8月21日(木)開催の 「学会発表・論文作成ゼミナール」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
ディスカッション型の講座だったので緊張しましたが、他の先生方のお話も聞けてとても有意義な時間となりました。ありがとうございます。 薬剤師塾を拝聴した翌日は仕事への「情熱」が上がります。 Caを低下させる薬剤との併用で高Caを防いでいるかもしれないなど、新たな視点をいただきました。
丁寧に質問を回答してくださり、励ましの言葉も嬉しく思いました。また、先生が苦慮したエピソードやモノマネから始めていいんだよというお話も大変参考になりました。
いろんな方々の質問に対しても先生の率直な意見を聞くことができて、それだけでもかなり勉強になりました。地域の特性もあり、坂手にとり、研究ができたらと考えます。平田先生の前向きな姿勢を見て、聞くことでも、自分の後押しにもなりました。
なかなか聞けない,研究をテーマにした勉強会,ためになりました。どのような形になるかわかりませんが,今日学んだことを形として出せるように行動を改めてみたいと思います。
平田先生と直接お話できるチャンスと思い参加し、たくさんの刺激をいただきました。司会進行もとてもスムーズでまたこのような機会があればよいなと思いました。ありがとうございました。
先生方のお話を聞き、先日学会発表した内容の論文を書いてみようかと思います
症例報告としてあげていいか悩んでいたので、話を聞いて答えて頂けてありがたかったです。 同様の症例報告をいくつか読んで、主治医の先生にも報告した上でがんばって投稿しようと思います。
最初に自己紹介や現在やっている実務、研究などを共有できるとさらに楽しかったのかなと思いました。
2025年9月18日開催の【第54回 平田の薬剤師塾】のお知らせです。今回は中級者編「NSAIDsの腎障害」です。
NSAIDsは利尿薬、RAS阻害薬とともにトリプルワーミーの1
さあどうしましょう、薬剤師として何ができるか、皆さんで考えて
◆9月18日(木)開催「NSAIDsの腎障害」【定員:300名】
お申し込みは こちら から
【申込期間:8月21日 22時00分 ~ 9月16日 23時59分】
※次回は、10月9日開催「これだけは知っておこう。慢性心不全の病態の基礎」(共催:日本心不全薬学共創機構)です!
2025年9月4日開催の平田の薬剤師塾のお知らせです。今回は初心者編「薬剤性腎障害を防ぐ!」です。
薬剤性腎障害のほとんどは若くて健康な方には起こりません。起こるのは既存の腎機能低下患者、つまりCKD患者と高齢者です
今回は基礎編ですから、腎臓がどんなことをやっているのか、どん
なお、これまで「平田の薬剤師塾」は無料でしたが、今回より1回
大変、申し訳ありませんが、ご了承のうえ、ご参加いただけると幸
◆9月4日(木)開催「薬剤性腎障害を防ぐ!」【定員:300名】
お申し込みは こちら から
【申込期間:8月21日 22時00分 ~ 9月2日 23時59分】
※次回は、9月18日開催の中級者編「NSAIDsの腎障害」です!
7月24日(木)に開催されたアスヤクLIFE研修「腎機能をしっかり見れる薬剤師を目指そう」の講演後にいただいた質問に回答いたします。遅くなって申し訳ありません。
Q.ロキソニンで腎機能低下になった患者さんがいます。やはり今後はカロナールが安心でしょうか
A.ロキソニンⓇを含めNSAIDsはすべて、急性腎障害の原因になるため腎機能の低下した患者さん(CKD)や高齢者に投与することは推奨されていません。代替薬としてはカロナールⓇ(アセトアミノフェン)を使うことが推奨されています。痛みの種類によってはサインバルタ、トラマドールも急性腎障害を起こさないので使ってもよいと思います。
Q.以前、先生の質問でセレコキシブは腎に障らないという話だったと思うのですが、実際はいかがでしょうか?
