日腎薬札幌大会に参加の先生方、お疲れさまでした。とっても素敵で勉強になる大会でした。そしてランチョンの弁当も
さて、日腎薬恒例の早朝ランニングは9月8日(日曜日)の朝6時
<写真:イチョウ並木を走る>
こんな大学でキャンパスライフって羨ましい限りです。9月初めの早朝の札幌でのランニングは半袖、半パンでちょうどよ
皆さん、来年は一緒に走ってみませんか?場所は皇居かな????
<写真:クラーク博士像の前で>
皆さん、来年は一緒に走ってみませんか?場所は皇居かな????
第39回の「基礎から学ぶ薬剤師塾」は2024年9月27日(金)18時半から(20時までの予定)です。登録していただいた方のみ視聴できます。ライブのみで再放送はありませんが、質問をお受けすることができます。医療関係者であればだれでも、無料で毎回視聴できます。
今回は薬剤師がレベルアップするために必須の「薬剤師がレベルアップするために知っておきたい情報の検索方法と学習法」です。インターネットの普及によって世の中には情報があふれています。皆さんはよくわからない医学・薬学の情報についてGoogle検索だけに頼っていませんか?一歩上を目指してPubMed, 医中誌, UpToDate, DeepLなどをうまく活用してリアルな情報をキャッチしてみませんか?医学英語, 専門外の病態の理解, 医学図書や学会入会などによって得られる情報の上手な生かし方についても考えてみましょう。
参加を希望される方は 申し込みフォーム に記入のうえ、9月22日までに送信してください。
薬剤師塾となっていますが、医師・看護師など医療従事者であれば参加可能です。
2024年9月~2025年3月 基礎から学ぶ薬剤師塾 予定表
回数 | タイトル | 日程 |
39 | 薬剤師がレベルアップするために知っておきたい情報の検索方法と学習法~PubMed, 医中誌、UpToDate, DeepL, 医学英語, 統計ソフトの使いこなしかた~ | 2024.09.27 |
40 | 検査値・臨床データから病態をどう解釈し、服薬指導にどう生かす?~生活習慣病編~ | 2024.10.18 |
41 | CKD, 透析患者の病態と腸内細菌叢の変化~腎機能悪化、心血管病変発症のカギは腸内細菌が握っている~ | 2024.11.15 |
42 | SGLT2阻害薬について深掘りしてみよう~腎機能低下抑制作用とAKI防止作用の謎~ | 2024.12.20 |
43 | 慢性心不全とその治療薬~これからはFantastic Fourの時代~ | 2025.01.17 |
44 | 透析患者の便秘は「たかが便秘」ではない深刻な合併症 | 2025.02.21 |
45 | 腎機能悪化を防ぐこれからのtriple therapy~SGLT2阻害薬、RASi or ARNI、MRAの適正使用について考える~ | 2025.03.14 |
【日時】2024年9月8日(日曜日)朝6時~
【場所】札幌駅近く
『ヨドバシカメラマルチメ
北海道大学構内を走り、道庁赤レンガで7時までに解散します。
参加自由、予約も必要ありません。みんなでゆっくり走ります。
不安な方は平田(TEL: 080-3036-2166)まで!
