~熊本腎薬下石会長からのメッセージ~
全国の腎薬の先生方には発災直後より、多くの励ましのお言葉や、温かいお便り、メールを頂きました。ありがとうございます。
おかげ様で、熊本腎薬スタッフ全員、元気に震災を乗り切ることができました。
まだまだ余震も続いてはいますが、7月から研修会も再開し、来るべき2019年腎臓病薬物療法学会in熊本開催に向けて、熊本腎薬スタッフ一同、心を一つに頑張っていきます、いや “がまだし” ます。
熊本腎と薬剤研究会会長 下石 和樹
あけましておめでとうございます。
旧年中はひとかたならぬご厚誼を賜りまして、大変ありがとうございました。
今年から臨床薬理学分野は大学院生が2名になり、大所帯になります。1月~5月の育薬フロンティアセミナーは1月12日のバイタルサインの測定から始まります。特に保険薬局の先生方には薬を理解するためにも参加していただければ幸いです。
昨年、日本腎臓病薬物療法学会の会員数は1450名を超え、法人化も達成しました。これからは学会を上げての調査・研究活動、国際交流による意見交換も進めていきたいと思います。
2015年に作成された日本腎臓学会の薬剤性腎障害ガイドライン、日本化学療法学会の抗菌薬TDMガイドライン、日本TDM学会・日本循環器病学会の循環器TDMガイドラインの作成に関わりましたが2016年にはそれらが公開されます。
そして平田も今年で62歳。もう熊本大学に在籍できる時間もわずかになりました。今年は老体に鞭打って2月には熊本マラソンに挑みます。2017年には熊本市民会館崇城大学ホール・国際交流会館で第3回日本医薬品安全性学会、2019年には新設された熊本城ホールを中心に第13回日本腎臓病薬物療法学会を開催します。まだまだ老けてはいられません。この年になってこれだけのやりがいのある仕事に巡り合えるのは本当に幸せだと思います。そしてここまでやって来られたのも多くの人に支えられて来たからに違いありません。
今年も平田は精いっぱい頑張りますので、本年もなにとぞよろしくお願いいたします。
皆様に幸多き年となりますように。
あぁ、呆けるまでにもう一度カープの日本一を見てみたい・・・・・。
平成28年元旦
2015年度の論文実績、学会発表実績を更新しました。
詳細はコチラ ⇒ 熊本大学薬学部臨床薬理学分野HP
腎臓病の薬物療法に関する初めての全国規模の研究会ができて9年、この間、研究会から学会になり、学会誌を創刊、専門・認定薬剤師制度の確立、ホームページのリニューアル、専門薬剤師テキストの刊行と突っ走ってきた日腎薬(カッコよく言えばJSNT: The Japanese Society of Nephrology and Pharmacotherapy)。そして今年から一般社団法人に。しかも学会を支える地域腎薬も21か所に増え
、地域連絡協議会を開催し、各地の「腎と薬剤研究会」とより密接な連絡を取りつつ、大規模調査・研究もやろう、そして国際交流も視野に入れて…。夢は膨らむばかりです。
第1回の大阪大会、第2回の熊本大会とコンベンションもつかずに手弁当で500人の参加者を集めました。でも演題数は30前後しか集まらなかった。ところが昨年の第8回大阪大会(和泉智大会長)は参加者1300人を超す大盛況。でも午後に台風のために2日目午後のプログラムがすべて中止に。翌年の認定試験も台風に見舞われ、大会事務局長であり学会副理事長の木村健先生はこれ以後、台風男と呼ばれるようになりました。
今年の仙台(土屋節夫大会長)は九州・四国からは不便なのでという不安もどこ吹く風。なんと参加者1150名以上、演題数も過去最高の146演題。
しかも討論が活発でとても熱い学会でした。仙台の実行委員の先生方、そして理事の先生方、本当にありがとうございました。
大会の土屋大会長と僕は大阪薬科大学でクラブも一緒、43年の長い付き合いです。
10年前までずっと関西で一緒でしたが、今は仙台と熊本、かなり離れていますが、心が1つになれた学会でした。僕は教育講演、よくわかるシリーズのシンポジウム、理事長講演、地域連絡協議会、評議員会、総会と超多忙でしたが、楽しめましたし、寸暇を惜しんで朝の6:30から親友の宮村先生(熊本中央病院)、八重先生(鈴鹿医療大学)と一緒に仙台駅から青葉城までランニングも楽しみました。
