◆第75回 7月9日(木)初級者編 お申込はこちらから
抗菌薬適正使用の理論と実践 序論
◆第76回 7月16日(木)初級者編 お申込はこちらから
抗菌薬適正使用の理論と実践 実践編
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帯状疱疹診療ガイドライン2025の中で、特に薬剤師が知っておくべきことをまとめてみたので図を参考にしてほしい(注: 一部、私見が混じっています)。
発症は10歳代で非常に小さなピークがあり、50歳代以降、急増し70歳代に大きなピークのある2峰性を示す。
口唇ヘルペスのように繰り返すことはなく、帯状疱疹は80歳までに3人に1人が発症するが、1度罹患するとブースター効果によって細胞性免疫が賦活化されるため、通常の再発率は極めて低いが、ハイリスク患者(免疫抑制剤服用患者、がん患者など)は再発することがある。
以前から帯状疱疹は高齢者が罹患しやすい疾患であったが、近年は小児が水疱瘡ワクチンを接種しているため、周りに水疱瘡の子がいてブースター効果を得ていた時代と異なって、水疱瘡の子がいなくなったため若年者の発症が増えつつある。
抗ヘルペスウイルス薬はアシクロビル・バラシクロビルによる脳症・腎症の発症が極めて多く、同じ腎排泄性のファムシクロビルでの脳症・腎症の発症の報告はほとんどない。しかもファムシクロビルのほうがこれらに比し同等か、早期の疼痛の改善が見られるらしい。
高齢者で腎機能が気になるならアメナメビルは腎機能を考慮する必要がない。しかもアシクロビルよりも強い抗ウイルス活性を示し、脳症・腎症の発症の心配はなく1日1回の投与でよい。ただし薬剤師だったら相互作用については熟知しておかねばならない。
アシクロビル・バラシクロビルによる脳症・腎症の発症は何で起こるか?答えは「アシクロビル・バラシクロビルを処方しているから」だよ。腎機能や高齢者がどうのこうのという以前の問題じゃないんだよ。




6月25日(木)開催の、「透析患者の薬物適正使用(中級者編)」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.腎性貧血はCKD stageでいうとどのあたりから顕在化してきますか?
A.CKDに伴う腎性貧血は、CKD stage 3(eGFR<60mL/min/1.73m2)
Q.静注鉄剤の臓器障害は血清鉄やフェリチン値に相関しますか?
A.静注鉄剤による臓器障害は血清鉄とは直接相関しません。血清鉄(トランスフェリン結合鉄)は今、血中を走っている輸送トラックとその積み荷(鉄)ですから、これから骨髄に運ばれて赤血球の元になる原料ですから。血清鉄は悪者ではありません。
一方、フェリチンは貯蔵鉄ですから肝臓や網内系などで過剰になると非常に性質の悪いヒドロキシラジカルを産生する触媒になりますので、静注鉄剤は、腸のブロックを無視して直接血液内に大量の鉄を投入できるので、臓器障害の原因になります。フェリチンを極めて警戒しているのは日本のこれまでの腎性貧血ガイドライン2015ですね。「TSAT<20%かつフェリチン≧100ng / mL」で鉄はあるのにうまく利用できていないので鉄剤投与よりも炎症治療が優先する機能的鉄欠乏と判断し、「フェリチン≧300ng / mL」で鉄過剰のため鉄剤投与中止になりますから。海外でもフェリチン高値は良くないことは共通していますが、KDIGO腎性貧血ガイドライン2026ではPIVOTAL試験の結果を受けて、フェリチン濃度が700 ng/Lを超えない限り靜注鉄を積極的投与を容認しています。
ということで「フェリチンと臓器障害と相関する部分もありますが、かなり不完全」というのが現在のエビデンスの結論です。フェリチン≥600 ng/mLの患者は冠動脈狭窄のオッズ比(OR)が6.93(95%CI: 2.41〜19.94)と約7倍高い(PMID: 27329123)という報告も確かにありますし、肝臓や脾臓のヘモジデローシスとは相関するという報告もありますが、フェリチンは炎症によって上昇しますし、靜注鉄投与直後も上昇します。
フェリチンは心血管リスクの「マーカー」としての有用性はある程度あるものの、実際の臓器内鉄沈着の直接指標としては不十分であり、MRIによる臓器鉄定量が最も正確だといわれています 。