ランニングコース → → →
第38回の「基礎から学ぶ薬剤師塾」は2024年8月16日(金)18時半から(20時までの予定)です。登録していただいた方のみ視聴できます。ライブのみで再放送はありませんが、質問をお受けすることができます。医療関係者であればだれでも、無料で毎回視聴できます。
6月より再開した初級・中級向けのシリーズですが、今回は患者数の増加が止まらない糖尿病によっておこる最も重要な合併症で透析導入原因のトップになっている「糖尿病性腎症と糖尿病性腎臓病~その病態と薬物適正使用~」です。
糖尿病の初期症状からどのように腎症が発症し末期腎不全に至るのか、どのように指導し、どのような薬物療法によって1兆5000億円もかかる透析医療費を軽減できるのかについて考えてたいと思います。
参加を希望される方は 申し込みフォーム に記入のうえ、8月11日までに送信してください。
薬剤師塾となっていますが、医師・看護師など医療従事者であれば参加可能です。300名まで参加可能ですが、登録者数はいつも200名を超えていますので、早めに登録してください。
2024年8月~2025年3月 基礎から学ぶ薬剤師塾 予定表
回数 | タイトル | 日程 |
38 | 糖尿病性腎症と糖尿病性腎臓病~その病態と薬物適正使用~ | 2024.08.16 |
39 | 薬剤師がレベルアップするために知っておきたい情報の検索方法と学習法~PubMed, 医中誌、UpToDate, DeepL, 医学英語, 統計ソフトの使いこなしかた~ | 2024.09.27 |
40 | 検査値・臨床データから病態をどう解釈し、服薬指導にどう生かす?~生活習慣病編~ | 2024.10.18 |
41 | CKD, 透析患者の病態と腸内細菌叢の変化~腎機能悪化、心血管病変発症のカギは腸内細菌が握っている~ | 2024.11.15 |
42 | SGLT2阻害薬について深掘りしてみよう~腎機能低下抑制作用とAKI防止作用の謎~ | 2024.12.20 |
43 | 慢性心不全とその治療薬~これからはFantastic Fourの時代~ | 2025.01.17 |
44 | 透析患者の便秘は「たかが便秘」ではない深刻な合併症 | 2025.02.21 |
45 | 腎機能悪化を防ぐこれからのtriple therapy~SGLT2阻害薬、RASi or ARNI、MRAの適正使用について考える~ | 2025.03.14 |
第37回の「基礎から学ぶ薬剤師塾」は2024年7月12日(金)18時半から(20時までの予定)です。登録していただいた方のみ視聴できます。ライブのみで再放送はありませんが、質問をお受けすることができます。
5月に終了した初心者向けシリーズではなく、先月より初級・中級向けの新たなテーマとして、「腎臓の役割~腎臓はなにをしている?②尿細管編~」です。
糸球体は腎臓の病気が主に起こる場ですが、尿細管は腎臓の最も重要な機能である体液の恒常性を保つ働きを示します。ではどこでどうやって体液量・体液の組成・pHなどを非常に狭い範囲内に調整する作業を行っているのでしょうか。腎臓の役割を理解するためには尿細管の機能について学ぶ必要があるのです。前回(糸球体編)と今回は薬剤師の苦手な腎の解剖について、できるだけ分かりやすく解説したいと思っています。
参加を希望される方は 申し込みフォーム に記入のうえ、7月7日までに送信してください。
薬剤師塾となっていますが、医師・看護師など医療従事者であれば参加可能です。300名まで参加可能ですが、登録者数はいつも200名を超えていますので、早めに登録してください。
第36回の「基礎から学ぶ薬剤師塾」は2024年6月21日(金)18時半から(20時半までの予定)です。登録していただいた方のみ視聴できます。ライブのみで再放送はありませんが、質問をお受けすることができます。
今回から初心者向けシリーズではなく、新たなテーマとして、「腎臓の役割~腎臓はなにをしている?①糸球体編~」です。糸球体は大量の血液を濾過して、健常者であれば1日150Lもの原尿を産生していますが、なぜこのように大量の原尿を産生する必要があるのでしょう?透析導入の原因疾患のトップ3の糖尿病、高血圧はともに糸球体硬化、慢性腎炎は糸球体の炎症によって起こりますから、腎臓の役割を理解し、腎機能の悪化を予防するためには糸球体の機能について学ぶ必要があるのです。今回と次回(尿細管編)は薬剤師の苦手な腎の解剖について、できるだけ分かりやすく解説したいと思っています。
参加を希望される方は 申し込みフォーム に記入のうえ、6月16日までに送信してください。
