第4回 基礎から学ぶ薬剤師塾 8月10日(火)18時から20時(予定)の申し込みを始めます。
第4回のテーマは「CKD患者の腎機能を守るための薬剤師の役割~ポイントは蛋白尿と血圧~」です。CKDと言えば心血管病変の最大のリスクと言われてきましたが、日本ではやはり透析導入のリスクなのです。腎機能を守るためには「CKD患者の血圧は低ければ低いほうがよい、CKD患者にはRAS阻害薬で目標血圧は130/80未満」と言われてきた「CKD診療ガイド2012」に書かれていたことは実は2021年の現在では時代遅れなのです。
先生方は患者様に対して「血圧を下げる薬です」という服薬指導だけをしていませんか?もっと踏み込んで、「蛋白尿があるからこの薬が最適で、目標血圧は診察室での血圧が130/80未満、家庭血圧は125/75未満にしていただくと、最も長生きできるということが証明されています。」と加えていただき、さらに脱水対策・シックデイ対策などの指導をしていただければ、薬剤師の服薬指導によって、高齢透析導入患者がどれだけか減ることでしょう。
参加を希望される方は以下の申し込みフォームに記入のうえ、送信してください。https://forms.gle/5UqrXDR7GAG2UZZL6

第3回目の翌日にディスカッションタイムを設けましたが、ディスカッションしてくれる方はほとんどなく、チャットによる質問ばかりで全く盛り上がりませんでした。熱いディスカッションがあってこその双方向性の薬剤師塾になると信じていましたが、やっていて辛かったです。ということで、次回のディスカッションタイムは考えていません。薬剤師塾への参加者はどなたでも構いませんが、ぜひ学会発表を目指している方に参加していただきたいと思います。そしてその先には原著論文を書き、海外の学会で発表し、英語論文をまとめて博士号を取るんだというような大きな夢を持つ人になっていただきたいと思います。300名まで参加可能ですが、前回の登録者数は260名でしたので、早めに登録してください。
① 2004年4月~2017年1月までのthe Japanese Adverse Drug Event Report (JADER) databaseによると薬剤性腎障害の原因薬物として最多は?
A.ロキソプロフェン
B.バラシクロビル
C.シスプラチン

② グレープフルーツを食べても問題ないとされている薬は?
A.イブルチニブ
B.アムロジピン
C.シンバスタチン

③ 「イトラコナゾールは投与量を増やすとすごく効く」と言われるが、AUC依存的な抗真菌作用を示す以外で考えられる理由は?
A.フェニトイン型の非線形の薬物動態を示すから
B.バルプロ酸型の非線形薬物動態を示すから
C.カルバマゼピン型の非線形薬物動態を示すから

④ 腎機能低下患者では特に重篤な低血糖を起こしうる薬はどれか?
A.アマリールⓇ
B.グリミクロンⓇ
C.グルファストⓇ

⑤ 心移植患者があるサプリメント摂取開始3週間後に重篤な拒絶反応。原因のサプリは何か?
A.うつ症状に効くサプリ
B.認知機能を悪化させないサプリ
C.血液をサラサラにするサプ

⑥ ステロイド抵抗性膜性腎症患者にシクロスポリンを投与すると筋肉痛が起こった。禁忌になっている薬は薬剤師がすべてチェック済み。何が投与されていた患者?
A.リピトールⓇ
B.ベザトールⓇSR
C.ローコールⓇ

⑦ 日本のガイドラインで推奨されている75歳以上のCKDステージG4患者に最適な降圧薬は?
A.Ca拮抗薬
B.ACE阻害薬
C.ARB
⑧ コルヒチンを飲んでいる人がある種の抗菌薬を併用すると10%以上の人が死亡した。この原因抗菌薬は?
A.クロラムフェニコール
B.ST合剤
C.クラリスロマイシン

⑨ フェニトイン300mg/日を飲んでいる人にバルプロ酸1200mg/日を併用したらフェニトインの蛋白結合率が通常90%だったのが75%に低下した。臨床症状として何が起こるか?
