【 問い合わせ内容 】20151104_2.jpg

 医師からの問い合わせが多く、よく困っているのがCHDF(continuous hemodiafiltration)持続的血液透析濾過)の患者の抗菌薬、特にバンコマイシンの投与量に関してです。メーカーに問い合わせをしたり、他にいろいろ調べたりしていますが、的確な回答が出来ていない現状があります。条件によって、大きな差がでてくるので一概に「この投与量を推奨します」というのは難しいと思いますが、CHDF患者の抗菌薬の投与量はサンフォードのCRRTの用量を用いればいいのでしょうか?あるいは無尿の患者であれば透析患者と同じで用量でよいのでしょうか? 

回 答 】

透析クリアランスはCCr5~10mL/minの患者と同等

 おっしゃる通り、CHDFの場合、施行条件によって、薬物除去率に大きな差がでてくるので一定の薬物投与量を提示することは困難です。米国など血流量100~150mL/minでやっている場合もあり(表1)、そんなデータを引用しては抗菌薬の除去率を過大評価し、過量投与の原因になります。

表1.血液透析とCHDFの施行条件の日本と海外の差

血流量(mL/min)

透析液流量(mL/min)

置換液流量(mL/min)

透析時間

ダイアライザーの膜面積

血液透析HD

日本

200

500

0

4hr×3回/週

大きい

海外

360

700

0

4hr×3回/週

大きい

持続的血液透析濾過CHDF

日本

80~120

7~10

5~8

24hr以上

小さい

海外

140~150

14~24

14~24

24hr以上

小さい

 

 血液透析(HD)は透析液流量よりも血流量が低いため、より小さい方のクリアランス以上は得られないので、血流量がHDクリアランスを決定する最も大きな要因になります。小分子量物質のHDクリアランスは血流量と相関します。通常の透析では分子量113と非常に小さいクレアチニンで200mL/minの血流量で回した場合、150mL/min程度のクリアランスになり、分子量がもっと小さい尿素(MW60)のHDクリアランスは180mL/min程度のクリアランスが得られます。ただし週に4時間×3回しか稼働しないため、尿素クリアランスは12.8mL/min、CCrは10.7mL/minと計算されますが、一般的な薬物の分子量は200dalton以上で、ある程度のタンパク結合を考慮すると、5~10mL/min程度のクリアランスしかないと考えられます。実際、透析患者の至適投与量はCCr10mL/min未満の患者と同じとされています。

CHDFクリアランスは無尿患者でサブラッド20L/日仕様の場合、CCr14mL/minの患者と同様

 CHDF時の薬物の血液浄化法による抗菌薬の除去については、さまざまな文献がありますが、それぞれ血液浄化方法が異なり、一律にまとめることができません。欧米では透析液流量+置換液流量が20~40mL/minと日本よりもかなり高い条件で24時間以上の持続的血液透析(CHD)、CHF(持続的血液濾過)、CHDF(持続的透析濾過;これらを総称してCRRT:持続的腎代替療法 continuous renal replacement therapyと言います)が行われることがあり、末期腎不全患者であっても血清Cr値が3mg/dL未満に保たれており、βラクタム系の抗菌薬などはほとんど減量の必要がないこともあります。しかし日本のCHDFは海外に比し血流量、透析液流量ともかなり低めですので(表)、海外の文献データの至適投与量を用いると過量投与になってしまいます。ただしやサンフォードガイドではバンコマイシンのCRRTの至適用量は500mgを24~48時間毎と少な目の投与量になっており、意外と日本のCHDFに適しています。ちなみに日本化学療法学会の抗菌薬TDMガイドライン2015では「CHDF患者に初回は25-30 mg/kg(実測体重)を投与し、以降の維持量は1回500 mg(7.5-10 mg/kg)を24時間毎に投与し、適宜TDMで調節する」となっており、ほぼサンフォードガイドよりも多めの投与量が推奨されています。

 またCHDFは急性膵炎など腎機能正常者に対して炎症性サイトカインを吸着除去するために行われることもあるため、常用量以上の投与量が必要なこともあります。ただし使用している置換液(サブラッドBなど商品名が違っていてもOK)の量とCHDFクリアランスはほぼ一致します。20L/日なら例えば20L/日(約14mL/min)のCCrになります。なぜならサブラッドを使って補液しているということは補液した量とほぼ同じかそれ以上の限外濾液量が出てきます。その限外濾液中Cr濃度は血清Cr濃度と等しいからです。血清中でCrは血漿タンパクと全く結合していない小分子量物質だから当然ですね。

 それからサブラッドの一部は透析液としても使いますが、日本のHDの透析液流量は500mL/minですが、CHDFの透析液流量ははるかに少ない量(7~10mL/min)なので、透析液廃液中Cr濃度と血清Cr濃度は等しくなります。ということは透析液と補液(併せて総廃液量)として1日20L使っていればクレアチニンに関しては1日当たり血清20Lを完全に浄化しているということになりますので20L/日(14mL/min)がCCrになります。ということはHDよりもCHDFのほうがクリアランスが高いため、薬物除去率も高く、抗菌薬もHD患者よりも多めの投与量が必要になります。ただし輸液スペースを確保し、溢水を防ぐため総廃液量が22LになるようなCHDFを施行すると22L/日(15.3mL/min)がCHDFクリアランスになります。つまりCHDFをやっている患者さんが無尿で腎機能が全くなかったとしてもCHDFがCCr14~15mL/minの保存期腎不全患者さんの腎機能と同じ腎機能を肩代わりしてくれているということになります。

投与設計ではCHDF患者の腎機能も考慮する

 ということはCHDFによるCCrは14~15mL/minになり、その人が無尿であればCCrが14~15mL/minの人と同じ投与量をすればよいことになります。しかし患者の腎機能が無尿ではなく20mL/minであれば、34~35mL/minの保存期CKD患者と同じ投与量にすればよいということになります。つまりシミュレーションは非常に簡単で、無尿の患者さんで除水をしなければシミュレーションソフトの患者の腎機能にCCr14mL/minを代入すればよいわけです。ただし患者に残腎機能が残っておればそれを足せばよいのです。患者の腎機能が16mL/minであればこの人の腎機能はCHDFをやっている間は14+16mL/minで30mL/minにクリランスがアップしていると考えればよいのですからCCrが30mL/minの人と同じ投与量をすればよいことになります。