薬剤師塾となっていますが、医師・看護師など医療従事者であれば参加可能です。300名まで参加可能ですが、登録者数はいつも200名を超えていますので、早めに登録してください。
第35回の「基礎から学ぶ薬剤師塾」は2024年5月24日(金)18時半から(20時半までの予定)です。ライブとなりますので質問をお受けすることができます。登録していただいた方のみ視聴できますが、ライブのみで再放送はありません。
今回のテーマも初心者向けシリーズ7回目で、「初心者向けシリーズ⑦心房細動と脳塞栓」です。脳卒中の中で最も重症で罹患後の要介護度も最も高い心源性脳塞栓を防ぐために、抗不整脈薬も使われますが、主役になるのは抗凝固薬で、ワルファリンからDOACに変わりつつありますが出血リスクと腎機能の関係が気になります。カテーテルアブレーションや左心耳閉鎖術など根本治療法も行われます。最新の薬物療法と新規治療法についても、できるだけ分かりやすく解説したいと思っています。
参加を希望される方は 申し込みフォーム に記入のうえ、5月19日までに送信してください。
薬剤師塾となっていますが、医師・看護師など医療従事者であれば参加可能です。300名まで参加可能ですが、登録者数はいつも200名を超えていますので、早めに登録してください。
第34回の「基礎から学ぶ薬剤師塾」は2024年4月19日(金)18時半から(20時半までの予定)です。久々のライブとなりますので質問をお受けすることができます。登録していただいた方のみ視聴できますが、ライブのみで再放送はありません。
今回のテーマも初心者向けシリーズ6回目で、「初心者向けシリーズ⑥虚血性心疾患とその治療薬」です。大学で学んだ薬物治療学ではわかりにくかった労作性狭心症と異型狭心症の特徴と薬物療法の違い、そして一刻一秒を争う致命的疾患である心筋梗塞の最新の治療方法、薬物療について、できるだけ分かりやすく解説したいと思っています。
参加を希望される方は 申し込みフォーム に記入のうえ、4月14日までに送信してください。
薬剤師塾となっていますが、医師・看護師など医療従事者であれば参加可能です。300名まで参加可能ですが、登録者数はいつも200名を超えていますので、早めに登録してください。
モーリシャスを看護師Annと廻る~人命救助に関わった~
インド人看護師のAnn(写真8)と知り合ったのは僕が「糖尿病の食事と血糖管理」の講演後のことでした。「内容は素晴らしいのに、なんで日本語だけなの?ピースボートの英語通訳をつけたらいいのに」と言って話しかけてくれました。その後、Annは日本語通訳をつけて英語で講演をしたのですが、いくら英語の堪能な通訳でも「ヘモグロビンA1c」とか「血清クレアチニン」「インスリン抵抗性」などの語句は分からないので、おかしな翻訳になっていました。そこで僕が代わりに通訳をしたのです。彼女はインド人なので、インド訛りの英語は僕は得意ではないし、僕は英語新聞も小説も読めないし映画も字幕がないとほとんどわかりませんが、医学用語に関しては国際学会などで腎臓病や糖尿病の英語講演でもほぼ100%分かるので、問題なく翻訳することができ、親交が深まり、一緒に食事もするようになりました。
聞くところによると彼女は西ドイツで看護学を学び(これだけで年齢がだいたい予測できますね)、その後、カナダで心理学の学士号を取得し、そのままトロントに住んでいるそうです。彼女はモーリシャスに行くにあたって、僕に一緒に行かないかと誘ってくれました。なぜかというとモーリシャスにはインド人がとても多く、現地の人と間違えられるのが嫌だから日本人のスミオと行きたいんだということでした。もちろん僕の妻も一緒に3人で行く予定でしたが、突然の下痢・嘔吐で行けなくなったので、他の日本人4人とともに滝、7色の砂、ビーチ、ポートルイスのショッピングモールに行くことになり、6人なので1人20USドルという格安で7人乗りのトヨタのタクシーに乗りました。モーリシャスのビーチはとてもきれいな海でしたが、魚は全く見えず、69歳にしてスノーケリングではなく、ただの海水浴だけをすることになるとは・・・・。ああ~、疲れました。