A.アセトアミノフェンは他の鎮痛薬との合剤として長期連用すると、非常にまれですが腎乳頭壊死を起こし慢性腎不全が起こり透析導入になることがありますが、急性腎障害を起こしません。痛風発作などで「アセトアミノフェンは抗炎症作用を持たないのでNSAIDsでないと困る」と言われた場合には、ロキソニンⓇに比し胃障害が少ない、消化管出血リスクが低い、他のNSAIDsと比較して腎障害が少ない、心血管合併症を起こしにくい薬としてセレコキシブが選択肢になると思います。CKD診療ガイドライン2023で「セレコキシブは特によくない」というような表現がされていますが、そのようなエビデンスもなく、この記載自体が間違っています。
Q.ST合剤投与時の血清クレアチニン上昇はどのように腎機能評価すれば良いでしょうか
A.ST合剤のうち、トリメトプリムが投与時の血清クレアチニン上昇は尿細管上皮細胞のトランスポーターを阻害し、血清クレアチニン 値を約20%程度上昇させることが知られています。クレアチニンの排泄が阻害されているため、血清クレアチニン値が見かけ上、上昇するだけで、本当に腎機能(GFR)が悪化しているわけではありませんので、ST合剤投与前の腎機能で腎機能を評価すればよいと考えられます。
Q.トリプルワーミー回避のためにARNIはよいのでしょうか?
A.ARNIにはNa利尿作用がありますので、脱水をきたしやすいはずなのですが、あまり脱水が深刻な問題になったという話は聞いていません。またARNIにはARBのバルサルタンが入っているにもかかわらず、腎障害もあまり聞きませんし、高カリウム血症も起こさないようです。このへんはSGLT2阻害薬と同様、よくわかっていないといってよいでしょう。
Q.CHDFの場合のバンコマイシンの投与計算はHDとは異なりますか
A.CHDFのクリアランス>通常のHDのクリアランスです。すなわちバンコマイシンはHDよりもCHDFのほうがよく抜けます。ただし患者さんの腎機能がどれくらいかによりますので、無尿の患者さんで腎機能が完全に廃絶しているとすれば、日本の通常用量20L/日(=13.9mL/min)の補液・透析液を用いたCHDFの腎機能は13.9mL/minの患者さんの投与量と同じと考えます。HDのクリアランスはバンコマイシンの分子量が大きいので10mL/min以下だと思いますので用量もCHDFよりも少なくすべきです。
Q.体格が小さい場合、腎臓も体格並みの腎機能で十分機能は保てるような説明の方法をされたように思えますが、ネフロンの数とは関係がなく、一つのネフロンが通常のネフロンより、強力に力を発揮すると考えていいのでしょうか?
A.体格の小さい方は、個別eGFR(mL/min)は小さいですが、すべての生理機能が小さくても体格の小さな方には十分なのです。小柄な人のネフロン数は減っていないと思います。1個のネフロンの大きさが小さいだけだと思います。したがって1個当たりのネフロンが強力に力を発揮している(無理をしている)わけではありません。
例えば母親が腎不全になった娘さんに腎臓を1個あげて腎移植手術がされた場合、母親のネフロン数は半分以下になるはずですが、実際にはeGFRは60mL/min/1.73m2以上になっていることが多いです。同様にネフロン数が10%に減ったとしても1つ当たりのネフロンに負荷がかかり(糸球体過剰ろ過が起こり)、eGFRは20~30mL/min/1.73m2になっていると思いますが、このようなネフロンへの過剰な負担が、より腎機能を悪化するため、RAS阻害薬やSGLT2阻害薬などの腎保護薬を併用する必要はあると思います。
ネフロン数は教科書的には片方の腎臓に100万個ずつと言われていましたが、欧米白人の約90万個に比し日本人は約64万個と少ないという報告が2017年に報告されました。
Kanzaki G, Puelles VG, Cullen-McEwen LA, et al. : New insights on glomerular hyperfiltration : a Japanese autopsy study. JCI Insight 2017; (2 19): e94334.
7月17日(木)開催の 中級者コース「学会発表、論文作成、英語論文作成のこつ」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.学会発表を行う際の研究テーマに関する質問です。過去に行われた他施設の発表を当院ではどうだったか、というのは学会発表を行う上で問題ないですか?