A.フェニトインの効果が増大する
B.フェニトインの副作用が起こる
C.何も起こらない

⑩ バンコマイシン散を投与時に併用して効果があるプロバイオティクスは?
A.ビオフェルミンⓇR
B.ラックビーⓇR
C.ミヤⓇBM
⑪ ハルシオンⓇ錠2.5mgを1錠服用患者がリファンピシンが併用されてから不眠になった。ハルシオンⓇ錠2.5mgを何錠のませれば以前と同じように効くようになる?
A.2錠
B.8錠
C.20錠

⑫ サインバルタⓇが高度腎障害患者に禁忌である理由は?
A.腎排泄性薬物だから
B.腎排泄ではないが血中濃度が2倍になるから
C.活性代謝物が蓄積するから

⑬ エディロールⓇを服用して急性腎障害になった。その主原因は?
A.多尿による脱水から腎前性腎障害
B.尿細管の石灰化
C.リン酸Caの結晶形成による腎後性腎障害
⑭ メロペネムの感受性は高いのに1.0gを1日2回30分点滴投与しているのに効きにくい。どうすれば効くようになる?
A.1回0.5gを1日4回1時間点滴で投与する
B.1回2.0gを1日2回30分点滴投与に増量する
C.1回3.0gを1日1回30分点滴投与する

医師に出題してみたいファクトフルネス~思い込みはないですか?~
ファクトフルネスはハンス・ロスリング氏の著書である「ファクトフルネス」という本で、東南アジアやアフリカと聞くだけで貧困にあえいでいる国、人々ときめつける人が多い。しかも賢い人ほど思い込みに陥りやすいのですが、世の中は時代とともに良くなっているのです。ニュースや、マスコミは一部の悲惨な部分を映し出しているので、それに惑わされている方が多いらしいのです。「ファクトフル(FACTFULL)」というのは、「事実に満ちている」という意味ですが、実際には当たり前のことをまだまだ理解していない人が多いのです。
薬剤師だったら当たり前にわかることが、医師にはわかんないことっていうのも世の中にいっぱいあるってことを知っていきたいと思いますし、医師と薬剤師の違いを知っていただきたい。そして薬剤師がどんな分野に可能性を持っているかを理解していただきたいため、医師向けの14問のクイズを用意しました。薬剤師の専門分野を医師に問うのは場違いで、大変失礼ではありますが、薬剤師にはこんな特技、
特殊能力があるということを知っていただければ、よりよい協力関係、チーム医療が成立するものと思います。ただし同じ薬剤師でも個人差はありますが、薬剤師だったら全問正解できますよね?
さて、医師の先生で全問正解できたとしたら本当にすごい先生だなと感心してしまいます。先生方は何問正解できますでしょうか?ではいきましょう。
※解答詳細は明日掲載させていただきます。
薬剤師っていらなくない?
初の薬剤師が主役のテレビドラマであるアレクサングシンデレラで「薬剤師っていらなくない?」ということばが話題になりました。「薬剤師なんていらない?なんでいらないの?薬剤師は絶対に必要なんだよ!だって処方箋を書く医師は薬物動態や相互作用、薬の化学構造や物性、製剤学などをほとんど習っていないんだよ。併用することによって血中濃度が1/20になって薬が効かなくなったり、20倍以上の血中濃度になったりするとき、それを防ぐ薬の組み合わせを提言できて、配合変化が起こるのを防ぎ、副作用の起こらないよう服薬指導するには薬剤師が絶対に必要なんだ。患者さんが使っている薬の有効性・安全性を担保するために薬剤師が監査し、疑義紹介しなければならないんだ。
多くの患者さんが薬物療法によって病気を治療している。薬剤師は患者さんの薬の安全性を守る最後の砦なんだ。」これはこのドラマが始まる前から、僕が熊本大学薬学部で繰り返し学生たちに熱く語ってきたことです。でも「薬物動態学」の大好きな薬剤師や、それに関わる難解な計算式を得意とする薬剤師はあまり多くない(筆者も含めて)のが実態かもしれません。実際、処方箋監査をするのに「薬物動態学の知識って必要?」と思っている薬剤師も多いのではないでしょうか?