Q.今回の高カリウム血症とは逆の質問になり申し訳ありませんが、eGFRがG4、G5の在宅患者さんでの低カリウム血症をどうしたら良いでしょうか?カリウムが2程度の方にカリウム製剤の補充をするにも、添付文書上禁忌に該当してしまい、院外処方がしにくいです。実際にどのように対応しているのか、例があれば教えていただけると助かります。
A.在宅患者さんでは高齢、フレイルで食事が十分摂れていない患者さんでeGFRがG4、G5であれば、「腎機能が低下すると高カリウム血症」と直感する人がいますが、腎機能が低下すると腎臓のカリウムを保持する能力が低下するため、低カリウム血症も起こりやすくなります。腎臓は尿を作る臓器というよりも「不要なもの、余剰なものを排泄し、必要なものは再吸収して体液の正常化をする臓器」ですからね。
例えば薬剤ではループ利尿薬、チアジド系利尿薬、甘草含有漢方薬、そのほかにも厳格すぎるカリウム制限の食事や下痢・嘔吐、低マグネシウム血症、大量発汗、腹膜透析患者(透析液にカリウムが入っていない)など低カリウム血症の原因は様々です。
Q.慢性腎不全の方が入院されると、前医のdo処方となります。担当医は(内科以外の場合も多く)腎臓に詳しいわけではありませんので当然かと思います。ここには気をつけた方がいい、ここは最低限見た方がいいなど、アドバイス頂けるとありがたいです。
A.多科受診の場合、様々な診療科の医師が処方されると、「他科の医師の処方を変更しない」といういわゆる医師同士の仁義があり、薬の種類が増える方向になりますよね。聞くところによるとビタミンB12などのビタミン剤の好きな医師、胃粘膜保護剤の投与の好きな医師、ベンゾジアゼピンや抗コリン作用のある薬(この副作用で下剤が投与される)などあまり必要性の高くない薬やNSAIDsやPPIの長期投与など、高齢者やCKD患者にとって好ましくない薬が投与されることがあります。
すべてのお薬手帳を1冊にまとめ、どの病院に行く際も必ず提示することを奨励し、担当になった薬剤師が主治医との相談の機会を持って適正化することが大切だと思います。僕は電話ではなく、直接主治医と面談するのがこれからの薬物療法適正化にとってよいことだと思っています。
6月25日(木)開催の、「透析患者の薬物適正使用(中級者編)」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
鉄補充の方法のエビデンスについてもう少し海外の論文等も積極的に調べてみます
とても難しかったですが、勉強になりました。復習させて頂きます。
以前聞いたことがあった腎性貧血のSGLT2阻害薬との関係などの話は大変ためになりました。K吸着剤の話も表面的な違いしか見てなかったので深掘りできました
輸血について質問させて頂きました。 詳しく教えて頂き、とてもありがたかったです。 ありがとうございました。
いつもわかりやすい講演をありがとうございます
腎性貧血について勉強していたのですが、途中からつまづいてしまいました。今日の講義は分かりやすく、高カリウム製剤も含め、クリアになりました。途中からのESAと貯蔵鉄などの関係はもう一度オンデマンド動画で整理します。有難うございました。
6月18日(木)開催の、「透析患者の薬物療法~CKD-MBD、腎性貧血から始めよう~(初心者編)」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.フォゼベルはリン吸収阻害薬なのでメカニズムから考えると、
A.フォゼベルは添付文書の用量は「1日2回、朝食及び夕食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減する」となっていますが、臨床治験の第1相試験で直接検証されており、結論から言うとリン吸収に関しては食直前も食直後も差がないことが示されています(図:ただしこの図ではなぜか空腹時のほうが効いてますよね)。
だから食直後、食後、1日2回12時間おきでもいいように思えますが、なんで食直前になったかと言えば、従来医のリン吸着薬も今回のフォゼベルを含めてリン低下薬は食べた食物に含まれているリンを排泄する薬ですから、「絶食を避けて食事に紐づける」ことが本質的な要件ですから「1日2回12時間おき」はNGですね。
フォゼベルはもともと下痢しやすく、便秘型過敏性腸症候群に使われていたNHE3(ナトリウム・水素交換輸送体3)阻害薬で、食直前投与はNa吸収阻害では明確に優れていたのです(図:空腹時は下痢しなさそうです)。便軟化作用もリン排泄亢進作用も作用機序は同じ(リン吸収低下とNaの腸管内濃度上昇は関連している)ですから、リン適応での「食直前」指定は便秘型過敏性腸症候群に使われていた薬の結果を包括的に採用した規制上・実用上の判断と考えられます。
となるとフォゼベルで下痢しやすい人は食直後のほうがいいし、純粋にリン排泄作用だけにフォーカスして「下痢」という副作用を防ぐにはむしろ食直後投与にすべきだったんじゃない?と思うのは僕だけ?
ただし僕は第1相試験のデータをもとに話してるだけなので、ほかにも論文があるだろうし、十分なデータがなければ、皆さんの研究テーマにして、なんとかリアルワールドデータを出していただけませんか?例えば薬剤師の学会発表で「食前から食後にしただけでブリストルスケールが改善した」なんてのは少数でもいいし、症例報告でもいいかもしれない。
それとフォゼベル自体のリン低下作用はあまり強くないけどリン吸着薬を併用するとかなりリンが下がり、リン吸着薬の用量を減らせることが期待されている。となるとやっぱり空腹時投与は良くない?