論文のように新規性は必要でしょうか?CQ→RQにはできますが、テーマとして適切かいつも悩んでます。
A.学会発表では全く問題ありません。他施設と当院では対象が異なりますから。
論文でも問題ないと思います(レベルの高い雑誌でなければ)。薬物を使うには地域性が影響しているかもしれません。暑いところと寒いところ、塩分摂取の多い県、少ない県で異なる影響が出る可能性がありますし、他施設の報告のN数が少なければ明確な結論とは言えないので、N数が少ないために同様のことをやってみた、などいろいろ理由がつけられますから。
レフェリー対策として、前もって異なる点を強調することで同じ報告ではないことをアピールしてもいいでしょう。
例えば「同様の報告は他施設でなされているが、若年者の割合が多かったので、今回は我々の施設で平均年齢がより高い群で結果がどうなるか確認してみた」などとイントロに書いてみればよいでしょう。ただしレベルの高い雑誌だと、こういう理由を付けてもリジェクトされることがありますので、投稿する雑誌をうまく選びましょう。
Q.医師への疑問点というか、例えば高カリウム血症になっている患者でeGFR20未満でRAS阻害薬が出ていて、MRAも出ていますが、ロケルマもでてカリウム調整してるのですが、心不全もありなのですが腎機能を維持しつつ心不全悪化を防ぐ為に腎機能が低下してもカリウム上昇しても、使い続けるのも必要なのでしょうか?
疑問がある場合は医師に疑義にてディスカッションしてもいいものなのでしょうか?
A.「高カリウム血症になっている患者で」ということですが、5mEq/L台で、ロケルマが併用されていれば、医師はカリウム摂取に気を付けるよう患者指導しているはずですし、薬剤師のあなたも「生野菜、果物の摂り過ぎには注意してくださいね」と説明すべきでしょう。6mEq/Lを超えていれば、多くの医師はロケルマを併用する前にMRAの投与を一時休薬するでしょう。
そして使っているMRAがケレンディアでなければカリウムが上がりにくいケレンディアに変更していただきましょう。薬価が安いということでスピロノラクトンを選んでいる医師もいますので(でもロケルマを投与しているのですから、それだけでも薬価が上がりますよね)
心不全でMRAは非常に重要な位置づけで、心不全ガイドライン2025でも多くの病態の心不全で推奨レベル、エビデンスレベルがⅠAになっています。これは「エビデンスレベルが高いのでMRAを使え」ということを意味しています。RAS阻害薬だけではアルドステロンを抑えきれないから、そしてアルドステロンが腎臓にも心臓にも良くないことをしているから、ロケルマを併用してでもMRAを投与している医師は腎・心のことをよく知っているレバルの高い医師だと思います。
だから「カリウムがどれくらいになればMRAを中止すべきか?」などのディスカッションをすることはいいと思います。
いきなり疑義紹介するよりも、医師の空いた時間を見計らってディスカッションしてみてはいかがでしょう?
7月17日(木)開催の 中級者コース「学会発表、論文作成、英語論文作成のこつ」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
掛布さんのただ素振りしてきただけじゃなくイメージトレーニングを組み合わせて素振りしてきたことや張本さんの半狂乱でバットを振りまくった先に見えるものがあるなどの話がよかったです。また、平田先生からの警告として病態が好きなだけの薬剤師にならないように、あくまでも薬剤師からの視点(薬物動態の知識など)を大切にしていきたいと考えました。
論文などへの道筋をわかりやすく、かつ薬剤師としてどうしていくか
私のこと見られてるのかと思うようなご指摘でした。ありがとうございました。
貴重なご講演ありがとうございました。モチベーションの維持につながりました、またよろしくお願いします。
講演を聞いて,まずは論文を読む習慣を付け直そうと考えました。ありがとうございました。
前回、先生に質問した薬剤師です。先生のアドバイスで背中を押してもらえたので、今少しずつ動いています。ありがとうございます。
ご講演、勉強になりました。何より、「凡人でも夢中になれば成せることがある」とのメッセージに力を貰いました。
アイディアも浮かばず、学会発表は縁遠いと思っていましたが、今日の先生のお話で、なぜ?と思ったことを突き詰めていくことから始めればいいのかも、とわかりました。保険調剤薬局に勤務しており、患者さんのデータを集めるのが難しいと感じていましたが、検索することは可能なので、できることがあると気づけました。自己満足で終わらないためにも、発表することが大切だと思いました。
論文を書くには、作法が必要でそれを学ぶためには統計や動態などを知る必要があり、
さらに論文を読み込む必要があるということを学びました。
今日も先生の講演を聞いて、頑張らなきゃなと思いました。研究対象のものの見方、広げ方 例えば、当薬局でのスタチンの使用状況だけじゃなくて、そこからのもっと掘り下げた。研究対象の見方があることを教えて頂き、勉強になりました。そういうものの見方はやはり論文を読まないと浮かんでこないなっていうのを改めて思いました。