ショッピングモールでタクシーを降りて、1人20ドルずつ集めていた時に、運転手が何かに気づき、海岸に走っていきました。そこでは誰かが溺れていたらしく、男の人たち数人で引き上げているところでした。この時のAnnの行動は素早く、横向きに寝かせて背中をたたくと(図1)、救助された男性の口や鼻からおびただしい量の海水が出てきました。そして仲間のバスタオルを借りて枕にして、「Call the ambulance!」と、群がる人たちに救急車を呼ぶように指示。僕は溺れた人の救助法は知らなかったのでAnnの指示に従い、頸動脈、手首で脈診があるのを確認、呼吸も正常でしたが10分経っても口や鼻から海水が出てきており、大声で耳元で「Are you OK?」と繰り返しましたが意識はなさそうです。救急車がかなり遅れて到着すると救命救急隊員がSpO2を測るためにパルスオキシメータをなんと親指に装着。「何やってんだ」と人差し指に付け替えるとSpO2は98%と出て、Annと「よかった。大丈夫だ。」と笑顔になり、あとは救急隊員に任せました。後で聞くところによると海水に転落した人は海上の警備員で、海に落ちないようにつないである鎖(写真9)に腰掛けようとして、後ろ向きに海に転落したのだそうです。
モーリシャスは17世紀に絶滅した飛べない鳥「ドードー」がいた島として有名です。ドードーの祖先はアフリカ大陸やマダガスカルから飛んできたらしいのですが、この島には天敵がいなかったので、どんどん大型化して飛べなくなってしまったのだそうです。大きさは七面鳥ぐらいで、体重が25キロもあったらしいです。ヒトが絶滅に関与した鳥として有名なニュージーランドに生息していた飛べない大型鳥ジャイアントモアは、最大で約3.6m、体重は250㎏ほどあったとされていますが16世紀か19世紀にマオリ族による乱獲によって絶滅したと言われます(図2)。モーリシャスはマダガスカルから近いのに、アフリカでは有数の豊かな国で、治安もよかったです。それに急角度の勾配の山が多く、トレッキングを楽しむにはとてもいいところですが(写真10)、滞在時間が短く、十分な時間が取れなかったのがとても残念でした。
インド洋を東に行き、マレーシア、シンガポール、深圳から日本に
モーリシャスのポートルイスを出るとインド洋を通ってマレーシアのペナン、シンガポール、中国の深圳に寄港しますが、これらは乗客が降りるための寄港と考えてもいいでしょう。だってこれらの中国系の乗客の方々は500人以上はいますので。
神戸から出発してこれまでの期間、僕は「平田の健康長寿塾(写真11)」と「ギター弾き語り‘70(写真12)」をそれぞれ、10回以上開催し、どちらも好評を得ました。ギター弾き語りをやる日本人はかなり多いのですが、塚本さんとぼくの特徴は英語の持ち歌が多いので、Simon & Garfunkel SpecialやThe Beatles SpecialやEnglish songs Specialなどで1時間のライブで約20曲を演奏し、これらはシンガポール、マレーシア、香港の英語を話す中国系の方々に大好評でした。The Beatlesに関しては30曲以上のレパートリーがありますので、リクエストに応えることもできるようになりました。僕はギターも歌も自信がなかったのですが、偶然、高音部・低音部で覚えている曲はうまくハモれることもあり、リードギターを弾きながら、渋い声で歌う師匠の塚本さんとやっていると、僕もギターや唄がうまくみえるらしく、「今日のライブ、よかったですよ」と声をかけてくれる人たちがいてくれて、うれしくなりました。
ということで106日間の長い世界一周の旅が3月28日の神戸で終えることになります(図3)。この間に論文をメールを介して4本書きましたし、3月31日には早速、横浜での薬学会で企業セミナーで「透析導入を防ぐための薬剤師の役割」についての講演です。帰国したらスイッチを音楽から薬剤師に戻して頑張ります。でもギターも続けようと思います。また六甲山に登りたいし、神戸の街を2~3時間かけてゆっくり走りたいです。
◆ 平田純生: 腎疾患におけるTDM. 臨床検査2024年4月増大号「AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ」2024
◆ 平田純生: 7.便秘症. 月刊薬局 ストップCKD「腎臓を守る包括的な視点」月刊薬局2024年4月号
◆ 平田純生: 腎障害患者へのNSAIDs,アセトアミノフェンの考え方. 月間薬事「“何となく”では終わらせない 病棟で出合う疼痛への薬物療法」月間薬事2024年6月号
◆ 平田純生: CKD患者の鎮痛療法の新時代. 扶桑薬品BP.up-to-date新連載「透析導入を防ぐための薬物療法について考える」全12回の第1回. 2024年6月掲載予定
サファリを楽しんだポートエリザベス
