◆第76回 7月16日(木)中級者編 お申込はこちらから
 抗菌薬適正使用の理論と実践 実践編

◆第77回 8月13日(木)初級者編 お申込はこちらから
 症例に基づいたCKD患者の薬物適正使用(初心者編)

◆第78回 8月20日(木)中級者編 お申込はこちらから
 症例に基づいたCKD患者の薬物適正使用(中級者編)

※お申し込み期限は講演会開始直前までとなります。
 お申し込みの際は 免責事項 をご確認のうえお手続きください。

今後の開催予定はコチラから
過去の開催(アンケート・質問)はコチラから

2026年2月23日 X投稿 閲覧者5,377人

 IT関係の用語が分からない。PCもスマホも十分使いこなせない。だって71歳だもの。ヘビーユーザーになっていたのは翻訳ソフトのDeepLPro Starter(1150円/月)くらいかな。

 でも大学の教え子からGeminiがすごいと聞いてこの2月から始めると、なんでも答えてくれる。ニュージーランドの田舎に行くバスチケットはどうやって入手する?ベジタリアンの外国人と両国での夕食は?など膨大な情報を持っているためハルシネーション(ときどきうそをつく)は避けられないけど、なんでも答えてくれるので、今ではPCやスマホの操作方法などはGeminiに聞く。瞬く間にヘビーユーザになり、すぐにGoogle AI plus(1200円/月)を払ってGemini Pro3にグレードアップした。

 次に導入したMedisearchAI、これがまたものすごい。どんな難儀な医学・薬学の質問に対しても、複数の論文を横断的に読み取り、医療専門家向けの回答文を提示してくれる。でも無料版だと引用文献のすべてが見れないとわかったので、仕方なく年額$149.99のMedisearch Proを導入。

 今さらだけどChatGPTは無料版でも音声認識制度が高いので、英会話学習には最適なことが分かった。次に導入したのがNotebookLMでGoogle AI plusに入っているので、グレードアップに費用はかからないが、これがまたものすごい。自分の読んだ大量の論文を取り込ませると分析し、横断的にまとめて自分用のテキストを作ってくれる。だけじゃない!スライド、ポッドキャスト(論文内容について語り合うラジオ番組みたいなもの)、解説付きアニメ(YouTubeが自作できるようなもの)までできちゃう。その内容が本当のYouTubeやポッドキャストよりAIのトークのほうが面白いしや説得力が優れている。これを使ってYouTuberになる人は多いんじゃないかな?僕はならないけどね。

 だけどNew Engl J MedやNatureなどのトップジャーナルと、レベルの低い論文をほぼ同じレベルで語っていることは気になった(これは僕の論文の選択がまずかっただけ?)。それと最後のスライドの下の漢字はたぶん抗線維化・抗炎症なんだろうけど日本語じゃないよね?すぐに修正されると思うけど。

 AIの導入のおかげでこの2週間、寝不足が続く。次は何だろうね?長澤 将先生が勧めていた音声による文字起こしMottaがすごく気になるけど、慣れるにはちょっと時間がかかりそう…。

 

 

 

 

 

7月9日(木)開催の、「抗菌薬適正使用の理論と実践 序論」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。


Q.本日は貴重なご講演をありがとうございました。質問させていただきます。抗菌薬は途中で飲むのをやめると耐性菌のリスクが高くなるので、最後まで飲み切るよう指導しますが、実際に中途半端に飲むことで、どれほどの耐性菌が発生しているという何か具体的なデータや報告はあるのでしょうか。

A.「飲み切らないと耐性菌が増える」は実証されているか?を直接検証した臨床論文はあるか?という問いの結論は、この因果関係を直接・実臨床で検証したRCT(無作為化比較試験)や前向きコホート研究は存在しないというのが現状です。

ただし飲むのをやめると抗菌薬濃度が低下し、耐性化しますが、in vitro・動物実験・PK/PDモデルで一貫して支持されるメカニズムですが、あくまでin vitroの理論です。つまり「中途半端な濃度で薬をさらすと、菌が薬に慣れてしまうだろう」という実験室(試験管内)のロジックから生まれた定説に過ぎなかったのです。

それどころか近年の国際的な医学界では、「症状が消えたら、むしろ早くやめた方が耐性菌のリスクを減らせるのではないか」という、これまでの常識を覆す議論が主流になりつつあります。

