人前で発表するチャンスがあるということ

 学会発表では多くの人が発表者であるあなたを見ています。初めての発表は完璧じゃなくてもいい。人前に曝されるのだから、何度も失敗したくないでしょ。そのためにさまざまな工夫をするでしょ見られる機会が多ければ多いほど、工夫を繰り返したあなたのパフォーマンスは日々、確実に向上するのです。

 これは学会発表だけではなく、論文でも一緒です。先輩やメンターに見てもらい、修正・確認を繰り返して恥ずかしくないものを残したくなる。だって論文はあなたが書いたものが生涯にわたって残るのですから恥ずかしい内容のものは残したくないじゃないですか。こんな繰り返しが研究者としての成長を促すのです。

 これってギターがうまくなるかどうか、ダンスがうまくなるかどうか、サッカーがうまくなるかどうかでも一緒じゃないかなと思います。1人だけで練習してもうまくならないけれど、人前で演奏したり試合やコンテストに出場する機会があると上手になれる。コツは月に1回だけ1日8時間練習するよりも、毎日10分ずつでも練習するとうまくなる。10分しかできなくても集中し、工夫をすれば必ずうまくなる。その10分は通勤時間でもいい。通勤時でも質問対策や発表の内容のチェックを繰り返す。「こんな質問をされたら、こう返す」、「あれ、この言い方じゃ初心者にはうまく伝わらないな」、「1枚のスライドで2分も説明したら聞いてる人は退屈しちゃうな」、「表は見にくい!分かりやすい図に代えてみよう」「こんな小さな文字ばかりのスライド、全然インパクトがない!」こんなことをいつも考えて工夫している人(夢中になっている人)は素晴らしいプレゼンテーションができるようになり、素晴らしい研究者になれるはずです!こうやって毎日夢中でやった人だけが本人も気づかないうちに「天才」と呼ばれるようになるんじゃないかな?だって天才は苦労しないものね(苦労してるところを見せないだけかもしれない)。楽しんでいるものね。

 

SGLT2阻害薬は腎臓の本来の仕事
「ホメオスタシスの維持=適正化」を回復してくれる薬

 SGLT2阻害薬の尿糖排泄作用は続くのに、利尿作用は持続しません。これには。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます

 薬剤師塾ではこの表題のような質問をよく受けます。以前にも回答しましたが、SGLT2阻害薬による尿糖排泄作用はずっと持続するはずなのに、利尿作用は持続しません今一度、SGLT2阻害薬の利尿作用についてまとめてみたいと思います。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます

なんでラウンドアップ法ばかりに頼るの?

 しかしほとんどの薬剤師がeGFRや推算CCrでうまくいかないとき、つまり血清クレアチニン値が低すぎる痩せた後期高齢者の腎機能が、健常者の1.5~3倍に推算されてしまうときに、血清クレアチニン値に0.6を代入する「ラウンドアップ法」をやっています。ラウンドアップ法はどういう方法かご存知ですか?「血清Cr値に0.6を用いると推算値と実測値がよく相関する」という方法ではありません。ラウンドアップ法は血清Cr値が0.1mg/dLでも0.5mg/dLでも一律に0.6mg/dLを代入する方法なので、測定値を一定に低めに見積もるという手法なので、全く科学的ではありません。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます

~シスタチンCの測定が普及しない~

 腎機能評価の指標として、糸球体濾過速度(GFR:Glomerular Filtration Rate)が使用されます。実測のGFR(イヌリンクリアランス)はそのゴールドスタンダードで、実測のクレアチニンクリアランスもきわめて正確で、機能している残存ネフロン(intact nephron)数や腎血流量の変化を予測でき、CKD患者ではこれらの変化によって腎予後、透析導入までの期間も予測できる非常に優れた腎機能マーカーですが、測定に時間も手間暇もかかります。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます

透析患者のPEW(protein-energy wasting)と栄養指導 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます

透析患者の血清クレアチニン値、血清リン値、BUNは高いほうが感染症にかかりにくい この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます

透析患者で最大の予後悪化要因はPEW(protein-energy wasting)だ!
前編・中編・後編の3回を予定しています。

 