自分は臨床工学技士ですが、Xで拝見し前回と今回参加しました。前回参加したあと視界が晴れたような感覚になり、鉄は熱いうちに打ての精神で研究案を上司し提案しました。まずは日本語論文になるように頑張りたいと思います。ありがとうございました。
勉強になります。学会発表で終わっているので、論文書き始めてみようと思いました。
7月3日(木)開催の 初心者コース「うまくいく学会発表のこつ」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.pudmedを毎日通勤時間に読んでいだとの話がありましたが、
論文のテーマとしては、やはり患者さんに投薬しながらなぜ良くな
A.毎回、PubMed検索する内容は異なります。毎日見たくなる論
苦労して検索して、よい論文が見つかれば、患者さんやドクターに
学会発表してみたいけど、論文を書いてみたいけど、どうやったら
参加者希望者は必ず、「学会発表・論文作成に関して」どうすれば
◆8月21日(木)開催「特別講座:学会発表、論文作成ゼミナール」
講演ではなくディスカッションのみとなります。
お申し込みは こちら から
先着20名/8月19日(火)締切
おそらく学会発表の最初のネタは症例を見て、それに対して疑問を
7月3日(木)開催の 初心者コース「うまくいく学会発表のこつ」について以下のようなアンケートの回答をいただきました。原文のまますべてのアンケート内容を紹介させていただきます。
貴重な講演をありがとうございました!
今日は貴重なご講演をありがとうございました。私も認定薬剤師を取るために論文が書けるようになりたいと思うのですが、なかなかどう書いていいかわからず、悶々と日々を過ごしております。1日一論文読む。しかも原著論文を読む」っていうお話を聞いて反省しました。日常業務をして、どこを論文化すればいいのかわからないので、なるべく論文にあたって、日常業務の中で疑問を論文にできるようになりたいと思いました。
私も薬剤師になって20年経ってしまいましたが今やっとやりたい事ができてこれからなのかなと感じております。ただ知識やメンターがいないため、保険薬局におりますがテーマを決めて論文を書いて、薬局薬剤師のモチベーションを上げていきたいと思いました。
講習ありがとうございました。 学会については仕事場で自分の番が回ってきたら何か発表しないといけないので、テーマとかどうやって見つけるんだろうとか、何か参考になることがあればと思って視聴させていただきました。 自分にできることを探すことはまだまだ先が長いけど、自分の番までに何か見つけることができればと思います。 次回も楽しみにしています。
とても興味深く受講させていただきました。 自分自身も40才に入ってから、仕事が楽しくて仕方なくなり、チーム医療の仲間に加われるべく日々勉強中です。今回のお話でなんでも前向きに考え、いただいた仕事はチャンスと捉えるという言葉が響きました。そして、自分のために仕事に役立つ表を作ってみようと思います!
とても勉強になりました。
認定を受けるために学会発表が必須なことがよくあります。熱量がないわけではないですが、日々の業務に追われてなかなかです。(ただの言い訳かも。)テーマが決まらないと走らせにくいので、進展しないのが現状です。
今日も素晴らしいご講義をありがとうございました。モチベーションを維持できるご講義でした、次回のご講義も楽しみにしています。
本日もありがとうございました。次回の中級者コースも楽しみにしています。 (言葉足らずの質問をしてしまいましたが、森住先生に上手く言語化していただき、今後の参考となるコメントをいただけました。ありがとうございました。)
本日も平田先生が熱中していた時代のお話を聞けて胸が熱くなりました。一つ一つの言葉を受け取って明日からの業務に活かしたいと考えています。ありがとうございました。
6月19日(木)開催の 中級者コース「腎機能悪化を防ぐ血圧・血糖管理」について以下のような質問をいただきましたので回答させていただきます。
Q.シックデイで入院した患者がジャディアンスⓇを服用していたので中止について医師に相談したところ、DMで飲んでるわけではないので継続、と言われました。ビーフリード一本程度の補充で3日間絶食でしたが、DMでなければSGLT2iは継続でも良いのでしょうか。
A.SGLT2阻害薬でシックデイになる一番危険な症状はケトアシドーシスだと思います。DMではない患者さんであれば他の糖尿病治療薬によるシックデイの可能性が高いのではないかと僕も思います。ただし、他の薬剤情報が示されていないので、よくわかりません。
Q.具体的な症例にもとづく講義に感謝いたします。質問ですが、糖尿病を持つ心不全患者が、心不全のためにフォシーガⓇ10mg服用している場合のシックデイの対応を知りたいです。糖尿病で服用している場合とで考え方を変えた方がいいのか、迷っています。
