つぶやき

 40歳の時に、ようやく100床未満の小さな病院でも病棟活動が可能になって薬剤師の仕事に夢中になった。はじめて会う患者さんの情報を下調べし、知らなかった薬や病態について知ることがうれしくて仕方なかった。いろいろと調べ物をしたりスライドを作成したり、発表原稿を書いているうちに、気が付けば最終電車がなくなったので、病院に泊まることになり、それが常習化して、病院に寝袋を持って行って薬局で寝泊りするようになった。でも病院が薬剤師としての仕事ぶりを認めてくれて、給与が上がり、昇進できた。そして自分の部屋を持てるようになったので、折り畳みベッドを買って持ち込んだ。おかげで深夜2時まで大好きな薬剤師の仕事ができるようになり、朝、目覚めて8時半には患者さんの様態を確かめに病棟に行くことができた。そのうち、学会でも認められ(森ノ宮・ピッコロホールで透析患者さん1000人が集まった講演会、レジェンドの秋澤先生と(52歳?))、名前が知られるようになって評議員や理事を務めるようになり、総説や本の執筆依頼が来るようになった。50歳を超えたころには、臨床研究で英語論文を数本書いていたので、まったく基礎実験をすることなく何の苦労もせずに博士号を取れた。そして腎臓の専門家の多い米国オレゴン州ポートランドに国費留学が決まり、熊本大教授に就任することを伝えると、客員教授待遇で留学でき、自分の部屋ももらえた。

 今思うことは、40歳になって仕事に夢中になれたってことは、遅かったかもしれないけれど本当に幸せだっていうこと。自分のこの「夢中になる」性格がギャンブルや変な薬物なんかにはまらなくてよかった。本当に良かった。

 金曜日の夜、論文を書き、図表を作っていると「あ、夜が明けてしまった」ということが今でもある。でも楽しいんだから、ま、いいか。

 35歳の時にゲームのテトリスに夢中になった。ウイークデイなのにテトリスに夢中になって気づけば深夜3時。翌日の仕事に支障をきたすようになったので、これ以降、自分は夢中になりすぎる性格だから、テレビゲームは一切しないと心に誓った。

 油絵にも夢中になった。でもデッサンはまあまあだけど、色彩感覚に劣っていると気づきやめた。

 スポーツに関しては何をやっても駄目だと劣等感を持っていたけど長距離走はあまり運動神経が関係しないと思って始め、27歳(1981年 六甲山の10kmレースで上り坂を走る(27歳))の時にフルマラソンで3時間20分を切れるくらいまで速くなった。運動音痴の僕としては、これはすごいことだったけど、基礎体力が伴わないのに、夢中になって練習しすぎて腰痛、ひざ痛、股関節痛で全く走れなくなった。再びまともに走れるようになるまでに40年近くかかった。70歳の今はなぜか走れるようになりました。60歳以降の記録は69歳の時の4時間20分台なので、運動音痴の僕としては上出来。なので、今も走ってます。

 病院で作った草野球チームで試合に出るようになったが、1年目は打率1割台(1982年 白鷺病院の草野球チームでは1番バッター(28歳))。でも阿倍野のバッティングセンターで毎週、土曜日に300球打ち込んだ。30球で300円だから3000円も毎週使って練習し、4割近くの打率を残せるようになった。これはあらゆる運動、特に球技の苦手な僕にとってはあり得ないくらいの好成績だったけど、マラソンで痛めた脚腰の痛みがひどくなり、断念。

 小学校から中学1年くらいまでは僕の成績は中の下で体育や運動会、音楽なんかは大の苦手だった。おかげでよくいじめられてたので、強いものにあこがれて東宝のゴジラ映画に夢中になった。ゴジラだけではなくすべての怪獣についての知識を身に着けた。

 中学・高校の時にアントニオ猪木に夢中になった。友達にそれを言うと馬鹿にされそうだったので、1人で馬場・猪木を広島県立体育館に見に行った。高校2年の時に猪木は日本プロレスをクビになって独立。新日本プロレスファンになる。これは50歳くらいまで続いた。高校生のころの僕は女子と話すことが全くできなかった。自信が全くなかったから(1972年 自信がなかった18歳のころ)。