2010年代以降、世界的な医学誌(The BMJ や The Lancet など)で、「一律の飲み切り指導は科学的根拠を欠いており、むしろ耐性菌の増加につながる恐れがある」という論文が相次いで発表され、大きな議論を呼びました。

Llewelyn MJ: The antibiotic course has had its day. BMJ 2017; 358 doi:  https://doi.org/10.1136/bmj.j3418 PMID: 28747365では抗生物質に関する一般向け情報では、処方された抗生物質の服用を最後まで完了しない患者が、自分自身や他者を薬剤耐性のリスクにさらすことを強調することが多い。例えば、2016年の「抗生物質啓発週間」を支援する資料の中で、WHOは患者に対し、「たとえ体調が良くなったとしても、必ず処方された期間通りに服用を完了してください。治療を早期に中止すると、薬剤耐性菌の増殖を助長するからです」と助言している。同様の助言は、オーストラリア、カナダ、米国、および欧州における各国のキャンペーンでも見られる。また、英国では、中等教育課程のカリキュラムに事実として盛り込まれている。

しかし実験室の菌とは違い、人間の体には無数の「常在菌(善玉菌も含めた体内の菌)」がいる。必要以上に長く抗菌薬を飲み続けると、ターゲット以外の常在菌まで長期間薬にさらされることになり、結果として体内の常在菌が耐性化してしまうという明確なリスクが指摘されている。

ということで市中肺炎や尿路感染では日本では7~14日間の投与が一般的になっているかもしれませんが、禁煙のエビデンスでは3~5日で十分、長期投与すると副作用や耐性菌リスクがふえるだけだそうです。

ベテラン薬剤師の皆さん、ICTやASTが病院になかったころ、術後感染予防と称してセファゾリンなどを1~2週間投与してましたよね。何のエビデンスもないのに。


Q.先生が殺菌性抗菌薬と静菌性抗菌薬の表を作られていましたが、どのように考えて形ができあがったのでしょうか?勤めている病院(高齢者の長期療養型)では、グラム染色やTDMを行わない為、{今日の治療薬}の抗菌薬の表で菌の名称を見ていると、さらに混乱してきます。ざっくりとしたかんじで理解したいです。よろしくお願いします。 

A.殺菌性抗菌薬と静菌性抗菌薬の表を作ったのは僕ではなく、以前も今もいろんな本に載っていると思います、ただし腎排泄性化肝代謝かというのは僕の専門なので、このデータを外挿すると殺菌性抗菌薬は腎排泄、静菌性抗菌薬は肝代謝にたまたま分かれたことに気づきました。βラクタム系、グリコペプチド系などの細胞壁合成阻害薬は菌の外側に作用する薬が多く、親水性(水に溶けやすい)の分子構造をしている。ただしキノロンのようにDNAに作用する薬もありこれらは例外的に脂溶性だけど、モキシフロキサシンなどは肝代謝だから例外的に殺菌的抗菌薬と覚えました。アミノグリコシド系もタンパク質合成阻害薬ですが強い「殺菌性」を持っているのも実は例外ですがちゃんと水溶性ですね。

そして静菌性抗菌薬は菌の細胞膜を通り抜けて内部に入り、リボソームに作用してタンパク合成を阻害する薬が多いですよね。そのためには細胞膜(脂質二重層)を通過しやすいよう脂溶性が高く、分子が大きく複雑になるというように理屈をつけました。

僕は記憶力が非常に悪いので、何とかして理屈をつけないと覚えられないのです。殺菌性抗菌薬は腎排泄、静菌性抗菌薬は肝代謝だと覚えやすい。合わないものは例外として考えると覚えやすくなると思っています。

グラム染色は僕もやったことがありません。でもグラム染色によって細菌を分類することによって様々な分類ができる発見があって、記憶しなくても理屈で理解できるようになる情報がありますので、記憶力の良くない僕にとっては、このようにしてざっくりとしたかんじで理解しようとしています。この方法は覚えるよりも時間がかかるかもしれませんが、忘れにくい利点があります。


Q.脳外術後の手術部位感染SSI(Surgical Site Infection)で髄膜炎となり、髄液から非結核性抗酸菌が検出された患者がいました。その際4剤の抗菌薬を投与したのですが、その中にAMKとLVFXが含まれていたのですが、移行性的には不適切だったのでしょうか。