ケープタウンを出港して翌々日の2月28, 29日の2日間はポートエリザベスに寄港です。港には何千台もの新車が欧州への輸出を待っていました。聞くところによるとポートエリザベスではフォード、フォルクスワーゲン、いすず、トヨタが車を生産しているとのことでした。ここは2日間の停泊のため、広大なワイルドサファリでアフリカの様々な動物をたくさん、自然のまま見ることができます。2日目は前もってアッドエレファント国立公園に行くことに決めていますので、初日はポートエリザベス港を出ると観光ガイドでいいツアーを捜して、価格を聞いて、どこに行くかを決めます。結局、妻が大の動物好きなので、1人8000円の観光タクシーに乗って日本のサファリパークをより本格化したようなKragga Kamma Game Parkと街巡りのツアーに行きました。シマウマ、アフリカンバッファロー、白サイ、キリン、ダチョウ、スプリングホック、イボイノシシ(ライオンキングのプンバァ)、インパラなどを野生の姿を、そのままで見ることができました(写真1)。スプリングホックは南アフリカの国の動物に指定されていて強豪ラグビーチームの名前に使われているそうです。あまり強そうではないですね・・・・。アフリカでは草食動物:肉食動物の数の比は1000:1だそうで、ここにもライオンやチータがいるのですが、昼間はブッシュの中で寝ていて見れませんでした。ちなみに肉食動物は檻に囲まれていて、エサを与えられているので全くの自然な形では遭遇できません。ライオンは3頭いるらしいのですがウクライナから運ばれてきたとかで、戦争のために動物園どころではないのでしょうね。
2日目は前もってネット予約した半日アッド エレファント国立公園サファリのツアーです。ここは国立公園というだけあって広大で本格的ですし、もともと象の保護区なので、昨日見れなかったアフリカ像はたくさん見ることができました。この日は暑かったので、象は水ベに集まって、水を飲んだり、水を身体に浴びて涼んでいました(写真2)。像の数は大変多く、車を止めて、社内から観察するのですが、像が移動するときに車に近寄ってくることがあります。怖くて思わず悲鳴を挙げそうになるのですが、運転手から「危ないから声を出さないで!」と叱られます。 牙のあるオスのアフリカゾウはとても凶暴なので、車に近づいても決して声を出してはいけないのです(写真3)。“”ビッグファイブ“”と呼ばれる大型動物とはライオン、アフリカンバッファロー、サイ、ゾウ、ヒョウですが、ライオンやヒョウは木陰で隠れて寝ているのでここでも見れませんでした。1時間ちょっとかけて街に帰りつく前に見た広大な大地にはすべてトタン作りのスラムがありました(ただし後述のマダガスカルと異なるのは電気が通っており、パラボラアンテナがついていたことです)。運転手が自嘲気味に「All black, no money」と言っていましたが、アパルトヘイトが終わり、アフリカでは裕福な国の方だと思っていたこの国でも、まだまだ黒人の方々の暮らしはとても貧しいことに気づかされました。そしてその近くには同じく広大な墓地がありましたが、COVID-19による死者のお墓なのだそうです。ケープタウンで見た裕福できれいな街並みとは大違いでした。ポートエリザベスでもネルソン・マンデラさんの人気は高く、ゆかりの建造物が多くありました(写真4)。ここのお土産としてはルイボスティーが有名ですが、ピノタージュという赤ワインは日本に入ってこないので貴重だそうです。
バオバブの木のあるマダガスカル、だけど極貧の世界を目の当たりにした
ピースボートはいよいよインド洋に入り、強風と強い波の中を揺れながら走り、3月5日、6日の2日間、世界で4番目に大きい島、マダガスカル島のトゥリアラ沖に投錨しましたが、遠浅のため停泊できません。イースター島の時と同様、2日間に分けて1回100人足らずに分かれてテンダーボートに乗って上陸することになります。ここで今までになかった光景に出くわしました。マダガスカルの人々が小さなボートや帆掛け船など、決して立派ではない小さな船でクルーズ船に近寄ってくるのです(写真5)。何のために来たのかというと、食べ物や船室のアメニティの石鹸、使い古しの衣服などをせがみに来たのです。
マダガスカルはサン・テクジュペリの書いた「星の王子様」に登場するバオバブの木が有名ですが、それを見るために上陸すると、藁やトタンでできた、おそらく電機も水道もない非常に貧しい家がほとんどでした(写真6)。世界でも最貧国の1つ、物乞いも多いですし、15歳以下の子供の人口が48%を占めており、広大な平野があるのに、畑ではなく荒れ地になっています。サトウキビやフルーツ、コーヒーなどの農園や酪農になんで使わないのでしょう?この国に大事なのは子供たちの教育なのかもしれませんが、マダガスカルは、国民の約79%が1日1.9ドル以下で生活しているという極貧状態にあり、慢性栄養失調率が世界で4番目に高く、5歳未満の子供の40%が発育障害に苦しんでいるそうです。バオバブの木を見ることはできましたが(写真7)、主要な港なのに全く華やかさのないトゥリアラの貧しさが心に残りました。いろいろと考えさせられた2日間でした。