透析患者は病的肥満のほうが予後がよい この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます

 例えば、スピロノラクトンって僕はどう発音するかわからなかったのですが、英語版の医療用Youtubeを聞いていると分かりました!スピロノラクトンの発音記号はspʌɪ.ɹən.ə(ʊ)ˈlæk.təʊnとなっていましたが、スパ‘イロノラクトゥンという感じです。ではアルドステロンはælˌdo‘ʊstəroʊnでアルド’ウステロンです。う~ん、勉強になる!国際学会の講演やディスカッションでもこれで聞き取れそうです。おすすめの医学系Youtube英語版はNinja NERDなどがあります(図1)。

 

輸入細動脈と輸出細動脈は英語では混同しそう

 そこで気付いたことですが、腎臓オタクでごめんなさい。輸入細動脈は英語でafferent arterioleで輸出細動脈はefferent arterioleですよね(図2)。でも日本人にとってこの2つの発音の仕分けが極めてむつかしい。発音記号で書くとǽfərənt ɑrtíriòul とéfərənt ɑrtíriòul だからネイティブの米国人どうしの会話でも聞き間違えそうな気がします。聞き間違えないようにするためでしょうかある医療系米国人Youtuberは輸入細動脈のafferent の発音はどちらかというとéifərəntとわざと強調し、輸出細動脈の発音は弱めに発音していました。

 

医学英語・薬学英語の語句・発音を知るには?

 弱った英会話能力を復活させる方法 -前編- 弱った英会話能力を復活させる方法 -後編-でも紹介しましたが、「キクタンメディカルの薬剤編」、「トシ、聴くだけであなたの医療英単語が100倍になるCDブックよ。」を聞き流すだけでも医学用語には強くなれると思います(図3)。うまく使いこなして活用すればischemic colitisは虚血性腸炎、acute pancreatitisは急性膵炎ってわかりますね。その前に病院や大学の医局でやっている抄読会に参加させてもらえばこれらの専門用語が英語で飛び交いますので、自然に医学英語が身に着きます。

 

 悪液質、つまりがんなどによる栄養不良状態をカヘキシアと言いますが、これはギリシャ語の「kakos(悪い)」と「hexis(状態)」からきており、英語ではありません。英語でCachexiaの発音はkəkéksiəカクスィアなので、カヘキシアでは通じません。でもこれはつづりをそのまま読めば、kəkéksiəになるって分かりますよね。

 また痛風発作の予防、欧米人に多い家族性地中海熱に使うコルヒチンcolchicineは1820年に生まれた非常に古い薬です。高校生の時に種なし西瓜を作るときに使う薬物だと生物で習いました。この発音はkɑ’ltʃəsìːn ァルチャシィーンで、英国語圏では全く通じません。古い薬だからドイツ語なのかなと思いましたが、ドイツ語ではKolchizinです。由来は調べても分かりませんでしたが、これもつづりをそのまま読めば、kɑ’ltʃəsìːnになりますね。

 まだ未解明な情報を捜すのにWebでは様々な文献を閲覧できますが、日本語Youtubeとなると情報量が極めて少なく、内容が偏ったものもあります。医学英語の発音を学ぶために僕が活用しているのは英語版Youtubeです。例えばSGLT2阻害薬の投与によって産生されるケトン体が身体によいのか、悪いのかについてはPubMed検索と同様に「SGLT2 inhibitorと ketone body」でかなり絞れます。「英語のYoutubeが100%理解できる?」って言われるとちょっと厳しいです。90%以上の単語を知らないと全体のことを把握するのはむつかしいのですが、僕は英検準1級を持っていますが、得意な分野でも80%程度しかわからないので、やはり完璧に理解するのは難しいのです。でもYoutubeの翻訳機能を利用すれば、だいたい分かるようになりますし、気楽に聞けます。だから医療英会話が上達するため、というよりも医療英語をどう発音するかが分かるのが、英語版の医療系Youtubeのいいところです

後編に続く

プロフィール

平田純生
平田 純生
Hirata Sumio

趣味は嫁との旅行(都市よりも自然)、映画(泣けるドラマ)、マラソン 、サウナ、ギター
音楽鑑賞(ビートルズ、サイモンとガーファンクル、ジャンゴ・ラインハルト、風、かぐや姫、ナターシャセブン、沢田聖子)
プロ野球観戦(家族みんな広島カープ)。
それと腎臓と薬に夢中です(趣味だと思えば何も辛くなくなります)

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