「薬剤師は薬の専門家」、幅広い薬の知識を持っているのは薬剤師自身も薬剤師以外も自覚していることでしょう。この薬の特性は何で表されるの?たとえば「どれくらいたてば効き始めて、どれくらい効果が持続するの?」「体の中に薬が溜まり続けて害になることはないの?」「いつ飲んだら一番効果的?」「同じ成分なのに飲み薬と注射薬と投与量が同じこともあるし、飲み薬の方が注射薬よりもうんと量が多いことがあるけど副作用は心配ないの?」「同じ量をのんでも人によって副作用が起きたり、効かなかったりすることがあるのはなぜ?」これらは動態を知っている薬剤師にとってはおそらく容易に答えられる質問内容ですが、医師には少し難しいかもしれません。
もしも現在の医薬分業が数十年以上前の院内処方に戻り、薬剤師不在のクリニックで建前上は医師(実際には事務員)が調剤して薬を渡すようになれば、訴訟沙汰になるような薬の有害反応が日常茶飯事のように起ってしまうかもしれません。おぉ~、怖い。
2021年 4月、これから実務実習に行こうとする薬学科5年生の薬物処方学試験 記述問題『あなたにとって薬剤師とはどのような役割を担った職種だと考えますか?また将来どのように変わっていくべきだと思いますか?』より。これは2015年のブログでも紹介しましたが、薬物処方学のこの試験問題は60点に満たなかった人を救済するために、10点の下駄をはかせる目的で毎年、出題しています。今年は非常勤講師としてですが、平田が感動し、なるほどと思った7名の、素晴らしい考えをご紹介いたします。みんな実務実習、頑張って!
A君:医師と対等に意見交換できる薬剤師
私の将来なりたい職である病院薬剤師を例に挙げるが、薬剤師は「薬物治療」に関しては全責任を負い、患者にとって最善で安全な治療を提供する役割を担う職種であると考える。
また、この役割を担う上で、薬剤師としてのあり方として変わらなくてはいけないと思う点が2点程ある。
自分は身近な所に現役の看護師として働いている人がいるのだが、よく話を聞くのが「薬剤師さんの回答が自信なさげであいまいだからいつも不安」という事についてであり、私はこの話を聞いて「薬剤師は他職種から薬に関しては信頼を置かれるべき存在なのだから、単に知識を蓄えるだけでなく、堂々とした態度でコミュニケーションをとる事も等しく重要なのだ」と感じた。
また、2点目に、現場の声を聞いていると、やはり薬物治療に関しても医師の方が立場が上、といった印象があるらしく、将来、薬の特性に関して医師以上に知識をもつ薬剤師が、医師と対等に意見交換できるような環境を作らなければいけないと強く感じた。
平田の感想:堂々とした態度でコミュニケーションをとれるようになる秘訣は、
僕の場合は「なりたい薬剤師像」を心の中で作って、それを演じ切ることでした。僕の場合は「やさしくて物知りの薬剤師」が理想像でした。それとやっぱり医療人すべてに共通することですが、患者さんを好きになり、薬に興味を持つことだと思っています。夢中になって実習を乗り切っていけば、いい薬剤師さんになれると思います。頑張って!