 大学生の時にパチンコに夢中になりかけた。でも25歳になるまでに「勝てるわけがない」と知って、全く興味なくなった。

 4年生の時にギターに夢中になった。国家試験の勉強もしたけれどスリーフィンガーの練習も毎日やったっけ(1974年 父が質屋で2000円で買ってきたガットギターを弾く(22歳))。初任給でポールサイモンが使っていた憧れのギルドのギターを買い、その後30万円するTEAC社の4チャンネルオープンリールテープデッキを買ってギター演奏を毎日録音、25歳で40万円するマーチンHD28を買い、つい最近まで弦楽器は30本くらい買ったかも?あ~ぁ、なんという無駄遣い。嫁からも「また買ったの?どこに置くのよ?」と怒られてばかり。だってそんなに上手じゃなかったのに(集め過ぎた楽器類(反省))。 70歳になった現在、独立するためにやらなきゃならない仕事が増えてギターが弾く時間が無くなったため、少し興味は失せたけど、いつ再発するかわからない。

一受講者であっても講演会は演者との戦いの場と思え!

 みなさん、勉強会、研究会、学会に参加する機会は多いですよね。刺激をもらうのはとてもいいことです。刺激されると勉強する意欲がわきますから。でも大学の講義と同じで、「一番後ろで目立たないようにしとこ!」と思っていませんか?自分で交通費や参加費を使ってせっかく来ているのに、後ろの方の席じゃもったいない。ライブでは前の方が一番見やすいし、エキサイティングでしょ?

 でもなんでなんでしょう?薬剤師の学会では前の方のしかも中央の数列にはだれも座っていない。なんで?素晴らしいプレゼンをしていただいた講師に対して誰も質問や、感想を全く発言しない。仕方ないので座長がおざなりの質問をする。結局、全く盛り上がらない講演になってしまう。医師の学会ではマイクに列ができるのに、なんで薬剤師の学会ってこんなに静かなの?活気がないの?そのかわり、講演が終わると質問するために列を作る。なんで座長に促されたときに質問しないの?

 僕は若い時にメンターから講演会を聞きに行ったときでも、受け身になっていてはいけない、質問をして講演会を盛り上げていかないといけない、講演会は演者と座長だけで成り立っているのではないのだから、若い奴が率先して質問しろと教わっていましたし、そのように思っていましたしやってました。

 僕がかつて地域の腎と薬剤研究会を主宰していたころ、研究会開催前に若い委員会のメンバーたちに言い聞かせていたことは以下の通りです。例えば、医師が講演者で何も質問がなければ、おそらく演者は薬剤師を評価しないでしょう。「薬剤師ってこんなにレベルが低いんだ」と思うでしょうから。

 

学会や勉強会は演者と聴衆が一緒に創るもの
~若い人たちに言い聞かせていたこと~

・たとえ1受講者であっても受け身になるな!
・気の利いた質問が思いつけば手を挙げて質問しよう!
・よい内容なのに質問がないと講師に失礼!よい講演会がつまらない講演になってしまう。それは講師に対して失礼だ。
・若手なら最初に手をあげろ!
・参加者1人1人がこの講演会の構成メンバーだよ。この会を盛り上げるんだという気概を持て。
・医師に対して何も質問がなかったら「薬剤師ってこんなもんだ」と思われるか、「ひどい講演をしてしまった」と落ち込ませるかのどちらかだ。

 

勉強会のスタイルを変えたい
~質問がなくて当たり前?~

 いかがでしょう?平田の薬剤師塾でも僕は時々、「熱いディスカッションをしましょう。質問をしてください」と言いますよね。

 これからもたぶんずっと、僕は言い続けると思います。熱いディスカッションがあればオンラインであっても面白い講演になると信じていますので。そして質問していただいた方、1回だけでは記憶力の悪い僕は名前と顔を覚えられませんが、何度も気の利いた質問をしてくれると「この人はすごい!」と期待します。