 このようにCHDFのクリアランスを予測することはサブラッドの使用量が分かれば簡単です。もしもCHDF患者がずっと同じメニューのCHDFをやっていて、患者の腎機能が安定しており、4~5日経過していれば患者の血清クレアチニン値は定常状態になっているためeGFRを算出して、あるいはCockcroft-Gault式からCCrを算出して、その値をシミュレーションソフトの意腎機能に入力してみても大過ないと思われます。

患者の腎機能の変動には要注意

 ただしCHDFをやっている人の腎機能は容易に変動するからそう簡単にはいかないというのは確かです。その場合は最初の腎機能に応じた投与量にして予測血中抗菌薬濃度よりも高くなっていれば減量し、予測血中抗菌薬濃度よりも低くなっていれば増量するなどで試行錯誤するしかありませんが、腎機能が安定すれば、その時の至適投与量に当てはまる腎機能からCHDFクリアランス14mL/minを差し引いたものがこの患者の腎機能と予測されます。

 CHDF施行時の薬物投与量については腎臓病薬物療法専門薬剤師テキストに古久保先生1)が書いていますし、山本武人先生2)がより詳しい総説を書いており、私も総説を最近書きました3)ので参考にしてください。

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 1.CHDFの方法

 CHDFクリアランスは に規定されます。透析液流量は非常に小さいため、透析液の廃液中薬物濃度は血中遊離型薬物濃度と近似し、限外濾液濾液中薬物濃度も血中遊離型薬物濃度と近似するためです。

まとめ

①CHDFのクリアランスはHDクリアランスより小さいがHDは週に12時間しか施行しないためトータルで見るとCHDFクリアランス(サブラッドBを20L/minを使用した場合には14mL/min)はHDクリアランス(通常5~10mL/min)よりも高いため、透析患者の至適投与量では投与量不足になります。

②海外のCHDF(厳密にいうと国によって持続的血液浄化法CRRTのやり方は異なる)は日本に比べクリアランスが大きいため、海外文献やサンフォードガイドを参考にすると日本のCHDF患者では過量投与になります。

③通常、日本では1日20Lの補液が使われているということは患者が無尿で除水も行っていなければ20L/日、つまり14mL/minのCCrの保存期腎不全患者への至適投与量と同じ投与量にすればよいのです。残腎機能があればその腎機能に14mL/minを加えたものがCHDF施行中の患者の腎機能としてシミュレーションソフトに代入してもよいです。

④抗菌薬のタンパク結合率が90%以上と高い、あるいは分布容積が2L/kg以上と大きければ血液透析HDでは除去できません。しかしCHDFでは組織に分布した薬物がゆっくりと除去される可能性があるため、分布容積が2L/kg前後の薬物でも除去される可能性があるかもしれませんが、タンパク結合率が90%以上と高い薬物はやはり除去できません。

参考文献

1)山本武人, 他: CRRT中の薬物投与量 抗菌薬の投与設計を中心として. INTNSIVIST 2: 329-345, 2010

2)古久保 拓: 透析患者の薬物投与設計⑤透析方法による薬物除去の違い. 腎臓病薬物療法専門・認定薬剤師テキストP219-225, じほう, 東京, 2013

3)平田純生: 急性血液浄化施行中の投薬管理. 急性血液浄化法徹底ガイド第3版, 救急・集中治療 26(3, 4): 471-479, 2014

 


 腎臓病の薬物療法に関する初めての全国規模の研究会ができて9年、この間、研究会から学会になり、学会誌を創刊、専門・認定薬剤師制度の確立、ホームページのリニューアル、専門薬剤師テキストの刊行と突っ走ってきた日腎薬(カッコよく言えばJSNT: The Japanese Society of Nephrology and Pharmacotherapy)。そして今年から一般社団法人に。しかも学会を支える地域腎薬も21か所に増え

20151027_図1.jpg、地域連絡協議会を開催し、各地の「腎と薬剤研究会」とより密接な連絡を取りつつ、大規模調査・研究もやろう、そして国際交流も視野に入れて…。夢は膨らむばかりです。

 第1回の大阪大会、第2回の熊本大会とコンベンションもつかずに手弁当で500人の参加者を集めました。でも演題数は30前後しか集まらなかった。ところが昨年の第8回大阪大会(和泉智大会長)は参加者1300人を超す大盛況。でも午後に台風のために2日目午後のプログラムがすべて中止に。翌年の認定試験も台風に見舞われ、大会事務局長であり学会副理事長の木村健先生はこれ以後、台風男と呼ばれるようになりました。

 今年の仙台(土屋節夫大会長)は九州・四国からは不便なのでという不安もどこ吹く風。なんと参加者1150名以上、演題数も過去最高の146演題。

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しかも討論が活発でとても熱い学会でした。仙台の実行委員の先生方、そして理事の先生方、本当にありがとうございました。

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 大会の土屋大会長と僕は大阪薬科大学でクラブも一緒、43年の長い付き合いです。

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 10年前までずっと関西で一緒でしたが、今は仙台と熊本、かなり離れていますが、心が1つになれた学会でした。僕は教育講演、よくわかるシリーズのシンポジウム、理事長講演、地域連絡協議会、評議員会、総会と超多忙でしたが、楽しめましたし、寸暇を惜しんで朝の6:30から親友の宮村先生(熊本中央病院)、八重先生(鈴鹿医療大学)と一緒に仙台駅から青葉城までランニングも楽しみました。

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 来年は11月19(土)、20(日)に横浜のパシフィコ横浜アネックスホールで牧野以佐子先生が(JCHO横浜中央病院薬剤部)大会長、2017年は平川雅章(福岡徳洲会病院薬剤部)が福岡で、2018年は伊藤譲(レモン薬局三方原店)が浜松で、そして2019年には熊本城ホールが完成する熊本で僕が大会長をする予定です。このころはそろそろ引退ですが…。

 

 

大阪の腎センター・白鷺病院を2005年9月に退職し、10月から2006年の3月末まで米国オレゴン州立大学およびその近隣病院で臨床薬学教育および臨床研修を体験したのち、熊本に来て10年位なります。

ずいぶん前から熊本には縁が深く、私がほとんど無名のときに講演会の講師として呼んでいただいて以来、何度か講演会や学会、あるいは阿蘇での一泊研修などでもお世話になりました。また逆にあの小さな(たった92床)の白鷺病院に数日以上の研修に来られた薬剤師数も熊本の方が過去最高人数でした。そんなことから熊本には不思議な親近感を感じており、同時に熊本の薬剤師は「熱いなぁ」という好印象を持っていたため、熊本大学の教授就任のお話をいただいたときには非常に感激した覚えが今も残っています。