Bさん:高齢者に寄り添える薬剤師
薬剤師は、これからの超高齢社会における人と医療をつなげる役割を担った職種だと考えます。高齢者の方は多くの方が薬をのみながら生活していらっしゃるので、そういった方ができるかぎり自立した、自分らしい生活を長く送れるように、また、体調が悪くてなかなか病院へ行けない方のサポートができるように働きかけることができればいいなと思います。また、高齢者が多く暮らしていらっしゃる地方においては、そういった方々のコミュニティーの場、薬剤師も交えた情報交換の場として薬局や薬局が主催するイベントが活用されればいいなと考えております。その中で、やはり、処方権が完全に委託されたままでは薬剤師の活動の場が広がらないので、薬剤師が可能な処方変更のラインを認定薬剤師制度などを活用して変えていければいいのかなと考えています。
平田の感想:コミュニティーの場で身近な存在の薬剤師ってすばらしい。相談しにくいことがこの人なら相談できる、という人になりたいですよね。でも話は聞くけど、何もできないのは寂しい。よりよい医療に貢献できるようになるには薬剤師1人1人が力を付けて責任ある仕事をこなしていくこと。そうすればこの仕事は薬剤師に任せようという機運が生まれるんじゃないかしら。
Cさん:安全性を守り、処方権を持てるように
薬は病気を治療できる便利なものである反面、使い方を少しでもあやまると患者さんの健康を害してしまうおそれのあるとても怖いものである。薬剤師は、患者さんの薬のリスクから守るセーフティーネットのような役割を担った職業であると考えた。
現在、薬剤師は医師や歯科医師の処方せんがないと患者さんに医療用薬品を渡すことができないが、将来的には、薬剤師も処方することができ、重症でない限りは薬局に直接来てもらって薬を渡せるようなことができるようになったら良いと思った。
Dさん:専門性から地域まで幅広い薬剤師の活躍に期待
薬剤師は薬の専門家であるのはもちろん、公衆衛生や地域の健康づくりをも支える一員である。医療機関ではチーム医療の一員として薬の適正使用に努めなければならない。平田先生の授業で学んだように、例えば抗菌薬適正使用も医療現場では課題となっている。そのようなケースで、薬学を学んできた私たちは抗菌薬適正使用のサポートチームに介入していくのはもちろん重要だ。さらに現在、がん治療が外来で行われることも多くなってきた。外来で治療を進めていく患者の薬の安全と、心の不安の解消のために薬剤師が寄り添っていくことも重要だ。このように、抗菌薬の適正使用や外来がん薬物療法など、様々な面での課題を知り、専門、認定薬剤師として、患者により安全な薬物療法を提供できるようにするのも必要ではないだろうか。また、今後も続いていく高齢社会で、病院完結型医療ではなく地域完結型医療が求められている。このような状況でもますます薬剤師が必要とされていくと考えられている。病院で処方せんをもらって来局した患者の薬歴だけでなく、地域住民のセルフメディケーションのサポート、健康情報の共有において役割を担える。さらにかかりつけ薬剤師の普及などから住民の安否確認にもつながる可能性はある。医療スタッフ、また地域住民のかかわりを築きながら薬剤師としての課題はますます見つかるだろうと考えている。
E君:AIにはできない薬のプロ
薬剤師は薬のプロフェッショナルとして、医療に携わり、患者に寄り添っていく役割があると思う。現在、AI化が進んでいく未来には多くの職業がAIによってまかなわれていくことが予想される。薬剤師の仕事もAIによって行われ、薬の調剤などを無人で行われるようになるかもしれないというものをTVの番組で拝見した。しかし、私は、薬剤師の仕事はAIに代わっていいものではないと考える。AIでは、患者の心情、背景、本音をすべて正確に感じとることは、不可能であると思う。