人前で発表するチャンスがあるということ

 学会発表では多くの人が発表者であるあなたを見ています。初めての発表は完璧じゃなくてもいい。人前に曝されるのだから、何度も失敗したくないでしょ。そのためにさまざまな工夫をするでしょ見られる機会が多ければ多いほど、工夫を繰り返したあなたのパフォーマンスは日々、確実に向上するのです。

 これは学会発表だけではなく、論文でも一緒です。先輩やメンターに見てもらい、修正・確認を繰り返して恥ずかしくないものを残したくなる。だって論文はあなたが書いたものが生涯にわたって残るのですから恥ずかしい内容のものは残したくないじゃないですか。こんな繰り返しが研究者としての成長を促すのです。

 これってギターがうまくなるかどうか、ダンスがうまくなるかどうか、サッカーがうまくなるかどうかでも一緒じゃないかなと思います。1人だけで練習してもうまくならないけれど、人前で演奏したり試合やコンテストに出場する機会があると上手になれる。コツは月に1回だけ1日8時間練習するよりも、毎日10分ずつでも練習するとうまくなる。10分しかできなくても集中し、工夫をすれば必ずうまくなる。その10分は通勤時間でもいい。通勤時でも質問対策や発表の内容のチェックを繰り返す。「こんな質問をされたら、こう返す」、「あれ、この言い方じゃ初心者にはうまく伝わらないな」、「1枚のスライドで2分も説明したら聞いてる人は退屈しちゃうな」、「表は見にくい!分かりやすい図に代えてみよう」「こんな小さな文字ばかりのスライド、全然インパクトがない!」こんなことをいつも考えて工夫している人(夢中になっている人)は素晴らしいプレゼンテーションができるようになり、素晴らしい研究者になれるはずです!こうやって毎日夢中でやった人だけが本人も気づかないうちに「天才」と呼ばれるようになるんじゃないかな?だって天才は苦労しないものね(苦労してるところを見せないだけかもしれない)。楽しんでいるものね。

 

 医療系Youtubeは出来不出来に大きな差があります。そしてその内容が再生回数と全く相関しないのが難儀です。以前にも言いましたように「腎機能がみるみるアップする○○」という誤った内容はたいてい数十万回再生ですが、本当に素晴らしい医師の講義は500回再生もいかないのです。

 その中で再生回数は数千どまりですが、秀逸なものがあります。それがJCO(ジャーナルクラブオンライン)です図1、図2)。循環器専門医が早朝、定期的に開催している抄読会です。僕が今あるのも白鷺病院で抄読会に参加し続けたからと言っても過言ではないくらい勉強になりましたし、熊本大学でも医師・薬剤師を招いて500回の抄読会を開催してきました(500回の抄読会を終えて -前編- 500回の抄読会を終えて -後編-)。エビデンスレベルの高い論文、多くはthe New England Journal Medicineを詳しく訳していただき、循環器医同士の激しい意見交換。重城健太郎先生、柴橋先生、阿部拓朗先生、最高です。循環器医の深い洞察力はすごいのですが、腎臓や薬学などの他分野はあまり強くないのが、人間らしくてまた、いいのです。

 

 

 

 僕はマラソンのトレーニングでトレッドミルを使って1~2時間走りますが、その時にYoutubeをよく見ます。初心者や患者さんにわかりやすく説明できるようになるにはわかりやすい下記のYoutubeは参考になります。皆さんも通勤時などに有用なYoutubeを見て自己研鑽してみませんか?

 JCOはレベルが高すぎるという方には以下の分かりやすい医療系のYoutubeがおすすめです

うし先生:循環器医でわかりやすいし、親しみやすい

ゴロー/イラストで学ぶ体の仕組み:なんといっても分かりやすい。ナース向けかも?初心者にはこうやって説明すればいいん分かりやすくなるってことが分かってくる。

ネコかん【ネコヲの解剖生理学】:これもナース向けでとってもわかりやすい。          

かんたん薬理学:鹿児島の薬局薬剤師笹川大介先生は薬理には強い。そして分かりやすい。幅広い知識を持っている。

1月17日(金)開催の第43回基礎から学ぶ薬剤師塾「慢性心不全とその治療薬~これからはFantastic Fourの時代~」についてでした。
I&H株式会社・スギ薬局の援助で開催される薬剤師塾は平田の定年退職に伴い、3月で終了します。4月以降、薬剤師塾を持続するにはサポートしていただける会社の援助がなくなり私の収入もなくなりますので、無料での運営はやりたいけれどもできません。
ただし有料でも聞きたいという方があれば続けたいと思っています。
でもこれまでの会社の都合がなくなることでよくなることもあるかもしれません。
今のところ、変更できる点でよくなることは以下の5点です(できないこともあるかもしれませんが)。