来年は11月19(土)、20(日)に横浜のパシフィコ横浜アネックスホールで牧野以佐子先生が(JCHO横浜中央病院薬剤部)大会長、2017年は平川雅章(福岡徳洲会病院薬剤部)が福岡で、2018年は伊藤譲(レモン薬局三方原店)が浜松で、そして2019年には熊本城ホールが完成する熊本で僕が大会長をする予定です。このころはそろそろ引退ですが…。
大阪の腎センター・白鷺病院を2005年9月に退職し、10月から2006年の3月末まで米国オレゴン州立大学およびその近隣病院で臨床薬学教育および臨床研修を体験したのち、熊本に来て10年位なります。
ずいぶん前から熊本には縁が深く、私がほとんど無名のときに講演会の講師として呼んでいただいて以来、何度か講演会や学会、あるいは阿蘇での一泊研修などでもお世話になりました。また逆にあの小さな(たった92床)の白鷺病院に数日以上の研修に来られた薬剤師数も熊本の方が過去最高人数でした。そんなことから熊本には不思議な親近感を感じており、同時に熊本の薬剤師は「熱いなぁ」という好印象を持っていたため、熊本大学の教授就任のお話をいただいたときには非常に感激した覚えが今も残っています。
さて熊本大学に行くことは決まったけれども、私が熊本に来ていったい何ができるだろうか?と自問自答を繰り返し、渡米中も門脇大介助手(前八代総合病院薬剤師)とインターネット電話やメールで連絡を取りながら、どちらからともなく、「今度できるうちの教室が熊本の近隣の薬剤師が自由に出入りできるようなサロンのようになったらいいよね」という話が出たとたん、2人とも興奮して1日に何度もメールでやり取りをし、その「サロン化計画」について夢を語り合ったものでした。薬剤師がある症例への対処に困ったとき、欲しい情報が見つからないとき、学会発表や院内・薬局内プレゼンテーションのやり方やどのような統計手法を使えばよいか迷ったとき、文献のまとめ方や英文抄録の作成に困ったとき、出身大学に関係なく何でも気軽に相談できる場所が近くにあればよいに違いありません。
私自身は教職についたとはいえ30年近く薬剤師をやってきましたし、門脇准教授(当時助教)も同様に8年間薬剤師をやってきました。その経験を生かし、熊本の薬剤師を活性化し、リサーチマインドを持たせて共同研究を展開し、活発に学会発表・文献投稿する薬剤師を育てて行きたいと考えています。でも誤解してもらっては困ります。学会発表や文献投稿する薬剤師だけのためにサロンを作るのではありません。我々自身も薬剤師の刺激を受けつつ前向きに成長して行きたいと考えているため、現役薬剤師との交流は我々にとっても大きなメリットになると考えているからです。そしてその交流によって学会発表、文献投稿する薬剤師が結果的に増えれば、学会で鍛えられ、文献を査読したレフェリーに鍛えられて、薬剤師としての科学的なものの見方、考え方がさらに高度になり、薬剤師としての実力は明らかに向上していくはずです。その結果として「熊本の薬剤師は違うなぁ」と全国の人にうわさされるようになればいいなぁと夢見ています。
現在は毎週火曜日7時半から英語文献を読む抄読会を模擬薬局で開催しています。これは熊本に赴任してから10年続いています。もちろん参加者に制限はありませんので、開局薬剤師、病院薬剤師、薬学研究者あるいは薬学生、誰でも参加できます。「え~!英語論文なんて読めっこない」なんて思っていませんか?英語論文は、文法が簡単ですから専門用語に慣れれば誰でも簡単に訳せるようになりますし、英訳できるようになればPubMedで文献検索することによって最新で的確な情報が得られるようになり、薬剤師の能力も確実にアップします。抄読会は英語論文を読んで最新の情報を得るだけでなく、その論文についてディスカッションをすることによって薬剤師としての科学的な思考能力が高まってきますし、薬剤師同志の交流の場ともなります。将来的には症例検討会も一緒にできるくらい発展していくことを期待しています。現時点では毎回20名前後の参加者(学生だけでなく薬剤師も医師、他教室の教員も参加しています)が、実に和やかに歓談できる抄読会になっています。