薬のプロフェッショナルである薬剤師だからこそ、人間がやるからこそ、患者に寄り添い、ひとりひとりにあった医療を行うことができると思う。そのため薬剤師はAI化されるべきではないと考える。
最後に、薬剤師の給料は、もう少し高くても良いと思う。病院内での医師との差がより縮まればよいと思う。
Fさん:医療従事者とscientist の側面を持職業
私は薬剤師とは身近な医療の相談相手であると考える。もちろん患者やその家族の健康に関する相談や現在服用中の薬に関する情報を提供するという意味もあるが、最近流行する新型コロナウイルスについて正しい知識を提供するといった務めもあると考える。
また、薬剤師は医療従事者としての側面と、さらにscientistとしての側面、この2つをもつ職種であると考える。この強みを生かしながら、経験と知識を目の前の患者だけでなく、地域全体に活かせるような薬剤師になりたい。
Gさん:病院薬剤師の給与は低すぎる
医者と同様に患者さんの治療法を考える大事な存在だと思います。特に救急では、原因がわからない方が多く、時間もないので、長年の経験や知識が必要になると感じました。しかしながら、そのような責任のある職種であるのにも関わらず、日本では薬剤師の給料は低く(とくに病院)、価値が認められていないように感じます。私たちのような新しい世代の薬剤師が病院内で価値を認めさせ、今後の医療界を支えていく必要があると強く感じています。
透析看護雑誌「透析ケア」などで有名なMCメディカ出版よりナース向けの「透析患者の薬剤ポケットブック改訂3版」が出版されました。第2版から約5年ぶりの改訂です。この5年間で新たに経口の腎性貧血治療薬が登場しましたし、高カリウム血症治療薬や、下剤も新たなものが続々と登場して、多様化しています。薬剤はすべて最新情報で、ページ数は増やさず薬剤を入れ替えてコンパクトにしました。薬の特徴を簡潔に写真つきで解説しており、その場でサッと調べられます。看護師、薬剤師はもちろん、透析患者にかかわるすべてのスタッフが、透析患者への正しい薬の使い方を学ぶことができます。熊本の仲間の先生方との共著ですが、透析に関わる最初の92ページは平田が書いています。ぜひ本書を参考にしていただき,透析患者さんに薬の正しい使い方を啓発・指導していただければ幸いです。
エクササイズ
熊本大学時代にはとても忙しくて土日もほとんど出勤していた。好きなことをやっていたので苦痛では感じなかったが、ジムに行く時間的余裕がなかった。2006年からの最初の2年半は単身赴任で大学から歩いて1分の宿舎に住んでおり、昼食は学生と1000kcal以上あるヘビーなランチを食べに行き、歩行距離も少なく、空腹時血糖値が105になって、体力の衰えを感じた。そのため宿舎を出て少し離れたマンションを借りて、できるだけ歩くように心がけ、
嫁が熊本に来てくれて食事内容も劇的に良くなった。60歳になってから無理やり時間をとってジム通いを始めた。金曜日の夜などは朝まで大学で夢中になって仕事していたので、明け方5時ころ24時間開いているAnytimeというジムに通ってトレッドミルで10~20km歩いたり走ったりしていた。僕は歩いているとき、運転をしているとき、ジムでエクササイズをしているときなど、いつもイヤホンをして英会話を聴いたり、教育系オーディオブックを聴いたりして自分を高めようと心掛けている。無駄な時間がとっても惜しいと思うからだ。そして毎年2月には熊本マラソンに出場するため、いつもは67kgある体重を63kgまで落として、第2回熊本マラソンから5回連続出場して完走できたが、マラソン後はすぐにリバウンドして67kgになっていた。これは2月のバレンタインデーのチョコレートによるリバウンドかもしれない。
神戸に来てからは規則正しい生活になって、ほぼ毎日ジムに行けるのと前述の16:8ダイエットで、体重を63kgに維持しているが、筋肉量を増やしたまま、体脂肪は20%未満になるよう保っている。それとライフスパンではよくないとされているプロテインはジムでは摂取している。そのためいつもBUNが高く、医師から「脱水じゃない?」と疑われるが、これはプロテイン摂取のせいだ。超健康体になった僕の場合は、後期高齢者になるまでは太らない