6月18日(木)開催の、「透析患者の薬物療法~CKD-MBD、腎性貧血から始めよう~(初心者編)」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
貴重な講演ありがとうございました。
貴重なご講演ありがとうございました。
森住先生の栄養のお話が聞けて大変勉強になりました。なかなか栄養については、勉強してもなかなか身につかず、今回の講義をしっかり復習していと思いました。ありがとうございました。また、平田先生のお話では、リン吸着剤の服薬指導が如何に重要かが認識できました。ありがとうございました。復習させて頂きます。
貴重な講演ありがとうございました。
本日は貴重な時間をありがとうございました。 病態と薬剤、栄養について、多くを教えていただきありがとうございました。 嚥下機能の低下で、沈降炭酸カルシウムが粉で処方されている症例がありました。粉より錠剤の方がリンを吸着する効果は高く、同じ量の粉砕で処方されても同じ効果が得れるのか疑問に思いました。透析患者が高齢者に多いことから、個別に合った医薬品の適性を考えていく所存です。
カルタン、ランタンの効果的な服用方法の説明が患者さんの命を左右することの重大性を再認識することができました。貴重なご講演を誠にありがとうございました。
今日は貴重なご講演ありがとうございました。勉強不足もあり、ついていくのが必死でした。予習は必要と考えました。次回は、自分なりにきちんと勉強して研修会に出席したいと思います。
透析患者さんにあまり縁がなかったので勉強になりました。内容は初心者向けに工夫してくださったと思いますが難しかったので再放送を見直したいと思います
今後リン吸着薬や活性化ビタミンDを投与されているような患者さんに自信を持って投薬できそうです
本日も有難うございました。リン、カリウム制限が、かえってサルコペニアを助長する可能性もあることを知りました。
とてもわかりやすく、勉強になりました
調剤薬局で透析の門前ではないのですが興味があり受講させていただきました。リン吸着薬の講義はCKDも有用だと思いました。今後の服薬指導に生かしたいと思います
潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸がんだけでなく自己免疫疾患やうつ病、自閉症も増えているのは制御性T細胞(T-reg)の減少によるが、T-regを誘導するのが酪酸だ。しかし透析患者では尿毒素産生菌が増加し酪酸産生菌が激減している(図1)。尿毒素蓄積による酸化ストレス・全身炎症、そして腸管上皮細胞の主要なエネルギー源になっている酪酸の減少によってリーキーガット(タイトジャンクションのゆるみ:腸漏れ)が起こる(図2)。そして尿毒素の産生によって腎機能は悪化し、昨日説明したように便秘が原因で起こる腸内細菌叢の破綻もリーキーガットを助長し、「腸内細菌叢の破綻と腎機能の悪化」という腸腎連関が起こる(図3)。