①開始時間を金曜の20時から開始できる
②スライド資料を事前に配布できる
③再放送も1週間くらいなら何度も見れるようにする
④初心者コースとアドバンスドコースに分ける
⑤可能であれば研修シールも入手する

上記の変更点以外に何か意見があれば教えてください。
ということで、今回は参加者の皆様に終了後のアンケートを強くお願いしてみました。25人の方々から以下のようなアンケートの回答をいただきました。
アンケート結果は以下の通りです。全く原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます(個人名は削除しました)。



2025.1.17 第43回基礎から学ぶ薬剤師塾 参加後アンケート


1.大変勉強になりました。継続、よろしくお願いいたします。


2.迫力ある


3.心不全について最新の情報を整理することができました。
ありがとうございました。今後も継続していただけると大変ありがたく思います。


4.心不全の治療がよくわかりました。


5.難しく理解できないこともありましたが、勉強になりました。4月以降も是非勉強させていただきたく思います。


6.大変参考になりました。参加費が発生しても、これからも続けて頂きたいと思います。


7.心不全も勉強している領域なので良かった時間の都合がつく時は毎回拝聴しております。先生の講義はいつも勉強になり、日々の服薬指導などに活かしております。
有料になっても継続していただきたいですが、時間の都合がつかないこともあるため2部構成やリマインドにするなど参加できる枠を増やしていただきたいです。質問したいこともあるためリアルタイムだとより幸いです。


8.CRFに対するsglt2阻害薬の有用性がよくわかりました。どんな形であれ今後も平田先生のご講義を通して研鑽して行きたいと考えます。
有料でもコンテンツがあればありがたいです。
一定期間見返せるような動画だと嬉しいです。ご検討お願いいたします。


9.わかりやすい講義をありがとうございました。また来月もよろしくお願いします。今後の運営方針の希望です。
金曜日の20時以降だと助かります。ただ、ズーム配信してもらえると本当に助かるため、ズーム配信などのネット配信も希望しています。1週間ほどで構いませんのでその期間内は見放題だと嬉しいです。
テキストはPDF形式にするなどしてメール送信していただけると助かります。
料金は有料でもいいと思います。初級・中級コースを設立するなら、どちらも受講したいです。
ご検討のほどよろしくお願いいたします。ぜひ、今後も参加していきたいです。


10.今回もいろいろと勉強になりました。しっかり復習します。4月以降も続けていただけると嬉しいです。
参加しやすい時間の開催だったり、オンデマンドもあると最高です!料金がかかっても参加します。


11.非常に良かったです是非とも継続してほしいです。
18:30からは厳しいので、20時からや土曜の夕方からは大賛成です。オンデマンドや追っかけ再生があると尚いいです。講習費用は有料で問題ないと思います。


12.非常に楽しく勉強させていただきました。いつもありがとうございます。チャットにも少し書かしてもらいましたが、本当に素晴らしい勉強会だと思いますので、なんとか続けていただける方向でお願いしたいです。
色々な単位なども欲しいですが、縛りが出てきそうなのでそんなのとは関係なく、先生のお考えを比較的自由にしゃべってもらえているとおもっており、語り口調で聴ける講演会が楽しみでした。開催に関してお金がかかるのは当然で仕方ありません。スポンサーがつくとお金の心配は減るかもしれませんが、やはり縛りが出てきそうなので、参加費は必要経費と考えます。先生の熱を感じれる機会をいただきたいです。


13.HFpEF とHFrEFのイメージが、掴めた気がします。
ありがとうございました。土曜日の午後は薬局営業中ですので、平日の夜だと嬉しいです。
薬局が混雑すると8時過ぎまで業務中のこともあります。後日オンデマンドで視聴できると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。