さて熊本大学に行くことは決まったけれども、私が熊本に来ていったい何ができるだろうか?と自問自答を繰り返し、渡米中も門脇大介助手(前八代総合病院薬剤師)とインターネット電話やメールで連絡を取りながら、どちらからともなく、「今度できるうちの教室が熊本の近隣の薬剤師が自由に出入りできるようなサロンのようになったらいいよね」という話が出たとたん、2人とも興奮して1日に何度もメールでやり取りをし、その「サロン化計画」について夢を語り合ったものでした。薬剤師がある症例への対処に困ったとき、欲しい情報が見つからないとき、学会発表や院内・薬局内プレゼンテーションのやり方やどのような統計手法を使えばよいか迷ったとき、文献のまとめ方や英文抄録の作成に困ったとき、出身大学に関係なく何でも気軽に相談できる場所が近くにあればよいに違いありません。

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私自身は教職についたとはいえ30年近く薬剤師をやってきましたし、門脇准教授(当時助教)も同様に8年間薬剤師をやってきました。その経験を生かし、熊本の薬剤師を活性化し、リサーチマインドを持たせて共同研究を展開し、活発に学会発表・文献投稿する薬剤師を育てて行きたいと考えています。でも誤解してもらっては困ります。学会発表や文献投稿する薬剤師だけのためにサロンを作るのではありません。我々自身も薬剤師の刺激を受けつつ前向きに成長して行きたいと考えているため、現役薬剤師との交流は我々にとっても大きなメリットになると考えているからです。そしてその交流によって学会発表、文献投稿する薬剤師が結果的に増えれば、学会で鍛えられ、文献を査読したレフェリーに鍛えられて、薬剤師としての科学的なものの見方、考え方がさらに高度になり、薬剤師としての実力は明らかに向上していくはずです。その結果として「熊本の薬剤師は違うなぁ」と全国の人にうわさされるようになればいいなぁと夢見ています。

現在は毎週火曜日7時半から英語文献を読む抄読会を模擬薬局で開催しています。これは熊本に赴任してから10年続いています。もちろん参加者に制限はありませんので、開局薬剤師、病院薬剤師、薬学研究者あるいは薬学生、誰でも参加できます。「え~!英語論文なんて読めっこない」なんて思っていませんか?英語論文は、文法が簡単ですから専門用語に慣れれば誰でも簡単に訳せるようになりますし、英訳できるようになればPubMedで文献検索することによって最新で的確な情報が得られるようになり、薬剤師の能力も確実にアップします。抄読会は英語論文を読んで最新の情報を得るだけでなく、その論文についてディスカッションをすることによって薬剤師としての科学的な思考能力が高まってきますし、薬剤師同志の交流の場ともなります。将来的には症例検討会も一緒にできるくらい発展していくことを期待しています。現時点では毎回20名前後の参加者(学生だけでなく薬剤師も医師、他教室の教員も参加しています)が、実に和やかに歓談できる抄読会になっています。

当薬剤師サロンは抄読会開催時以外でも基本的に土日以外は夜11時くらいまではいますので「いつでもどうぞ」、と言いたいところですが、2人とも学会出張や休暇をとる場合もありますので、096-371-4856に前もって電話いただければ幸いです。

 

薬剤師サロンのご案内

場所:〒862-0973 熊本県熊本市大江本町5-1 熊本大学薬学部 臨床薬理学分野

熊本大学薬学部正門のA棟の2階にあります。

スタッフ:平田純生、門脇大介

営業時間:月曜日~金曜日の朝9時より夜11時くらい(アバウトですので、電話096-371-4856 またはE-メールhirata@kumamoto-u.ac.jp で要予約)

得意分野:二人とも臨床の腎臓についてはめっぽう強いですが、漢方薬、抗がん剤など、正直、苦手な部分も多くあります。

抄読会のご案内 詳細はコチラ

毎週火曜日夜7時半より模擬薬局で開始、育薬フロンティアセミナーになることもありその時は宮本記念館で開催します。参加は全く自由で当日の飛び入りも歓迎です。

 

◆2015年5月の熊本腎薬ワークショップをYoutubeにアップしました。参加できなかった方もぜひ視聴されて下さい。

 昨年、当会では「日本腎臓病薬物療法学会が認めた薬剤師から学ぶ今日からできる!腎機能に応じた薬物投与設計」と題して、新人薬剤師を対象とした少人数研修会を行いました。研修会後に行ったアンケート調査の結果、経験年数に関係なく、今後も継続してほしいという多くのご意見を頂きました。そこで、今年は、より多くの先生方に参加していただくため、定員を60名から90名に増やして研修会を行うこととなりました。腎機能の評価方法から始まり、薬効別に腎機能に応じた投与設計や透析患者での薬物療法を学ぶことができます。 

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プレアンケート

  https://www.youtube.com/watch?v=TQFZggpf5-c

腎機能に応じた薬物投与設計の基礎(古久保)

  https://www.youtube.com/watch?v=dP-TFanhwBo

アイスブレーキング

  https://www.youtube.com/watch?v=GL9xRHGXaLU

抗凝固薬(大島)・糖尿病薬(平良)

  https://www.youtube.com/watch?v=-0Mkg1lhws0

鎮痛薬 (長谷川)・抗うつ薬(宇藤)

  https://www.youtube.com/watch?v=eVuZDHnSHOM

腎機能の正しい評価(平田)・透析患者へのアシクロビル投与法 (古久保)

  https://www.youtube.com/watch?v=epIznrC_-SU

カープが最終戦で負けた。

7回が終わるまでマエケンがヒットを打たれながらも後続を打ち取る粘りのピッチングを見せて0対0の緊迫した投手戦。

そして勝ち試合か引き分けの時には守ってくれる大瀬良君が今日は打たれて負けた。

でも大瀬良君は今年1年よく頑張った。

降板した後のベンチで嗚咽していた。

でも新井のたった1安打じゃ勝てっこないよな。 

論文を書いてたけど、まったく筆が進まないので、ブログに変更。

実は僕は広島県呉市出身(中国労災の前田頼伸、兵庫医大病院の木村健は僕の後輩)。両親ともカープの大ファンで僕も大好きだったけど、ホント、弱かった。

4位になったら「今年はよくぞ頑張ってくれた」って思っていたもの。

だから3年連続最下位の後の1975年の軌跡の初優勝は本当に興奮した。

「江夏の21球」は大阪球場の3塁側でちゃんとナマで見た、生粋のカープファンです。

もう何年も優勝していないカープ。

一番、お金のないカープ。

3年前にマツダスタジアムの長男と行ったらカープの先発9人のほとんどが背番号50番台と60番台で9人併せても巨人の阿部1人の給料より安かった。笑っちゃったね。

でもその中で菊池、丸が成長した。大瀬良君も田中広輔も入ってきた。

2015年、今年は絶対に優勝すると信じてた。

去年はあと1勝していたら阪神よりも上の2位だったはずの3位。

そして昨シーズンが終わると感動的なことにかつてのエース黒田が大リーグからカープに帰ってきてくれた。そして、かつての4番の新井も阪神から帰ってきたんだから。

今年のカープは違う。カープ女子も増えたし、チケットが取れないことはよくわかっていた。

だからリーグが始まる前の3月に今までにないチケットの大量予約をした。

5月15(金)、16(土)、17(日)のマツダスタジアムでのDeNA戦。これは鹿児島に住む長男と嫁との3人で。嫁はそんなに野球好きじゃないけど長男と一緒に応援できるとなると喜んで広島についてきてくれる。カープは今や平田家の絆なのです。