A.非結核性抗酸菌症(NTM症)治療薬のCSF移行性はキノロン系ではVdはモキシフロキサシン>シプロフロキサシン>レボフロキサシンと言われており、Vdが大きいキノロンがCSF移行性がよいと思いますので、僕だったらレボフロキサシンよりもモキシフロキサシンを提案するかもしれません。またアミカシンは親水性・高分子量でBBB通過困難と言われています。ただしこれは菌種がM. rhodesiaeによるCNS感染の症例報告からですので、具体的な菌種が分かないと正確な情報は得にくいです(Chen S, et al: Front Me 2024; PMID: 38882659より引用)。

2026年2月21日 X投稿 閲覧者3,177人

 透析患者のCKD-MBDって透析患者の薬物療法のほぼ主役と言ってもいいんじゃないかな。リン吸着薬、活性型ビタミンD、カルシミメティクス(Ca受容体作動薬)、Ca剤など多種類の薬を血清リン値、補正Ca値、インタクトPTHのコントロールをするために多くの透析患者に投与されている。

 ところで、アダラートCRやアムロジピンなどの強力なCa拮抗薬を非透析日には投与し、透析日にはリズミックなどの昇圧薬が投与されている患者っているよね。「同じ患者に降圧薬と昇圧薬が投与されるなんて」と思う方がいるかもしれないが、このような患者では血管の石灰化が顕著で、血管の中膜にヒドロキシアパタイト(骨の成分)が形成、つまり血管そのものが骨のようにコチコチに硬くなってしまうため、水のたまる非透析日には血管が拡張できないから血圧が150~200mmHgと著明に上昇するが、透析で体外循環・除水をすると血管が収縮できないから収縮期血圧が100mmHg以下に低下することもある。だから昇圧薬で血圧を上げないと透析を持続できなくなるからだ。

 だから透析患者の動脈硬化は通常のアテローム性動脈硬化とは異なり、非常に厄介。そしてこのような症例では著明な動脈硬化から左室肥大になるため予後は当然良くない。副甲状腺摘出術(PTx)ではハングリーボーン状態になって既存の石灰化結晶は速やかに溶かし出すことができる。皮下の石灰化によって猛烈な皮膚掻痒がPTx翌日には完全に消失したのは何度も見たことがある。ただしカルシミメティクスなどを使ってPTHを下げれば石灰化の進行を抑えることはできるけど、血管中膜に一度しっかりと形成されたヒドロキシアパタイト、つまりメンケベルク型の石灰化は簡単には消失してくれないし、PTxでも無理なのだ。カルシミメティクスはPTxを激減してくれたとってもいい薬ではあるけど、石灰化の予防はかなり厳しいけどできるかもしれないが、形成されたヒドロキシアパタイトを消失させることはできない。

 

 

 

 

 

7月9日(木)開催の、「抗菌薬適正使用の理論と実践 序論」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。


セミナーありがとうございました。いつもとても勉強になります。 ありがとうございます。


暗記が苦手ですが、先生のご講演を拝聴し、理解して覚えることができると思えるようになりました。ありがとうございました。


最近脱水からのAKIで長年服用していたβブロッカーが過量になり徐脈で転院された方がいました。例えば点滴もしている間は拘束しなくてはいけなかったりで普通の治療が上手くいかない事が多くて悩んでいましたが、やっぱり答えはないと学びました。


基礎知識の再確認と新しい視点で拝聴できました。ありがとうございました。


何度勉強してもよい内容でした


とても勉強になりありがとうございました。できれば、ブログで宣伝された内容は時間内に講義していただけると助かります。それを目当てに申し込んでいますので・・・。PKPDのおはなしもききたかったです


本日も有難うございました。「抗生剤」の見かたが変わりました。


久しぶりに平田先生の抗菌剤の基本の講義を聴かせていただきました。 何回も聞くことでようやく抗菌薬が身近になってきたような気がします。 務めている病院での抗菌薬の考え方がわかるように、次回の講義も受講したいと思います。 ありがとうございました。

2026年2月14日 X投稿 閲覧者9,691人

 SGLT2阻害薬は腎機能が低下した患者には投与しても有害反応が起こるわけではないので禁忌ではない。ただし、腎臓の近位尿細管に作用する薬なので、腎機能が低下すると効かないんじゃないかと考えられていたため、添付文書には「重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の血糖降下作用が期待できないため、投与しないこと」と記載されている。