14.循環器領域はすごく難しいと感じてしまいますが、荷馬車の例えはものすごく理解の手助けになりました。
また、ヘフやペフについても解説いただきありがとうございました。
カルテに暗号のように記載されており、その意味がようやく理解できました。
これからは、ヘフなのかペフなのかという視点からも処方内容について考えてみようと思いました。
本日もありがとうございました。有料でも参加したいと思っておりますので、平田先生是非とも勉強会を継続していただきたいです


15.今日も勉強になりました
4月以降も続けて頂けるとうれしいです


16.非常にわかりやすかった。
心不全は用語が難しくなかなか勉強が進まない分野でしたが、図と説明でかなり理解が進みました。もっと自分の基礎知識があれば、さらに有効的に今回の講義を活かせたのではないかなと悔やまれました。
腎臓の勉強もある程度しておりましたが、もっともっと勉強が必要だと奮い立つきっかけとなりました。
事前に資料をダウンロードできたりすると、予習や、わからない用語に関して事前に勉強し聞き逃しなども防げたのではと思いました。感想にも記載しましたが、事前に資料をダウンロードできるようにしていただき、予習できたらより先生の講義が深く学べるのではないかとおもいます。
初級、中級上級などのレベル別講座にして頂けるとありがたいです。
非常に勉強になり、まだまだ先生から学ばせて頂きたいので有料になったとしても是非存続して頂きたいです。
書籍も出してほしいです。


17.心不全について難しかったですが勉強になりました。研修会についてですが参加費の徴収賛成です。逆に今まで無料で講義を受けられていたことがあり得ないくらいで毎回有難く受講させて頂いていました。参加費を払ってでも平田先生の講義を受けたいです。今後もぜひ続けて頂ければ嬉しいです。講義の内容で初級編、中級編、上級編など分けられた場合、自分は間違いなく初級ですがその場合でも他のレベルの講義も受けられれば良いなと思いました。


18.SGLT2阻害薬の色々な作用を学び、服薬時の丁寧な説明を心掛け副作用による処方中断を回避したいと思いました4月以降も続けていただきたいです。再放送があれば都合も付きやすくなります。


19.勤務が超高齢化地域の秋田県の地方病院なので、90才以上の慢性心不全の患者さんがたくさんいます。血圧が下がりすぎたり、利尿が期待していたよりもかからなかったり、腎機能が低下したり、と日々なんでだろうと思っていたことが、本日の先生の講義ですこしずつわかってきました。医師の方たちとディスカッションできるよう知識を蓄えたいと思います。本日もありがとうございました。平田先生のご提案にありました有料化に賛成です。テキストがあったらとてもうれしいです。塾の開催時間に関しましては、今まで通りでも大丈夫です。これからも平田先生の塾で勉強したいので、継続をどうかお願いします。


20.心不全について、基礎的な内容から一歩踏み込んだ内容まで、この時間で学ばせていただくことが出来ました。ありがとうございました。私は、平田塾が無料という今までが特別だったのだと思います。有料であっても、今後も参加させていただきたいと考えています。本日のご講演の中で仰っていた基になるテキスト(書籍)があれば、事前の予習・後日の復習にも有用だと思いますので、是非販売していただきたいです。


21.SGLT2と貧血の関係を知ることができて、非常に勉強になりました。
もう少し、掘り下げて自分でも勉強してみたいと思います。
また、低血圧に関して、非常に多くの質問がありましたが、私も、「どのくらい」が知りたかったので、参考になりました。
薬剤師の多くが、医師に疑義照会すべき、ラインを考えるために勉強していると思いますが、学会で、平田先生のセミナー(多分、ランチョンセミナー)を聴講し、もっと知りたくwebで検索し、薬剤師塾を知りました。改めて、機能形態・解剖学から学ばないと、平田先生のご講義がしっかり頭に入りきらないことに気がつきました。
自分で勉強すべきであり、以前先生にお教えいただきました勉強の方法なども、念頭には置いておりますが、可能であれば、「平田先生の解釈」にて学ばせていただければ嬉しく思います。
前々回に、質問(要望)しましたことを、盛り込んでご講義いただいたこと、非常に嬉しく思いました。
今回は、多くのことを理解し、納得できた講義でした。ありがとうございました。