 

1.png

6月14(日)、まあ勝てっこないだろうけどヤフードームでのホークスとの交流戦。これは野球好きのそろっている

わが 臨床薬理学分野の5年生の男子3人と一緒に。なんで章也だけホークスのユニフォームなの? 

そして優勝決定で、緒方監督の胴上げを見るためにと思って取った甲子園での9月12日(土)、13日(金)の阪神戦チケット。これは長男、嫁、それに大阪在住の次男(あまりカープに興味ないので野球は見なかったけど一緒に食事はした)も加わって応援。これもカープが繋いでくれた平田家の絆。でもこのおかげで土日はほとんど出勤して仕事ははかなりやったね。だって忙しいんだもの。

結果はDeNA戦は5月15(金)●5-6、16(土)●1-2、17(日)○2-1 去年までカモにしてたDeNAは今年はなかなかしぶとい。というかなかなか打てない。エルドレッド、早く帰ってきて~。
ホークス戦は前日まで奇跡の2連勝したものの福井が打たれて●2-7 やっぱり強いホークス。ヤフードームに何回か来たけど今までに1回も勝たせてもらっていない。

9月の阪神戦は12日(土)△2-2、13日○3-0マエケンと大瀬良君で完封!

だけど12日の引き分けが大問題!

12日の試合、延長12回表、広島の田中広輔の大飛球は中堅フェンス際で大きく跳ね返ってグラウンドに戻ったように見えた。実は僕はこのタイガーマスクの左後ろ約10mの距離で見ていたのだ。

このタイガーマスク、ただ者ではない。阪神の応援団で、プロレスラーのように体格がよく応援の踊りの切れがいいというか手足の動かし方が非常に決まっていて、気になっていた。こんなに大写しになるとはね・・・・。

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甲子園のファンはたちが悪い。だからグラウンドに飛び出さないよう、電車の荷物置きのようなネットがフェンスの真下に取り付けられているのだ。(僕が撮った写真の赤い矢印。それにしても地味な応援団だけどタイガーマスクはこの画面左前にいたけど写っていない)それに当たって、普通はレフトスタンドに入るはずが、なんと跳ね返ってグラウンドに戻っちゃった。実は僕はこの瞬間、ボールから目を離していた。だけど隣で見ている長男はちゃんと見ていた。「あれは絶対に入っていた。ビデオ判定や!」。だけじゃない。前にいる阪神ファンも後ろにいる阪神ファンも「あれは絶対入ってたで」と言っている。案の定、ビデオ判定。だけど審判団はビデオ判定でフェンスを越えていないと判定。「なんでだよ~!ウソだろう!」

この判定はのちに正式に誤審と認められる。この1勝があればカープは楽にクライマックスシリーズに行けたのに・・・・・・。だって写真を見たらあのタイガーマスクの目の前にネットを超えたボールが写っているんだから。

 

その後、熊本の上通りにある広島風お好み焼き屋「ええじゃろ」で臨床薬理のカープ男子・カープ女子(に無理やりさせた)に囲まれて9月25日の阪神戦●0-3でまたも負けた。でも「ええじゃろ」のマスターは広島で老舗のお好み焼き屋「みっちゃん」で修業していたので味は抜群!

美しいカープ女子にかこまれて念願の写真撮影もした。

5.pngおじいちゃんと孫娘みたい。でも至福の時…(ごめん。カープ男子もいたけど絵にならないのでカットした)。ちなみに背番号60のユニフォームは去年の還暦祝いで臨床薬理のみんなからのプレゼント(ほんとは安倍ちゃんだけど)。

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そして10月7日、運命の最終戦は終わった。負け投手は大瀬良君。そして終盤の怒涛の5連勝の後のヤクルト戦も負け投手はヒースだったけど大瀬良君が打たれちゃった。今日の大瀬良君は責任を感じたのだろう。降板後、ベンチで泣きじゃくっていた。それをマエケンがかばっていた。

でもね。マエケンが15勝で最多勝になったのも、ジョンソンが14勝したのも点を取ってくれないカープで1点差の試合を大瀬良君と中崎がどれだけ守ってくれたことか。

今シーズンが終わるとマエケンは大リーグに行く予定。来年、黒田は来年41歳、新井も来年39歳。こりゃ、マー君の抜けた楽天みたいになりそう。

来年も超優秀外人KJ(ジョンソン)が今年と同じ様な成績を上げてほしいけど、他チームも研究してくるから今年と同じように勝てるとは思えない。中継ぎだった大瀬良君はたぶん先発になるだろうね。だけど今年、いろんな辛いことを体験した大瀬良君は一回りも二回りも大きくなってくるはず。そして黒田おじさんの最後の教えをもらって成長するだろう。

僕は大瀬良が大好き。これはカープファンならだれでも知ってるけど大瀬良は「すごくいい人」。ピッチャーって、わがままな人が多いらしいけど大瀬良は甲子園の阪神ファンも言っていた「大瀬良って、めっちゃええやつらしいな」って。やさしすぎるから実力があるのに力を出し切れないのかもしれない。

大瀬良君を知らないみんなにはYoutubeで「大瀬良×天谷」で検索してほしい。そして「大瀬良×弟」でググってほしい。いいお兄ちゃんだからってわけじゃないけど来年は大活躍してほしい。実は背番号14はカープのエース番号です。3回のノーヒットノーラン、そのうち1回は完全試合をやった僕の大好きな鹿児島県出水市出身の外木場義郎、脳腫瘍で32歳の若さで亡くなった炎のストッパー・津田恒美。その背番号14を背負う大瀬良大地が好き。