 従来の利尿作用のある薬は、脱水によって腎機能がさらに悪化するとしてFDAは2016年にカナグリフロジンとダパグリフロジンの販売メーカーに対し、急性腎障害のリスクに関する既存の警告を強化するよう発表した。そのため、添付文書には「本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがある」という記載がある。しかしその後、SGLT2阻害薬は腎前性腎障害を起こすわけではなく、薬剤性腎障害の発症率を25%も低下させることが明らかになった。そのため現在ではSGLT2阻害薬が薬剤性腎障害の原因薬物だという人はほとんどいないはずだ。

 ただし、腎前性腎障害のリスクはゼロじゃない。なぜなら現に脱水はSGLT2阻害薬の3大合併症の1つで、この中で発症率が4.5%と最も高いからだ。「こまめな飲水」はこれらの脱水、性器感染、ケトアシドーシスを防ぐための共通した服薬指導であることは忘れないでね。しかし利尿作用は数日しか続かないし、多くの脱水は利尿作用のある投与初期とループ利尿薬との併用が原因ではないかと平田は考えている。

 ダパグリフロジンのDAPA-CKD試験はeGFR<25mL/min/1.73m2の患者を除外、エンパグリフロジンのEMPA-KIDNEY試験はeGF<20mL/min/1.73m2の患者を除外しているから、ガイドラインではそれより高い腎機能の患者には投与を開始してよいとなっている。そしていったん投与し始めたら、腎機能が急激に低下しない限り(著明なinitial dippingがない限り)透析導入まで続けていい。だってSGLT2阻害薬には腎機能の低下抑制効果が証明されているから。透析導入後にも効果があるかどうかは、試験してみないとはっきり分からない。

 

 

 

 

 

2026年2月12日 X投稿 閲覧者7,770人

 なぜ腎機能に血清クレアチニン値を使わないのかというと、1つの理由として特に日本人は加齢に伴い筋肉量が減少しやすいからということがあげられる。若年者の体内水分量は60%といわれているが、高齢者では50%に低下する。これは高齢者では筋肉が脂肪に置き換わるためだといわれている。

 クレアチニンは筋肉に含まれるクレアチンという筋肉内で筋肉収縮に必要なATPを産生してエネルギー供給を助けるアミノ酸類似物質から産生される老廃物である。クレアチンは筋肉内に約100g存在するが、非酵素的な反応によって不可逆的に1日約1gのクレアチニンが産生される。つまり1日に体内クレアチンの1%が不要な老廃物のクレアチニンになる。腎臓はグルコースなど必要なものはすべて再吸収し、不要なものはすべて排泄する。クレアチニンは、糸球体ろ過された後、尿細管でわずかに分泌されるが、まったく再吸収されないため、クレアチニンのクリアランスCCrは糸球体濾過量(GFR)に近似するため有用な腎機能マーカーになる。ちなみに糸球体濾過速度はイヌリンクリアランスでGFRのゴールドスタンダードになる。

 しかし高齢者、特に活動度の低い要介護高齢者(典型的なのは寝たきりの高齢者)では筋肉を使わないために萎縮し、血清クレアチニン値が低くなる。これは腎機能が良好なのではなく、筋肉量が少ないことを意味することが多い。ただし、高齢者では極めてまれに、何らかの理由(糖尿病初期の高血糖やICU患者で見られる過大腎クリアランス)で腎機能が本当に良好なこともあるため、高齢者(特に活動度の低下した後期高齢者)では血清クレアチニン値が役に立たないことが多いことを理解しておこう。

 例えば小柄な85歳女性で血清クレアチニン値を用いた標準化eGFRが150mL/min/1.73m2以上になったとしても腎機能が正常であるとみなしてはいけない。80歳以上の高齢者は基本的にCKD(eGFR<60mL/min/1.73m2)と考えるべきだ。このような症例では血清シスタチンCによるeGFRを腎機能マーカーとして用いる。

 

 

 

 

2026年8月20日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。

◆第78回「平田の薬剤師塾」中級者コースのテーマは
「症例に基づいたCKD患者の薬物適正使用(中級者編)」です。

 透析導入原因疾患トップ3は糖尿病関連腎臓病、高血圧による腎硬化症、慢性糸球体腎炎です。この3大疾患の典型的な症例を基に、どのような検査値や臨床経過に注意を払い、どんな薬物療法を推奨し、どんな薬物療法を避けるべきかについて考えてみましょう。