22.SGLT2阻害薬、ARNIは出来るだけ継続したいことがわかりました。患者さんが血圧が下がるとやめたがられることがあるのですが、大丈夫だと服用を始めるときにきちんと説明したいと思いました。参加費は、おいくらぐらいになりますか?1年間で2,000円ぐらいでしたら大変ありがたいのですが、難しいでしょうか。19:00までの勤務なので、19:30開始を希望します。


23.以前の講義と重複する内容でも丁寧にお話し頂けて有難いです。1回の講義ではなかなか理解しきれない部分も繰り返し聞くことで理解が深まります。今後、テキストがあるとメモする内容が減らせ復習もしやすくなるため嬉しいです。本日もありがとうございました。・4月以降、テキストと再放送のある講義ならとても有難いです。有料は気になりません。より幅広い内容を対象にして頂けるのは嬉しいです。ぜひ継続をお願いします。
・講義の申し込み期間が予めわかると(or講義前日・当日でも申込可能であれば)申込不可となって受講できないことがなくなり助かります。
・Zoomを閉じてしまいアンケートに回答できないことがあったので、以前のようにメール配信いただけるとより回答しやすいと思いました。


24.各薬剤の特徴、注意すべき副作用等分かりやすく出来ました。いつも大変勉強になります。継続して開催していただきたいです。テキスト配布等あるととても嬉しいです。


25.質問に対する丁寧な回答、ありがとうございます。
心不全の際の低血圧にあたり、症状と薬剤継続の可否についての考え、ご教示頂きありがとうございました。今後もぜひ続けて頂きたいですし、学ばせで頂きたいです。
先生の講演から、本当に沢山のモチベーションを頂いています。
参加費の徴収で運営費がまかなえるのなら、行って頂きたいです。
運営に携わるには技術が無く、その他に何か出来る事があるかはすぐには思いつかず…申し訳ありません。
金曜日18:30?は、都合付かず参加出来ない事がありました。後からでも学べる機会かあるとありがたいです。


以上です。ご回答、ありがとうございました。今後の薬剤師塾の運営の参考にさせていただきます。

もっといい本を書きたい。もっといい講演をしたい。
もっと高いレベルの薬剤師になりたい。僕にはまだまだ伝えたいことがある。
そして僕はまだまだ知らないことが多すぎる。だからもっと学び続け、新しい発見をし、それをわかりやすく皆さんに薬の使い方、薬の効き方、病態と薬の関係について伝えたい。

昨年、70歳になった僕。
僕も若い時には「これからは若い者の時代だ、年寄なんか引っ込め!」と思ってた。
若い人たちには僕はなんと、迷惑な存在なのだろう。でも実際に、僕はまだまだ若い人たちには負けてない。
年功序列だけで上がってきた人じゃなく、たたき上げでここまできたからね。
学者じゃなく職人になりたいと今でも思ってる。
薬剤師のレベルを上げようとする情熱が、若い人たちには足らないんだ。
薬剤師の学会、そして勉強会、なんで熱いディスカッションをしないんだろう。
医学系の学会なら質問がないなんてことはないはずなのに、なんで薬剤師は冷めているんだろう。

僕は自分の気持ちの中に熱いものがある限り、走り続けます。
若い者に次々と抜かれない限り、僕は引退しない。
若者たちよ、くやしかったらこのおいぼれを抜いてみろ!
平田は今年も走り続けます。もっともっと走り続けます。

「たたき上げ」で調べてみるとこんなフリ-素材があったけど、「努力」じゃないな。「努力」じゃなくって「好奇心」「興味」かなと思う。だって「努力」は続かないし、つらいもの。でも何かをやり遂げるときにはある程度の辛抱強さは必要だよ。

 