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昨今の医療薬剤学でのPK/PD理論の進展のもと、実際の医療現場での薬剤師の関わり方が、大変重要になってきています。病院薬剤師の方々でTDMに関する勉強と、実際に各々の病院での事例を持ち合い、TDM業務を更に深く学び身に付ける為の勉強会としたいと思います。 万障お繰り合わせの上、ご参加賜ります様よろしくお願い申し上げます。

日時:平成27年10月16日(金)19:00~21:00

場所:熊本県薬剤師会館熊本市中央区萩原町10番6号(℡:096-370-5800)

研修単位 日病薬病院薬学認定薬剤師制度1単位(Ⅴ-3)申請中

※当日は軽食をご用意しております。


【情報提供】19:00~19:15

  「MeijiSeikaファルマの抗感染症治療薬について」MeijiSeikaファルマ(株)

【一般演題】19:15~19:30

  座長:熊本中央病院薬局薬局長宮村重幸先生

  『小児の髄膜炎に対してバンコマイシン持続点滴を行った1例』

  演者:熊本市立熊本市民病院医療技術部薬剤課 喜多岡洋樹先生

【特別講演】19:30~21:00

  座長:熊本大学薬学部臨床薬理学分野教授平田純生先生

  『血液浄化療法実施時の抗菌薬TDMのポイント』

  講師:東京大学大学院薬学研究科医療薬学教育センター 山本武人先生


代表幹事:平田純生 幹事:宮村重幸、藤井裕史、九万田由貴江、 喜多岡洋樹、尾田一貴

共催熊本TDM研究会、熊本県病院薬剤師会 MeijiSeikaファルマ(株)

※これまでの活動内容はこちらです。→熊本TDM研究会一覧.pdf

各分野の薬剤師のスペシャリストが出てこなければ

医療において薬物療法は大きなウエイトを占めていることは言うまでもありません。特に本邦での医薬品使用量は全医療費の??%を占めており、先進諸国のトップクラスに位置しております。しかしこの医薬品が使用されている頻度に相関して臨床薬剤師が活躍しているとそうではありません。薬剤師は薬物療法のスペシャリストでありながら、臨床薬物療法における学会発表数・文献執筆数は医師と比べて非常に低いというのは明らかだと思います。

我々は透析患者への投薬ガイドラインの作製に着手して10数年になり、年々、その内容はグレードアップしており、インターネットでの使用者も続々と増えつつあります。薬物を使用した後の効果・副作用の評価に関しては薬剤師だけでなく、医師でも研究可能な分野でしょう。しかし、薬物動態となると、基礎で臨床薬理を専門とした経験のあるドクターは別として薬剤師の方が専門性は高いと思えます。いまだに安全に使用できない薬物は多くあります。病態に伴う薬物動態の変化についてまだまだ分かっていない分野も数多くあります。たとえば、癌患者におけるより安全で効果的な化学療法は薬物動態をよく理解した臨床薬剤師の参加によってもっともっと進歩する可能性があります。産科・婦人科での投薬ガイドラインができれば、どんなに多くの人が救われるでしょうか。肝硬変の患者、糖尿病の患者など、さまざまな分野で働くスペシャリストの薬剤師が活躍し、動態に関するスタディを行い積極的に専門性のある学会で報告していけば本当の意味で臨床薬剤師という言葉が一般的に認知されると考えます。

臨床薬剤師という言葉が聞かれるようになって20年以上が過ぎていますが、一般の人で臨床薬剤師という言葉を認識している方は、そう多くはないと思えます。いつまでも薬学系の学会に閉じこもって、臨床とは関係ない発表ばかりやっていては薬剤師の存在価値は上がるはずはありません。

2015年 薬学科5年生の薬物処方学試験 記述問題より
『あなたにとって薬剤師とはどのような役割を担った職種だと考えますか?
また将来どのように変わっていくべきだと思いますか?』

平田が感動した11名の、素晴らしい名文をご紹介いたします。

A君

私にとって薬剤師とは、自分の考え方、行動次第で対等に医者と接し、患者さんと関わっていくことのできる仕事だと思う。
 国家試験に通りさえすれば、晴れて薬剤師となって働くが、上司から受動的に任務をこなしているだけでは、それは”ニセ薬剤師”だと思う。昨今の薬剤部の乱立により、薬剤師になる人数は増加していく。その中でリードできる人間になるには、患者さん一人一人に対して向き合い、患者さんの病気を薬を通して接し、治療していかないといけないと思う。そのためには、一つ一つのことを考え、発信していく力が必要だと思う。つまり医者などの医療従事者に根拠のあるプレゼンテーションが大事であると考える。根拠のあるプレゼテーションができるように、日々、コミュニケーション力を上げていかないといけないと自分では感じる。私の意見としては、将来、自分の仕事だけ遂行する薬剤師は淘汰されていくと思う。私はニセ薬剤師でなく真の薬剤師になるために、コミュニケーション力をみがき、知識もつけて、大きな人間になりたいと思った。


Bさん

 薬剤師は医師の相棒になるような職種だと思います。
医師と薬剤師が相談して処方を決めていけるような形が理想です。平田先生が授業中に昔の話で、患者さんを診て医師と話して処方提案されていたのを聞いて、これが理想の薬剤師だと思いました。
 現在の医療は非常に複雑で深くなっているように感じます。医師1人でそれらをカバーできるとは思えません。
ある程度分野は区切って協力しなくては無理だと思います。医師と一緒に患者さんのベッドに行くようになれば良いと思います。
 近年、看護師に処方権を与える話がでました。私はそれを聞いてくやしくなりました。まだまだ薬剤師の仕事の認知度は低いです。
 学部2年の頃、父の知り合いの方から「わりの良い仕事。自分でもできる」と言われ、かなり苦々しく思いました。
 バイト先の看護師のお客様にも同じようなことを言われました。
 もっと薬剤師が積極的にとも思いますが、私がお会いした薬剤師の先生方はすごく積極的に仕事で活躍されていて、それでもなかなか一般の人には伝わらないのかと考えさせられます。
 いっそ薬剤師を主役にドラマとかが放送されればいいのかとも思います。