ようにしようと気を付けて、1か月に少なくとも30万歩は歩くようにしている。そして最近はやりの高強度インターバルトレーニング(HIIT)。これは僕にとっては最近聞いた言葉だけど、DMM英会話で先生たちに聞いてみると、フィリピンやヨーロッパ、アフリカ、中米など世界中の英会話の先生たちはすでに知っていた。ということは世界中で流行しているトレーニングで、前回のライフスパンでも高齢者ほどHIITが老化予防に効果的で運動するほどテロメアが長くなるらしい。HIITでの適正な心拍数は208-0.7×Ageで計算できる。ちなみに僕は66歳なので、208-0.7×Age=208-0.7×66=162/分になるように30~40秒運動+15~20秒の休息を数セットやっている。死にそうになるきついトレーニングなので、健康な若い人にしかおすすめはしない。
ジムとサウナ
これについては以前にブログで書いたけど、熊大を定年退職後に神戸に引っ越し、熊本で週1回は行っていた大好きなチムジルバンとサウナ付き大浴場のある「あがんなっせ」に行けないのはとても残念なのだが、六甲道に住んでよかったのは、近くにサウナやジャグジーなど完備の大浴場のついたジム「セントラルスポーツ」があることだ。ほぼ毎日、1時間のウォーキング・ランニングと10~30分の筋トレの後はサウナを楽しむ。サウナと冷水浴の繰り返しは「整う」という快感(この後、いいフレーズが頭の中にあふれるように出てきて論文がいくらでも書ける)を与えてくれるし、寒冷刺激は体に適度なストレスをかけることによって、エピゲノムが混乱しないため老化防止にもとてもいいのだ。
サプリ
ミヤBMは家族みんな、ビタミンD(活性型ではなくネイティブのもの)は熊本で透析患者の骨ミネラル代謝異常の専門家、田中元子先生に「飲んだ方がいいですよ」と言われて以来、夫婦でずっと飲んでいる。僕は結構、他人に影響されやすいのです。もしも活性型ビタミンを処方されている人がいたら、カルシウムの併用は高カルシウム血症から多尿から脱水になって腎機能が悪化しやすいので気をつけて!
以前にブログで「健康を保つためにやっていること 前編・後編」を書きましたが、前回の「ライフスパン」という名著の影響を受けて、今、僕がやっている健康法についてまとめました。
16:8ダイエット
僕も66歳の高齢者で、一般的に加齢に伴って筋肉量が減るために、ダイエットはしない方が良いといわれているが、僕は20年前から糖質制限食を続け、5年前からジム通いをはじめ、体組成計による体内年齢は常に50歳以下だ。
とても元気でウエイトトレーニングを定期的にやっているので、筋肉量は増加傾向のため、さらなる健康追及のために内臓脂肪は減らしたい。食事はずっと以前から炭水化物・脂肪をできるだけ摂らないで食物繊維の豊富な野菜がメインで鶏肉、魚、卵、乳製品などを加えた食事を心がけている。朝食は自家製ヨーグルトと果物、野菜ジュースがメインだったが、David A Sinclair教授の「ライフスパン 老いなき世界」を読んでから、朝食を抜いて遅い昼食をとる「16:8ダイエット」を実施、おかげで楽に減量でき体脂肪率が下がった。16:8ダイエットは、例えば20時に夕食を摂ると、朝食は抜いて16時間後の12時に昼食を食べ、8時間以内に夕食を摂る。最初は空腹を感じたが慣れるとなんでもなくなり、昼食をたっぷり摂ると夕食時に食欲がなくて何も食べないこともあり、かなり体重が減る。僕は甘いもの、和菓子やチョコレート、アイスクリームが大好物だが、これをたくさん食べると当然、太って、体脂肪が増えていたが「16:8ダイエット」実施後は太らなくなった。今は170cm、63kg、BMI 22で体表面積1.73m2の標準体型を保っている。