話題を変えるがCRA症候群(Cardia-Renal Anemia syndrome)で最も治療しやすいのは貧血だ。だから貧血を治療すれば貧血→CKD→心不全の悪循環を断ち切れることはよく知られている。腸内細菌叢を改善したり、尿毒素を減らして腸腎連関を断ち切ることは本当に難儀なことだが、便秘は下剤(便軟化剤)によって改善できる。これによって透析患者の様々な悪循環によって発症する致死性の腸閉塞や腸管穿孔を防げるはずだ。ラグノスゼリー、グーフィス、アミティーザ、リンゼス、モビコールなど新しい下剤(便軟化剤)が次々と販売されている。リン吸収阻害薬フォゼベルやの鉄含有リン吸着薬のピートルは下痢しやすい薬なのでこれらもうまく活用して、腸腎連関を断ち切れればいいのだが、「透析患者の便秘に対する薬物療法」について興味を持たない医師・薬剤師が多すぎるのではないだろうか。「たかが便秘じゃないか」と言われることはよくあるが、透析患者の便秘は死亡原因9位(実はもっと高いはず)の腸閉塞の原因になっているだけでなく様々な健康障害を引き起こしている。「たかが」で済まされるような簡単なものではないことを知っていただきたい。

僕の旅のスタイルは旅行社のツアーではなく、自分で飛行機、ホテル、電車、レンタカー、ツアーを選んで気に入ったところにじっくり滞在するというもの。定年退職したからできることだけどね。2020年1月、パンデミック直前に訪問したニュージーランドのクライストチャーチには7泊くらいして、テカポ湖、プカキ瑚の美しさに息をのんだ。残念ながら世界一美しいといわれるプカキの星空は見れなかったし、マウントクックのハイキングも天候不良のため行けなかった。クライストチャーチはニュージーランドで2番目に大きい都市だけど人口は10万人足らずで、治安が良く、歴史を感じさせるきれいな街だった。
今回はもっと小さく自然がいっぱいの街、人口3万人足らずのクイーンズタウンに5泊し、そのほかにさらに田舎のプカキやテ・アナウに3泊して世界遺産フィヨルド:ミルフォード・サウンドもじっくり訪問する。前回行けなかったプカキの星空、マウントクックのハイキングにも再挑戦するけど、雨が降らなければいいんだけどね……。




透析ケアを出版している大阪のメディカ出版から出している本が5年経過したので、大幅書き換え、というか、いまいち納得のできる分かりやすさになっていなかったので、今回の改訂では1から書き直しました。
ナース向けに分かりやすく書くって大変です。でもすごく勉強になりました下駄。「なんて難しい解説してたんだ」と大いに反省しますね。熊本の仲間、新たな「平田の薬剤師塾」の師範代5人にも協力していただきました。これから、ゲラを作って校正作業を済ませ、6月の透析医学会では販売できそうです。
SGLT2阻害薬によって起こる有意な3大有害反応は脱水4.5%、性器感染3.8%、ケトアシドーシス0.22%と、脱水は最多だ(Qui M, 2021)。ただしSGLT2阻害薬による利尿作用は持続しない。カナグリフロジンの利尿作用は1日のみしか持続しないし、他のSGLT2阻害薬も1週間程度。ただしフロセミド併用患者では6週間後も続いている。ほかにも報告はたくさんあるが、SGLT2阻害薬による脱水は起こるが、薬剤性腎障害の発症を25%も軽減する作用があるため、脱水が起こるとすれば投与初期か、フロセミド併用患者だけかもしれない。
ただしこまめな飲水指導は脱水だけではなく性器感染、ケトアシドーシスの予防にもなるため、続けよう。
SGLT2阻害薬による糖利尿は持続する。なぜなら近位尿細管のSGLT2, SGLT1以外にブドウ糖を再吸収するところはないからだ。
ではNa利尿は持続する?近位尿細管のNHE3、ループ上行脚(フロセミドが効く部位)、遠位尿細管(サイアザイドが効く部位)、集合管(MRAが効く部位)などでNa利尿は相殺できるから必ずしもNa利尿は持続しない。
じゃあなんで糖利尿(浸透圧利尿)が持続するのに尿量が増加しないの?集合管ではADHバソプレシンの前駆体、コペプチン濃度が上昇して利尿作用が相殺されるようだ。だからSGLT2阻害薬投与2日目以降の尿量増加は起こらないと2024の論文では解説されている(PMID: 38599715)




6月11日(木)開催の、特別講座「はじめての学会発表・論文作成ゼミナール」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.論文作成のためのまとまった時間を作る工夫は、どのようにさ
A.僕は家に帰って仕事をすると、テレビ、雑誌、おやつなどの誘