Cさん

 薬剤師とは、医療現場での潤滑油となるべき存在だと私は考えます。
 患者さんに対しても、お医者さんより気軽に相談ができる相手とされることで、お医者さんには知りえなかった患者さんのささいな、しかし重大な変化に気付くことができます。これは看護師さんのように、患者さんとの距離が近いだけでは決してできず、笑顔で患者さんの話を聞き心のケアまでも担いながら、さらに頭の中では、患者さんから何らかの異常なサインが出ていないかと常に検索をかけ続けます。さらに、お医者さんに対して、エビデンスのある、柔軟かつ適切なアドバイスをし続けることで、お医者さんの信頼を獲得し、お医者さんとお互いを高めあえる関係でさえも築くことができます。また、病棟に行く必要があれば自ら足をはこび、患者さんの問題点としっかり向き合うことで、普段患者さんに一番近い看護師さんたちの意見を聞いたり、情報を教えてもらったりすることができる機会も増えると思います。それだけでなく、新しい事を発見するたびに論文にし、そうすることで、目の前の患者さんだけでなく、それを読んでくれた医療者を通じて、遠くにいる人まで助けられると思います。そうやって、どんどん自分を医療の中で欠かせない存在としていきたいというのが私の理想であり目標です。


Dさん

授業を受ける前までは、薬剤師のヴィジョンがあいまいなものでした。もらった処方箋について検査値から患者さんの病態を推測し、疑義照会を検討、薬を出し、患者さんに説明する。そういった流れを考えていました。先生の授業を聞き、もっとも重要で大事な部分が最初のSTEPであることが分かりました。
これから求められる薬剤師は医師に負けない病理診断を求められるだろうし、正しい知識で検査値を読み取る力が必要です。さらに数値から患者さんを想像するという一歩踏み込んだデータ解析が必要となります。
また、薬剤師情報の明確なエビデンスを提示するために、日ごろから広く文献に触れておくことも大切だと分かりました。
現段階ではあまり自信はありませんが、将来的にはロジカルに仕事をこなせる薬剤師になりたいと思います。


Eさん

私にとって、薬剤師とは医療チームにおいての司令塔であると思います。どのスポーツにおいても、司令塔は必ず必要な選手であり、どの選手からも信頼されており誰よりもチームの事を把握し、時にはするどくミスを指摘し的確な指示を全体に送る。これは医療チームにおける薬剤師のポジションと全く同じように思います。良い司令塔になるために、必要なものは、知識、信頼、コミュニケーション、判断力、積極性であると思います。この中でも自分が特に足りていないと思うのは、知識、判断力、積極性であると思います。このような要素を向上させていくためにも、日々の授業、研究室での勉強のあり方を見直し、また実習で現場に立った時の的確な判断力、ミスを見つける積極性を身に着け、今の自分を変えていきたいと思います。


Fさん

薬剤師は絶対的に薬に関する事の責任を持つ職種だと考えます。患者さんの相談にのったりすることは、自分に薬に関する知識がないと、あいまいな記憶ではできないと思います。
国試が年々難しくなっているように、社会に求められている薬剤師はどんどんレベルが高くなっていると思います。処方箋通りに薬をただ出すだけではなく、相互作用や薬物動態、患者さんの背景など多くの面から見て、その薬が適切であるのかを考えられなければならないと思います。
病棟薬剤師は投与設計の計算も必要になるので、薬知で習うことを頭に入れるのはもちろんのこと、薬剤で習ったことも自分で理解し、使いこなせるようにならないといけないと思います。他の教科についても同じだと思います。国試に受かるのがゴールではなく、医療は日進月歩なので薬剤師はこれから向上心を絶やすことなく日々学ばなければならないと思います。
知り合いの薬剤師さんがよく言うには、薬剤師の地位は低く、疑義照会で勘違いを指摘するとおこる医師もいるらしく、電話もかけなければいけないけどあまりかけたくない。と思うそうです。これからは薬剤師が薬の専門家として自信を持ち医師に対等に薬についての相談を堂々とできるよう、変わっていくべきだと思います。


Gさん

  私が薬学生になってから良く感じるようになったのは、おじいちゃん、おばあちゃん、バイト先の友人など医歯薬関連でない人々は自分が飲んでいる薬の意味などほぼほぼ考えず、言われたとおりに飲んでいるだけということです。
 薬剤師は患者さんに直接薬を渡す最終段階に位置するので、薬の意味を教えてあげたり、注意する事とか、自分たちが間違えていないかチェックしたり、といった役割を担っていると思います。お年寄りには何回も何回も言うのが大事だと思います。
 薬の一般名と商品名をどっちも覚えるのが大変なので、一般名に商品名を統一した方が良いと思います。商品名長くなりそうだけど、ミスも減ると思います。
 これから薬剤師の数はどんどん増える予定だけれど、増えたら増えたで役割分担して、専門性を高めればいいと思います。
 30までに子供を産み終えて、子育てしつつ薬剤師の仕事がしたいので、シフト性になったらブランクなしで働きつづけられるなと思います。


Hさん

私は薬剤師は、患者の立場により近い医療従事者だと思います。私が薬剤師を目指すきっかけとなったのが虫垂炎で入院した際に、私の担当だった病院薬剤師の方に優しくして頂いたことでした。麻酔の危機が悪く、術後の痛みがひどかった時など、幼かった私は忙しそうな医者にはなかなか言えず、担当薬剤師の方が比較的若く、また医者じゃないという点で、私にはとても身近に感じられました。
 様々な職業があり、そのどれもが大切だと思いますが、私達の意識の中でやはり医者という職種は別物のような気がします。薬剤師は病気や身体の知識については、もちろん医者に劣るかもしれませんが、薬に関しては医者よりも知識を持ち、患者から親近感を持ってもらえる、そんな職種だと思います。


Iさん

私は薬剤師が、患者さんや医療従事者を含めたすべての人の「相談役」だと考えます。薬剤師として、私たちは薬のことだけでなく医療のこと、衛生管理のこと、食事や栄養素のことなど、様々な分野を学んできました。「薬剤師はまちの科学者」とはよく言われますが、理系のうちほとんどすべての生物および化学分野を同時に学ぶのは私たち薬剤師くらいではないかと思います。しかし「化学者」と言ってしまうと、自分の研究にばかり目を向けているイメージが強いので、私はあえて「相談役」の薬剤師としました。相談は自分と相手がいて成立するのは言うまでもありません。薬剤師はこれから薬剤師としての知識を医療・衛生に関することばかりでなく、もっと広い分野での「相談役」になれるのではないか、と考えます。そのためには、これからの薬剤師である私たちが薬剤師として学んだすべてを吸収して、活用できるよう、より勉学にはげみ、また学校生活を通してコミュニケーション能力を向上すべきだと思います。