でもあまり我慢しすぎるのもよくないので、気晴らしに週に1度は外食で好物のとんかつ(熊本の勝烈亭は最高においしい)、カツカレーなどの肉類やうどん、ラーメン、餃子(神戸市灘区にはおいしい餃子屋が結構ある)など好きなものを食べる。本来、「16:8ダイエット」ダイエットや軽い飢餓状態は細胞内での異常なタンパク質の蓄積を防いだり、過剰にタンパク質合成したときや栄養環境が悪化したときにタンパク質のリサイクルを行ったり、細胞質内に侵入した病原微生物を排除したりすることで生体の恒常性を維持するためのシステムの「オートファジー」を活性化することに意味があるらしい。
僕はその後、英検準1級を取得したものの、 実は英字新聞も満足に読めないし英語の小説も読めない、映画やテレビドラマも字幕がなければ完全には理解できない。プロ野球のヒーローインタビューで元大リーガーたちの話す英語は80%分からない(関係ないけど嫁の故郷、鹿児島の高齢者同士の会話は95%分からない)。
ラミレス前横浜監督の英語はネイティブスピーカーじゃなかったのでほぼ100%分かったけど。だけど医学論文だけは辞書なし、もちろんgoogle翻訳なしで理解できるし、国際学会に行っても、スライドがあれば日本語と全く変わらず理解できるようになったし、英語で質問もディスカッションもできるようになった。普通の英米人と話していても医学英語に関しては僕の方がはるかによく知っていた。これは半年のオレゴン州立大学での生活で伸びたのではない、まさに23歳の時にやった毎日、論文を訳してきた経験によるのだ。
今回、伝えたいことは、どうやったら英語が上達するのかではなく、どうやったら、自分に自信を持てるかという1例を若い人たちに知ってもらいたかった。そして、なにかを極めるためには努力じゃない。だって努力はつらいもの。つらいことは続けられないし、無理したら心を病んじゃう。ドキドキワクワクしながら夢中になってやることは自分を信じられないくらいに変えてくれる。でもちょっとだけ好きになる努力は必要だ。だから患者さんを好きになれない人、薬に全く興味のわかない薬剤師は早く転職したほうがいいとも思っている。いつも僕がいつも言うように「オタク」は天才に勝てるのだ。まさに23歳の時、夢中になってやっていれば、頭が多少悪くても何かができるんだ、ということをつかんだターニングポイントだったと思う。今井眞一郎教授の講演を聞いてこの時のころのことを思い出した。
後日談
結局、「中分子量物質が尿毒素」というのは完全な眉唾だった。今は誰もこの研究に関わっていない。僕はこの学会発表をするまでに、元気な人ほど中分子量物質濃度が高いという気がしてならなかった。図はその当時、僕の作ったスライドだが、
ピークa~cあたりが中分子領域といわれていたが、Bёrgstromに言わせると、これが高くなると尿毒症性の心不全で死亡しやすいと言っていたが、僕の測定結果では元気な人ほど高かった。BёrgstromやManの言っていることと全く異なったデータしか得られなかった。中分子量物質の正体が何だったのかよくわからない。ひょっとしたら下条文武先生が発見したβ2ミクログロブリンだったのかもしれないが、元気な人ほど食べているから、低分子蛋白やペプチド(微量のホルモンではなく栄養素としてのペプチド)などの濃度が高かっただけではないかと僕は思っている。この研究は1回の学会発表で終わったけれど、終えて良かったと思っている。なおこのころから10数年後、MacのPCが医学界を席巻するまでのスライドはすべて手書きだ。
ロットリングペンと製図用テンプレートを使って描いていた。すべて英文なのは格好をつけているんじゃない。薬剤師の研究に病院がお金を出してくれないから、自分で一番安上がりのスライドを作らなくっちゃいけない。ドクターはラフデザインを描くだけで天満橋にあるスライド屋さんが作ってくれ、病院がその代金の数万円を立て替えてくれていたが、薬剤師の僕たちは和文発表なのに、すべて英語で書かれたスライドを使わざるを得なかった、昭和の時代のことである。