 マラソンは長い。僕らの年齢では4時間以上、ずっと心拍数160で走り続ける過酷なレースだ。そして30kmを超えると脚と足の全ての関節が痛む。だけどどんなに長くてもゴールはあるし、走り続ければそのゴールに近づく。そして長かった分、感じることのできる完走後の達成感。このために僕は数か月間、休むことなく走り続けたんだよ。土日は必ず20-30kmのLSD(これは幻覚剤じゃなくってLong, Slow, Distanceの略でゆっくり長距離を走るスタミナ練習、僕はこの時間を無駄にしたくはないので走りながらイヤホンで英会話や医学・薬学英単語を繰り返して聞いている)をやったんだよ。坂道ダッシュやペース走も、こんな年で無理してやったんだよ。食べたいものは我慢して炭水化物制限ダイエットを2か月近く続けてレースのために体重を5kgも落としたんだよ。だけど順位なんてどうでもいい。「やり遂げた」という気持ちを味わいたいから。この年になってもこのきついフルマラソンを完走できたんだということを心の支えにしたい。これは普段の生活や仕事にも当てはまる。嫌だけどやらなきゃいけないことが目の前にたくさんある。それから逃げるんじゃなく、工夫してうまく向き合い、何とか超えてゆくんだ。同じじゃないかな、スポーツも仕事も。レースの結果が悪くってもいい。苦しい練習を積んだんだというプロセスを大切にしたい。今回の結果がよくなくても今後の自分の成長にきっと役立つから。

 きつい練習だけど、外に出るといつも神戸の穏やかな海が見え、振り向けば六甲山が見える。日本全国、旅をしながら旅先の景色を見ながらのランニングもとても気持ちいいし、その後のお風呂やサウナは最高だ。膝が治って69歳になってもなお、健康で走れるという喜びは何にも代えがたい。「目指せ大阪マラソン市民アスリート(1,500人)」という枠が大阪マラソンにはあって40歳未満の若い人はサブスリー、60歳代は3時間50分以内、そして70歳以上では4時間30分以内で走れば先着順で抽選しなくても走れるらしい。これを目指したい。だから70歳になってもマラソンはやめられないね。

 学会に参加するといつも熊本のランニング仲間が声をかけてくれる。「日曜日の朝6時集合で走りましょ」。今年も10月の日腎薬名古屋大会では名古屋城まで仲間と走り、11月の医療薬学会仙台大会では青葉城まで仲間と走って朝焼けを見た。職場にはI&Hランナーズというランニングクラブがあって、定期的に長居公園や淀川河川敷での駅伝やリレーマラソンに参加する。距離は3-5kmなので、いつもよりハイペースの5分/kmと僕にとってはかなりのハイペースなので死にそうなきつさ。でも走った後には居酒屋でビールで乾杯!あ~、もう、最高!生きててよかった。

 ということで2023年11月19日の神戸マラソンは60歳代で4時間25分19秒(平均ペース6分12秒/km)でした(写真)。去年の神戸マラソンより22分速く、9月の網走オホーツクマラソンよりも10分速く走れました。いつもは65kgある体重を59kgに絞ったのでやつれて見えますが、中身は元気です。

 6分/kmで走り続ければ4時間13分、5分40秒/kmで走れば4時間の壁を超えられる。70歳で4時間の壁を超えられれば、本当にすごいと思う。

 あれは小学校の3年か4年の時だった。体育の時間に50m走の初めてのタイムを取った。僕は足が遅く、運動神経もとても鈍いので嫌だったけど、全員、1人ずつタイムを取った。結果は11秒で、女子で一番遅い子と同じタイムだったので、恥ずかしくて死にそうだった。すごく嫌な思い出だったし、小学校からや高校になるまで運動会やクラスマッチなどが大嫌いだった。できることなら学校を休みたかったが、そんなことのできる時代ではなかった。中学の3年間、僕は宮原1丁目に住んでいたので、中学のある13丁目まで歩いていかねばならず、重い革のカバンを持って、よれよれになりながら通学していたことを思いだす。高校の3年間は人前で話をすることが全くできない、女子と話をすることなんて全くない暗い学生時代を送っていた。