Jさん 

薬剤師とは患者さんと触れあう機会が少なく、医療従事者として一番患者とは離れているように見えて、一番薬を媒介として密接に関わりあっている存在だと思います。
 医者と患者さんが進む方向を審査する門番(関所?)のような存在です。進む道が誤っていないか、間違っていなくても、それが本当にベスト、もしくはよりベターなのか審査し助言することで道を正す役目を担っていると思います。
 これからどう変わるべきか?
正直、失礼ですが日本の薬剤師の存在は”薄い”と思います。人気のある医療系のドラマで医者や看護師はよく出ているのに薬剤師役をほとんど見たことありません。
 まずは薬剤師ってこんな人だよ!!医療に欠かせない重要な存在なんだよ!!って知ってもらえないといけないと思います。(あまり職業柄、主張しすぎてもいけないのでほどほどに・・・)知ってもらうのは患者ではなくても、少なくとも医者や看護師に必要と思われること、そのためには薬剤師にしかできない薬と体の観点から極める事。例えば、効果がないとき、効きすぎるとき、きちんと飲んでいるのか、飲み合わせがよくないのかとか”病”ではなく”薬”が原因と気付くのは薬剤師なのかなと思います。
  飲み方、意外とみんな適当です。親族の方を見ても、水以外で飲んだり、ひどい人は友達からもらった病院の薬を使う人も!


Kさん

病気を治す医者(医療関係者)と病気と戦っている患者の間をとりもち、患者によりそう職種だと思う。腫瘍を小さくしたかったり、検査値を下げたい医療関係者と、今苦しんでいる症状を抑えたい患者の間には関心の違いや重きをおくところの差が出てくると思う。医者や看護師には言いづらいことを(副作用や薬の選択についての不安)、薬のうけわたし時などに少しでも話してもらえるような関係を築くことができれば、アドヒアランスの改善や、より患者のQOL向上に向かった医療に貢献できると思う。
私の祖母は、今もらっている薬が何の薬なのかに興味をもっているが、忙しそうな薬剤師に聞けない、また、半錠のむようにといわれている錠剤を割るのが難しく飲むのが億くうだけど薬剤師にがまんしろと言われた、と不安なことをたくさん私に教えてくれる。1日に多数の患者に服薬指導をする薬剤師からすると、ほんのささいなことに思えるかもしれないが、患者からするとその1つ1つが重要で、今後のアドヒアランスやQOLに関わることなので、そういうささいに思える1つ1つの問題を丁寧に扱うことが大事だと思う。処方を正して薬害や医療事故を未然に防ぐ、化学者としての意識をもつことも、また、大切だと思う。
研究者であり、よりそう人であることは、多忙な業務の中では難しいことかもしれないが、そんな薬剤師になりたいと考えている。

 


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今年の国家試験を見ていてとんでもない問題が出ているので驚きました。す。それは問334です。じっくり見てください。

第100回薬剤師国家試験問題(2015年

問334

65歳男性。体重72kg。非弁膜症性心房細動との診断で下記の処方薬を服用していた。数日前から、めまい、ふらつき、冷汗、手の震え、軽度の意識障害にて昨日入院となった。本日病室を訪問した薬剤師は、下記の処方薬を日頃欠かさず服用していたことを付添いの家族から聴取した。また、カルテから入院時検査結果が血清クレアチニン値は2.0mg/dL、BUN は39mg/dL、空腹時血糖は40mg/dLであることを確認した。

シベンゾリンコハク酸塩錠100mg   1回1錠(1日3錠)
ベラパミル塩酸塩錠40mg  1回1錠(1日3錠)
ニコランジル錠5mg1回1錠(1日3錠)  1日3回 朝昼夕食後
ダビガトランエテキシラートカプセル110mg 1日1カプセル(1日2カプセル)
ニフェジピン徐放錠10mg (12時間持続)    1回1錠(1日2錠)1日2回 朝夕食後

担当の薬剤師は、入院時の不快症状と検査値から薬の副作用を疑い、医師に薬剤の変更を提案しようと考えた。該当する薬剤はどれか。1つ選べ。

1 シベンゾリンコハク酸塩錠
2 ベラパミル塩酸塩錠
3 ニコランジル錠
4 ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル
5 ニフェジピン除放錠

 

まず血清クレアチニン値は2.0mg/dL、BUN は39mg/dLであることから明らかに腎不全。腎機能低下による有害反応は肝代謝型薬物のベラパミル塩酸塩錠、ニコランジル錠、ニフェジピン除放錠では起こりません。これで選択肢は1か4になります。だけどどちらも超ハイリスク薬です。

ただし起こった有害反応は「めまい、ふらつき、冷汗、手の震え、軽度の意識障害」しかもご丁寧に空腹時血糖は40mg/dLとくれば、問題なくシベンゾリンコハク酸塩錠が正解になるはずです。比較的やさしい問題だけど、ダビガトランエテキシラートも腎排泄でCCr<30mL/min未満の患者には禁忌です。じゃあ念のためにCCrを計算してみましょう。CCrの計算にはCockcroft-Gault式を用いればいいですね。体重は計算しやすいように72kgになっています。

推算CCr={(140-年齢)×体重×0.85(女性)}/(72×血清Cr値)

    ={(140-65)×72×0.85(女性)}/(72×2.0)=37.5mL/min

CCrが30以上あるから投与しても問題ない・・・・

じゃないです!腎排泄型のハイリスク薬は腎機能の推算結果だけで投与の可否を簡単に線引きしちゃいけません!

ダビガトランは2011年にワルファリン以来50年ぶりに発売された新規経口抗凝固薬ですが尿中排泄率85%と非常に高い薬物であるため、発売後半年間に、腎機能の低下した高齢者が23名出血死した超ハイリスク薬です。

添付文書を見ると腎機能正常者に比べCCr<30mL/minの重度腎障害患者ではAUCが6.3倍、半減期が13.4hrが27.2hrに延長しています。ということから「透析患者を含む高度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者では本剤は主に腎臓を介して排泄されるため、血中濃度が上昇し出血の危険性が増大するおそれがあるため投与禁忌」になっています。

AUCが6.3倍になるのならCCr<30mL/minでは常用量の1/6以下の50mg/日以下にすべき薬ですが禁忌になってますが、CCrが30mL/minであれば220mg/日投与できるのです。ハイリスク薬なのに大胆すぎる投与設計なので怖い感じがしています。それとCockcroft-Gault式をよーく見直してください。これって体重が2倍になると腎機能は2倍に推算されちゃいますよね。

推算CCr={(140-年齢)×体重×0.85(女性)}/(72×血清Cr値)