長寿遺伝子のトップ研究者のワシントン大学の今井眞一郎教授が母校の慶応大学で講演した時のこと。学生の「オリジナリティのある研究テーマやビジョンをどうやって探せばいいのですか」という質問に対し、「1日1報、原著論文(アブストラクトではだめ)を全文読んでください。まずは1か月続けてください。1か月するとその分野で何が起こっているかが分かってくる。2か月続けるとばらばらだった知識が結合してくる(知識をブラッシュアップできる)。それを続けて3か月、つまり90報読むと、ほぼ何がこの分野で分かっていて、ここが分かっていないこと、これから何をやるべきかが分かってくる。」と答えていらっしゃり、大いに納得した。
大阪薬科大学の4年間は、高校までまったく自信がなく、女子と話すなんてできないくらいシャイだった僕が、いろんな先輩や友人のおかげで、人間的に成長できた素晴らしい4年間だったと思っている。でも悪い先輩たちから薬理と薬品製造と衛生以外は出席しなくてもいいというのを信じ込み、授業には全くついてゆけず、ほぼ最低の成績だった。卒業して研究志向は高いが、当時30床くらいしかなかった小さな透析をやっている個人病院の白鷺病院に入職し、1年後に「尿毒素としての中分子量物質」のテーマに興味を持った。透析で小分子は抜けるが中分子量物質は抜けが悪い。だから中分子量物質が蓄積して尿毒症を悪化させるというものだった。
学生時代はダメ学生だったので、目指した薬理学教室には成績が悪くて入れえず、仕方なく僕がお世話になっていた若い先生のもとで合成をやっていた。ただし申し訳ないことに合成には全く興味なく、合成反応後のクロマトによる結晶の精製に手間取り、先生方や同僚に迷惑ばかりかけていた。卒業発表でも質問に立ち往生しボロボロになりかっこ悪かった。でもこの時にやっていたクロマトグラフィーの技術が役に立ったのだ。透析患者の尿毒症体液成分を用いてSephadex G15を用いたゲルクロマトグラフィーを用いて分析するのだが、卒業して初めてクロマトの原理について1から学んだ。そして分析に取り組み、初の学会発表の機会を得た。分子量物質仮説についてはスウェーデンのBёrgstrom、フランスのManらがそれらの学説をけん引していた。関連する文献は英語論文ばかりで20くらいしかなかったが、医師から鋭い質問が来るかもしれないので、卒業発表のトラウマがあったためとても怖くなった。
この20の文献をメーカーに頼んで取り寄せ、それを毎日1つずつ読もうとした。その当時、一番多くの専門語の載っていたリーダーズ英和辞典を1万円も出して買って、論文に書かれているほとんどの単語の意味が分からないから、論文が鉛筆で書いた日本語訳だらけになった。
夜12時になっても訳せなかったが、次の日の仕事があるので、2時か3時までには病院の寮に帰るしかなかった。でもこれは全く苦痛ではなかった。1~2本読んだ時点で僕は白鷺病院で一番、中分子量物質について知っているという喜びを感じることができたから。誰も知らないことを知るって、楽しいじゃない?5本読めば大阪で一番の物知りに、20本読めば知識の上では日本のトップに立てるのだ。誰とディベートしても、たとえ東大の教授に突っ込まれた質問をしても勝てるんだという自信が持てる、だめ薬剤師としては初めてのワクワクドキドキする体験だった。1本の論文を全訳するのに深夜まで病院に残って2~3日かかっていたのが、そのうち1日1本訳せるようになり、辞書を引く回数が減った。20本を訳し終えた時には、1日2本読めるようになり、ほとんど辞書が要らなくなった。これは自分にとって大きな驚きだった。そして学会発表の時にも自信を持てたので、何が来ても、どんなえらい医師が質問しても怖くなかった。学生時代の卒業研究発表会とは違って、ワクワクしながら学会発表できたことを覚えている。