当薬剤師サロンは抄読会開催時以外でも基本的に土日以外は夜11時くらいまではいますので「いつでもどうぞ」、と言いたいところですが、2人とも学会出張や休暇をとる場合もありますので、096-371-4856に前もって電話いただければ幸いです。
薬剤師サロンのご案内
場所:〒862-0973 熊本県熊本市大江本町5-1 熊本大学薬学部 臨床薬理学分野
熊本大学薬学部正門のA棟の2階にあります。
スタッフ:平田純生、門脇大介
営業時間:月曜日~金曜日の朝9時より夜11時くらい(アバウトですので、電話096-371-4856 またはE-メールhirata@kumamoto-u.ac.jp で要予約)
得意分野:二人とも臨床の腎臓についてはめっぽう強いですが、漢方薬、抗がん剤など、正直、苦手な部分も多くあります。
抄読会のご案内 詳細はコチラ
毎週火曜日夜7時半より模擬薬局で開始、育薬フロンティアセミナーになることもありその時は宮本記念館で開催します。参加は全く自由で当日の飛び入りも歓迎です。
◆2015年5月の熊本腎薬ワークショップをYoutubeにアップしました。参加できなかった方もぜひ視聴されて下さい。
昨年、当会では「日本腎臓病薬物療法学会が認めた薬剤師から学ぶ今日からできる!腎機能に応じた薬物投与設計」と題して、新人薬剤師を対象とした少人数研修会を行いました。研修会後に行ったアンケート調査の結果、経験年数に関係なく、今後も継続してほしいという多くのご意見を頂きました。そこで、今年は、より多くの先生方に参加していただくため、定員を60名から90名に増やして研修会を行うこととなりました。腎機能の評価方法から始まり、薬効別に腎機能に応じた投与設計や透析患者での薬物療法を学ぶことができます。
プレアンケート
https://www.youtube.com/watch?v=TQFZggpf5-c
腎機能に応じた薬物投与設計の基礎(古久保)
https://www.youtube.com/watch?v=dP-TFanhwBo
アイスブレーキング
https://www.youtube.com/watch?v=GL9xRHGXaLU
抗凝固薬(大島)・糖尿病薬(平良)
https://www.youtube.com/watch?v=-0Mkg1lhws0
鎮痛薬 (長谷川)・抗うつ薬(宇藤)
https://www.youtube.com/watch?v=eVuZDHnSHOM
腎機能の正しい評価(平田)・透析患者へのアシクロビル投与法 (古久保)
昨今の医療薬剤学でのPK/PD理論の進展のもと、実際の医療現場での薬剤師の関わり方が、大変重要になってきています。病院薬剤師の方々でTDMに関する勉強と、実際に各々の病院での事例を持ち合い、TDM業務を更に深く学び身に付ける為の勉強会としたいと思います。 万障お繰り合わせの上、ご参加賜ります様よろしくお願い申し上げます。
記
日時:平成27年10月16日(金)19:00~21:00
場所:熊本県薬剤師会館熊本市中央区萩原町10番6号(℡:096-370-5800)
研修単位 日病薬病院薬学認定薬剤師制度1単位(Ⅴ-3)申請中
※当日は軽食をご用意しております。
【情報提供】19:00~19:15
「MeijiSeikaファルマの抗感染症治療薬について」MeijiSeikaファルマ(株)
【一般演題】19:15~19:30
座長:熊本中央病院薬局薬局長宮村重幸先生
『小児の髄膜炎に対してバンコマイシン持続点滴を行った1例』
演者:熊本市立熊本市民病院医療技術部薬剤課 喜多岡洋樹先生
【特別講演】19:30~21:00
座長:熊本大学薬学部臨床薬理学分野教授平田純生先生
『血液浄化療法実施時の抗菌薬TDMのポイント』
講師:東京大学大学院薬学研究科医療薬学教育センター 山本武人先生
代表幹事:平田純生 幹事:宮村重幸、藤井裕史、九万田由貴江、 喜多岡洋樹、尾田一貴
共催熊本TDM研究会、熊本県病院薬剤師会 MeijiSeikaファルマ(株)
※これまでの活動内容はこちらです。→熊本TDM研究会一覧.pdf