 でも中学時代の遠距離通学がよかったのか、中距離や長距離は早くはなかったが人並みに走ることができるようになった。

 運動神経が極めて鈍い僕が人並みにできるスポーツなんてないと思ってたけど、人並みに走れたのがただひとつ長距離走だったから、薬剤師になってから白鷺病院の仲間と、マラソンに参加するようになった。初めてのマラソンは4時間くらいかかり歩きもしたけど、フルマラソンは練習を積むと3時間20分台ではいつでも走れるようになった。28歳の時には3時間20分を切ることができた(写真)。目指すはサブスリー、3時間切りだったけれど、左ひざの故障、股関節(今から思うと大殿筋痛)の故障で走れなくなった。もうそろそろいいだろうと30歳代、40歳代とフルマラソンにエントリーしたが膝が痛くてリタイアするか、最後まで歩くと6時間以上かかった。もう一生、フルは走れないんだなと思った。2012年、熊本市が政令指定都市になったのを記念して僕が59歳、熊本大学教授の時に第1回熊本城マラソンが開催された。「走ってみたい・・・・。」でも左膝は数km走っただけで、痛む。熊本城マラソンの制限時間は7時間だ。時速7kmで歩けば6時間でゴールできる。来る日も来る日も時速7kmの早歩きの練習をした。そして2016年2月、61歳の時、6時間2分で完走ではなく完歩した。この時から毎年熊本城マラソンに毎年参加、膝が痛くなるまではゆっくり走り、痛くなったら歩くというスタイルで徐々にタイムがよくなり順位も60歳代では平均より上になってきた。そして2020年、コロナ禍の直前の2月、豪雨の中、靴が水浸しになって豆がつぶれそうになったため、妻に30km地点に靴を持って来てもらい履き替えたロスがあった。熊本城の最後の坂はいつものように心が折れて歩いしまったが、5時間16分でゴール。

 2020年3月に神戸に引っ越してから、通っているジムで、フルを2時間30分以内で走るランナーのKさんにパーソナルトレーナーをお願いした。教わることはとても貴重なものばかりだった。まずはフォームの矯正をしていただいた。

 ①猫背にならないよう
 ②1秒間3歩のピッチで
 ③足趾で地面をつかむイメージで
 ④脚を高く上げるとストライドが伸びる
 ⑤腕を強く振る(というより強く引く感じ)
 ⑥顎を引く
 ⑦レースの時は塩熱サプリを摂る

 これによって7分/km でもひーひー言ってたのが、不思議と6分/kmより速く走っても全然きつくない、おそらく省エネ走法が身に着いたのだと思う。そして68歳での神戸マラソンでは全く歩くことなく4時間42分でゴール。マラソンはいかにエネルギーをロスしないよう、少しずつアウトプットしていくのが大事。だからランナーズハイになって気持ちよくなる5-10kmでのスピードの出しすぎに気を付けた。そして最初はゆっくり6分40秒/kmでそれ以上早くならないよう我慢、そして25から30kmから意識的にパワーアップして、40km以降は腕の振りでスピードダウンを防いで最後までほぼイーブンペースで走った。

 でも翌年2月の大阪マラソンはたっぷり練習を積んで絶好調だったが、頑張りすぎて左ふくらはぎの肉離れが起こり、無念のリタイア。僕は左脚が右脚に比べて明らかに筋肉量が少ないし、体幹が弱いのですぐに転びそうになる。体幹を鍛えるにはトレッキングがいいと聞いて、芦屋川から六甲山山頂を通る有馬までの11kmのコースを何度も登った。そしてKトレーナーから太ももだけではなく背筋、腹筋、上腕の筋トレで体幹を強化して、けがをしないためのストレッチを学んだ。69歳になって臨んだ今年の9月末の網走・オホーツクマラソンでは夏の間の練習不足があったうえに、最初の15kmまで標高100mのアップダウンが続く難コースだったが、タイムよりも完走が目標だったので、少し冒険した。最初の難所はランナーズハイになって、6分/kmのハイペースで貯金した。案の定、後半はばてたけど、60歳台でのマラソン再開後の最高の4時間34分でゴールできた。60歳代では266人中89位、全体でも1447人中696位で平均より上になった。これは運動神経の鈍い僕にとっては奇跡的な成績だ。

プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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