A.前問と同じように、糖尿病患者がSGLT2阻害薬でシックデイになる一番危険な症状はケトアシドーシスだと思います。他の血糖降下薬との併用による低血糖も発症はまれですが考えられます。非糖尿病患者では脱水もありえなくはないのですが、利尿作用の持続しないSGLT2阻害薬で脱水の副作用がなぜ起こるのがよく分かっていません。ループ利尿薬やARNIによる利尿作用が増強する可能性はあります。それ以外でSGLT2阻害薬が単独で急激な体調悪化、つまりシックデイになる可能性があるとは平田には思えないのです。
Q.ACEとARBの使い分けはありますか?ACEは副作用を考えてしまいますがACEのよさはどこにあるか今一つ曖昧なのでご指導いただきたいです
A.教科書的には心不全ではエビデンスレベルの高いACE阻害薬を用い、空咳、血管浮腫などの副作用で使いにくいようであればARBに変更することが推奨されていると思いますが、腎保護に使う場合にはエビデンスレベがほぼ同じなのでどちらでも構いません。日本では薬価の高いARBを製薬メーカーのMRさんが勧めるので、腎保護にはARBがメインに使われていますが、海外では薬価が安いACE阻害薬が主流です。アジア人ではACE阻害薬による空咳が起こりやすいからという説もあります。ACE阻害薬にあってARBにない利点はブラジキニンによる血管拡張作用ではないかと思います。ただしそれによる血管浮腫などの副作用が問題で使いにくくなりますが。
Q.SGLT2阻害薬の利尿作用は3日ほどしか継続しないとのこと
A.利尿作用に関する報告の多くは日本人医師によるもので、カナグリフロジンで1日のみ、その他の報告でも数日間ですし、薬理作用の主たる糖利尿は持続しますが、Na利尿も持続しません。ブドウ糖の再吸収は近位尿細管のSGLT2とSGLT1しかありませんが、Naは尿細管のいたるところで再吸収に関わっているため、近位尿細管以降でNaが再吸収されているのだと思います。したがって、SGLT2阻害薬単独によって脱水が起こるとすれば投与初期に多く発症する可能性があります。またループ利尿薬が併用されている場合には、ループ利尿薬の作用を増強するという報告がありますので、併用によって起こった可能性があります。そしてARNIの利尿作用を増強している可能性も考えられます。ただしSGLT2阻害薬の単独での利尿作用、脱水の機序について詳しく調べた報告はありませんのでよくわかりません。平田が調べられていないだけかもしれませんが・・・・。
Q.日々業務をしている中で、Drへの伝え方・
A.脱水が収まればSGLT2阻害薬を速やかに再開すべきだと思っています。それくらいSGLT2阻害の治療効果は強力ですからしばらく中止する理由はないと思います。その時には「こまめな飲水指導」が必須ですね。ただし脱水や糖尿病性ケトアシドーシスが原因であれば、「食事が摂れない」など、SGLT2阻害薬を投与すべきでない原因があれば中止していただいた方がよいでしょう。
Q.SGLT2阻害薬を服用していても尿糖-の方が数人います。調べると体質でそういう場合もあるとありましたが、本当にそうでしょうか? また、そういった方は効果がないと考えるのでしょうか? 他のSGLT2阻害薬に変更しても変わりませんか? 教えていただけると幸いです、よろしくお願いいたします。
A.僕には尿糖(-)の方が数人いるというだけで驚きです。尿蛋白(-)の間違いじゃないですよね。飲んでないってことはないですよね。しつこいようですが、生まれつき遺伝的な疾患を持っている方なら1人くらい施設にいるかもしれませんが、数人もいるということはあり得ないと思っています。したがって理由は全くわかりません。そして「尿糖が排泄される=SGLT2が阻害されている」ことを示しますので、効果は期待できません。僕には「尿糖(-)の方が(同一施設内に?)数人いる」ということが信じられません。ごめんなさい。
Q.RAS系阻害剤を腎保護目的に良く使用されていますが、ある基準になった時に処方から外すと思いますが、具体的な指標は?またカルシウム拮抗薬(N型、T型など)の使い分けも教えていただきたいとおもいます。
A.「ある基準になった時に処方から外す」とすれば、「CKD診療ガイドライン2023に75歳以上でeGFR<30mL/min/1.73m2になったらCCBを推奨する」と書かれていたから疑義紹介しようという方がいるかもしれませんが、僕としては嫌いな「デジタル薬剤師」の考え方です。例えば、蛋白尿が(-)になったとしても、エビデンスはないとしても、この患者さんの血圧管理がうまくいっていて、有害反応が起こっていなければRAS阻害薬は続けていいと思いますし、透析導入になったとして無尿になれば当然、蛋白尿は収まりますが、透析患者の死亡原因の1位か2位が心不全ですから、症状が出始める前から続けておいた方がいいようにも思います。「ある基準」というのは有害反応が現れて患者さんにとって不利益になった時と考えていいんじゃないでしょうか?
