局所作用を示すロキソプロフェンパッチによる2件の急性間質性腎炎
PubMed検索では「Esflurbiprofen patch×AKI」、「Ketoprofen patch×AKI」では全くヒットしませんでしたが、「Loxoprofen patch×AKI」で見つかったのが、76歳の女性にロキソプロフェンパッチ投与によりネフローゼレベルの蛋白尿を伴う微小変化型の腎炎・間質性腎炎を発症した2014年の日本の報告です(図2)3)。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
フルルビプロフェン錠とエスフルルビプロフェンテープの薬物動態の違い
NSAIDsはRAS阻害薬、利尿薬と併用するとTriple Whammy処方と呼ばれ、高齢者の急性腎障害(AKI: acute kidney injury)のリスクになります。ロコアⓇテープやジクトルⓇテープは経皮吸収されて全身作用を示すNSAIDsの貼付薬でいずれも重篤な腎障害患者には禁忌になっています。ではこれらの薬による全身性副作用、つまり胃障害や急性腎障害はあるのでしょうか? この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
『NSAIDsによる腎障害 ~Triple whammyを防げ~』のテキスト(PDF)ダウンロードができます。
『NSAIDsによる腎障害 ~Triple whammyを防げ~』の目次です。
2日目:NSAIDsはTriple Whammyの1つ(その1)
3日目:NSAIDsはTriple Whammyの1つ(その2)
4日目:NSAIDsはTriple Whammyの1つ(その3)
5日目:NSAIDsはTriple Whammyの1つ(その4)
6日目:NSAIDsはTriple Whammyの1つ(その5)
7日目:Triple Whammy の片割れ、RAS阻害薬の利点・欠点
11日目:薬剤師の服薬指導でTriple whammyを防げれば
12日目:Triple whammyによる脱水を早期発見せよ
13日目:NSAIDsの腎障害は腎前性腎障害(腎虚血)だけじゃない
14日目:経口NSAIDsを使うとしたら腎障害の少ないエビデンスレベルの高いものは?
15日目:NSAIDsのパップ剤や全身作用する貼付薬は安全?
16日目:ワルファリンとNSAIDsを併用してはいけない本当の理由
17日目:米国で見た「Tylenol is not an NSAIDs」 というテレビCM
28日目:腎機能低下患者にはセレコキシブかアセトアミノフェンか?
29日目:(最終回)整形外科医のNSAIDs処方の実態と抗炎症作用
NSAIDsによる腎障害 ~Triple whammyを防げ~
29日目 (最終回)
整形外科医のNSAIDs処方の実態と抗炎症作用
「NSAIDsはよく処方するんだけど、実は僕は腎障害を起こした経験が1度もないんだ」、「NSAIDsは確かによく処方するけど、これによる腎障害ってほとんど報告がないよね」って整形外科の先生方から、聞くことがあります。でも薬剤性腎障害原因薬物のどの調査でも腎障害原因薬物の薬効群では抗菌薬かNSAIDsが1位か2位で、3位は抗がん薬というのは変わりません(図1, 図2:13日目の図1と同じです)。整形外科の先生はNSAIDsを高頻度に処方する科だと思いますが、ほとんど採血をしない科でもありますので、腎機能検査のオーダーをあまり出さないのも原因と思われます。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
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28日目 腎機能低下患者には
セレコキシブかアセトアミノフェンか?~UpToDateより~
14日目にセレコキシブは他のNSAIDsに比し腎機能が悪化しにくい報告が5報、800mg/日の高用量服用でも腎機能は悪化しなかったという報告が1報あることはすでに解説しましたが、2021年10月5日の第6回「基礎から学ぶ薬剤師塾」で「セレコキシブはNSAIDsの中でも腎障害が少ないといわれていますが,RAS阻害薬+利尿薬と同時に併用した場合は,やはり中止またはアセトアミノフェンに変更するべきでしょうか?」という質問をいただきました。その時、平田は腎障害になりにくい報告が6報あり、心毒性が低いことからもセレコキシブは捨てがたいと思いました。ただし、漫然投与は避けたいと思っていますので、可能であれば頓服でと思っていたら、セレコキシブのTmaxは2時間と頓服で使うには長いことが薬剤師塾の質問で判明しました。セレコキシブは効果発現時間が長いのが欠点かもしれません。ロキソニンⓇの活性体trans-OH体のTmaxは0.79hr, カロナールⓇ(空腹時服用)も同じく0.79時間と速やかに吸収されます。セレコシブは頓服ではやや使いにくいので、少し残念! この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
NSAIDsによる腎障害 ~Triple whammyを防げ~
27日目 NSAIDsによる心不全などの心血管病変
米国のNSAIDsの添付文書には警告として以下のような「重篤な心血管病変」の記載があります。「NSAIDsは、心筋梗塞や脳卒中を含む重篤な心血管血栓症のリスクの増加を引き起こし、致命的な可能性がある。このリスクは、治療早期に発症する可能性があり、使用期間と共に増加する可能性がある。冠状動脈バイパス移植片(CABG)手術時には禁忌である。」 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
NSAIDsによる腎障害 ~Triple whammyを防げ~
26日目 アセトアミノフェンについて深く知ろう
⑧アセトアミノフェンは効かない薬じゃない!~腰痛診療ガイドライン2019の深い謎~
「アセトアミノフェンは効かない」という声をよく効きます。ただし1回500mgという低用量で「効かない」って言っていないでしょうか?せっかく4000mg/日(この用量で連日投与すると欧米に比し小柄な日本人にとっては肝障害が心配ですが)という国際的用量を投与可能になったのに…。せめて600mg×4回/日または1000mgの頓服(2~3回/日まで)をしないのでしょうか。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
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25日目 アセトアミノフェンについて深く知ろう
⑦アセトアミノフェンの肝障害~埼玉県保険金殺人事件の真相~
アセトアミノフェンは小児・妊婦・高齢者にまで広く使用される安全な薬物ではありますが、この辺で副作用のことに触れてみましょう。実はアセトアミノフェンはWHOの報告では重篤な薬剤性肝障害のトップとされています(図1)1)。ただしこれらの多くは自殺企図などの極めて不適切な使用によるものが大半を占めます。 この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます
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24日目 アセトアミノフェンについて深く知ろう
⑥アセトアミノフェンの添付文書は明らかに間違っている
◆クイズ
以下の添付文書の記載はロキソプロフェンのものでしょうか?
アセトアミノフェンによるものでしょうか? この続きは登録ユーザーのみ閲覧できます