吸収しきれない(血管進展性が不良になっている)から収縮期血圧は非常に高くなるが、その結果、拡張期血圧は低くなって脈圧が増大する。透析中に体外循環・除水によって循環血漿量が減少すると血管コンプライアンスが低いので、一転して著明な低血圧になる。低血圧ショックにならないよう、昇圧薬を投与せざるを得なくなるんだ。CKD-MBDの新ガイドライン2025ではPとCa管理はPTH管理より優先し、Ca 9.5未満、P 5.5mg/dL未満と厳しくなったことも知っておこう。




腰痛診療ガイドライン2019 改訂2版ではノイロトロピンⓇについては1977~1987年に行われた日本人の書いた5本の論文が収載されていますが、5報中、急性・慢性腰痛の疼痛を有意に改善したのは1977年の1報のみ。しかも5報で100%のうち5.4%しか寄与していないノイロトロピンⓇ使用者31名のみの論文です(図6)

図6では、有効であったという論文はTsuyama1977とありますが、引用文献を見ると日本語で、しかも基礎と臨床(検索期間外)となっております。ちなみに「基礎と臨床」という雑誌はメーカーと医師が共同して「○○の使用経験、臨床効果」など主観的判断で薬効を評価するようなレベルの低い雑誌で、毎月発行され、その1冊が400ページもあるメーカーのお抱え雑誌で、複数査読性雑誌ではないのではないでしょうか。だって「○○の使用経験」という論文ってタイトル名だけで、まずタイトルだけでまともな査読者はリジェクトするでしょ?同じ刊には「腰痛症におけるポンタールⓇの使用経験」という論文がありました。ポンタールⓇはロキソニンⓇが販売される前の同じメーカーの主力NSAIDでしたが、この論文は当然ですが腰痛診療ガイドライン2019のシステマティックレビュー(SR)論文の対象にはなっていません。ノイロトロピンⓇのエビデンスを示した図6のその他の論文もすべて和文でClinical Question2「腰痛に薬物治療は有用か」という章の中で和文論文は奇異なことに、このノイロトロピンⓇに関する非常に古い論文5報のみで、その他はすべて英語論文でした。これらのタイトルはすべて二重盲検比較試験とされていますが、今だったら二重盲検比較試験を和文で書く研究者はいないと思います。なんで「複数査読制の英文誌に投稿しなかったの?」と思ってしまいます。このようなレベルの低い論文でシステマティックレビューをしたガイドラインって信頼できるのでしょうか?1980年前後って論文執筆者のCOIなんか調べていないのに、こんな和文論文を採用できるのでしょうか?ノイロトロピンⓇは副作用の少ない薬であることは認めますが、トラマドールと同等でアセトアミノフェンよりもエビデンスレベルが高いことが不思議でなりません。ちなみに2018年に刊行された慢性疼痛治療ガイドラインではアセトアミノフェンは1A(使用を強く推奨する)なのですから。「このガイドラインの問題点」は山ほどありますので、まとめてみました。このガイドライン作成委員の先生方、反論をいただければ幸いです。納得できるデータを見せていただければこの意見を撤回し謝罪させていただきます。