N型、T型が優れているのは動物実験レベルですよね。ガイドラインに書かれるような明らかなエビデンスは二重盲検無作為化比較試験で有意差があったものでないと評価されません。だからそれらが実施されていないN型、T型のCCBは評価されていません。頻脈になるのが嫌などという医師がN型、T型のCCBを好んでいればそれに対して疑義紹介する必要もないと思います。
Q.『高齢者への薬剤処方』の著者○○先生のように、カルシウム拮抗薬は便秘、浮腫などの副作用のため高齢者にはむしろ使いにくく、RAS阻害薬を多用している、という意見もあります。
A.○○先生は高齢者に使うと「いろいろと細かい不都合が起こる薬をまとめた日本版Beers Criteria」をまとめた先生ですよね。平田は高齢者が不満に持つ細かい不都合よりも、重篤な副作用による入院や致死的な副作用を防ぐこと、突然死を防ぐことなどに興味がありますので、薬に対する視点が異なります。
Pimohamed ら1)によると高齢者で入院理由になるような有害反応を起こした薬の中にRAS阻害薬が原因で94人が入院しており、4位にランクされ、その理由は腎障害、低血圧、電解質異常、血管浮腫などでしたが、Ca拮抗薬による副作用で入院は全くありません。
Osanlouら2)によるとRAS阻害薬による入院数は14名で7位にランクされ、腎障害が9名、起立性低血圧3名、高カリウム血症1名、腎不全1名が報告されていますが、Ca拮抗薬による副作用で入院の記載は全くありません(その他の中にに含めれているかもしれません)。
Ca拮抗薬による副作用で緊急入院って平田はほとんど聞いたことがないんです。他薬に比し、便秘も浮腫も軽度で入院するような重篤な副作用ではありません。かたやRAS阻害薬はトリプルワーミーの1つでこれらの報告の上位にNSAIDsや利尿薬が入っており、組み合わせると高齢者ではほぼ確実に腎障害を起こします。僕は些細な副作用で使いやすいか使いにくいかよりも、重い副作用の発症を問題にしています。どっちが安全か、お分かりになれました?
1)Pimohamed M, et al: BMJ 2004; PMID: 15231615
2)Osanlou R, et al: BMJ Open 2022; PMID: 35788071
Q.講義中にも質問しましたが、RAS阻害薬とCa拮抗薬の併用についてです。 RAS阻害薬は輸出細動脈を拡張して糸球体内圧を下げ腎保護作用を発揮しますが、ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は輸入細動脈を拡張するので、内圧が上がってRAS阻害薬の腎保護作用が弱まることはないのでしょうか? 逆にRAS阻害薬のデメリットである腎虚血にはCa拮抗薬の併用は良い効果をもたらすのでしょうか?
A.おっしゃる通りです。ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は有意ではないですが、輸入細動脈を拡張するので、糸球体内圧がやや上がって蛋白尿をやや増やす薬です。しかしRAS阻害薬のデメリットである腎虚血を打ち消してくれるのであれば、血圧管理がうまくいっていなければ、腎硬化症が進行してしまう恐れがあるのでCa拮抗薬の併用は大いにありだと思います。
Q.アルブミン尿のmg/gCrの算出方法を教えてください。
A.尿中アルブミン/Cr比 (mg/gCr) = (尿中アルブミン濃度 (mg/dL)) / (尿中Cr濃度 (mg/dL))