つまりCockcroft-Gault式は肥満を考慮していないのでに示すように体重の影響を強く受けます。

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ということはこの患者の身長は不明ですが、本来は肥満患者では身長から理想体重をを算出して入力すべきです。160cmだったら理想体重は56.88kgになり、腎機能は29.63mL/minに計算され禁忌になります。150cmだとしたら理想体重は47.83kgになり、腎機能は
24.91mL/minに計算されます。非常に危ない投与になります。

処方をもう1度見直してもらえますか?相互作用は考えられないでしょうか?心房細動では当たり前のように併用されるレートコントロール薬のベラパミルが投与されています。ベラパミル錠は120mg/日をジゴキシンと併用するとおそらくジゴキシンの血中濃度は1.5倍になるため、私が薬剤師時代には、あらかじめジゴキシンの投与量を2/3に減量することを医師に提言してからベラパミルを投与してもらっていました。そうです。ベラパミルにはP-糖タンパク阻害作用があり、ジゴキシンもダビガトランもP-糖タンパク質の基質なのです。ではダビガトランの添付文書の記載を見てみましょう。

以下の患者では、ダビガトランの血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮し、慎重に投与すること。

・中等度の腎障害(クレアチニンクリアランス30-50mL/min)のある患者
・P-糖蛋白阻害剤(経口剤)を併用している患者

[「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「相互作用」の項参照]

以下のような出血の危険性が高いと判断される患者では、本剤1回110mg1日2回投与を考慮し、慎重に投与すること。

・70歳以上の患者
・消化管出血の既往を有する患者

 ご覧のように「70歳以上の患者は出血の危険性が高いため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮し、慎重に投与すること」ということも添付文書に書かれていますが、本症例は65歳です。これも安易に線引きしていると思いませんか?それから「中等度の腎障害は220mg/日に減量」かつ「P-糖タンパク質阻害剤(経口剤)を併用している患者は220mg/日に減量」の患者には何mgにすべきでしょうか?220mg/日でよいはずはなく、これは投与禁忌と考えるべきでしょう。

さらにさらに、カナダの添付文書では日本と同じくCCr<30mL/minは禁忌になっています(なぜか米国は減量して投与可能)。ただし日本の血清Cr値は正確な酵素法により測定しているためCCrの正常値は120-130mL/minであるのに対し、血清Cr値が酵素法より0.2高いJaffe法によって測定している国のCCrの正常値は100mL/minです。すなわち海外でCCr<30mL/minで禁忌なら30mL/minをやや超えている日本の症例も明らかに禁忌と考えるべきです。

私はここで減量・投与すべきでないことばかり書きましたが、経口抗凝固薬は投与量を少なすぎて出血が起こらなければよいという種類の薬ではありません。致死的な血栓症を抑えなくては意味がありません。つまりこの薬の有効治療域は「出血と梗塞の間」なのです。多すぎても少なすぎてもダメで、上手にコントロールする必要があります。

経口抗凝固薬は超ハイリスク薬です。腎機能が低下すると同様に血中濃度が上昇するアレグラやセフゾンのような安全性の高い薬物とは一緒にしてはいけません。CCrが30mL/minあれば投与できる、29mL/minでは投与してはいけない、あるいは69歳だったら300mg/日、70歳なら220mg/日というような簡単に線引きができる薬でもありません。

いずれにしてもこの問題が過去問として国家試験対策用の問題集に載り、薬学生だけでなく薬剤師までもが、「国家試験に出るくらいだからダビガトランやティーエスワンはCCrが30mL/min以上なら何も考えずに投与しても問題ない。相互作用も重要じゃないんだ」と思ってしまうことを予想するとぞっとしてしまいます。

 


sokisonin01.jpg2013年11月20日CKDチーム医療研究会での佐中孜先生(社会福祉法人仁生社江戸川病院生活習慣病CKDセンター長、元東京女子医科大学東医療センター腎臓内科教授)と話して

佐中先生:「平田先生、OTC薬のネット販売、この中にはロキソニンSというNSAIDも入っているけど、どう思うかね?」

平田「まあ、離島の人もいますからね。必要性はあると思います。」

佐中先生「しかしOTC薬といっても痛みのある高齢者が毎日、ロキソニンSを3錠、欠かさず飲んだらどうなります?」

平田「高齢者だと虚血腎になり、腎機能が低下しますね。私も透析導入になった人の導入原因を探していると、腎炎も糖尿病もない、悪性の高血圧もない。なんでこの人は透析導入になってしまったのだろうと調べてみると、整形外科の処方のNSAIDを2~3か月毎日飲んだために急性腎障害になって、それが慢性化したということはよく経験しましたね。高齢者の膝関節症などで単なる痛みどめ目的で、いきなりロキソニン3錠を30日分投与して、血清クレアチニンをモニターしないのは問題ですね。」

佐中「多くの腎臓内科医や透析専門医が経験していることです。特にNSAIDを2~3か月毎日連用した人が『最近食欲がなくて全身倦怠感がある』と訴えて内科医へ受診したときには『透析しなくちゃいけない』ってことはよく経験します。」

という話をした。

高齢者だけならまだしも、高齢者でACE阻害薬やARBなどのレニン-アンジオテンシン系阻害薬や利尿薬を服用している患者(これらも腎虚血原因薬物)、高血圧患者・糖尿病を合併した患者(動脈硬化を併発し腎不全になりやすい)ではNSAIDsを連日服用すると急性腎障害になってしまう患者は必ず現れます。

1回のネット販売量を規制し、連続した購入を規制できるシステムができたとしても楽天とDeNA、アマゾンと3社から同時購入した場合、相互のチェック機能がない限り、ロキソニンSのようなNSAIDをネット販売することは、非常に危険だ。

ガスター10でも腎機能が低下している人が胃がよくならないからといって1日2錠飲むと汎血球減少を起こすことがあることはよく知られた話です。適正使用しなければ生命を脅かす可能性のあるOTC薬はほかにもあるはずです。

適切な情報も与えられずにネット販売で購入したOTC薬によって死に至ったら、楽天の三木谷社長は全責任を取ってくれるのでしょうか?

離島や無医村の人たちのことを考えると私は必ずしもOTC薬のネット販売に反対ではありません。しかし腎臓病薬物療法学会理事長として、適正な情報なしに腎機能を悪化させる薬や、腎機能の低下した方が中毒性副作用を起こす可能性のある薬をモニターできる体制ができていないまま、他社から少しずつ購入できて、結局いくらでも購入できるシステムであれば問題と考えます。「何か体調に変化があったらすぐに薬局に問い合わせてくださいね」という対面販売はやはり必要だと考えます。

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プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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