 蛋白尿を抑え、CKDの治療薬の切り札となるSGLT2阻害薬やフィネレノンの有用性が確立しているのに、我が国の尿検査を実施率は57.5%のみ、蛋白尿定量検査実施率は16.5%のみという情けない値です。腎機能低下患者の薬物有害反応を防ぐこと、CKDの進行を緩やかにし、透析導入患者を少なくすることは医師、薬剤師の共通の命題として必須の情報は学んでおきたいものです。

お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
 お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。

(クリックするとPDFが表示されます。)

2026年8月13日(木)開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。

◆第77回「平田の薬剤師塾」初心者コースのテーマは
「症例に基づいたCKD患者の薬物適正使用(初心者編)」です。

 日本の高齢化率は29.1%で2位のイタリアを5ポイント以上も離して超高齢者大国になっています。加齢とともに生理機能はすべて低下しますが最も顕著に低下するのが腎機能なのです。そのため近年の調査では成人の5人に1人、200万人がCKDと言われ、特に高齢者におけるCKD有病率は約25%と推計されています。

 ただし腎機能を表すeGFRは血清クレアチニン値を基にしているため、筋肉量が減少し、脂肪に置き換わった高齢者では腎機能が低下しても血清クレアチニン値が上がってくれないために、腎機能が過大評価され、腎排泄性薬物の過量投与による有害反応が普通に起こっているのです。最近もジソピラミドからシベンゾリンに変更したため信じられない血中濃度(2892µg/mLではなく2892ng/mLの間違い?)になったシベンゾリン中毒による心停止の報告もありましたよね。プロパフェノン(肝代謝)からピルシカイニド(腎排泄)も変更した中毒症例の報告もよくありますね。同じ分類なら排泄経路が同じとは限らないですからね。

 ミニレビューの那須先生は鎮痛薬について、特にNSAIDsを含めたトリプルワーミーの話もしていただけるそうです。今回は、どんな薬が腎機能低下患者にとって危ないのか、一緒に考えてみましょう。

お申し込みは こちら から
【申込期限:講演会開始直前まで】
【定員:300名】
 お支払いが完了していれば、開始直前でもご視聴いただけます。また、受講者の方は講演終了後、数日後から1週間、オンデマンド配信にて繰り返しご聴講いただけます。あわせて、講演終了後に講演スライドをお送りいたします。

(クリックするとPDFが表示されます。)

2026年2月8日 X投稿 閲覧者2,369人

 帯状疱疹診療ガイドライン2025の中で、特に薬剤師が知っておくべきことをまとめてみたので図を参考にしてほしい(注: 一部、私見が混じっています)。

 発症は10歳代で非常に小さなピークがあり、50歳代以降、急増し70歳代に大きなピークのある2峰性を示す。

 口唇ヘルペスのように繰り返すことはなく、帯状疱疹は80歳までに3人に1人が発症するが、1度罹患するとブースター効果によって細胞性免疫が賦活化されるため、通常の再発率は極めて低いが、ハイリスク患者(免疫抑制剤服用患者、がん患者など)は再発することがある。

 以前から帯状疱疹は高齢者が罹患しやすい疾患であったが、近年は小児が水疱瘡ワクチンを接種しているため、周りに水疱瘡の子がいてブースター効果を得ていた時代と異なって、水疱瘡の子がいなくなったため若年者の発症が増えつつある。

 抗ヘルペスウイルス薬はアシクロビル・バラシクロビルによる脳症・腎症の発症が極めて多く、同じ腎排泄性のファムシクロビルでの脳症・腎症の発症の報告はほとんどない。しかもファムシクロビルのほうがこれらに比し同等か、早期の疼痛の改善が見られるらしい。

 高齢者で腎機能が気になるならアメナメビルは腎機能を考慮する必要がない。しかもアシクロビルよりも強い抗ウイルス活性を示し、脳症・腎症の発症の心配はなく1日1回の投与でよい。ただし薬剤師だったら相互作用については熟知しておかねばならない。

 アシクロビル・バラシクロビルによる脳症・腎症の発症は何で起こるか?答えは「アシクロビル・バラシクロビルを処方しているから」だよ。腎機能や高齢者がどうのこうのという以前の問題じゃないんだよ。

 

 

 

 

 

プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

月別アーカイブ